図書館スタッフおすすめ本
素敵なマンガ、どうじょどうじょ
『B&D』 ほし よりこ/著 マガジンハウス(市立・成人 726.1/ホシ/15)
ご存じでしょうか、図書館では、マンガも所蔵しています。
数は多くないですが、一度読むとくせになり、どうにも忘れられなくなるようなマンガを、実は所蔵していたりします。その一冊が、今回紹介する『B&D』です。
『きょうの猫村さん』で著名な、ほしよりこ先生作。あちらが長期連載なのに対し、こちらは一巻完結です。天才幼児チィチィ(3歳)とそのお兄さんテイチ、さらに飛び級で進学するチィチィを取り巻く少年・青年・先生たちの日常が、見開き2ページ=一話のペースでテンポよく描かれていきます。
このマンガ、なぜか男性しか出てきません。しかもチィチィは天才なので、周りも冴えた人ばかり……いや、冴えすぎて一転、愛らしい人ばかり。各話ほぼなんでもない会話に終始しますが、その中に突然、目を瞠(みは)るほど輝くセリフが飛び出してきます。
「自分の百点をあげようとするなんて絶対しちゃいけない事なんだよ」
「雨やどりの時にさ タバコプカーとふかしてな 煙が雨に打たれてるとこ見んの、大好きなんだよな」
「いいから秋野も数えろよ 数も数えられないもったいぶった人生かよ」
ほし先生のえんぴつ画の画風も相まって、何度も味わいたくなるセリフ、多数。
それとは別に、日常生活で使いたくなるセリフも、多数。
「ちんどうってよばれてる」
「どうじょどうじょ」
「ちっかりちろよっ!」
「ちゅきなんだぜ オレたちのこと」
私は使っています。気になるでしょう。ぜひ一度お読みになって、「いかちた会話、ちてこうぜ。」
「歴史を歩く旅へいざ!」
『歩いて学ぶ日本古代史 全3巻』 新古代史の会/編 吉川弘文館(市立・成人 210.3//25)
皆さんは、遺跡を訪れたことはありますか?
もしかしたら、三内丸山遺跡や吉野ケ里遺跡、平城宮跡などを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
私は学生時代に歴史(日本古代史)を勉強していて、休日には関西圏を中心に遺跡巡りや博物館巡りをしていました。
この本を手に取った時、私が大学で研究していたテーマについても触れられていたことを知り、卒論を書く前に出版されていたらさぞ頼もしいものだったなと思います。
本書は、古代史の舞台となった重要な遺跡や、有名な場所を取り上げ、その歴史的な意義を最新の研究成果をふまえ、分かりやすく解説しています。
第1巻から第3巻まであり、通読すれば、古代史の実像が見えてきます。
各項目の最後には、実際に訪れて体感することができる遺跡や資料館、博物館HPの二次元コードを載せており、より詳しい情報に素早くアクセスすることができます。
また、第2巻では、四日市の古代とも深いかかわりがある久留倍官衙遺跡についても紹介されています。
皆さんもお気に入りのスポットを見つけて、歴史を体感してみませんか?
関連本
・『壬申の乱を歩く』 倉本 一宏著 吉川弘文館(市立・書庫 210.3//07)
古代史上最大の内乱、「壬申の乱」の行程をたどった本です。
四日市についての記載があります。
・『人物で学ぶ日本古代史 全3巻』 新古代史の会/編 吉川弘文館(市立・成人 210.3//22)
平和について「いま語りたいこと」とは・・。
『私の戦後80年、そしてこれからのために』 岩波書店編集部/編・赤坂 真理/ほか著 岩波書店(市立・成人 304//26)
戦後〇〇年という言葉をこれまでも毎年のように聞いてきました。
そして、2025年には、ついに1945年以前生まれが総人口の約12%となってしまったそうです。
この本は、戦争体験者の100歳から19歳の大学生までの人たちが「いま語りたいこと」を寄せています。
戦争や平和の大切さについて、それぞれの思いを世代や立場を超えて伝えています。
今を生きるわたしたち、そしてこれからの世代に向けて、ぜひ読んでほしい本です。
いつまでも歌い続けられる歌がある!
『生きてりゃいいさ 河島英五伝』 花房 観音/著 西日本出版社(市立・成人 767.8//25)
「生きてりゃいいさ 生きてりゃいいさ そうさ 生きてりゃいいのさ 喜びも悲しみも立ち止まりはしない めぐりめぐっていくのさ」(河島英五の歌「生きてりゃいいさ」より抜粋)
日本酒のCMで大ヒットした「酒と泪と男と女」をつくった河島英五は、亡くなる3日前までステージに立ち続けて、2001年4月に48歳でこの世を去った。
本書は、英五の歌を題材にして家族を心から愛した英五の生きざまを綴(つづ)っている。河島ファミリーから聞いたエピソード、笑福亭鶴瓶・桂南光・原田伸郎らの回想録からは、人間味あふれる英五の姿が浮かび上がる!「何かいいことないかな」、「酒と泪と男と女」、「時代おくれ」、「生きてりゃいいさ」、「旧友再会」、「月の花まつり」、「百年たったら」…。英五の歌は心に響くメッセージをたくさん残してくれた。
2026年4月で、英五が亡くなって25年になるが、英五の歌は、今日もどこかでだれかが歌っている。そしてこれからも英五の歌は、いつまでも歌い続けられることだろう!
ハンセン病療養所は今…そしてその後の行方は?
『あなたがたの島へ ハンセン病療養所と私』 沢 知恵/著 岩波書店(市立・成人 498.6//25)
『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史 園歌はうたう』 沢 知恵/著 岩波書店(市立・成人 767.6//22)
「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない」(明石海人歌集『白描』序文より)
ハンセン病療養所の入所者の多くは、凍てつくような孤独をいつしか溶かすために、熱い炎で自らを燃やさねばならなかったのです。
1996年に「らい予防法」は廃止されたが、療養所の生活は今も続いている。『あなたがたの島へ』によると、2025年6月末現在、全国の療養所の入所者は615人で平均年齢は88歳を超えた。療養所の役割は終わろうとしているが、ハンセン病問題はいままさに正念場に差しかかっている。最後のひとりまで今いる療養所で安心してくらせるのか?だれもいなくなった療養所の納骨堂はだれが守るのか?何をどのように残し伝えていくか?
大島青松園を生後6か月で初めて訪れた著者は、約20年ぶりに島を再訪し、以後は島に通い続けている。島の教会で発見した園歌の楽譜には、民族浄化・一大家族・楽土という歌詞が…。だれが何のためにつくったのか?入所者はどんな気持ちでうたったのか?他の療養所にも園歌があったのか?…。さまざまな疑問を解決するために、著者は全国の療養所を訪ねて回った。
この2冊の本を読んで、入所者や療養所の今後の行方についても改めて考えてほしい。