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図書館スタッフおすすめ本

 

2019/03/01

『超』短編小説の世界へ

| by 図書館

 『54字の物語』 氏田 雄介/作  PHP研究所 (913.6/ウシ/18)

 みなさんは「短編小説」や「ショートショート(掌編小説)」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?この2つには明確な区別があるわけではないのですが、多くの場合、ショートショートは短編小説よりさらに短い物語を指す言葉として使われています。ショートショート作家として有名なのが、星新一や阿刀田高。特に星新一は、生涯で1,000作以上のショートショートを発表したと言われています。

 今回おすすめする『54字の物語』は、ショートショートを読むのが好きだという方や、あまり長い話はちょっと…という方におすすめの『超』短編小説集です。タイトル通り、1つの物語がたったの54字(句読点を含む)で完結しています。そのため、1つ読むのに1分もかかりません。私も「こんな字数で物語として成立するの?」と半信半疑で読み始めたのですが、とても面白く、あっという間に最後まで読み切ってしまいました。

 構成は2ページで1作品となっており、まず1ページ目に9マス×6行=54字の作品が掲載されています。そしてページをめくったところに、前ページの作品の解説が書かれています。54字では書き切れなかった詳細な舞台背景なども、この解説ページに載っているので、何度読んでも意味がわからない…という場合も、解説を読めばすっきりします。もちろん、作品だけを読んで自分なりに意味を考えてみるのも、ちょっとした頭の体操になりますよ。

 本の最後には、実際に54字の物語を作る手順も掲載されています。読み終わったら、今度は自分なりの物語を作ってみるのも、楽しいかもしれません。


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