図書館スタッフおすすめ本
ペーパードライバーを抜け出したい!
『脱ペーパードライバー』 森下 えみこ/著・イラスト 沢村 秋岳/監修 ナツメ社 (市立・成人 537.8//22)
私はペーパードライバーです。「抜け出さないといけないな」と感じつつも、一歩を踏み出せない毎日。
それが積み重なって、結局運転から遠ざかっています。
そんな時に目に留まったのが、この本です。
序章から6章まで分かれていて、最後に上達チェックポイントもあります。
ストーリー仕立てで進んでいくので、スルスルと読み進めることができます。
「実際の教習内容を、体験マンガでわかりやすくまとめました。」とある通り、教習を受けているかのように読めるので、読みやすかったです。
驚いたのは、「序章/もう一度ハンドルを握りたい!」を開いてすぐの、「『乗りたいクルマ』と『運転しやすいクルマ』は違う!!」というページです。
私もペーパードライバーながら「乗りたいクルマ、憧れのクルマ」はあるのですが、「運転のしやすさ」までは考えていませんでした。
確かに、運転しやすいクルマのほうが安心できますね。
他にも、ポイント・テクニック等、様々なことが載っていて、運転の不安が解消されました。
ペーパードライバーからの脱却に、一歩近づけた気がします。
ペーパードライバーの方、運転を復習したい方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
憧れの図書館
『北欧の美しい図書館』 小泉 隆/著 エクスナレッジ (市立・成人 010.2//24)
新図書館整備の話が出ているタイミングで図書館勤務になったので、市立図書館内にある美しい写真で構成された図書館の本や図書館ができるまでのことが書いてある本を読んだり、国内30か所以上の図書館を訪れたりして、四日市だったらああしたい、こうしたいと日々夢を膨らませている。
この『北欧の美しい図書館』では、デンマーク・スウェーデン・フィンランド・ノルウェーの各地の図書館の中から、上層階に大きな吹き抜けがあり町が一望できる図書館、静かに落ち着いて過ごしたい大人のためのスペースだけでなく、子どものためのスペースも確保されている図書館など、空間の使い方が素敵な選りすぐりの図書館が紹介されている。たくさん掲載されているのに同じ形のものはなく、個性的な図書館の写真と説明がいっぱいなので、見ているだけでワクワクする。
皆さんも、四日市にどんな新図書館がほしいか、イメージを膨らませてみませんか?
私でも簡単にできる災害対策
『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』 辻 直美/著 扶桑社 (市立・成人 369.3//22)※よっかいち電子図書館にも所蔵あり
先日、神戸で開催された阪神淡路大震災の教訓を若い世代の目線で伝えるフォーラムに行ってきた。さまざまな切り口で考えられたプログラムからたくさんの気づきがもらえ、我が家の備蓄・ローリングストック、部屋の震災対策について見直す好機会となった。
災害用トイレ、カセットコンロ、米、水、レトルト食品等備蓄しているつもりだが、量は適正なのか? 転倒防止対策はしているけど後は何をしておくといいのか? といくつか疑問に思い、手に取ったのがこの本、『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』。
著者の阪神淡路大震災や大阪府北部地震の実体験をもとに、死なない、ケガしないための部屋づくり、ものを増やさずに災害に備える、などの章立てで、私が知りたかったことがたくさん紹介されていた。手軽な材料での地震に強い部屋づくりや、著者の備蓄品リストや防災リュックの中身などが載っていて、今後の買い足しの参考にできる、おすすめの1冊だ。
この本は、市立図書館とよっかいち電子図書館にあります。
よっかいち電子図書館の利用はこちらから。
ぶつぶつ言うどうぶつたち
『どうぶつぶつ』 たちばな れんじ/写真 リリー・フランキー/ことば パルコエンタテイメント事業部 (市立・成人 748//12)
どうぶつの写真にセリフをつけくわえた本。
パンダのセリフに、おや?君もなかなかだよと思ったり、ダチョウのセリフに修羅場を想像したりと、聞くと場面を想像してしまう癖の強い言葉を、動物に言わせるシュールな面白さがある。
珍しいのは、どうぶつの写真が全部真正面なところ。
横から見るのと違って、スリムな顔立ちやイカツイ顔立ちをしていたんだと発見もあり、癒されながら含み笑いできる一冊です。
これからのために歴史を学ぶ
『総点検・日本海軍と昭和史』 半藤 一利・保阪 正康/著 毎日新聞社(市立・成人 397.2//14)
最近、世界各地で起きる戦争や武力衝突のニュースを見ることが多くなりました。
では自分の国はどうなのか、なぜ今から80年ほど前多くの人命が失われる太平洋戦争が起きたのかを知るきっかけになればと思い、読み始めたのがこの本です。
本作は、昭和史の大家2人が日露戦争直後から戦艦大和の特攻までの流れについて語り、最後に昭和期の主だった海軍軍人たちを、評価していく対談形式をとっています。
当事者である軍人たちの証言も多数取り上げられており、人物たちの長所や欠点、いつどのタイミングでどんな決断をしたかがわかりやすくなっています。
そのため、太平洋戦争が始まるまでのプロセスだけでなく、際限のない軍備の拡張、組織内の対立や権力争い、現実を見ず過激な主張を行う強硬派の登場、異なる意見を持つ人たち(この場合は国際協調を重視する海軍の一派)の排除といった現代にも通じる問題が存在したことを、学ぶことができます。
昭和期の陸軍に元々良い印象をもっておらず、太平洋戦争の回避や終戦のため活躍した人々に海軍出身者が多かったこともあり、「陸軍と比べて海軍の方が良かったのでは?」などとボンヤリ思っていた私としても、反省を促される体験になりました。
また、特に印象に残ったのが、作者2人が様々な証言を取り上げる中、戦争に至った自分の責任を認めていなかったり、作戦の失敗など都合の悪い部分を避けていることに触れるなど、歴史の当事者として十分な責任を果たしていない人たちがいることを、何度も指摘していることでした。
人間は成功体験より失敗から学ぶべきことの方が多い。
過去、現在の戦争について学び、起きるかもしれない戦争をどうすれば避けられるのかを、考えるきっかけになる一冊です。
本作は海軍の失敗について取り扱っていますが、昭和陸軍の失敗を扱った本として、以下の書籍も併せてお勧めしたいです。
『ノモンハンの夏』 半藤 一利/著 文芸春秋(市立・書庫 210.7//)
てこの原理を使える大人はカッコイイ
『道具のブツリ』 田中 幸・結城 千代子/文 大塚 文香/絵 雷鳥社 (市立・展示 420.4//23)
大きさ20×10×2㎝。コデックス装。表紙にはかわいいハサミの絵。そしてタイトルは『道具のブツリ』。
物理と言われ思い浮かぶのは、てこの原理、りんご、慣性の法則、フレミングの法則をかたちづくる左手・・・という具合の私ですが、この本を知ったとき、とてもわくわくしました。
ハサミ、ざる、スプーン、ゼムクリップ、箸などのしくみを、物理の視点から解説してくれるというのです。ねっ、わくわくしますでしょう?
実際最後まで楽しい読み物として読み進めることができました。
本書まえがきの中に「物事の理(ことわり)であるブツリ」という表現が出てきます。そのように考えると物理がグンと日常のものに感じられます。
なお、3月23日(日曜日)まで、2階展示コーナーでは、「やわらかいサイエンス」と題して、身の回りにある科学の本を紹介しています。ご紹介した『道具のブツリ』もその1冊です。
他にもたくさんの本を紹介していますので、ぜひお立ち寄りください。
沼ハマ注意!味で楽しむ韓ドラの世界へようこそ!
