図書館スタッフおすすめ本

平和について「いま語りたいこと」とは・・。

『私の戦後80年、そしてこれからのために』 岩波書店編集部/編・赤坂 真理/ほか著 岩波書店(市立・成人 304//26)

 

 戦後〇〇年という言葉をこれまでも毎年のように聞いてきました。
そして、2025年には、ついに1945年以前生まれが総人口の約12%となってしまったそうです。
 この本は、戦争体験者の100歳から19歳の大学生までの人たちが「いま語りたいこと」を寄せています。
戦争や平和の大切さについて、それぞれの思いを世代や立場を超えて伝えています。
今を生きるわたしたち、そしてこれからの世代に向けて、ぜひ読んでほしい本です。

素敵なマンガ、どうじょどうじょ

『B&D』 ほし よりこ/著 マガジンハウス(市立・成人 726.1/ホシ/15)


 ご存じでしょうか、図書館では、マンガも所蔵しています。
 数は多くないですが、一度読むとくせになり、どうにも忘れられなくなるようなマンガを、実は所蔵していたりします。その一冊が、今回紹介する『B&D』です。
 『きょうの猫村さん』で著名な、ほしよりこ先生作。あちらが長期連載なのに対し、こちらは一巻完結です。天才幼児チィチィ(3歳)とそのお兄さんテイチ、さらに飛び級で進学するチィチィを取り巻く少年・青年・先生たちの日常が、見開き2ページ=一話のペースでテンポよく描かれていきます。
 このマンガ、なぜか男性しか出てきません。しかもチィチィは天才なので、周りも冴えた人ばかり……いや、冴えすぎて一転、愛らしい人ばかり。各話ほぼなんでもない会話に終始しますが、その中に突然、目を瞠(みは)るほど輝くセリフが飛び出してきます。
 「自分の百点をあげようとするなんて絶対しちゃいけない事なんだよ」
 「雨やどりの時にさ タバコプカーとふかしてな 煙が雨に打たれてるとこ見んの、大好きなんだよな」
 「いいから秋野も数えろよ 数も数えられないもったいぶった人生かよ」
 ほし先生のえんぴつ画の画風も相まって、何度も味わいたくなるセリフ、多数。
 それとは別に、日常生活で使いたくなるセリフも、多数。
 「ちんどうってよばれてる」
 「どうじょどうじょ」
 「ちっかりちろよっ!」
 「ちゅきなんだぜ オレたちのこと」
 私は使っています。気になるでしょう。ぜひ一度お読みになって、「いかちた会話、ちてこうぜ。」

「歴史を歩く旅へいざ!」

『歩いて学ぶ日本古代史 全3巻』 新古代史の会/編 吉川弘文館(市立・成人 210.3//25)

 

皆さんは、遺跡を訪れたことはありますか?
もしかしたら、三内丸山遺跡や吉野ケ里遺跡、平城宮跡などを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
私は学生時代に歴史(日本古代史)を勉強していて、休日には関西圏を中心に遺跡巡りや博物館巡りをしていました。
この本を手に取った時、私が大学で研究していたテーマについても触れられていたことを知り、卒論を書く前に出版されていたらさぞ頼もしいものだったなと思います。


 本書は、古代史の舞台となった重要な遺跡や、有名な場所を取り上げ、その歴史的な意義を最新の研究成果をふまえ、分かりやすく解説しています。
第1巻から第3巻まであり、通読すれば、古代史の実像が見えてきます。
各項目の最後には、実際に訪れて体感することができる遺跡や資料館、博物館HPの二次元コードを載せており、より詳しい情報に素早くアクセスすることができます。
また、第2巻では、四日市の古代とも深いかかわりがある久留倍官衙遺跡についても紹介されています。
皆さんもお気に入りのスポットを見つけて、歴史を体感してみませんか?

 

 

関連本
『壬申の乱を歩く』 倉本 一宏著 吉川弘文館(市立・書庫 210.3//07)

  古代史上最大の内乱、「壬申の乱」の行程をたどった本です。

  四日市についての記載があります。
『人物で学ぶ日本古代史 全3巻』 新古代史の会/編 吉川弘文館(市立・成人 210.3//22)

いつまでも歌い続けられる歌がある!

