図書館スタッフおすすめ本
宇宙旅行へGO
この本は宇宙の地図です。ですが宇宙の見せ方にちょっと工夫があります。
最近は近県への旅行すらままならないことが多かったと思います。この本を手に、いっそ地球の外、宇宙への旅行に出かけてしまってはいかがでしょう。
ホラーではありません!? 愛の写真集です
ぬいぐるみと言っても、ただのぬいぐるみではありません。とにかく愛されすぎたぬいぐるみなのです。ページをめくって頂ければどんなに愛されたかが一目で分かります。
四日市を知るなら、まずはコレ!
うつし世は夢 よるの夢こそまこと
『江戸川乱歩大事典』 落合教幸/編 勉誠出版 (市立・参考 R910.26/エト/21)
巨大な多面体「乱歩ワールド」を、文学、メディア史、社会学など、広範囲の分野から案内する本書は、戦後から昭和の高度経済成長時代の子供時代を過ごし、少年探偵団シリーズやテレビ放映の明智小五郎シリーズで大いに楽しませてもらった大ファンにとっては、様々な希望に応じた知識を授けてくれる優れものです。
生誕百年を経て、未だに我々を魅了し続ける乱歩の創作・思考の背景にあるものとはいったい何か?
乱歩の形成した人的ネットワーク、そして彼の生きた時代、戦前戦後という文化事象、出版文化の展開と共に花開いた雑誌・メディアなど乱歩ワールドの広がりを体感できる初の大辞典です。作品が書かれた当時の時代背景や政治、人間心理、メディア、美、エロス等、どこを切り口にしても尽きることのない金太郎飴のような豪華さです。これまで乱歩の作品に親しんできた人はもちろん、これから乱歩ワールドに踏み込んでいく人にもおすすめの一冊となっています。
(注:本書は参考図書につき貸出はできません。館内閲覧のみとなりますので、ご了承ください)
余談となりますが、個人的に一番好きな乱歩作品を吐露させて頂くことをお許し頂けるなら、『パノラマ島綺談』をあげさせてください。三重県鳥羽のとある人工島を舞台にした壮大なスケールと豊かなエンターテイメントの世界が融合したダイナミックな作品です。乱歩は三重県出身で鳥羽の造船所で働いていた経験から、海や孤島を背景にした作品を複数書いており、大宴会の場面での豪勢な伊勢海老の舟盛りの描写など説得力があり、イメージが浮かんでくるようです。『江戸川乱歩作品集 3』(江戸川 乱歩/著 岩波書店(市立・成人 B913.6/エト/18))等にも収録されておりますので、 興味のある方はぜひご一読ください。
作るの好きなのに・・・
『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』 コウ ケンテツ/著 ぴあ (市立・成人 596.0//20)
もともと料理は好きなのに時間に追われ、これでいいのか毎日モヤモヤ・・・。
量は足りている?味付けは濃すぎない?栄養バランスは大丈夫?
楽しく食べられればOK!とゆるーく決めているつもりではいても、いろいろ気になってしまう。
そんな時に出会ったのがこちらの本。
あー分かる分かるとうなずくエピソードがたくさんあり、無理のない範囲でできることだけで十分という言葉になんだかホッとしました。
最終章には簡単レシピも掲載されています。そのまま作ってもアレンジしても楽しめますよ、よろしければお試しを。
夢の国への冒険
『東京ディズニーシー20周年クロニクル』 ディズニーファン編集部/編 講談社 (市立・成人 689.5//21)
「次の休日はどこに行こう?何をしよう?」
…きれいな景色に癒されい!
…かわいいキャラクターに会いたい!
…アトラクションで大興奮を味わいたい!
このような気分の時、テーマパークにいきたいと思うこともあるでしょう。
テーマパークは、世代を超えて楽しむことができます。ただ、時期によっては入場制限が発生することもあり、必ずしも全員が行きたいときにすぐ現地に行けるとは限りません。
そこで、直接足を運ぶよりも簡単にテーマパークを楽しむことができる方法があります。その方法とはずばり、本を経由する方法です。本という手段を利用することで、交通機関や入場チケットの購入の必要もなければ、車を運転する必要もありません。
本を読み進めていくとアトラクションやキャラクターを「見て」楽しむことに加え、写真付きで細かく紹介されているディズニーシーの歴史を知ることができます。まるで自分がタイムスリップし、ディズニーシーと共に20年間を歩んでいるような気持ちになります。
ディズニーシーは今、20周年のイベントの真っ最中です。また、2023年にはファンタジースプリングスもオープンします。
まだ見ぬエリアを一足先に楽しむことができるのも、この本ならではの魅力の一つです。
よろしければ本から出発して、パークへ冒険に出かけませんか?
