図書館スタッフおすすめ本
「推し(仏)」に会いに行く旅
『見仏記ガイドブック』 いとう せいこう・みうら じゅん/著 角川書店(市立・成人 185.9//12)
学生時分、「趣味は読書です」なんて(恥ずかしげもなく)言っていたというのに、社会人になって以降、本を読むといえば、業務必携本やら仕事関連の本を開くくらい。
縁あって図書館勤務となり、来館者のみなさんがたくさん本を借りていかれる姿を見るにつけ、すっかり読書から遠ざかってしまった自分を反省することしきりである。
さて、私が「趣味は読書」なんて言っていた頃に読んだ本のひとつ、『見仏記』。
鬼才2人が楽しく仏像を訪ねて紹介しているのだが、そのノリがたまらなくいい。
ウルトラマンの口許は弥勒菩薩像のオマージュであると言ってみたり、吉祥天女に不埒な想いを寄せてみたりとやりたい放題である。
「仏(ブツ)が目白押し」という表現は、読んでから三十年以上経った今も忘れられないフレーズだ。
『見仏記ガイドブック』では、『見仏記』シリーズでいとう氏とみうら氏が回ったお寺を地方別にまとめてあり、自分が会いにいきたい仏を選びやすくなっている。
「見仏旅」では信仰心や美術心は必要ない。ただ「いいなぁ」と思うだけでいい。
私も「推し(仏)」に会いに行ってみたいと思う。
『見仏記』 いとう せいこう/文 みうら じゅん/絵 中央公論社(市立・書庫 915.6//イト)
※『見仏記』は「よっかいち電子図書館」でも読めますよ!
よっかいち電子図書館の利用はこちらから。
待ってました。読みたかった。
『砂の器 映画の魔性 監督野村芳太郎と松本清張映画』 樋口 尚文/著 筑摩書房(市立・成人 778.2//25)
この本が出た時、嬉しすぎて飛び上がってしまいました。
今まで数多く映像化されてきた松本清張作品の中でも私が一番感動した、1974年版・映画「砂の器」撮影の秘密・・・あの切なく甘美で壮大な音楽『宿命』の誕生秘話や、美しい日本の原風景撮影の裏側など・・・を、様々な人へのインタビューを通して知ることができるのですから。
「砂の器」は、当時の、ある病気への差別から親子がお遍路となり各地を放浪し、果ては親子の縁を切らなければならなかった悲しみや、その後におきてしまう悲劇・・・ 社会派作家の松本清張さんにしか書けない深い作品です。
さて余談ですが・・・テレビドラマ「家政夫のミタゾノ」は、市原悦子さん主演で有名な「家政婦は見た!」のパロディですが、元々は、松本清張さんの「熱い空気」が原作ということをご存知でしょうか。
現在に至るまで何度も何度も映像化されていて・・・その魅力は永遠です。
観光パンフレットで過去を旅する
『日本の観光 昭和初期観光パンフレットに見る 2 近畿・東海・北陸篇』 谷沢 明/著 八坂書房(市立・成人 689.2//21)(市立・地域 L290//21)
みなさん、旅は好きですか?