『生きてりゃいいさ 河島英五伝』  花房 観音/著 西日本出版社(市立・成人 767.8//25)

 

「生きてりゃいいさ 生きてりゃいいさ そうさ 生きてりゃいいのさ 喜びも悲しみも立ち止まりはしない めぐりめぐっていくのさ」(河島英五の歌「生きてりゃいいさ」より抜粋)

 

日本酒のCMで大ヒットした「酒と泪と男と女」をつくった河島英五は、亡くなる3日前までステージに立ち続けて、2001年4月に48歳でこの世を去った。

本書は、英五の歌を題材にして家族を心から愛した英五の生きざまを綴(つづ)っている。河島ファミリーから聞いたエピソード、笑福亭鶴瓶・桂南光・原田伸郎らの回想録からは、人間味あふれる英五の姿が浮かび上がる!「何かいいことないかな」、「酒と泪と男と女」、「時代おくれ」、「生きてりゃいいさ」、「旧友再会」、「月の花まつり」、「百年たったら」…。英五の歌は心に響くメッセージをたくさん残してくれた。

2026年4月で、英五が亡くなって25年になるが、英五の歌は、今日もどこかでだれかが歌っている。そしてこれからも英五の歌は、いつまでも歌い続けられることだろう!

ハンセン病療養所は今…そしてその後の行方は?

『あなたがたの島へ ハンセン病療養所と私』 沢 知恵/著 岩波書店(市立・成人 498.6//25)
『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史 園歌はうたう』 沢 知恵/著 岩波書店(市立・成人 767.6//22)

 

 

「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない」(明石海人歌集『白描』序文より)


ハンセン病療養所の入所者の多くは、凍てつくような孤独をいつしか溶かすために、熱い炎で自らを燃やさねばならなかったのです。
1996年に「らい予防法」は廃止されたが、療養所の生活は今も続いている。『あなたがたの島へ』によると、2025年6月末現在、全国の療養所の入所者は615人で平均年齢は88歳を超えた。療養所の役割は終わろうとしているが、ハンセン病問題はいままさに正念場に差しかかっている。最後のひとりまで今いる療養所で安心してくらせるのか?だれもいなくなった療養所の納骨堂はだれが守るのか?何をどのように残し伝えていくか?


大島青松園を生後6か月で初めて訪れた著者は、約20年ぶりに島を再訪し、以後は島に通い続けている。島の教会で発見した園歌の楽譜には、民族浄化・一大家族・楽土という歌詞が…。だれが何のためにつくったのか?入所者はどんな気持ちでうたったのか?他の療養所にも園歌があったのか?…。さまざまな疑問を解決するために、著者は全国の療養所を訪ねて回った。

この2冊の本を読んで、入所者や療養所の今後の行方についても改めて考えてほしい。

巨木を巡る

『巨樹・巨木図鑑 一度は訪れたい、全国の大樹たち』 小山 洋二/著 日本文芸社(市立・成人 653.2//24)

 

最近、妙に大きな木に惹かれるようになりました。
もともと神社仏閣を見て回ることが好きなのですが、参道や境内に立派な木があると立ち止まり、何も考えず数十秒間ぼーっと眺めてしまいます。

 

近くに見ごたえのある大きな木はないかな?と思い、この本を手に取りました。
本書は、全国各地の巨樹・巨木が写真をメインに紹介されており、パラパラとページをめくり、写真を眺めるだけでも楽しめます。
三重県、岐阜県、愛知県の巨樹・巨木も沢山紹介されていたので、実際に何ヵ所か巡ってみました。

 

一番良かったのは愛知県岡崎市の「須佐之男神社・切越の夫婦ヒノキ」です。
神社の階段の左右にそれぞれ一本ずつヒノキが生えていますが、まるで一本のヒノキを真っ二つに割ったような配置・形状になっています。一見の価値ありです。
ただし、舗装されていない険しい山道を車で進むことになるので、車を汚したくない人、運転に自信がない人にはおすすめできません。私も途中で引き返そうかと悩みました。

 

他にも見てみたい木があるので、機会を見つけて巡ってみたいと思います。

アンニョン ハセヨー!