ゼロから学ぶ宇宙論
『ざっくりわかる宇宙論』 竹内 薫/著 筑摩書房 (市立・書庫 443.9//12)
宇宙論と聞くと、難しそうだなと思う方も多いと思います。
実際、私は宇宙論と聞いて難しそうだなと感じました。しかし、読んでみると所々にイラストや分かりやすい例えが用いられ、理系を専攻していなくとも読みやすく書かれています。宇宙にまつわる数百年前の仮説から最新の研究に基づく理論までいろいろな宇宙論が登場し、著名な科学者たちが宇宙をどのように捉えているのかを知ることができます。
これから宇宙について学びたい方、少しでも宇宙に興味を持たれた方は、ぜひご一読ください。
韓国SF
『わたしたちが光の速さで進めないなら』 キム・チョヨプ/著 早川書房 (市立・成人 929.1//20)
日々たくさんの本に触れていますが、普段手に取るのは自分の好きなジャンルや作家の本ばかり。
何か新しいものに挑戦したいなと思っていたところ、不思議な光景が描かれた装丁の本を見つけました。地球と月と寂れた宇宙ステーション。『わたしたちが光の速さで進めないなら』は7篇の短篇からなるSF小説集です。
SFの有名な作家や小説は、図書館で見たり聞いたりはしますが、今までSF小説を読んだことはありませんでした。宇宙戦争や人類滅亡、ロボットによる支配などなど、何となく怖いというイメージがあったからかもしれません。
この小説集は、そんな先入観を見事に払拭してくれました。
舞台となる時代や場所は短篇によって様々ですが、全体を通して感じられるのは、どんな状況であっても人間が人間であることは変わらないんだということ。たとえ宇宙に取り残されても、改造人間になっても、図書館から紙の本がなくなって(!!)も、喜びや悲しみ、憧れや懐かしさ、そういった感情を持つ人間の心は無くならないんだ・・・
読み終えたとき、すべてが愛おしくなるような温かい気持ちになりました。
新型コロナウイルスのパンデミックをテーマにした『最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集』(市立・成人 929.1//22)もおすすめです。
興味がわいたらぜひ、読んでみてください。
なんなん、「現代川柳」?
『はじめまして現代川柳』 小池正博/編著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//20)
????川柳といえば?
「サラリーマン川柳?」「シルバー川柳でしょ」「お~いお茶に載ってるやつ!」
……ですよね。でも川柳、ほんとはそれだけじゃないんです。
百聞は一見に如かず。いくつかご覧いただきましょう↓
妖精は酢豚に似ている絶対似ている/石田柊馬
「「「「「「「「蚊」」」」」」」」 /川合大祐
切れとはぷっつんぞなもし/渡辺隆夫
たぶん彼女はスパイだけれどプードル/兵頭全郎
☆定礎なんかしないよ ☆繰り返し/暮田真名
……なんじゃこりゃ、と思われましたか。思われたあなた、正解です。ようこそ、自由でむちゃくちゃで、ぶっ飛んだ世界へ。
あるあるを去り、私性に走り、それをも突き放した末にできちゃったことばの世界。これらの川柳はまとめて「現代川柳」と呼ばれています。『はじめまして現代川柳』は、その代表作家35名の作品を、76句ずつも収録した特盛アンソロジー。現代川柳を浴びるように楽しめること請け合いです。
もしご興味がわいたら、他にも以下のようなアンソロジーがあります。
『金曜日の川柳』 樋口 由紀子/編著 左右社 (市立・成人 911.46//21)
『近・現代川柳アンソロジー』 桑原 道夫/編 新葉館出版 (市立・成人 911.46//22)
さらに個人句集では、
『リバー・ワールド』 川合大祐/著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//21)
『そら耳のつづきを』 湊 圭伍/著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//21)
『成長痛の月』 飯島 章友/著 素粒社 (市立・成人 911.46//21)
なども。ついでに言うと地域資料室には、現代川柳の同人誌『川柳どうぶつえん』(禁帯出)があります。
現代川柳、いま、まさにいちばんおもしろいことばの大波です。ぜひ触れてみてはいかがでしょうか?
はじめにピザのサイズがあった/小池正博
それ、捨てちゃっていいの?
『捨てない生きかた』 五木 寛之/著 マガジンハウス (914.6/イツ/22)
断捨離ブーム真っただ中の現代社会。そのような時代、捨てないことの大切さに焦点を当てて語りかけてくるこの本は、ガラクタに囲まれて暮らしている身には自己肯定されたような、なんともホッとできる内容でした。
この本で作者は、自分が何故モノを捨てられないかという理由を語ってくれます。その理由とは、モノにはすべて記憶があり、そのモノを手にする時、他者には決して理解してもらえない自分の想いが残されているからなのだそうです。
作者にとっての記憶を呼び覚ますモノとは、物理的な物だけとは限りません。例えばたったひとつのメロディーからでも、懐かしい香りからでも、記憶は覚醒してくるのです。
ここから、作者の視野はさらにひろがってゆきます。捨てないモノの対象には、例えば、どこかの町に残っている碑、地方の方言、言い伝えの伝承といったものも含まれています。それらを通じて、未来の人間は過去の記憶や人々の想いとつながりを持つことができるからです。
小説、エッセーで多くの人々に親しまれる作家が記すモノを捨てない生き方。雑誌のような気楽さで肩こらずに読める一冊です。