『韓国ドラマ食堂 あの名シーンを食べる!』 本田朋美・八田靖史/著 西村オコ/絵 (市立・成人 596.2 //21)
韓国ドラマにはまってウン十年。ドラマを見て、実際に現地を訪れたり、文化や歴史などにも関心がありますが、やはり一番興味が湧いたのは”食文化”です。
どんな食材を使っているのか、どんな味がするのかなど、ドラマを見るたびに気になっていました。
そんな韓国好きな私が紹介するこの本は、日本でも手に入りやすい食材や調味料などを使いながら分かりやすい手順で書かれていて、料理初心者の方にもおススメで、とても美味しそうな料理がいっぱいです。
また、世界でも大ブームになった、「梨泰院クラス」の看板料理のスンドゥブチゲや、「愛の不時着」のトウモロコシ麺なども紹介されています。
料理にちなんだ小ネタやうんちくなどのコラムも載っているので、韓国ドラマガイド本としても楽しめます。
この本を読んで、まだまだ見ていないドラマも沢山あることを知りました。ぜひ皆さんも韓国ドラマ料理の世界をお楽しみください。
多面体で存在する楽しさと幸せ
『愛と美の法則』 美輪 明宏/著 パルコエンタテインメント事業局 (成人・書庫 767.8//09)
心が豊かになれる内容である。それに読みやすい字の大きさだ。新聞を読むには0.6の視力がいるそうだが、私にはありがたい字の大きさだし、美輪さんの著書はどれも豊富な絵、写真、色彩、優しくてあたたかなレイアウトで、なによりその感性から紡ぎだされる言葉に、とても豊かで優しい気持ちになれる。現在はAIが驚愕のスピードで進化して、人間よりはるかにうまく文章を書いたり、絵を描いたり、受け答えはスムーズで、果ては作詞・作曲もする時代になって、近未来は人間をコントロールするように計画されているとかいないとか。。。
未来がそのようになるのが確実であっても、美輪さんのような「感性」が人間にとって一番大切なものだと信じているのは私だけではないはずで。。。
叶うものなら、時の彼方からそういう未来人を見ていたい。
行って、帰って、話すということ
『はてしない物語』 ミヒャエル・エンデ/著 上田 真而子、佐藤 真理子/訳 岩波書店 (市立・児童 /943//11)
読書会がしたい、となにげに思って以来、読書会ってなにをするものなの? とことあるごとにかんがえている。
答えはぜんぜんまとまらない。でもそれでいいか、とも思っている。まとまりがないものに対するために本を読むのに、そのための時間にまとまりのある効果を期待するほうが、へんだ。
それに「話したい!」という衝動の部分なら、もうよくわかっている。まずそれを共有するところから、わくわくする読書会をはじめればいいんじゃない? ……というあたりまで考えたところで、ん、このかんじ、知ってるぞ、と思った。かなり具体的に、こういう本があった気がする——そうだ、『はてしない物語』だ。
主人公のバスチアンは、本屋から盗んできた不思議な本「はてしない物語」を読み進めるうち、物語の中の世界・ファンタージェンに入り込んでしまう。
まっさらな世界の創造主として、あらゆるものに名前を与えていくバスチアン。やがてその力におごり、上り詰め、転落し、自分の名前も忘れて……どうなるのかは、もちろん書かない。元の世界には帰って来る。でもどうやって帰って来るかは書かないし、書けない。
物語の最後、ファンタージェンに行って帰ってきたもうひとりの人が出て来て、こう言う。
「おたがいの経験したことをはなしあおうよ。こういうことをはなしあえる人間はそうたくさんはいないから。」
これじゃないだろうか、読書会って。それぞれがある本を読んでたどった道のりをはなしあう。聞きあう。そうしてなにか、まとまらないもろもろのことを、たしかめあう。そういう積み重ねで、集まったそれぞれの人の深い、深いところにあるなにかを、回復しあう——そういうのが、読書会なんじゃないだろうか。
いつかもし、ほんとうに読書会をやることになったら、『はてしない物語』から始めてみたい。物語が求める必要なだけの時間を物語と過ごす、それだけのことがこんなにも失われる世の中になるなんて思わなかったけれど、だからこそ『はてしない物語』から始めたいし、もしあなたが読んだなら、ぜひ、おたがいの経験したことをはなしあいましょう。そういうことをはなしあえる人間もそうたくさんいなければ、そういうことをはなしあえる時間も、そうたっぷりとはないんですから。
知りたい!スズメの世界
『にっぽんスズメ歳時記』 中野さとる/写真 カンゼン (市立・成人 488.9//24)
私がスズメの可愛さに気づいたのは大学生の時でした。
海外で見たスズメはスリムでシュッとしていて強そう。帰国後に見た日本のスズメはフクフクで丸っこくてとっても可愛い!
以来、スズメを見かけるたびに目で追ってしまいます。今秋、我が家の庭にやってきたスズメたちはムラサキシキブの実に夢中。何羽も横に並んで、順番に啄んでは全て食べ尽くしていきました。
この本では、スズメの写真がたくさん掲載されているだけでなく、スズメの生態、世界各地のスズメ、人間との共存方法まで、スズメについての知りたい!が詰まっています。
あまりに身近な鳥で、普段気にしたことのない人が多いスズメ。
ぜひこの本を読んで、スズメを観察してみてください。
お茶の時間
『お茶でかんたん飲む薬膳 食材1つ足すだけ』 植木 もも子/著 家の光協会 (市立・成人 498.5//24)
何の予定もない休日には、ゆっくりとお茶の時間を過ごすようにしています。
その日の気分に合わせて、コーヒーにしたり、紅茶にしたり、中国茶にしたり・・・。
この本は、薬膳の考え方を元に、緑茶やほうじ茶、紅茶、コーヒーなどの定番の飲み物から、杜仲茶やハトムギ茶、ルイボスティー、ジャスミン茶、そば茶といった様々な種類のお茶まで、その産地や特徴、効能、性質、飲むのに適した季節、合う体質などを詳しく解説しています。
また、それぞれの飲み物にプラスすることで、さらに効果的な食材とその淹れ方を紹介しています。
例えば、杜仲茶は“体を温める”お茶。杜仲は中国四川省原産で、その葉を使ったものが杜仲茶です。
骨を丈夫にし、血圧を下げる効果があり、性質は温性で、秋冬の寒い時期に、特に冷え性の人におすすめ。
プラスして効果的な食材は、クコの実とナツメ。それぞれ杜仲茶に入れ蒸らしたあと、食材ごといただきます。
この他にも、緑茶+菊花で疲れ目に、コーヒー+ココアで疲労回復に、ゆず茶+はちみつで風邪予防に等々、試してみたいお茶とその組み合わせがたくさん。これからは、ますますお茶の時間が充実しそうです。
冬が近づいてきました。寒くて家から出たくない日には、お茶の時間を楽しみませんか?
あなたは、何を蒸しますか?