『今さら聞けない現代韓国の超基本 ドラマ・文学・K-POPがもっとわかる』 朝日新聞出版/編著 朝日新聞出版(市立・成人 302.2//25)

 

皆さんは「韓国」と聞いて、最初に何を思い浮かべますか?
K-POP、ドラマや映画、小説、韓国料理、あるいはコスメやファッション。
いまや世界を席巻するKコンテンツですが、意外と知らないのが韓国の素顔。
知らなくても、ドラマも音楽も楽しめますが、その国の歴史や文化を知ることで、作品世界や推しの言葉や振る舞いをより深く理解することができます。

 

私事ですが、この年末年始はソウル(マイナス10度!身体が悲鳴)で過ごしました。
韓国のお正月は、旧正月(ソルラルといって、今年は2月17日)を盛大にお祝いします。
そのため、12月31日~1月1日は私が滞在していたホテル周辺は花火が上がったくらいで、飲食店や商業施設は通常営業でした。
そして、日本で小学生女子に大人気!ボンボンドロップシールを始め、立体シールがお友だちの分もたーくさん購入できて、6年生女子は大喜びでした。韓国でも、少しずつ人気が出てきているそうです。雑貨屋さんでは、同じように日本人の女の子を何人も見かけました。

 

中部国際空港から、北海道と同じ2時間で行ける韓国。
本書ではますます身近になっていく韓国について、文化、社会、歴史を多角的に知ることができます。
日韓関係のこれからも含め「近くて遠い国」への、真の理解を深めてみませんか。

箱根駅伝熱かったー

『駅伝のすべて 知るほど面白い観戦知識と競技の魅力』 坪田 智夫/監修 メイツユニバーサルコンテンツ (市立・成人 782.3//23)

 

今年もたくさんのドラマがありました!お正月の風物詩、箱根駅伝!
この本は、箱根駅伝はもちろん、駅伝全般の歴史から基本的なルール、特性等がイラスト満載でわかりやすく書いてあります。
現役駅伝監督の解説による箱根駅伝の区間ごとのポイント、選抜メンバー・付き添い係・給水係の前日・当日のスケジュール・本番に向けた準備など、裏話的なことを知ることができておもしろかったです。
箱根駅伝の伴走車が昔は自転車だったことをこの本で初めて知りました。他にも、出場選手は大会中は単独行動が多いという話も、確かにそうなるよな、と思ったり、改めて駅伝について色々と学ぶことができました

駅伝前にコースの復習をするも良し、観戦後に思い出しながら読むも良しの一冊です。
駅伝について、とてもわかりやすく書いてあって気軽に読めるので、おすすめです。

見えない自分に気づく本

『差別はたいてい悪意のない人がする 見えない排除に気づくための10章』 キム ジヘ/著 尹 怡景/訳 大月書店(市立・成人 361.8//21)

 

 このタイトルに「?」が浮かぶ人は少なくないと思います。私自身、差別は悪意ある人による卑劣な行為だと思っていました。本書の冒頭で著者が語る実体験を通して、反差別を貫く人でさえ意図せず他者の心を踏みにじることがあると知らされ、固定観念を砕かれた思いがしました。


 気になって他の本も併せ読むと、否定・侮辱・疎外のメッセージを含んだ言動が悪意なく発せられる背景には、無自覚のバイアス(偏見・思い込み)があることにも気づかされました。自己の半生を振り返ると、いくつかの思い当たる場面(例:「また人権の研修会かよ…」と呟いたこと)が蘇り、配慮なき言動は正義感や善意さえ心をえぐる刃に変えることに気づかされました。


 ネットには偏見や憎悪を煽る真偽不明の情報があふれ、差別は一層見え難さを増して拡大再生産を続けています。この本は、行く先が見えない現代社会を生きる私たちに、悪意なき差別を見抜く叡智と勇気を与え、自己を見つめ問い返す誠実さを取り戻してくれる一冊だと思います。

 

 

<関連本(抄)>
『あなたにもある無意識の偏見 アンコンシャスバイアス』 北村 英哉/著 河出書房新社(市立・人権同和 361.4//25)
『マイクロアグレッションを吹っ飛ばせ やさしく学ぶ人権の話』 渡辺 雅之/著 高文研(市立・人権同和 361.8//21)
『中学校の授業でネット中傷を考えた 指先ひとつで加害者にならないために』 宇多川 はるか/著 講談社(市立・成人 007.3//23)

観光パンフレットで過去を旅する

『日本の観光 昭和初期観光パンフレットに見る 2 近畿・東海・北陸篇』 谷沢 明/著 八坂書房(市立・成人 689.2//21)(市立・地域 L290//21)

 

 みなさん、旅は好きですか?
 観光地のガイドブックやパンフレットを見て、「次はどこに行こうかな?」と考えたり、「また行きたいな」と振り返ったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。 

 

 本書では、昭和初期に作られた「観光パンフレット」を取り上げ、観光地の歴史などとともに紹介しています。
 海水浴場があり観光地として人気だった四日市の観光パンフレットも登場します。

 