観光地のガイドブックやパンフレットを見て、「次はどこに行こうかな?」と考えたり、「また行きたいな」と振り返ったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
本書では、昭和初期に作られた「観光パンフレット」を取り上げ、観光地の歴史などとともに紹介しています。
海水浴場があり観光地として人気だった四日市の観光パンフレットも登場します。
今では写真入りのパンフレットが当たり前ですが、当時は絵で描かれているのが当たり前。
どれも色鮮やかで、鳥瞰図で描かれているものが多いので、まるで上からその地を眺めているような気分になるのも魅力的です。
四日市の海には可愛らしい鯛やハマグリが描かれており、今はもうなくなってしまった競馬場、別荘地、海水浴場など観光地としての賑わいなどが伝わってきます。
本書の冒頭には「大正末~昭和初期には、鉄道など交通網の発達もあり、旅行ブームが起きた」とあります。
当時の人も、うきうきわくわくしながらパンフレット片手に旅行したり、誰かが持ち帰ったものを見て自分もいつか行ってみたいなと思ったりしたのかもしれませんね。
「『100万回死んだねこ』ってありますか?」
『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』 福井県立図書館/編著 講談社(市立・成人 015.2//21)
図書館では、利用者の方が探している本を見つけることも大事な業務の一つです。初めて図書館で働き始めた時、「探しても本が見つからなかったらここを見るといいよ…」と先輩に教えてもらったのが、福井県立図書館のホームページ内にある「覚え違いタイトル集」でした。
福井県立図書館の窓口での問合せなどから、覚え違いしやすいタイトルや著者名の事例をリスト化したページで、現在紹介されている事例は1300以上になります。
そんな事例から厳選し書籍化されたのが本書です。
Q『蚊にピアス』→A『蛇にピアス』
Q『滅びた後のシンデレラ』→A『滅びの前のシャングリラ』
Q「なんかが強く吹きすぎてる本」→A『風が強く吹いている』など…
覚え違いのタイトルや、ふんわりとした記憶からたどる事例、映画と原作のタイトルが異なっている事例など、利用者から尋ねられる内容も様々です。
作品のタイトルを間違いなく覚えることは誰にとっても難しいですが、数々の事例にくすりと笑ったり「あるある」と頷いてしまいます。
読みたいと思ったけど探しきれず諦めていた本がありましたら、この本で再会できるかもしれません。
当館でも、お探しの本がありましたらぜひお気軽に尋ねてください。
本書のタイトルになっている本もとても有名な絵本の覚え違いです。正しいタイトル、思い出せますか?
方向音痴が見ている世界
『方向音痴って、なおるんですか?』 吉玉 サキ/著 交通新聞社(市立・成人 448.9//21)
私自身は方向音痴ではないと思っているけれど、旅行先などでは地図アプリに頼り切り。ナビ機能のままに進めば目的地に着くので、地図を読む力はどんどん衰えている気がします。
よく一緒に旅行する友人は自他ともに認める方向音痴。本書にも方向音痴あるあるとして書かれているとおり、最初の一歩をどちらに進めばいいか分からない、地図アプリを見ても逆方向に進んでしまうと言います。最終的には「今ここにいる!」と写真が送られてきて、待ち合わせするのも一苦労です。
本書は、自分を知る・脳を知る・地図を知る・地形を知る・地名を知るの5章。認知科学者や地図研究家といった、それぞれの分野の専門家から教えを受けて、悪戦苦闘しつつ著者が方向音痴を克服する様子が、エッセイ仕立てに楽しく読める一冊です。方向音痴の人も、そうでない人も、新たな視点で街歩きしてみませんか。
「読んでおいしい食エッセイ!」
「はらぺこ万歳! 家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん」 たかぎ なおこ/著 文藝春秋(市立・郷土作家 596.0//郷土)
現在、図書館2階展示コーナーでは「読んでおいしい食エッセイ」と題して、食にまつわるエッセイを紹介しています。
食通としても有名な池波正太郎さんをはじめ、小川糸さん、椎名誠さんなどの本が並ぶなか、今回は、四日市出身のイラストレーター、たかぎなおこさんの『はらぺこ万歳!』をご紹介。「家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん」のサブタイトルどおり、ひとりぐらしの適当自炊から、実家の謎ちくわ料理、旅先の弘前グルメなどを、たかぎさんのイラストで紹介しています。
たかぎさんの本は、ときどき登場する四日市の話題はもちろんですが、世代が近いせいか「それ、めっちゃわかる~」ということが多く、どの本も大好き。この本では、小学校時代の給食「ポーミントン」にめちゃくちゃ懐かしみを覚えました!