『すべてを蒸したいせいろレシピ』 りよこ/著 Gakken (市立・成人 596//24)
最近健康を考えて、野菜多めの食事を心がけています。
そこで目にしたのが、このレシピ本です。表紙の“せいろ”に盛り付けられた、彩り豊かな料理が目を引きます。残念ながら、私の家には“せいろ”がありません。蒸し料理は、ほとんど電子レンジを使っています。
本書は“せいろ”の利点、使い方、選び方から始まります。なるほど、蒸気で蒸すことによって、ヘルシーでより美味しくなるのですね。その上、お手入れ簡単で見ているだけで癒されるという、良いことばかり。
私の“せいろ“のイメージと言えば、ふたを開けると、湯気と共にしゅうまいや小籠包が出てくる、中華料理のイメージです。しかも、家庭では取り扱いのハードルも高そうと思っていました。
しかし、本書でそんなイメージがくつがえります。
著者は野菜だけではなく、ご飯、おもち、パン、肉じゃが、ビビンパ、おやつも、何でも蒸しちゃいます。すごい!調理器具一つでこんなにレパートリーが広がるなんて。その上、器いらずでそのまま食卓に出せます。楽しそう!簡単そう!おいしそう!
私は、蒸気と木の香りに癒されながら時短料理を作ることを想像して、“せいろ”を手に入れる事を考え始めています。
家紋っておもしろい
『日本の家紋とデザイン』 濱田 信義/編著 パイインターナショナル (市立・成人 288.6//23)
この本は、家紋について書かれた本なのですが、モチーフになった物で植物篇、動物篇、自然現象、尚武、文様・図案、建造物・器物に分け、その中でも植物なら、梅紋、桜紋、南天紋・・・と植物の種類ごとに載っているので、同じモチーフの違うデザインの家紋が一緒に見ることができて、おもしろかったです。
徳川家の家紋としても有名な「三つ葉葵」ですが、同じ葵をモチーフにした家紋がこんなにたくさんあるんだと驚きました。
ちょうどこの本を借りている時に時代劇を見ていて、「この着物の家紋、花みたいだけど何の花かな?」と気になってこの本をめくってみたら、ありました!
同じモチーフの物であっても、違うデザインのものがたくさんあって、おもしろかったです。
本当にたくさんの家紋が載っているので、自分の家の家紋や気に入る家紋がみつかるかも?
ネコ、ネコ、にゃんこ!!
ギリシャのミコノス島に住むネコ、コーヒー豆の実に埋もれるネコ、お腹のぽっちゃりしたネコ・・・。
爽快感を味わう一冊
家紋っておもしろい
爽快感を味わう一冊
『死神の精度』 伊坂 幸太郎/著 文藝春秋 (市立・書庫 B/913.6/イサ/15)
大学生の頃に読み、読書にハマるきっかけになった本です。
軽いタッチの文章、人物や情景の絶妙な描写もあり、頭の中に映像が浮かんでくるようで、とても読みやすくページをめくる手がとまりません。
あっという間に読み終えてしまいます。
いくつかの短編で構成されていて、それぞれに出てくる全ての登場人物に味があり、愛着が湧いてきます。
また、それぞれの短編が絡み合っており、読み終えた後は一つの長い物語を読み終えたような感覚になり、何とも言えない爽快感に包まれます。
これから読書をはじめようとしている方にもおススメの一冊です。
お菓子で世界を旅する
考えつづける、笑いながら ~「何度だって読みたい本!」~
『あの素晴らしき七年』 エトガル・ケレット/著 秋元 孝文/訳 新潮社 (市立・成人 929.7//16)
(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
「極上の闇」を求めて!
宇宙に行ってみたい
LLブック ―文字を読むことが難しい方へ―
今年度から、成人図書の新刊コーナーの近くに、LLブックのコーナーを設けています。
「猫」をさがして ~「何度だって読みたい本!」~
『少女ソフィアの夏』 トーベ・ヤンソン/作 渡部 翠/訳 講談社(市立・児童 94//)
(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
図録を楽しもう!図録で学ぼう!
夏休みの自由研究・郷土研究であなたが調べたいテーマの図録、あるかもしれませんよ!
三十一文字(みそひともじ)の世界へ
和菓子の愉しみ
現代の暮らしの中で、和菓子をより豊かに、深く楽しむための知識やアイデアを集めた一冊です。
エッセーを読もう! ~「読書に関するエッセー」募集開始~
『ベスト・エッセイ2024』 日本文藝家協会/編 光村図書出版(市立・成人 914.6//24)
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!
読書エッセーって面白い!~読書に関するエッセー募集中~
『宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019』 宮部 みゆき/著 中央公論新社(市立・成人 019.9//23)
紹介した本を読みたくなるような仕掛けがふんだんに用いられており、本を語りながら自分を語る、読書エッセーのお手本にするにはもってこいの本なんですよ。
「気候変動」がますます悪化すると…
(市立・成人 519//23)
あなたも食べたことがあるのでは?
エッセーってなあに? ~「読書に関するエッセーコンクール」募集開始~
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募受付が始まりました!
知っていますか?「蘭字」
ようこそキングの世界へ
墓マイラーって知っていますか?
絵本を贈ろう
中国語で推し活
闘病の日常
2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品です。
いつか訪れるかもしれない闘病に関して、そのリアルや心情がとても参考になりました。
時にはのんびりした時間を
推し活に迷いが生じたときに。
第170回芥川賞が先日発表されました。
人名いろいろ
この本は、江戸時代の「名前」とはどんなものであったか、現在につながる「氏名」がどのように誕生したのかを説き明かすため、江戸後期から明治初期にかけての人名のあり方を追ったものです。
百年前に何が起こったのか?朝鮮人虐殺事件の真相を探る!
今年2023年は、関東大震災から百年の節目にあたる。そこで、震災の直後に多発した朝鮮人虐殺事件についての証言集を紹介する。
戒厳令が布かれて、検閲が一層厳しかった時代。当時の政府は、虐殺事件を徹底的に隠蔽した。そのため、朝鮮人虐殺事件関連の公的史料はごくわずかだ。それでも残された公的史料から知り得ることは多い。百年前に起きた大震災の記憶を語れる人は、もう誰もいないだろう。しかし私たちには、日本人によって多くの朝鮮人が虐殺された歴史的事実を、後世に伝えていく使命がある。関連する公的史料が少ない以上、事件の真相に迫るには証言に頼るしかない。芥川龍之介、竹久夢二、折口信夫、和辻哲郎、志賀直哉、千田是也、黒澤明、田河水泡…。文化人・朝鮮人・市井の人々らの証言、子どもの作文から、当時の社会的背景や歴史的事実を学んで、明るい未来を切り開くための教訓にしてほしい。
謎の絵画が、過去と現在をつなぐ!
この小説は、千葉市にある稲毛海岸が舞台となっている。海岸近くの古い洋館から、正体不明の絵画が発見された。その絵は、過去にこの地域で流行っていた「赤いドレスの女」という怪談を思い出させる。学芸員のひかりは、絵について調査を始める。そこで、映像作家の黒砂から、千葉の旧花街にまつわる資料を預かる。その資料では、ひかりの祖母が「流転」の王妃として知られる「嵯峨浩」との戦時中の交流について語っていた。過去に流行った怪談と謎の絵画、そして祖母の過去。欠片をひとつずつ紐解くと、戦時中の混乱の中で、運命に翻弄されて生きた女たちの秘められた過去が明らかに。ミステリアスなストーリー展開で、グイグイと引き込まれます。
『花盛りの椅子』 清水 裕貴/著 集英社 (市立・成人/913.6/シミ/22)
心の中に潜む差別
8人が語る「作詞」
学生時代に授業で作詞をする機会があったのですが、その際に参考にしたのがこの本です。
見て、食べて、使って楽しい!