 今では写真入りのパンフレットが当たり前ですが、当時は絵で描かれているのが当たり前。
 どれも色鮮やかで、鳥瞰図で描かれているものが多いので、まるで上からその地を眺めているような気分になるのも魅力的です。
 四日市の海には可愛らしい鯛やハマグリが描かれており、今はもうなくなってしまった競馬場、別荘地、海水浴場など観光地としての賑わいなどが伝わってきます。
 
 本書の冒頭には「大正末~昭和初期には、鉄道など交通網の発達もあり、旅行ブームが起きた」とあります。
 当時の人も、うきうきわくわくしながらパンフレット片手に旅行したり、誰かが持ち帰ったものを見て自分もいつか行ってみたいなと思ったりしたのかもしれませんね。

待ってました。読みたかった。

『砂の器 映画の魔性 監督野村芳太郎と松本清張映画』 樋口 尚文/著 筑摩書房(市立・成人 778.2//25) 

 

 この本が出た時、嬉しすぎて飛び上がってしまいました。
 今まで数多く映像化されてきた松本清張作品の中でも私が一番感動した、1974年版・映画「砂の器」撮影の秘密・・・あの切なく甘美で壮大な音楽『宿命』の誕生秘話や、美しい日本の原風景撮影の裏側など・・・を、様々な人へのインタビューを通して知ることができるのですから。
 「砂の器」は、当時の、ある病気への差別から親子がお遍路となり各地を放浪し、果ては親子の縁を切らなければならなかった悲しみや、その後におきてしまう悲劇・・・ 社会派作家の松本清張さんにしか書けない深い作品です。
 
 さて余談ですが・・・テレビドラマ「家政夫のミタゾノ」は、市原悦子さん主演で有名な「家政婦は見た!」のパロディですが、元々は、松本清張さんの「熱い空気」が原作ということをご存知でしょうか。
 現在に至るまで何度も何度も映像化されていて・・・その魅力は永遠です。

「推し(仏)」に会いに行く旅

『見仏記ガイドブック』 いとう せいこう・みうら じゅん/著 角川書店(市立・成人 185.9//12)

 

学生時分、「趣味は読書です」なんて(恥ずかしげもなく)言っていたというのに、社会人になって以降、本を読むといえば、業務必携本やら仕事関連の本を開くくらい。
縁あって図書館勤務となり、来館者のみなさんがたくさん本を借りていかれる姿を見るにつけ、すっかり読書から遠ざかってしまった自分を反省することしきりである。


さて、私が「趣味は読書」なんて言っていた頃に読んだ本のひとつ、『見仏記』。
鬼才2人が楽しく仏像を訪ねて紹介しているのだが、そのノリがたまらなくいい。
ウルトラマンの口許は弥勒菩薩像のオマージュであると言ってみたり、吉祥天女に不埒な想いを寄せてみたりとやりたい放題である。
「仏(ブツ)が目白押し」という表現は、読んでから三十年以上経った今も忘れられないフレーズだ。
『見仏記ガイドブック』では、『見仏記』シリーズでいとう氏とみうら氏が回ったお寺を地方別にまとめてあり、自分が会いにいきたい仏を選びやすくなっている。
「見仏旅」では信仰心や美術心は必要ない。ただ「いいなぁ」と思うだけでいい。
私も「推し(仏)」に会いに行ってみたいと思う。

『見仏記』 いとう せいこう/文 みうら じゅん/絵 中央公論社(市立・書庫 915.6//イト)


※『見仏記』は「よっかいち電子図書館」でも読めますよ!

  よっかいち電子図書館の利用はこちらから。

「読んでおいしい食エッセイ!」

「はらぺこ万歳! 家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん」 たかぎ なおこ/著 文藝春秋(市立・郷土作家 596.0//郷土)

 

 現在、図書館2階展示コーナーでは「読んでおいしい食エッセイ」と題して、食にまつわるエッセイを紹介しています。
 食通としても有名な池波正太郎さんをはじめ、小川糸さん、椎名誠さんなどの本が並ぶなか、今回は、四日市出身のイラストレーター、たかぎなおこさんの『はらぺこ万歳!』をご紹介。「家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん」のサブタイトルどおり、ひとりぐらしの適当自炊から、実家の謎ちくわ料理、旅先の弘前グルメなどを、たかぎさんのイラストで紹介しています。
 たかぎさんの本は、ときどき登場する四日市の話題はもちろんですが、世代が近いせいか「それ、めっちゃわかる~」ということが多く、どの本も大好き。この本では、小学校時代の給食「ポーミントン」にめちゃくちゃ懐かしみを覚えました!

