図書館スタッフおすすめ本
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マルチな海藻「ふのり」
『ふのりと日本人 暮らしを繋ぎ、文化を繋ぐ海藻。』 平賀 大蔵/編集 鳥羽市立海の博物館(市立・地域 L667//26 禁帯出資料)
「ふのり」とは岩場に生える海藻のこと。
海女や漁民により採集され、古くから食用、糊などとして活用されてきました。
この資料は、今年の4月5日まで鳥羽市立海の博物館で開催されていた「ふのり」にスポットライトを当てた特別展の図録で、「ふのり」の歴史、加工法、現状などが紹介されています。
「ふのり」の歴史は古く、古代の史料にもその名が登場します。
食用、関取がつける「さがり」、織物・型紙・筆の制作、そばのつなぎ、文化財(日本画や掛け軸)の修復などさまざまな用途で利用されてきました。
特に、文化財の修復では「ふのりに代わるものはない」と言われているほどだそうです。
しかし、現在その加工を行っているのは2社のみのようで、存続が危ぶまれています。
私はこの資料で初めて「ふのり」を知り、その多様性に驚きました。
そして、これからも失われず受け継がれていってほしい伝統・文化のひとつだと強く感じました。
※本書は禁帯出資料です。地域資料室内でご覧いただけます。
燃える闘魂 INOKI BOM-BA-YE
『アントニオ猪木 闘魂60余年の軌跡』 瑞 佐富郎/著 新潮社 (市立・成人 788.2//22)
なぜこの男はこれほど人々を魅了するのか。後輩レスラー藤原喜明、長州力、佐山聡、髙山善廣などなど。モノマネ芸人春一番、アントキの猪木、アナウンサー古舘伊知郎・・・。数え上げればきりがない。プロレスを知らない人でも知っている唱和「行くぞー、1、2、3、ダァー」。
世界に「INOKI」の名を轟かせたモハメド・アリ戦、決闘の地・巌流島でのマサ斎藤との時間無制限無観客無レフェリー試合、愛弟子、藤波辰巳との時間切れ引き分け試合などなどこちらも数え上げれば終わりがない、まさに時間無制限。
国際政治にまで影響を与えた男の素顔とは?あの名勝負の舞台裏とは?新宿伊勢丹前襲撃事件の真相は?
そしてあの有名な「道」。「この道を行けばどうなるものか、(中略)迷わず行けよ、行けばわかるさ、アリガトーッ」。猪木さんならきっとこう言うだろう。「この本を読めばどうなるものか、迷わず読めよ、読めばわかるさ」。
ぜひご一読いただきたい。
あやうく一生懸命、生きるところだった。
『あやうく一生懸命生きるところだった』 ハ・ワン/文・イラスト 岡崎 暢子/訳 ダイヤモンド社 (市立・成人 159//24)
「何もしない時間がほしいなぁ(疲れているのかも)」と思っていたとき、この本に出会いました。
いつも全力で日々を走り続けていると、自分がどこに向かっているのかわからなくなってしまうことがあります。
だからこそ、ときにはブレーキを踏んでもいいはずです。
『あやうく一生懸命生きるところだった』は、その努力をちょっとお休みして、自分らしく生きるためのヒントが詰まった一冊。
ページをめくるたびに、肩の力が「ふっ」と抜けていくのを感じられます。
忙しい日々を少しだけ抜け出して、贅沢な「余白」を楽しんでみませんか。
災害はきっと起きてしまうから、その後のことを考えよう
『今さら聞けない防災の超基本 地震・津波・台風・猛暑・豪雪etc.から命を守る』 永田 宏和/監修 朝日新聞出版(市立・成人 369.3//25)
近年、地震や豪雨など災害のニュースを目にすることが増えたように思う。特に大雨被害なんて頻発しているので、数十年に一度なんて嘘やん、と思っている。発災後、日常を取り戻すまでの辛い生活を思うと恐怖しかない。職業柄か性分なのか、「今、地震が起きたらどうなるだろう」とか、「浸水被害にあったらどうしよう」とか、ふとしたときに不安でいっぱいになる。
「防災」って何をすればいいのか。いつだって「想定外」がある。「こうしておけばよかった」は、あとからなら言えるけど、それって間に合ってない。被災後で困ってる時点で言っても、なんの役にも立たないじゃん、って思ってしまう。
この本には、発災時のシミュレーション、災害への備え、避難生活の基本、被災後の生活再建などが分かりやすく紹介されている。被災した後のイメージトレーニングがしやすくて、かなりおススメできる。
人は一度経験したことには耐性がつくようにできているらしい。実際に被災してしまう前にイメージトレーニングを繰り返しておけば、「起きてほしくないけど、きっと起こってしまう災害」を乗り越えていけるような気がする。
この場所、昔はこんな風景だったのか!
『保存版 四日市今昔写真帖』 岡野 繁松・森 逸郎/監修 郷土出版社(市立・地域 L223//01)
今回ご紹介するのは、明治から平成までの四日市や三重郡のまちの様子を収めた写真集です。商店街や病院、学校、映画館など、当時の風景だけでなく、人々の日常が生き生きと写し出されています。
自分が生まれる前の時代でも、なぜか懐かしさを感じる一冊。昔を知る方には「あの頃」を思い出すきっかけに、若い世代には自分の暮らすまちの新たな一面を発見できる内容です。
ご家族や友人と写真を見ながら語り合うのもおすすめです。気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。
「世界のかけら」見てみませんか?