現代川柳を浴びる
まず、書架での立ち姿を見てほしいです。シルバー川柳がずらっと並ぶ横に、どん、とたたずむ真っ赤な背表紙。厚さはまわりの本の倍はあるでしょうか。そこへはみ出さんばかりにタイトルが貼り付いています。『リバー・ワールド』。少年マンガのオノマトペみたいな、ぎざぎざのオーラがほとばしる字。
塾の図書室と『ぼくは落ち着きがない』~エッセーコンクール開催中~
小学生の頃通っていた塾には、小さな図書室があった。
2023年のテーマは「図書館が出会わせてくれたもの」です。
「読書に関するエッセーコンクール」作品募集中 - 四日市市立図書館 (yokkaichi-lib.jp)
市民センター図書室と「アナトゥール星伝」
『金の砂漠王(バーデイア)』 折原みと/著 講談社文庫(市立・児庫/F/オ)
私の家から最も近くにある図書館は、市民センター内にある小さな図書室だった。
異世界で運命の人に出会った彼女は、女子高生の感性のまま一人でも多くの命を救おう奮闘する。
2023年のテーマは「図書館が出会わせてくれたもの」です。
「読書に関するエッセーコンクール」作品募集中 - 四日市市立図書館 (yokkaichi-lib.jp)
不器用だけど、作ってみたい。
「手芸をしてみたい!」と思い立ったものの、今までほとんど経験がないし、受けたはずの家庭科の授業の記憶もはるか遠くに…。
野菜はけなげに育つのです
全国の地元パン食べてみませんか。
地元パンとは、その土地土地で長年製造・販売され、親しまれているパンのことです。名称・味・パッケージデザイン等に独特の味わいのあるものが多く、時には地域の土地柄や歴史すら垣間見せてくれるものもあるそうです。この本では北は北海道から南は沖縄まで、著者が情熱をもって蒐集してきた地元パンとその販売店が紹介されています。
エッセーってなあに? ~「読書に関するエッセーコンクール」募集開始~
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!
職人とアーティストの狭間で
最近様々なジャンルの本を読んできましたが、そろそろ原点回帰したいと自分好みの美術史に関する本を探していた際に、ふと目についたのがこの本でした。
しんどいあなたへ ―戦中、戦後、平成の“生きづらい”女たち―
キモノの世界にようこそ
何十年と箪笥の肥やしになっている着物、もったいないなあ、着付け習いに行こうかなと思いつつ、行動に移す事も出来ずにいる私。
そんな私の目に留まったこの本のタイトル、着付けの本かな?と思わず手に取って見たところ、着物のある生活の楽しさを描くコミックエッセイでした。
首を洗って待っていた! 20年目の<戯言>シリーズ。
豆、豆、豆、豆、豆。
今回もとんでもない本に出会いました――『日本の豆ハンドブック』、です。
「文房具沼」へようこそ!
水を浸み込ませる土
絵が語る?愛を語る!自由に語る♪
日本の美しい提灯、一時期盛大に吸われていた煙草、どんな使い方をしたのか忘れられたモノ、今なお形を変えずに残っているモノ、絵画の中には意外なモノが隠されています。
歴史の謎や社会背景、画家たちの思惑をミステリアスなエピソードとともに紹介しており、絵画鑑賞に新たな視点を提示してくれた1冊です。
(2)は、大正生まれの韓国人画家と日本人妻の生涯を綴ったノンフィクションです。
東京での2人の出会い、北朝鮮・元山での新婚生活、朝鮮戦争の勃発、韓国・釜山への避難、方子の日本帰国、息子たちへの自筆絵葉書、夫婦が交わした手紙、ジュンソプの死去、永遠の別れ…。
情熱的な画家と寡黙な妻の姿が、方子へのインタビュー、韓国での現地取材から見えてきます。人が幸せに生きるとはどういうことか考えさせられた1冊です。
「絵画は親しい友だち、美術館は友だちの家」と言う原田マハさんと、「美術館は創造物を糧に生きてきた人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と言うヤマザキマリさんが、美術館や芸術家たちの妄想話を思い付くままに繰り広げます。
絵画や美術館への思いを好きなだけ膨らませて自らの想像力(妄想力?)を養ってくれた1冊です。
よい図書館とは?誰がつくるのか?
へとへとパンって!?
冬が近づいてきました。寒くて家から出たくない日は、おうち時間にぜひ、何か作ってみてくださいね。
散歩のお供に
言の葉は死なず
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見ている影響で手に取ったこの本。
タイムスリップして事件解決!
この本は現代に生きる関口優佳ことおゆうが、江戸時代にタイムスリップし、現代の科学の力で事件を解決していく物語です。
いつも新刊が出ると、次はどんな道具を使って解決するのかわくわくしながら読んでいます。
私にとっての1つの色は2つも3つも名前を持っていた
本書では生まれつき色弱者である著者が、自身が見えている世界や半生を振りかえり紹介している。
本文のおすすめは舞台照明のバイトのエピソード。色の見分け方に驚き、そんな失敗があったのかと楽しく読めた。
戦後改革期 女性国会議員の10年
命の重さはみんな同じだが、それぞれがどのような境遇であっても幸せに生きていくために、政治家ならば、様々な施策を打つべきではないのか。実際、その後はそうした活動をされてきたではないか。今でもそう思ってみえるのか。福田昌子さん、私はあなたと会って、話してみたい。たとえ私の言っていることがきれいごとと言われようと、あなたの本心を、あなたの声で聴いてみたい。
・「読書の秋のおともにエッセー!~エッセーコンクール開催中~」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
日本刀ってすごい
コレも読書に関するエッセー!?~「エッセーコンクール」募集中~
本を読み終わった後、すぐに誰かの感想を聴きたい!ということ、ありませんか?
SNSや読書感想サイトで検索しても、なかなか思うように見つからない……
そんな時にすぐ読める読書に関するエッセーがあるんです!
それは、文庫本の解説。
文庫本の巻末に著者ではない人の解説が載っていることも多いですよね。
ただ「堅苦しそう……」と読み飛ばしてしまっている方、とっても勿体ないです!
文庫本の解説は、その本に関する読書エッセーと言っても過言ではないほど、たくさん愛の詰まった解説が載っていることも多いんですよ。
そんな文庫解説をたくさん紹介している本もあります。
斎藤美奈子/著『文庫解説ワンダーランド』(岩波書店 (市立・成人 019//17)) では、文庫解説を4パターンに分類して紹介しています。
夏目漱石『坊ちゃん』や太宰治『伊豆の踊子』といった名作と、村上龍『限りなく透明に近いブルー』のような現代文学ではどんな人たちが作品への愛を語っているのでしょうか?
是非みなさんも、文庫解説を読んで1冊の本を何度も楽しんでみませんか?
ただし、あとがきや解説のない小説の場合、いきなりクライマックスを開いてしまうこともありますので本文を読み終わった後にチェックするなど、ネタバレには十分ご注意ください。
文庫解説に触れてみて、自分でも本への愛を語りたいと思った方、今度は「読書に関するエッセーコンクール」に挑戦してみませんか?
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
これを読んでエッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へのご応募をお待ちしています!
