図書館スタッフおすすめ本
俳優 高橋英樹の記録写真集
『逢愛傘 Ai Ai Gasa 高橋 英樹』高橋 美恵子/著 エル・エージェンシー(市立・成人 778.2//25)
『逢愛傘』…なんて微笑ましいタイトルで、そしてなんと格調高い装丁だろうと思い、胸が高鳴りました。
この本は、俳優 高橋英樹さんの傘寿と金婚式を記念して、妻の美恵子さんが編集長となり、スタッフとまとめたものです。
表紙をめくると、高橋さんの細やかであたたかい言葉が添えられています。
63年間にわたる映画や舞台、テレビドラマでの貴重な写真や記事で構成されており、撮影合間の飾らない表情等も見ることができます。
私は、時代劇もサスペンス劇場もバラエティー番組での豪快なあたたかい笑顔も大好きでしたので、とても懐かしく、幸福感につつまれました。
なお、この本は700冊限定で作成された非売品とのこと。ぜひ、ご利用ください。
文豪の作品に出会えるシリーズ
『百年文庫 全100巻』 ポプラ社(1-54巻:市立・成人 908.3//10 55-100巻:市立・成人 908.3//11)
文豪の作品を読んでみたい。でも、どの本を読んだらいいか分からない。そんな方におすすめなのが『百年文庫』です。
全100巻のシリーズで、1冊ごとに3人の文豪の作品が収められています。短編集なので読みやすく、手軽にバラエティ豊かな作品に触れることができます。
1巻から順に読む必要はありません。まずは、好きな文豪の作品が含まれた巻を読むのもよいでしょう。また各巻のタイトルは、漢字一文字で収録作品のテーマを表しているため、好きなタイトルを選んで読むのもよいでしょう。
以下に、これからの季節におすすめの「秋」にちなんだ4巻、6巻を紹介します。
・『百年文庫4 秋』ポプラ社(市立・成人 908.3//10)
「流行感冒」志賀 直哉/著
「置土産」正岡 容/著
「秋日和」里見 弴/著
・『百年文庫6 心』ポプラ社(市立・成人 908.3//10)
「正直な泥棒」ドストエフスキー/著・小沼 文彦/訳
「秋」芥川 龍之介/著
「田舎」プレヴォー/著・森 鴎外/訳
荒廃と再生-意図せぬユートピア-
『人間がいなくなった後の自然』 カル・フリン/著・木高 恵子/訳 草思社 (市立・成人 290.9//23)
「人間がいなくなった世界」というと、皆さんはどういったことを想像しますか?
建築物や道路などに覆われた場所は、やがてあちこちから植物が生え、経年による人工物の崩壊を手助けし、やがて本来の自然の姿に戻っていく。
それが私のイメージでした。
廃棄物による汚染、紛争など様々な理由で見捨てられた場所や地域。
一見すると人にも他の生物にも非常に過酷としか思えません。
本書では、そのような場所で、失われていた植生や生態系が再生、あるいはそれまでと異なる形で再形成される事例が紹介されています。
さらには、周囲の過酷な環境、安易に人間が立ち入ることができなくなったことで希少な生物の生存圏が守られる事例、新たな生態系同様、新しくやってきた人々が独自のコミュニティを形成し生活する事例も紹介されます。
人間が介入し、開発し、汚染し、やがて見捨てられた土地に新たな生態系が生まれる。
人間のエゴとともに、環境に適応し与えられた状況を利用する生命のしたたかさを感じました。
自然という大きな枠組みの中で人間がどのような役割を果たしているのか?
熊と人間をめぐる昨今の出来事も含め、自然と人間の関わりについて改めて考えるきっかけになりました。
ネット社会の闇を照らす本
『その情報はどこから? ネット時代の情報選別力』 猪谷 千香/著 筑摩書房(市立・成人 070//19)
かの親鸞聖人は、「よろずのこと、みなもって、そらごとたわごと、まことあることなきに…」(『歎異抄』より抜粋)と説かれたと伝わります。人の世に虚実渦巻くのは、どうやらさほど事新しくはないようです。さはさりながら現代ネット社会の闇深さに不安は募るばかり。
本書は、情報の海に沈まず、フェイクの山に惑わず、安心して生きる方法をわかりやすくまとめた一冊として、お勧めできる本です。アップデートに必要な関連本は続々と出版され、中には難解なものもあります。しかし、その言わんとするところは、情報リテラシー(中でも批判的思考力)を磨くことに尽きると言えそうです。図らずも聖人が師と仰いだ釈尊は「自燈明(他者ではなく、自らを拠り所とせよ)」の教えを遺しています。闇を照らす力は小手先の知識やスキルではなく、その人の生き方に宿るものかもしれません。
(関連本)
・『フェイクニュースを哲学する 何を信じるべきか』 山田 圭一/著 岩波書店(市立・成人 361.4//24)
うわさ話、マスメディア・ネットのニュース、専門家の発言、陰謀論等を取り上げて論じた本
・『それってあなたの感想ですよね 論破の功罪』 物江 潤/著 新潮社(市立・成人 361.4//24)
相手にエビデンスを求め、「論破」することを是とする最近の若者たちの風潮について迫る本
・『スマホは心を操る』 木村 忠正/著 朝日新聞出版(市立・成人 007.3//26)
スマホがないと落ち着かない理由やSNSのもつ特性などを詳細なデータをもとに解き明かす本
・『ネットとAI時代の情報リテラシー 調べ、考え、発信する力』 梅澤 貴典/監修 日外アソシエーツ(市立・成人 028.0//26)
中高生の情報リテラシー向上に役立つ本が幅広くテーマ別に精選され、多数紹介されている本
「ことぱ」って???
『ことぱの観察』 向坂 くじら/著 NHK出版(市立・成人 914.6/サキ/25)
こんにちは。
皆さんは、エッセーと小説の違いをご存知でしょうか。
高校生の息子に聞いてみたところ、返ってきた答えは「知ってるよ。エッセーは、随筆でしょ。」
エッセーと小説の違い。
小説はフィクションで構成され、登場人物や会話によって物語が展開していきます。
一方、エッセーは基本的にノンフィクションで、筆者自身の体験や思いが中心。
物語性にとらわれず、日常のひとコマや心の動きを自由に綴れるのがエッセーの魅力だそうです。
エッセーの貸出は、とても多いです。
エッセーコーナーの前に立ち、『ことぱの観察』というタイトルが気になり、手に取ってみました。
「ことば」ではなく「ことぱ」?
この本のテーマは「いろんな言葉を定義していく」だそうです。
「〇〇ってどういう意味?」と聞かれた時に、難しい言葉を聞かれているわけではないのに、答えようとする度に一瞬考えてしまいます。
合っていると思うのですが、私の考え方・感じ方そのものを問われている気がする感覚。
定義とは、その人のこれまでを表しているような気もします。
ふだんは見過ごしている言葉でも、立ち止まって、楽しさを見つけてみるのはいかがでしょうか。
なぜ「ことぱ」なのか気になった方は、手に取って読んでみてほしいです。
そして、その想いをエッセーコンクールに提出してくださったら、とっても嬉しいです!!!
因みに、今年度の読書に関するエッセーのテーマは「タイトルで選んだ本」です。
以上、エッセー担当者より。
・「読書に関するエッセーコンクール」作品募集中(大人向け)
・「読書に関するエッセーコンクール」作品募集中(小学生向け)
※市立図書館ホームページの別ページが開きます