マルチな海藻「ふのり」
『ふのりと日本人 暮らしを繋ぎ、文化を繋ぐ海藻。』 平賀 大蔵/編集 鳥羽市立海の博物館(市立・地域 L667//26 禁帯出資料)
「ふのり」とは岩場に生える海藻のこと。
海女や漁民により採集され、古くから食用、糊などとして活用されてきました。
この資料は、今年の4月5日まで鳥羽市立海の博物館で開催されていた「ふのり」にスポットライトを当てた特別展の図録で、「ふのり」の歴史、加工法、現状などが紹介されています。
「ふのり」の歴史は古く、古代の史料にもその名が登場します。
食用、関取がつける「さがり」、織物・型紙・筆の制作、そばのつなぎ、文化財(日本画や掛け軸)の修復などさまざまな用途で利用されてきました。
特に、文化財の修復では「ふのりに代わるものはない」と言われているほどだそうです。
しかし、現在その加工を行っているのは2社のみのようで、存続が危ぶまれています。
私はこの資料で初めて「ふのり」を知り、その多様性に驚きました。
そして、これからも失われず受け継がれていってほしい伝統・文化のひとつだと強く感じました。
※本書は禁帯出資料です。地域資料室内でご覧いただけます。