詳しくは以下のページをご覧ください。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
インベカヲリ★に会いたい! ~あの本のこの人に会いたい!<著者編>~
『週刊読書人』(市立図書館で閲覧できます)で連載していた「なぜ名前にホシがあるのか?」には、インベカヲリ★によるコラムが連載されていた。
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
未来を生きる子どもたちへ かこさんからのメッセージ
かこさんは、書籍の中で、昔のこどもと今の子どもたちは本質的にはそんなに違わないのではないか、生きるということは喜びでなければいけないけれど、苦しみを避けていくこともできないと語っています。
かこさんの言葉がこれからの時代を生きていく子どもたちとそれを支えていく私達、大人にも力を与えてくれると思います。
神話の楽しさ
この2つの文学書は、いずれも多くの世界文学全集に取り入れられている歴史上、貴重な名著です。しかしながら、現代の人は避けているというか、実際読んでみた人は少ないのではないでしょうか。それはおそらく、作られた時期や題材が大変古いということが原因と思われます。しかし、その内容は意外や意外、現代人も案外わくわくさせる内容なのです。
『イリアス』は、ギリシャ軍とトロイア軍との戦争が舞台ですが、戦闘シーンがアメリカのアクション映画のような迫力があって、表現がすごく生々しく、スリリングです。
『西の魔女が死んだ』~あの本のこの人に会いたい!<登場人物編>~
1度目は、8歳の時。
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
エッセーを書いてみよう! 「読書に関するエッセーコンクール」募集中
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
エッセーってなあに? ~「読書に関するエッセー」募集開始~
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
本や読書のエッセーってどんなの? ~「読書に関するエッセー」募集中~
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
宇宙旅行へGO
この本は宇宙の地図です。ですが宇宙の見せ方にちょっと工夫があります。
最近は近県への旅行すらままならないことが多かったと思います。この本を手に、いっそ地球の外、宇宙への旅行に出かけてしまってはいかがでしょう。
ホラーではありません!? 愛の写真集です
ぬいぐるみと言っても、ただのぬいぐるみではありません。とにかく愛されすぎたぬいぐるみなのです。ページをめくって頂ければどんなに愛されたかが一目で分かります。
四日市を知るなら、まずはコレ!
うつし世は夢 よるの夢こそまこと
『江戸川乱歩大事典』 落合教幸/編 勉誠出版 (市立・参考 R910.26/エト/21)
巨大な多面体「乱歩ワールド」を、文学、メディア史、社会学など、広範囲の分野から案内する本書は、戦後から昭和の高度経済成長時代の子供時代を過ごし、少年探偵団シリーズやテレビ放映の明智小五郎シリーズで大いに楽しませてもらった大ファンにとっては、様々な希望に応じた知識を授けてくれる優れものです。
生誕百年を経て、未だに我々を魅了し続ける乱歩の創作・思考の背景にあるものとはいったい何か?
乱歩の形成した人的ネットワーク、そして彼の生きた時代、戦前戦後という文化事象、出版文化の展開と共に花開いた雑誌・メディアなど乱歩ワールドの広がりを体感できる初の大辞典です。作品が書かれた当時の時代背景や政治、人間心理、メディア、美、エロス等、どこを切り口にしても尽きることのない金太郎飴のような豪華さです。これまで乱歩の作品に親しんできた人はもちろん、これから乱歩ワールドに踏み込んでいく人にもおすすめの一冊となっています。
(注:本書は参考図書につき貸出はできません。館内閲覧のみとなりますので、ご了承ください)
余談となりますが、個人的に一番好きな乱歩作品を吐露させて頂くことをお許し頂けるなら、『パノラマ島綺談』をあげさせてください。三重県鳥羽のとある人工島を舞台にした壮大なスケールと豊かなエンターテイメントの世界が融合したダイナミックな作品です。乱歩は三重県出身で鳥羽の造船所で働いていた経験から、海や孤島を背景にした作品を複数書いており、大宴会の場面での豪勢な伊勢海老の舟盛りの描写など説得力があり、イメージが浮かんでくるようです。『江戸川乱歩作品集 3』(江戸川 乱歩/著 岩波書店(市立・成人 B913.6/エト/18))等にも収録されておりますので、 興味のある方はぜひご一読ください。
作るの好きなのに・・・
『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』 コウ ケンテツ/著 ぴあ (市立・成人 596.0//20)
もともと料理は好きなのに時間に追われ、これでいいのか毎日モヤモヤ・・・。
量は足りている?味付けは濃すぎない?栄養バランスは大丈夫?
楽しく食べられればOK!とゆるーく決めているつもりではいても、いろいろ気になってしまう。
そんな時に出会ったのがこちらの本。
あー分かる分かるとうなずくエピソードがたくさんあり、無理のない範囲でできることだけで十分という言葉になんだかホッとしました。
最終章には簡単レシピも掲載されています。そのまま作ってもアレンジしても楽しめますよ、よろしければお試しを。
夢の国への冒険
『東京ディズニーシー20周年クロニクル』 ディズニーファン編集部/編 講談社 (市立・成人 689.5//21)
「次の休日はどこに行こう?何をしよう?」
…きれいな景色に癒されい!
…かわいいキャラクターに会いたい!
…アトラクションで大興奮を味わいたい!
このような気分の時、テーマパークにいきたいと思うこともあるでしょう。
テーマパークは、世代を超えて楽しむことができます。ただ、時期によっては入場制限が発生することもあり、必ずしも全員が行きたいときにすぐ現地に行けるとは限りません。
そこで、直接足を運ぶよりも簡単にテーマパークを楽しむことができる方法があります。その方法とはずばり、本を経由する方法です。本という手段を利用することで、交通機関や入場チケットの購入の必要もなければ、車を運転する必要もありません。
本を読み進めていくとアトラクションやキャラクターを「見て」楽しむことに加え、写真付きで細かく紹介されているディズニーシーの歴史を知ることができます。まるで自分がタイムスリップし、ディズニーシーと共に20年間を歩んでいるような気持ちになります。
ディズニーシーは今、20周年のイベントの真っ最中です。また、2023年にはファンタジースプリングスもオープンします。
まだ見ぬエリアを一足先に楽しむことができるのも、この本ならではの魅力の一つです。
よろしければ本から出発して、パークへ冒険に出かけませんか?
ゼロから学ぶ宇宙論
『ざっくりわかる宇宙論』 竹内 薫/著 筑摩書房 (市立・書庫 443.9//12)
宇宙論と聞くと、難しそうだなと思う方も多いと思います。
実際、私は宇宙論と聞いて難しそうだなと感じました。しかし、読んでみると所々にイラストや分かりやすい例えが用いられ、理系を専攻していなくとも読みやすく書かれています。宇宙にまつわる数百年前の仮説から最新の研究に基づく理論までいろいろな宇宙論が登場し、著名な科学者たちが宇宙をどのように捉えているのかを知ることができます。
これから宇宙について学びたい方、少しでも宇宙に興味を持たれた方は、ぜひご一読ください。
韓国SF
『わたしたちが光の速さで進めないなら』 キム・チョヨプ/著 早川書房 (市立・成人 929.1//20)
日々たくさんの本に触れていますが、普段手に取るのは自分の好きなジャンルや作家の本ばかり。
何か新しいものに挑戦したいなと思っていたところ、不思議な光景が描かれた装丁の本を見つけました。地球と月と寂れた宇宙ステーション。『わたしたちが光の速さで進めないなら』は7篇の短篇からなるSF小説集です。
SFの有名な作家や小説は、図書館で見たり聞いたりはしますが、今までSF小説を読んだことはありませんでした。宇宙戦争や人類滅亡、ロボットによる支配などなど、何となく怖いというイメージがあったからかもしれません。
この小説集は、そんな先入観を見事に払拭してくれました。
舞台となる時代や場所は短篇によって様々ですが、全体を通して感じられるのは、どんな状況であっても人間が人間であることは変わらないんだということ。たとえ宇宙に取り残されても、改造人間になっても、図書館から紙の本がなくなって(!!)も、喜びや悲しみ、憧れや懐かしさ、そういった感情を持つ人間の心は無くならないんだ・・・
読み終えたとき、すべてが愛おしくなるような温かい気持ちになりました。
新型コロナウイルスのパンデミックをテーマにした『最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集』(市立・成人 929.1//22)もおすすめです。
興味がわいたらぜひ、読んでみてください。
なんなん、「現代川柳」?
