水を浸み込ませる土
『よくわかる土中環境』 高田 宏臣/著 パルコエンタテインメント事業部 (市立・成人 468.2//22)
この本は、山・川・里・海が一体としてつながる自然の仕組みについて知る本です。
大地が雨を浸み込ませる。山では木々が土中をぬらしながら水を吸い上げる。余った水は下に下り水脈を伝って川や海に湧き出る。
このつながりを保つには水と空気が循環する土中環境が必要だというのです。
土の中の水と空気の動きが妨げられてしまうとやがて、水が浸透しにくくなった山からは泥水が流れ落ち、その泥が川底を詰まらせるようになるのだそうです。
そして人間が住む里。昔の人々の暮らしの中には、水源を守る木を御神木とする、川や池の泥をさらい脇に木を植えるなど、自然の仕組みを維持する営みがみられることが紹介されています。
では今の私はどうすればよいか。本書後半は、身近な場所から土の中を改善するとして、落葉や枝の活用法、庭に溝や穴を掘ること、土を育てる草の刈り方などの働きかけを教えてくれます。
良好な環境にある土って、ふわっと軽く、しっとりと潤ってるんですって。