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図書館スタッフおすすめ本

 

2016/12/31

食事のメニューに困ったら読んでください

| by 図書館

 『一汁一菜でよいという提案』  土井義晴/著 グラフィック社 (市立596.0/ /16)

 「今日の夕飯何にしよう?…」と考えて、ちょっと憂鬱になる事ってありませんか?
仕事が遅くなったり、育児で疲れていたり、家族構成が変わってモチベーションが上がらなくなったり、様々な理由で、料理をするのを面倒に感じたことのある人は多いのではないでしょうか。逆に、料理をするのが少しも苦にならず、おいしい料理を毎日並べられる人もいるかもしれません。
この本はどちらの人にも読んでもらいたいと思います。

 料理研究家の著者がすすめる一汁一菜の基本とは、ご飯と、具だくさんの味噌汁と、漬物です。
えー!たったそれだけでいいの?と私も最初は驚きました。
本書には、実際著者が食べている「繕わない味噌汁」と題した写真が載っています。ベーコン、ハム、たまご、きゅうり、とまと等、様々な食材が味噌汁の具になっています。
 又、誰かと一緒に食べる「体裁を整えた味噌汁」というのもあります。
どちらもバラエティに富んだ味噌汁です。これならどんな日も作れ、栄養もとれそうです。さらに、手作りであるのに手間がかからない。良いことがいっぱいです。 

 でも、手抜きって言われない?毎日これでは物足りないのでは?と不安も生まれます。

本書の中で、著者は、一汁一菜とは、「システム」であり、「思想」であり、「美学」であり、日本人としての「生き方」だとしています。

 古来から日本には、ハレの日(特別な日)に食べる手の込んだご馳走と、ケ(日常)の食事との区別がありました。又、旬の食材を楽しむことで、季節を感じる事ができます。食事をシンプルにすることで、現代人が失いつつある日本の食文化を取り戻すことが出来るのかもしれません。

 手間をかけなくても日常を丁寧に繰り返す事で、ちょっと肩の力を抜いて、一汁一菜の料理でできた時間を自分のために使ってみるのも良い。と著者が優しく語りかけてくれます。


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