『はじめまして現代川柳』 小池正博/編著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//20)
????川柳といえば?
「サラリーマン川柳?」「シルバー川柳でしょ」「お~いお茶に載ってるやつ!」
……ですよね。でも川柳、ほんとはそれだけじゃないんです。
百聞は一見に如かず。いくつかご覧いただきましょう↓
妖精は酢豚に似ている絶対似ている/石田柊馬
「「「「「「「「蚊」」」」」」」」 /川合大祐
切れとはぷっつんぞなもし/渡辺隆夫
たぶん彼女はスパイだけれどプードル/兵頭全郎
☆定礎なんかしないよ ☆繰り返し/暮田真名
……なんじゃこりゃ、と思われましたか。思われたあなた、正解です。ようこそ、自由でむちゃくちゃで、ぶっ飛んだ世界へ。
あるあるを去り、私性に走り、それをも突き放した末にできちゃったことばの世界。これらの川柳はまとめて「現代川柳」と呼ばれています。『はじめまして現代川柳』は、その代表作家35名の作品を、76句ずつも収録した特盛アンソロジー。現代川柳を浴びるように楽しめること請け合いです。
もしご興味がわいたら、他にも以下のようなアンソロジーがあります。
『金曜日の川柳』 樋口 由紀子/編著 左右社 (市立・成人 911.46//21)
『近・現代川柳アンソロジー』 桑原 道夫/編 新葉館出版 (市立・成人 911.46//22)
さらに個人句集では、
『リバー・ワールド』 川合大祐/著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//21)
『そら耳のつづきを』 湊 圭伍/著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//21)
『成長痛の月』 飯島 章友/著 素粒社 (市立・成人 911.46//21)
なども。ついでに言うと地域資料室には、現代川柳の同人誌『川柳どうぶつえん』(禁帯出)があります。
現代川柳、いま、まさにいちばんおもしろいことばの大波です。ぜひ触れてみてはいかがでしょうか?
はじめにピザのサイズがあった/小池正博
それ、捨てちゃっていいの?
『捨てない生きかた』 五木 寛之/著 マガジンハウス (914.6/イツ/22)
断捨離ブーム真っただ中の現代社会。そのような時代、捨てないことの大切さに焦点を当てて語りかけてくるこの本は、ガラクタに囲まれて暮らしている身には自己肯定されたような、なんともホッとできる内容でした。
この本で作者は、自分が何故モノを捨てられないかという理由を語ってくれます。その理由とは、モノにはすべて記憶があり、そのモノを手にする時、他者には決して理解してもらえない自分の想いが残されているからなのだそうです。
作者にとっての記憶を呼び覚ますモノとは、物理的な物だけとは限りません。例えばたったひとつのメロディーからでも、懐かしい香りからでも、記憶は覚醒してくるのです。
ここから、作者の視野はさらにひろがってゆきます。捨てないモノの対象には、例えば、どこかの町に残っている碑、地方の方言、言い伝えの伝承といったものも含まれています。それらを通じて、未来の人間は過去の記憶や人々の想いとつながりを持つことができるからです。
小説、エッセーで多くの人々に親しまれる作家が記すモノを捨てない生き方。雑誌のような気楽さで肩こらずに読める一冊です。
奈良公園のコガネムシ
『奈良の鹿』 奈良の鹿愛護会/監修 京阪奈情報教育出版 (市立・書庫 482.9//10)
『たくましくて美しい糞虫図鑑』 中村 圭一/著 創元社 (市立・成人 486.6//21)
先日図書館の本棚で、以前読んだ『奈良の鹿』を見かけました。
奈良公園の鹿について、保護活動、おやつ、生態系、歴史など、多方面から学べる本です。
奈良公園には糞を食べるコガネムシがたくさん生息していて、芝生・鹿・コガネムシが互いに関わりあいながら共存していることをこの本で読み、驚いたのを思い出しました。
そこで少し調べてみたところ、奈良市に「ならまち糞虫館」があり、その館長さんが最近も本を出されているようなのです。
おっ、図書館にありました。『たくましくて美しい糞虫図鑑』。
「糞虫」とは、糞を食べるコガネムシの仲間を指すのだそうです。
本を開くと、糞虫の基礎知識、日本の糞虫の解説、世界の糞虫の写真のほか、糞虫館を作るまでの館長の歩み、糞虫観察の春夏秋冬、糞虫を語り合う対談等が書かれていて、初学者の私にも楽しい読みものでした。
レッツ糞虫観察!とまではいかないかもしれませんが、足元の世界で起きていることを知るのってワクワクすると思いませんか?
貝殻から見える世界
『貝と文明』 ヘレン・スケールズ/著 築地書館 (市立・成人 486//16)
皆さんは貝と聞くとまず何を思い浮かべますか?
私を含め多くの方は、食卓で並ぶことが多いアサリやカキ、人によってはアクセサリーに用いられる真珠を思い浮かべるでしょう。
今回紹介する本の主役は、貝を中心にタコ、イカなどを含む軟体動物たちです。
海洋生物学者である著者は、私たちが知っているようであまり知らないこれらの生き物たちについて、最新の研究やユニークな体験談を交えつつ分かりやすく解説してくれています。
ある章では貝殻がどのように作られるのか、アオイガイ(貝殻のあるタコのような見た目です)の不思議な習性など軟体動物それ自体がテーマになっています。一方、ある章では、カキ養殖の新たな取組やイモガイの毒を活用した新薬開発についてなど、軟体動物と人間との関わりがテーマとなっています。
最終章のテーマは、今日の軟体動物たちを取り巻く海の変化です。ここでは、海の変化が軟体動物にどのようなリスクをもたらすのか実験や調査をもとに語られています。
読み終えた私は、「いつか砂浜でのんびり貝殻を拾い集めるのも楽しそうだな…」と海に思いをはせると同時に、自分たちが今当たり前に食べているアサリやイカをいつか食べることができなくなるのではという不安も感じました。
この本が、皆さんが貝や海に興味をもったり、馴染み深いものから人間の営みや自然とのかかわりを考えるきっかけになればと思います。
まずはルールを決めること
『死んでも床にモノを置かない。』 須藤昌子/著 すばる舎 (市立・成人 597.5//19)
タイトルに惹かれて読まずにいられなかった2年前(だったはず)。
サブタイトルは、片づけ・掃除上手がやっている「絶対やらない」ことのルール。
ルールその1がタイトルの「死んでも床にモノを置かない。」
これだけで、家がきれいになっていきます。(!)
