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図書館スタッフおすすめ本

 

2018/11/01

〝本が売れない〟現実と〝本を売る〟ための悪あがきの物語

| by 図書館

 『拝啓、本が売れません』 額賀 澪 (ヌカガミオ)/著 KKベストセラーズ (市立・成人 023.1/ /18)


 私は趣味では基本小説しか読まない人間です。しかしせっかく図書館で働く身だから、と普段は足を運ばない棚で本を探してみました。そのとき出会った本がこちら。ちなみに本を手に取った理由は表紙でした。

 この本は、額賀澪という2015年に「松本清張賞」と「小学館文庫小説賞」をダブル受賞した作家が、≪本が売れない≫現実を思い知り、本を売るために何をしたらいいのかを関係者に問いながら発見していくノンフィクション小説です。


 作中には編集者、書店員、装幀人など作家以外の本を売る側の人が登場します。本が売れるのは、作家にとって、とても大事なこと。そのために何をしたらいいのかを考え、聞き、行動に移す姿は、今や将来、本に関わる仕事をする人はもちろん、一読者としても興味深いものになるのではないでしょうか。売り方の一つに表紙の話もあり、この本を表紙借りした私はドキリとしました。まんまと策にはまってしまった……ということです。


 私はこの作家の本を読んだことがありません。しかし、この一冊を通してこの作家の文章の読み易さを知り、人となりを覗き、売れる本を作り出そうとする仕掛けに、この作家の本を近いうちに読むことを決めました。新しい作家との出会いに成功したのです。ここでは、新たな出会いとなったこの本をおすすめしますが、いつも読まない棚から本を手に取ってみるのも、たまにはいいかもしれません。新しい出会いがあるかもしれませんよ。


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