『世界のかけら図鑑 The collection of the beautiful pieces in the world』 古河 郁/著 KADOKAWA(市立・成人 404//24)
本のタイトルと、表紙の印象的なイラストに惹かれて手に取った一冊です。
フラクタル、魔法陣、ラプラスの悪魔。スプートニク、月の石。
何となく聞いたことはあるけれど、よく分からないまま生きてきた言葉。
この世界を構成するそんな概念や知識が「世界のかけら」として紹介されています。
天文学・物理学・数学・生物学に関する72の「世界のかけら」。
12名のイラストレーターによる素敵な挿絵と共に、分かりやすく解説されています。
それぞれ見開き1ページで構成されているので、どこから読んでも大丈夫。
まずは目次を開いて、心惹かれる「世界のかけら」を探してみてください。完全に文系な私でもイメージを膨らませながら愉しめる一冊でした。
また、関連図書や参考文献・資料も丁寧に記載されているので、興味を持った分野について、さらに探求する手がかりにもなります。
荒廃と再生-意図せぬユートピア-
『人間がいなくなった後の自然』 カル・フリン/著・木高 恵子/訳 草思社 (市立・成人 290.9//23)
「人間がいなくなった世界」というと、皆さんはどういったことを想像しますか?
建築物や道路などに覆われた場所は、やがてあちこちから植物が生え、経年による人工物の崩壊を手助けし、やがて本来の自然の姿に戻っていく。
それが私のイメージでした。
廃棄物による汚染、紛争など様々な理由で見捨てられた場所や地域。
一見すると人にも他の生物にも非常に過酷としか思えません。
本書では、そのような場所で、失われていた植生や生態系が再生、あるいはそれまでと異なる形で再形成される事例が紹介されています。
さらには、周囲の過酷な環境、安易に人間が立ち入ることができなくなったことで希少な生物の生存圏が守られる事例、新たな生態系同様、新しくやってきた人々が独自のコミュニティを形成し生活する事例も紹介されます。
人間が介入し、開発し、汚染し、やがて見捨てられた土地に新たな生態系が生まれる。
人間のエゴとともに、環境に適応し与えられた状況を利用する生命のしたたかさを感じました。
自然という大きな枠組みの中で人間がどのような役割を果たしているのか?
熊と人間をめぐる昨今の出来事も含め、自然と人間の関わりについて改めて考えるきっかけになりました。
文豪の作品に出会えるシリーズ
『百年文庫 全100巻』 ポプラ社(1-54巻:市立・成人 908.3//10 55-100巻:市立・成人 908.3//11)
文豪の作品を読んでみたい。でも、どの本を読んだらいいか分からない。そんな方におすすめなのが『百年文庫』です。
全100巻のシリーズで、1冊ごとに3人の文豪の作品が収められています。短編集なので読みやすく、手軽にバラエティ豊かな作品に触れることができます。
1巻から順に読む必要はありません。まずは、好きな文豪の作品が含まれた巻を読むのもよいでしょう。また各巻のタイトルは、漢字一文字で収録作品のテーマを表しているため、好きなタイトルを選んで読むのもよいでしょう。
以下に、これからの季節におすすめの「秋」にちなんだ4巻、6巻を紹介します。
・『百年文庫4 秋』ポプラ社(市立・成人 908.3//10)
「流行感冒」志賀 直哉/著
「置土産」正岡 容/著
「秋日和」里見 弴/著
・『百年文庫6 心』ポプラ社(市立・成人 908.3//10)
「正直な泥棒」ドストエフスキー/著・小沼 文彦/訳
「秋」芥川 龍之介/著
「田舎」プレヴォー/著・森 鴎外/訳
俳優 高橋英樹の記録写真集
『逢愛傘 Ai Ai Gasa 高橋 英樹』高橋 美恵子/著 エル・エージェンシー(市立・成人 778.2//25)
『逢愛傘』…なんて微笑ましいタイトルで、そしてなんと格調高い装丁だろうと思い、胸が高鳴りました。
この本は、俳優 高橋英樹さんの傘寿と金婚式を記念して、妻の美恵子さんが編集長となり、スタッフとまとめたものです。
表紙をめくると、高橋さんの細やかであたたかい言葉が添えられています。
63年間にわたる映画や舞台、テレビドラマでの貴重な写真や記事で構成されており、撮影合間の飾らない表情等も見ることができます。
私は、時代劇もサスペンス劇場もバラエティー番組での豪快なあたたかい笑顔も大好きでしたので、とても懐かしく、幸福感につつまれました。
なお、この本は700冊限定で作成された非売品とのこと。ぜひ、ご利用ください。
140字の物語
『恋はいつも少し足りない 140字で切ない結末』 神田 澪/著 宝島社 (市立・成人 913.6/カン/24)
長い文章を読むのは苦手ですが、短い文章なら読んでみたいなと思って探していました。
本書は、背表紙に「140字で切ない結末」とあるように、短い物語がたくさん収録されています。
140字ですので、1つの物語は7~8行です。
白地のページ以外に、物語の内容によっては黒地のページ、可愛いイラストもあって、目で見ていても楽しいです。
自分に刺さるお話、刺さらないお話、いろいろありますが、どんどん読んでどんどんページをめくります。
200ページあるので全部は読めないかなと思って読み始めたのですが、あっという間に読み終わりました。
今、毎日を忙しく過ごしている中で忘れてしまっていた思い出はありませんか。
当時、自分が抱いていた気持ちをことばにしてもらったような、そんな懐かしい物語と出会えるかもしれません。
よかったら読んでみてください。