その理由は、床にモノがない状態を維持できれば、掃除や整理が一気に楽になるから。
今度こそやるしかありません。でも、大切なのは「やる片づけ」ではなく、「やらない片づけ」なのです。
視覚障害者と一緒に「言葉による美術鑑賞」を楽しむ!
この本では、白鳥さんとアートを見ると楽しいよ」という友人の一言から、ユニークな旅が始まります。全盲の白鳥さんと一緒に見ていると、たくさんの会話が生まれます。ときには思いがけない方向に話が飛んで行ったり、脱線したり、発展することも…。
見える・見えないとは?障害とは?差別とは?アートとは?どう伝える?何を伝える?作品の前で色々な言葉が出会うとき、驚き・喜び・気づき…、新たな発見があります。分かり合えない他者と寄り添う関係、曖昧な記憶、果たして本当に見えているのだろうか?…先入観や偏見で凝り固まった常識が壊れていきます。
見えない人と一緒に時間を過ごす喜び、浮かび上がる社会や人間の真実、時空を超えて聴こえてくる作品からのメッセージ…。アートを巡るコミニュケーションにこそ、心の内側を知る鍵が隠されているのです。
この本を読めば「言葉による美術鑑賞」の追体験が楽しめます!さぁ、見えない目とともにアートを見る旅へ出かけましょう。
「身の丈にあった」に惹かれて
『身の丈にあった勉強法』 菅 広文/著 幻冬舎 (市立・成人 379.7//18)
「少し難しそうな内容の本だな。読むのは今度にしよう。」
私がこの本のタイトルだけを見た時の第一印象です。
しかし、どうしても「身の丈にあった」に惹かれてしまい、読んでみました。
この本の最初の章に、「この本で紹介する基本的な勉強法は、宇治原に教えてもらい、僕でも出来そうなやり方をその中から抜粋しました。」(書籍からの引用)とあります。
著者は、ロザンというコンビの芸人さんです。相方である、宇治原史規さん(京都大学出身)の勉強法の中から著者である菅さんが出来そうな方法が抜粋されています。「勉強法」と聞くと、少しかたく感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。私も、読む前はかたい内容の本だと思っていました。
やはり「勉強法」と謳っているだけあり、章ごとにそれぞれ「身の丈にあった勉強法」が紹介されているのですが、ただ勉強法が紹介されているだけではなく、クスッと笑える要素も含まれています。
個人的なお話になりますが、実際に読んでみて、特に難しく感じることなく、楽しく読み進めることができました。楽しみながら「身の丈にあった勉強法」も知れて、一石二鳥!?かもしれません。
よろしければ、ぜひ一度タイトルで躊躇せず、内容も読んでみてください。
龍玉(ロンユイ)の行方は?
『蒼穹の昴』 (上、下巻) 浅田次郎/著 講談社 (市立・成人 913.6/アサ/13)
『珍妃の井戸』 浅田次郎/著 講談社 (市立・書庫 913.6/アサ)
『中原の虹』 (1~4巻) 浅田次郎/著 講談社 (市立・書庫 913.6/アサ/06)
『マンチュリアン・リポート』 浅田次郎/著 講談社 (市立・書庫 913.6/アサ/10)
『天子蒙塵』 浅田次郎/著 講談社 (市立・成人 913.6/アサ/16)
『兵諫』 浅田次郎/著 講談社 (市立・書庫 913.6/アサ/21)
中国の歴史ドラマにはまっています。特に清王朝の荘厳な紫禁城(現故宮博物院)で繰り広げられる煌びやかな世界に引き込まれます。
そんな私がお勧めしたい小説は、テレビドラマにもなった浅田次郎著の『蒼穹の昴』です。その後、シリーズとして、『珍妃の井戸』、『中原の虹』、『マンチュリアン・リポート』、『天子蒙塵』、最新作の『兵諫』(へいかん)へと続きます。清朝最盛期の華やかな時代とは違い、西大后が牽制をふるった王朝衰退期から、近代中国への混沌とした時代の物語です。中国を統べる者が持つと言われる龍玉(ロンユイ)がシリーズのキーワードとなり、史実と創作の人物が織り交ざって物語は進んでいきます。どれか一部だけ読んでも充分楽しむことができます。
以前は「中国の小説は、難しい漢字が多くて読みにくい」という印象を持っていました。このシリーズは、漢字のルビが中国語読みになっています。中国から伝わった漢字の読みの違いも楽しんでほしいです。
ぜひ、中国四千年の歴史とも言われる中国の王朝最後の物語を見届けてください。
おもしろい計算力の世界へ
『世界の猫はざっくり何匹?』 ロブ・イースタウェイ/著 ダイヤモンド社 (市立・成人 417.6//21)
おおざっぱな計算で世の中にある数値を把握しようと試みる本です。
仮定を立て1つ1つ推論していく過程が面白く、タイトルである「世界の猫はざっくり何匹?」は本書のはじめに紹介される1例です。
他にも身近な大人の髪の毛の本数から、環境問題まであります。読者自身が導き出せるように、おおざっぱな計算に必要な知識や方法が解説してあるので楽しく学びながら読めます。
なつかしのアレコレ
『絶滅事典 20世紀末モノ&コトカタログ』 造事務所/編著 カンゼン (市立・成人 049//21)
1970年代から1990年代にかけて流行したものの、現在はあまり見かけなくなったモノやコトを集めた本です。生活(衣食住)、学校、趣味・娯楽、仕事・技術の4章に分かれ、編集部が独自に設定した絶滅の度合いも表示されています。
学校の章では、わら半紙やロケット鉛筆、多面式筆箱やアルコールランプなど懐かしのモノが多数登場。そういえばあんなこともあったな-、と思わず学生時代を振り返ってしまいました。
1つの項目は1~2ページで完結しているので、どこから読んでも楽しめます。
ところどころに登場するイラストとコメントもぜひチェックしてみてください。
パンダを知りたい!
『読むパンダ』 黒柳徹子/選・日本ペンクラブ/編 白水社 (市立・成人 489.5//18)
上野動物園で誕生した双子パンダの名前が決まりました。男の子が“シャオシャオ(暁暁)”、女の子が“レイレイ(蕾蕾)”。幼い頃に、テレビでパンダ幼稚園のドキュメンタリーを見て以来、なんとなく注目しているパンダ。最近は、疲れた時に二頭の動画に癒しを与えてもらっています。名前が決まったことで、さらに可愛さが増した気がします。
この本は、『パンダを愉しむ』、『パンダを知る』、『パンダを守る』の三章で構成されています。
第一章では、漫画『しろくまカフェ』の作者であるヒガアロハさん、映画『パンダコパンダ』の監督である高畑勲さん、他にも作家の浅田次郎さん、温又柔さんといった方々がパンダにまつわる書下ろしエッセイを寄せています。
第二章では上野動物園やアドベンチャーワールドでパンダ飼育を担当された方の実体験・飼育日記が、第三章では、パンダの保護活動について書かれています。さらにパンダ愛溢れる黒柳徹子さんの座談会もあり。
少しでもパンダに興味がある方、ぜひ読んでほしい一冊です。
ヒルと生きる
『ヒルは木から落ちてこない。ぼくらのヤマビル研究記』 樋口大良+子どもヤマビル研究会/著 山と渓谷社 (市立・地域、L483//21)
鈴鹿の山に登った後で、近場の温泉に行く。「ゆっくりつかろうか」と友と話しながら、Tシャツをばっと脱いだ瞬間「ボトッ」何かが床に落ちる。「今日も暑かったな」と帰りの車を走らせていると、何やら靴下の中がムズムズしたので信号待ちの時に靴を脱いでみる。「コロン」何かが転がる。
言うまでもなく鈴鹿の山(なかでも堆積岩帯の山)の名物『ヒル』である。このなじみ深い生き物の生態を解き明かしていこうと、観察を重ね、実験をし、次々に課題をクリアーしていくヤマビル研究会の子どもたちの姿がとてもかっこいい。自分もこの研究会の一員になった気になって、一気に読んでしまった。
「ヒルの生態を観察し、自然の仕組みを解き明かす・・・」ポッサム先生と研究会のメンバーが掲げているテーマは、私たち人間は自然を愛し、守り、共に生きていこうとすることの大切さを改めて考えさせてくれた。まだまだ解らないことがたくさんあるけれど、『ヒル』は生きている。そして私たちも生きている。そのかかわりは特殊な形かもしれないが、お互いに求めあっていることは事実であると感じた。より深く知るために。
「気持ちわる~」と言っているあなた、そんなこと言わずにぜひ読んでみてください。子どもヤマビル研究会の活動をぜったい応援したくなるから。
セミだけじゃない!いろんな虫のいろんなぬけがら!
