ハンセン病療養所は今…そしてその後の行方は?

『あなたがたの島へ ハンセン病療養所と私』 沢 知恵/著 岩波書店(市立・成人 498.6//25)
『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史 園歌はうたう』 沢 知恵/著 岩波書店(市立・成人 767.6//22)

 

 

「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない」(明石海人歌集『白描』序文より)


ハンセン病療養所の入所者の多くは、凍てつくような孤独をいつしか溶かすために、熱い炎で自らを燃やさねばならなかったのです。
1996年に「らい予防法」は廃止されたが、療養所の生活は今も続いている。『あなたがたの島へ』によると、2025年6月末現在、全国の療養所の入所者は615人で平均年齢は88歳を超えた。療養所の役割は終わろうとしているが、ハンセン病問題はいままさに正念場に差しかかっている。最後のひとりまで今いる療養所で安心してくらせるのか?だれもいなくなった療養所の納骨堂はだれが守るのか?何をどのように残し伝えていくか?


大島青松園を生後6か月で初めて訪れた著者は、約20年ぶりに島を再訪し、以後は島に通い続けている。島の教会で発見した園歌の楽譜には、民族浄化・一大家族・楽土という歌詞が…。だれが何のためにつくったのか?入所者はどんな気持ちでうたったのか?他の療養所にも園歌があったのか?…。さまざまな疑問を解決するために、著者は全国の療養所を訪ねて回った。

この2冊の本を読んで、入所者や療養所の今後の行方についても改めて考えてほしい。