 

「読んでおいしい食エッセイ」の特集は12月28日(日曜日)まで、2階展示コーナーは17時までです。ぜひ、新しい本との出会いを。

 

どんな本があるかは、こちらの「テーマ一覧」からもご覧になれます、ぜひご利用ください。
 (PC版)https://www1.yokkaichi-lib.jp/winj/opac/theme-list.do?key=0000000036&lang=ja
 (スマートフォン版)https://www1.yokkaichi-lib.jp/winj/sp/theme-list.do?key=0000000036&lang=ja

「『100万回死んだねこ』ってありますか?」

『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』 福井県立図書館/編著 講談社(市立・成人 015.2//21)


 図書館では、利用者の方が探している本を見つけることも大事な業務の一つです。初めて図書館で働き始めた時、「探しても本が見つからなかったらここを見るといいよ…」と先輩に教えてもらったのが、福井県立図書館のホームページ内にある「覚え違いタイトル集」でした。
 福井県立図書館の窓口での問合せなどから、覚え違いしやすいタイトルや著者名の事例をリスト化したページで、現在紹介されている事例は1300以上になります。
 そんな事例から厳選し書籍化されたのが本書です。

 

Q『蚊にピアス』→A『蛇にピアス』
Q『滅びた後のシンデレラ』→A『滅びの前のシャングリラ』
Q「なんかが強く吹きすぎてる本」→A『風が強く吹いている』など…

 

 覚え違いのタイトルや、ふんわりとした記憶からたどる事例、映画と原作のタイトルが異なっている事例など、利用者から尋ねられる内容も様々です。
 作品のタイトルを間違いなく覚えることは誰にとっても難しいですが、数々の事例にくすりと笑ったり「あるある」と頷いてしまいます。

 

読みたいと思ったけど探しきれず諦めていた本がありましたら、この本で再会できるかもしれません。
当館でも、お探しの本がありましたらぜひお気軽に尋ねてください。

 

本書のタイトルになっている本もとても有名な絵本の覚え違いです。正しいタイトル、思い出せますか?

方向音痴が見ている世界

『方向音痴って、なおるんですか?』 吉玉 サキ/著 交通新聞社(市立・成人 448.9//21)

 

私自身は方向音痴ではないと思っているけれど、旅行先などでは地図アプリに頼り切り。ナビ機能のままに進めば目的地に着くので、地図を読む力はどんどん衰えている気がします。
よく一緒に旅行する友人は自他ともに認める方向音痴。本書にも方向音痴あるあるとして書かれているとおり、最初の一歩をどちらに進めばいいか分からない、地図アプリを見ても逆方向に進んでしまうと言います。最終的には「今ここにいる!」と写真が送られてきて、待ち合わせするのも一苦労です。
本書は、自分を知る・脳を知る・地図を知る・地形を知る・地名を知るの5章。認知科学者や地図研究家といった、それぞれの分野の専門家から教えを受けて、悪戦苦闘しつつ著者が方向音痴を克服する様子が、エッセイ仕立てに楽しく読める一冊です。方向音痴の人も、そうでない人も、新たな視点で街歩きしてみませんか。

自分のからだをいたわる

『疲れないからだをつくる夜のヨガ』 サントーシマ香/著 大和書房(市立・書庫 498.3//17)

 

初めてヨガのレッスンを受けた時、心とからだが軽くなったことを覚えています。自分にベクトルを向け、からだに余分な力が入っていないか確かめながらポーズをとる。からだに痛みを感じると、日々の生活の中で、もっと自分のからだをいたわってあげなきゃと気づかされます。ヨガを覚えたいけど難しいポーズはできる自信がない・・・と思っていた時にこの本に出会いました。
布団の上でも楽に取り組むことができるヨガが紹介されており、ヨガ初心者の私でも簡単にポーズをとることができました。また、ヨガだけでなく疲れないからだをつくるために、日常生活をどう過ごしたらよいかのヒントも紹介されています。
日頃、自分のからだをいたわってあげてなかったかもしれないと思った方に、ぜひ読んでほしい本です。

ひとりぼっちは怖くない

『孤独ぎらいのひとり好き』 田村 セツコ/著 興陽館(市立・成人 726.5//20)

  