『虫のぬけがら図鑑』 安田守/著 ベレ出版 (市立・成人 486.1//21)
虫のぬけがらと言えば、「セミ!」と思っていた私。
この本には、日本に生息し脱皮する様々な昆虫やクモなどのぬけがらが写真で紹介されています。
私はまだ見たことのない「ぬけがら」ばかりで、細長ーいナナフシやトゲトゲのテントウムシのぬけがらなんて、どうやってそのままの形が残るように脱いだのかな?
確かに、うちのカブトムシたちも羽化するときに脱皮したし、成長する時に脱皮する虫には、「ぬけがら」が必ず存在するってことか、フムフム。
と、それほど虫に興味がないのにじっくり読んでしまいました。
図書館にこの本が入った時、ちょうど謎のぬけがらを見つけたある職員。
さっそく、一緒にこの本で「ぬけがらウオッチング」。おそらく「バッタの仲間」ということが分かりました!
謎のぬけがらを見つけた時にはぜひ、この本で確認してみてください。
無人島に1冊持っていくなら? ~エッセーコンクール募集中~
『パノラマ島美談』 西尾維新/著 講談社 (市立・書庫 B913.6/ニシ/16)
今年も図書館では、「読書に関するエッセー」を募集しています。
今回のテーマは、「無人島に1冊持っていくなら?」です。
私が無人島に1冊持っていくなら、西尾維新『パノラマ島美談』です。
『パノラマ島美談』は、2021年4月から放送していたアニメ「美少年探偵団」の原作シリーズ第5作目にあたります。残念ながらアニメでは飛ばされてしまったエピソードですが、無人島にピッタリの1冊なんです!
私立指輪学園中等部で、秘密裏に活動する、非公式かつ非営利組織“美少年探偵団”。
そのメンバーとは、リーダーで美学のマナブこと、双頭院学。生徒会で美声のナガヒロこと、咲口長広。番長で美食のミチルこと、袋井満。陸上部で美脚のヒョータこと、足利瓢汰。そして、ひょんなことからメンバー入りした美観のマユミこと、瞳島眉美である。
1.美しくあること2.少年であること3.探偵であることをモットーに校内のトラブル解決に勤しんでいた彼らが冬休みの合宿地に選んだのは、琵琶湖に浮かぶ無人島『野良間島』。その島では、学園から追放された元美術教師の永久井こわ子が、たった1作の絵を飾るための美術館を建てていた。美少年探偵団のアジトである美術室を正式に譲り受けようとした彼らは、5つの美術館からそれぞれに展示されている『見えない絵』を見つけることを求められ……?
西尾維新作品の中でも、1冊が短い「美少年探偵団」シリーズ。
もしかしたら無人島に行く道中で読み終わってしまうかもしれません。でも、それでかまわないのです。無人島に行くのですから、きっとそこには、謎が、チームが待っているはず。無人島への期待に胸を高鳴らせて、上陸できるに違いありません。
さあ、“無人島でも”美しく、少年のように、探偵をしよう。
皆さんも是非、「読書に関するエッセー」に応募して、おすすめの本を教えてくださいね!
- 「読書に関するエッセー」募集について(図書館ホームページお知らせ記事が開きます。)
エッセーのすすめ
『仙台ぐらし』 伊坂幸太郎/著 荒蝦夷 (市立・成人 914.6/イサ/12)
高校生のころ、お気に入り作家の新作小説だ!と思って読んだら何だか変。いつまでたっても登場人物が出てこない。ストーリーがすすまない。何これ? というのが、当時、フィクションしか読んだことがなかった私とエッセーの出会い。
その後、「笑っちゃうから電車で読んだら絶対だめ」と友人に原田宗典さんのエッセーを紹介され、どっぷりはまったのでした。
特に、小説家のエッセーは、小説を読んでいるだけではなかなか目に浮かばない書き手の姿をリアルに感じることができ、距離感がぐっと近づくように思います。
『仙台ぐらし』はそんな作家の一人、伊坂幸太郎さんのエッセー。
仙台の地域誌に掲載していたものを2011年に書籍化予定でしたが、震災により翌年に延期された経緯があります。震災より前に書かれた、くすっと笑えるおだやかな日常と、震災後、もう一度「作品を書く」ということに向き合っていく伊坂さんの言葉。伊坂さんの新作小説を楽しく読みながらも、ときどきこのエッセーを振り返るように読んでいます。
なお、現在、図書館では「読書に関するエッセーコンクール」の作品を募集中。今年のテーマは「無人島に1冊持っていくなら?」です。
非日常だったいろんなことが、日常となりつつある今、あなたの思いをつづってみませんか。メールでもご応募できます。
興味がある方はこちらもご覧ください(図書館ホームページ「読書に関するエッセーコンクール」作品募集のお知らせ記事が開きます)。
青空文庫で読んでみる
『三国志』1~8巻 吉川英治/著 講談社 (市立・成人 B/913.6/ヨシ/12)
なかなか思うように外出できない日々が続きます。
図書館に行けない、でも読みたい・・・そんなときは、「青空文庫」を利用してみてはいかがでしょう。
「青空文庫」は、著作権保護期間の終わった作品や、著者・訳者が公開に同意した作品を、web上で誰でも読めるようにしたもの。今では、かなりの作品数が公開されています。
・・・でも「青空文庫」って、芥川とか、古いのばっかりでしょ(ごめんなさい!)、と思ったあなた。
そう、確かに古い。ですが、「文豪」をとりあげた漫画やアニメがヒットした影響もあり、若い世代の方でも作品が読み直されているんです。今まで読んだことがない人も、むかし読んだけど響かなかった人も、今だからこそ、味わえる作品に出会えるかもしれません。
ちなみに私が今、目をつけているのは、吉川英治の「三国志」全8巻。
かつて、友人に「おもしろくて一気読みだよ!」とすすめられたのですが、挫折。途中までは一気に読むのですが、いつも自然消滅。今回、3度目のチャレンジです。
返却期限がない青空文庫、図書館とともに活用してはいかがでしょうか。