図書館スタッフおすすめ本

家紋っておもしろい

日本の家紋とデザイン』 濱田 信義/編著 パイインターナショナル (市立・成人 288.6//23

この本は、家紋について書かれた本なのですが、モチーフになった物で植物篇、動物篇、自然現象、尚武、文様・図案、建造物・器物に分け、その中でも植物なら、梅紋、桜紋、南天紋・・・と植物の種類ごとに載っているので、同じモチーフの違うデザインの家紋が一緒に見ることができて、おもしろかったです。
徳川家の家紋としても有名な「三つ葉葵」ですが、同じ葵をモチーフにした家紋がこんなにたくさんあるんだと驚きました。
ちょうどこの本を借りている時に時代劇を見ていて、「この着物の家紋、花みたいだけど何の花かな?」と気になってこの本をめくってみたら、ありました!
同じモチーフの物であっても、違うデザインのものがたくさんあって、おもしろかったです。
本当にたくさんの家紋が載っているので、自分の家の家紋や気に入る家紋がみつかるかも?

お菓子で世界を旅する

『世界のお菓子図鑑』 (地球の歩き方BOOKS W25 旅の図鑑シリーズ) 地球の歩き方編集室/編集 Gakken(市立・成人 383.8//23

とにかく情報量がすごい。
国ごとの代表的なお菓子がカラー写真と簡単な解説とともに掲載されているほか、それぞれの食文化やお菓子事情、現地出身者に教わるレシピや本場の味が体験できるお店の紹介、コラムや雑学コーナーもあり、お菓子で世界を旅することができる本です。
世界の祝祭菓子や軽食、パンケーキを集めたコーナーや菓子パン比べなどの特集もあり、読んでいるとお腹がすいてきそうです。

日本のお菓子は都道府県ごとに、数種類の銘菓が写真とともに紹介されています。
三重県からは四日市名物のあのお餅も載っていますよ。

ぜひ世界のお菓子の旅を楽しんでください。

考えつづける、笑いながら  ~「何度だって読みたい本!」~

『あの素晴らしき七年』 エトガル・ケレット/著 秋元 孝文/訳 新潮社 (市立・成人 929.7//16) 

 ものすごくへこむ日がある。
 そんな日は『あの素晴らしき七年』を、どの話でもいいからひとつ読む。
 作者・エトガルの身に起こることは、重い。イスラエルはテルアビブ出身のユダヤ人だから、よくある問題も、ややこしさを増して襲い掛かってくる。生まれたばかりの息子の将来や家族関係にも、国内情勢、テロリズム、ユダヤ教との付き合いなんかが絡みつく……なにせ息子が生まれたのは、テロリストによる攻撃の真っただ中だ。
 なのにエトガル、話が上手すぎて、どんなに話が重くても、笑ってしまう部分がある。
 空襲警報が鳴ったのに立ったままの息子を腹ばいにさせようと、「パストラミ・サンドイッチごっこ、する?」と誘ったんだそうだ。おもしろすぎる。それで、妻、息子、自分、と腹ばいで重なって、「パストラミ!」と叫ぶや、向こうへ爆弾が落ちた。これがエトガルの、生活のリアルだ。
 大事なのは、ことの重さを肌で感じつつ笑うこと。読んでいくうち、自分の生活と重なる部分が見えてきて、気が付いたらエトガルといっしょに笑ったり泣いたりしている。だからここに入った三十六篇のエッセー——エトガルに息子が生まれ、自身のお父さんが亡くなるまでの七年間のできごとは、どれも短いのにとても重たく、とても重たいのに他人事にはならない。せめて、ツレに起こった事くらいにはなる。そう思って読めば、どれほどつらくても、やってってみようか、という気に少しはなれる。この少しが、いかにすごいことか。
 ものすごくへこむ。たびたびへこむ。そのたびこの本が読みたくなる。テレアポを断る口実をどこまで膨らませられるかとか、本の献辞に飽きた時いかにふざけられるかとか、ポーランドの細長い土地に建てた薄い家のこととかを、エトガルから面白おかしく聞く。そうすることで、またやってこう、と思えるための温みのようなものを、少し分けてもらっているのだ。
 
 
2024年のエッセーコンクールのテーマは、「何度だって読みたい本!」です。
これを読んで、エッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へぜひご応募ください!
あなたの「何度だって読みたい本」、教えてくださいね。

(市立図書館ホームページの別ページが開きます)

LLブック ―文字を読むことが難しい方へ―

『仕事に行ってきます 10 図書館の仕事』 埼玉福祉会出版部 (市立・成人 LL/366.2//10)

今年度から、成人図書の新刊コーナーの近くに、LLブックのコーナーを設けています。
LLブックの「LL」とは、“やさしく読める”を意味するスウェーデン語“LattLast”(英語ではeasy to read)の略称で、文字を読むことが難しい方にも読みやすいように作られた本が「LLブック」です。
知的障害や認知症といった、様々な障害や病気によって文章を理解することや読み続けることが難しい方、外国にルーツがあり日本語を読むことが難しい方など、「やさしく読みやすい本」を必要としている全ての方に向けた本です。

この本では、障害のある方を主人公に、図書館で働く一日を紹介しています。
ふりがなのある大きな文字と写真で書かれており、各ページの下には登場人物が行った行動や感情を表すピクトグラムを並べることで、文字を読まなくても内容がわかるように工夫されています。

この本のほかにも、写真だけで話の展開がわかるものや、病院へ受診する方法といった、私たちの生活で必要な段取りをわかりやすく説明したLLブックもあります。
図書館で文字を読み疲れた時、自分の生活を振り返る時、どなたでもふと手にとっていただける本です。

宇宙に行ってみたい

『すばらしき宇宙の図鑑 宇宙飛行士だから知っている』 野口 聡一/著 KADOKAWA(市立・成人 440//22) 

宇宙のことを考えると、いつも途方もない気持ちになります。(宇宙に放り出されたらどうしよう?とか、宇宙の果てはどこなんだろう?とか)
手を伸ばしても届かない空。それすらも超え、地球を飛び出してしまう宇宙飛行士は、計り知れない勇気を持っているなぁ……と思います。
そんな宇宙飛行士の一人、野口聡一さんが手がけたこの本では、宇宙に関するアレコレをたくさん教えてくれます。
宇宙に対して恐怖心を抱きつつ、同じくらい好奇心もある私は、本を読みながら「宇宙って面白い!」といつか経験するかもしれない宇宙旅行に思いをはせました。

魅力的なトピックの中でも、「へ~」と思ったのが宇宙の色。宇宙の色は黒ではなくて「コズミック・ラテ」というベージュだそうです。
黒く見えるのは“太陽の光を反射するものがないから”らしいですが(難しいことはよくわかりません)、何だか名前が可愛くて親近感がわきました。
他にも、宇宙船の中での生活や太陽系のことなど、文章での説明だけでなくカラー写真もたっぷりあります。
実際に宇宙に行った野口さんの言葉だからこそ面白い宇宙の世界、のぞいてみませんか。