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図書館スタッフおすすめ本

 

2017/11/01

やり残したことがあるから…

| by 図書館

    『青空のむこう』   アレックス・シアラー/著、金原瑞人/訳 求竜堂 (市立・書庫/933/シア/02)

 青い空と白い雲。その上を走る少年。とても明るい印象を受ける表紙です。
この本と出会ったのは12歳の時、小学校の卒業式の日でした。担任の先生に頂いて、家に帰るなり夢中になって読んだように思います。

 物語は、主人公の少年ハリーの一人称で語られます。ハリーはある日突然事故に遭い死んでしまいます。人は死んだらどうなるのだろう、誰もが一度は考える問題かもしれません。この物語では、ハリーが体験する「死者の国」と、死者の視点から見た「生者の国」が、ユーモラスな登場人物とハリーの軽妙な語り口で展開します。

 ハリーは死者の国で出会ったアーサーに、大抵の人は手続きを終えたら「彼方の青い世界」へ行くと教えられます。しかし、やり残したことがある人は、「彼方の青い世界」へは行けません。ハリーの心には、最後に姉に言った言葉が引っかかっていました。「ぼくが死んだら、きっと後悔するんだから。」 学校、教室、そして家族のいる家。やり残したことを片づけるために、姉に本当の思いを伝えるために、ハリーは生者の国へ飛び降ります。
 はたしてハリーは、やり残したことを片づけて、「彼方の青い世界」へ行けるのでしょうか。

 今でも節目の時などに読み返すたび、この本は、後悔しない生き方をしたいと思い立たせてくれます。


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