「読んでおいしい食エッセイ」の特集は12月28日(日曜日)まで、2階展示コーナーは17時までです。ぜひ、新しい本との出会いを。
どんな本があるかは、こちらの「テーマ一覧」からもご覧になれます、ぜひご利用ください。
(PC版)https://www1.yokkaichi-lib.jp/winj/opac/theme-list.do?key=0000000036&lang=ja
(スマートフォン版)https://www1.yokkaichi-lib.jp/winj/sp/theme-list.do?key=0000000036&lang=ja
田んぼのまん中にある神社を集めた写真集
『田んぼのまん中のポツンと神社』 えぬびい/写真・文 飛鳥新社(市立・成人 748//25)
田んぼのまん中にポツンとある神社を集めた写真集。
最初に静けさが心を和ませてくれる。
日常の喧騒から離れ、風が穂を揺らす音や鳥のさえずり、虫の音を写真から感じられた。
正面や空中写真の構図もよく、水田に映る空、季節の移ろいとともに表情を変える稲穂、その中に凛と立つ神社は、どこか懐かしい日本の原風景を思わせてくれた。
特に稲刈りの時期には黄金色のじゅうたんの中に、雪が降れば白銀の世界へと導いてくれ、季節の移り変わりの美しさを思い出させてくれる。
ポツンと神社のある風景は昭和中期以降からポツポツと誕生したらしい。
春・夏・秋・冬と四季にわたり写真が集められていて、季節ごとに違う表情を見せる情景に温かさと寂しさ、懐かしさを感じた。
自分のからだをいたわる
『疲れないからだをつくる夜のヨガ』 サントーシマ香/著 大和書房(市立・書庫 498.3//17)
初めてヨガのレッスンを受けた時、心とからだが軽くなったことを覚えています。自分にベクトルを向け、からだに余分な力が入っていないか確かめながらポーズをとる。からだに痛みを感じると、日々の生活の中で、もっと自分のからだをいたわってあげなきゃと気づかされます。ヨガを覚えたいけど難しいポーズはできる自信がない・・・と思っていた時にこの本に出会いました。
布団の上でも楽に取り組むことができるヨガが紹介されており、ヨガ初心者の私でも簡単にポーズをとることができました。また、ヨガだけでなく疲れないからだをつくるために、日常生活をどう過ごしたらよいかのヒントも紹介されています。
日頃、自分のからだをいたわってあげてなかったかもしれないと思った方に、ぜひ読んでほしい本です。
ひとりぼっちは怖くない
『孤独ぎらいのひとり好き』 田村 セツコ/著 興陽館(市立・成人 726.5//20)
『孤独ぎらいのひとり好き』というタイトルを見て、「私のことだ……!」と衝撃を受けて手に取りました。
実家を離れて一人暮らし。初めは意気込んで始めた一人暮らしですが、だんだんと寂しさが募っていた時でした。
テレビもついているしエアコンの音もする。それなのに何故かシーンとしていて、涙がぽろっと出てしまう夜がありました。「私はこの世界でひとりぼっちになったのかな」と思うくらい“孤独”を感じていました。
でも、実家に帰ると美味しいご飯が出てきて、くだらないことで家族と笑いあって、飼い猫は嫌々ながらも撫でさせてくれる。それに、夜中でも電話に付き合ってくれたり、休日には一緒に遊んでくれたりする友達もいる。
それに気づいた瞬間、「私はひとりぼっちじゃなかったんだ!」と胸がいっぱいでした。
そうかと思えば、一人で新幹線に乗ってふらっと出かけるのは何てことはないのです。何なら、「一人って最高に楽しい♪」くらいに気楽に感じます。
最近、こんな風に“孤独”は嫌だけど“一人”は好きな私って変?と考えていましたが、そもそも孤独を感じない人間なんかいないんだな、とこの本を読んで思いました。
誰でも孤独は感じている。けれど、他の誰かに寄りかかっているだけではダメで、一人で立つ練習もしなくてはいけない。
私にとって、そんな人生の目標が出来た素敵なエッセイでした。
幸せなおやつ時間
『志麻さんちのおやつ』 タサン志麻/著 NHK出版(市立・成人 596.6//25)
予約のとれない伝説の家政婦 タサン志麻さんの、家庭でつくるお菓子のレシピ本が素敵です。少ない材料で、手軽に出来るものや、工程が少なく簡単にできるレシピで、作りやすいものばかりです。子どもと一緒に作れるくらいシンプルで簡単なレシピです。
バターは有塩でも無塩でもいい!型がなくても大丈夫!チョコレートは市販の板チョコでOK!キレイじゃなくても、ちょっとくらい失敗してもいい!
フランス仕込みの家庭のおやつは、実にザックリなのにとっても魅力的です。
大人も子どもも笑顔になれる家庭のためのおやつ50品を紹介しています。
子どもたちと自由に楽しくつくって、みんなで笑顔で味わえたらとっても幸せなおやつ時間になると思います。