『孤独ぎらいのひとり好き』というタイトルを見て、「私のことだ……!」と衝撃を受けて手に取りました。
 実家を離れて一人暮らし。初めは意気込んで始めた一人暮らしですが、だんだんと寂しさが募っていた時でした。
 テレビもついているしエアコンの音もする。それなのに何故かシーンとしていて、涙がぽろっと出てしまう夜がありました。「私はこの世界でひとりぼっちになったのかな」と思うくらい“孤独”を感じていました。
 でも、実家に帰ると美味しいご飯が出てきて、くだらないことで家族と笑いあって、飼い猫は嫌々ながらも撫でさせてくれる。それに、夜中でも電話に付き合ってくれたり、休日には一緒に遊んでくれたりする友達もいる。
 それに気づいた瞬間、「私はひとりぼっちじゃなかったんだ!」と胸がいっぱいでした。
 そうかと思えば、一人で新幹線に乗ってふらっと出かけるのは何てことはないのです。何なら、「一人って最高に楽しい♪」くらいに気楽に感じます。
 最近、こんな風に“孤独”は嫌だけど“一人”は好きな私って変?と考えていましたが、そもそも孤独を感じない人間なんかいないんだな、とこの本を読んで思いました。
 誰でも孤独は感じている。けれど、他の誰かに寄りかかっているだけではダメで、一人で立つ練習もしなくてはいけない。
 私にとって、そんな人生の目標が出来た素敵なエッセイでした。

田んぼのまん中にある神社を集めた写真集

『田んぼのまん中のポツンと神社』 えぬびい/写真・文 飛鳥新社(市立・成人 748//25)

 

田んぼのまん中にポツンとある神社を集めた写真集。
最初に静けさが心を和ませてくれる。
日常の喧騒から離れ、風が穂を揺らす音や鳥のさえずり、虫の音を写真から感じられた。
正面や空中写真の構図もよく、水田に映る空、季節の移ろいとともに表情を変える稲穂、その中に凛と立つ神社は、どこか懐かしい日本の原風景を思わせてくれた。
特に稲刈りの時期には黄金色のじゅうたんの中に、雪が降れば白銀の世界へと導いてくれ、季節の移り変わりの美しさを思い出させてくれる。
ポツンと神社のある風景は昭和中期以降からポツポツと誕生したらしい。
春・夏・秋・冬と四季にわたり写真が集められていて、季節ごとに違う表情を見せる情景に温かさと寂しさ、懐かしさを感じた。

書は捨てず、路上に出る

『路上観察学入門』 赤瀬川 原平ほか/編 筑摩書房(市立・書庫 304//86)

 

皆さんは日ごろ道を歩いていて、不思議と目を引くものを見つけた経験はありますか?
私は最近、とある工場の壁の2階に階段も梯子もない奇妙なドアを見つけました。
建築物などに付属しており、実用的には用をなさずそれでいて美しく保存されているものをトマソンと言うそうです。
そのトマソンを最初に提案した赤瀬川原平ほか様々な方たちの執筆物、対談、インタビューなどを集めたのが本作です。

 

タイトルにもなっている路上観察学は、先ほどのトマソンも含め、マンホールのふた、高校の制服、道のわきのドブ板の曲がり方、果ては自宅アパートのお手洗いの窓から見える他の部屋の住民の様子まで様々なものを対象としているということで、本作でも多くの事例や報告が挙げられています。
川に流れているゴミの観察記録など、一見「くだらない」「どこが学問?」となりそうですが、調査報告書や観察の方法・注意点には熱量を感じ、目の前の出来事に関心を持つこと、それを観察、記録するというのは立派な学問への入り口であると真面目に考えてしまいました。

 

ちなみに見つけたドアについては、過去どういう用途であったのかはいまだわかっていません。
毎日見慣れた場所でも、少し見方を変えれば面白いものがあるし、知的好奇心の入口になると教えてくれる一冊です。

幸せなおやつ時間

『志麻さんちのおやつ』 タサン志麻/著 NHK出版(市立・成人 596.6//25)


予約のとれない伝説の家政婦 タサン志麻さんの、家庭でつくるお菓子のレシピ本が素敵です。少ない材料で、手軽に出来るものや、工程が少なく簡単にできるレシピで、作りやすいものばかりです。子どもと一緒に作れるくらいシンプルで簡単なレシピです。
バターは有塩でも無塩でもいい!型がなくても大丈夫!チョコレートは市販の板チョコでOK!キレイじゃなくても、ちょっとくらい失敗してもいい!
フランス仕込みの家庭のおやつは、実にザックリなのにとっても魅力的です。
大人も子どもも笑顔になれる家庭のためのおやつ50品を紹介しています。

 

子どもたちと自由に楽しくつくって、みんなで笑顔で味わえたらとっても幸せなおやつ時間になると思います。