図書館スタッフおすすめ本
絵本でリフレッシュ!
『子どもも大人も絵本で育つ』 湯澤 美紀/著 柏書房 (市立・児童 019)
大人になってから絵本を手に取って開いてみると、子どもの頃とは違った感動を得ることがあります。
この本は、赤ちゃんから未就学児までの成長の過程に応じて、発達心理学の視線も入れながらおすすめの本を紹介してくれます。子育てに関わる大人が子どもにどんな本を読みきかせすればいいのか迷ったとき、子育てに悩んだとき、参考に見ていただくのにはピッタリだと思います。また、絵本に興味があっても、何を選べばいいのか迷ってしまうとお困りの大人の方にも是非、おすすめします。
巻末には、テーマごとに絵本を紹介してくれるブックリストも掲載してあります。そして、掲載されている絵本を求めて、図書館に足を運んでくださいね。
あんこの世界
『ずっしり、あんこ』(おいしい文藝シリーズ) 青木 玉[ほか]/著 河出書房新社 (市立・成人 914.6//15)
あんこを使った食べものと言えば何を思い浮かべますか?おはぎ、饅頭、大福、羊羹、最中、あんぱん、あんみつ・・・、寒い冬はたい焼きや今川焼きもいいですよね。
この本には芥川龍之介や池波正太郎、幸田文、山本一力、酒井順子といったあらゆる作家による「餡」にまつわるエッセイが39篇収められています。永遠の論争テーマ「つぶあん派かこしあん派か」についての話もあれば、伊勢名物のあの銘菓が登場する話もあり。作家たちの餡に対する思い出やこだわりを楽しく、時にはしんみりと感じることができます。一番のお気に入りは、野中柊さんの「餡ドーナツ」。テンポの良い文章と描写で、すぐにでも餡ドーナツが食べたくなってしまいます。みなさんも作家たちの「あんこの世界」を楽しんでみませんか。
おいしい文藝シリーズは「ラーメン」「ごはん」「フルーツ」「チョコレート」など全部で12冊あります。
あのスターのその後
『時間(とき)の花束』 三浦 百恵/著 日本ヴォーグ社 (市立・成人 594.9//19)
かつて彼女は、スターと呼ばれていました。最後のステージでマイクを置き、ファンの前からきっぱりと姿を消しました。
そして30数年経ち、この本が出版されました。ファンであった私は、華やかな世界を引退してからの彼女がどう生きてきたのか、興味に近い気持ちでこの本を手に取りました。そこに綴られていたのは、一人の女性の素敵な時の積み重ねの物語でした。大切な人への想い、感動、感謝を小さな布と、針にこめて紡いでいく。やがてそれが姿を変え、キルトの作品になっていきます。ひと針、ひと針の積み重ね。それは、気の遠くなるような時間のようにも思えます。それを彼女は、楽しみながら、いとおしみながら紡いでいます。キルトを通じて、師や友人、家族との日常、悲しい別れ、様々なエピソードも散りばめられ、美しいキルト作品とともに楽しめる一冊です。
「えっ、この虫なんだ?」と思ったら…
『昆虫探検(エクスプローラ)図鑑1600 』 川邊 透 /著・写真 全国農村教育協会 (市立・参考 R/486.0/ /14)
私は、虫が得意ではありません。見かけたら、うっとなってみて見ぬふり。でも、「えっこの虫なに?」と気になる時も…。虫の苦手な私では、何か調べようと思っても、いったい何の仲間なのか見当すらつかないことがほとんどです。
そんな時にはこの本。見た目や大きさから探せるポスター「写真検索マトリックス」が付いているので、種類が分からなくても、それを元に本編で確認できます。本編には、他の図鑑のように種類ごとに写真と特徴が載っています。身近に見られる昆虫が中心に載っているので、ちょっと見かけたり、捕まえたりした虫を探しやすいです。秋の虫がたくさん鳴く季節です。「気になる昆虫」を見つけた時には一度使ってみてください。図書館では、貸出ができない「参考図書」なので、館内にてどうぞ。
古代から現代へ進化のバトン
『ならべてくらべる 絶滅と進化の動物史』 川崎 悟司/著 ブックマン社 (市立・成人 457.8//19)
古代生物と聞いて多くの人は、マンモスだったり恐竜を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし大昔の地球には、それ以外にも不思議で奇妙な特徴を持つ生物たちが沢山いました。
本書では、現代で見る生物の祖先にあたる様々な生物について(残念ながら途中で種の繁栄が絶えてしまったものもいます)、詳しい解説と詳細なイラストで分かりやすく紹介してあります。「あの生物の祖先はこれだったの!?」「あの生物たちは元々仲間だったの!?」と、きっと驚きながら学べること間違いありません。
パラパラめくって気になるトピックだけ読むもよし。全部をしっかり読み込むもよし。
ぜひお気に入りの古代生物を見つけてみてください。
元気で長生きの決め手は…
『爺(じじい)の暇つぶし もてあます暇をもてあそぶ極意、教えます』 吉川 潮/著、島 敏光/著 ワニブックス (市立・成人 367.7)
元気で長生きの決め手は、「きょういく」と「きょうよう」。なるほど、「教育と教養」は、昔から大切と言われているからなぁ…。と思っていたら、なんと「今日、行くところがあって、今日、やるべき用がある人」は、健康で生き生きと生きられるとのこと。この本は、老後の楽しい余暇の過ごし方を教えてくれる一冊となっています。
図書館には、健康長寿のヒントや充実ライフのポイントなど、“お宝”がいっぱいです。そして、暇つぶしにはもってこいの場所。そんなわけで、皆さんぜひ図書館に足を運んでみてください。
人間とはどのような生き物であったか
『ゴリラからの警告』 山極 寿一/著 毎日新聞出版 (市立・成人 914.6/ヤマ/18)
「ゴリラの国に留学して来た」というゴリラ研究の世界的権威が、現在の人間社会に発する警告の書です。
現在、社会のあちこちで噴出している問題・・・生活習慣病、アレルギー、自閉症、家庭内暴力、いじめ、ヘイトスピーチ等々・・・。皆さんは、この原因は何だとお考えになりますか?筆者は作中において、「こういったトラブルは、人間が備えている特徴の由来や本質を誤解することから生じる」と主張しています。著者の言う人間の特徴とは、祖先を同じくするサルやゴリラと比較して、人間に固有または顕著な性質や行動のことです。そしてそれは、人間が人間として進化していく過程で、様々な必要性から獲得してきたものなのです。著者はその一つ一つについて、なぜそれが人間にとって必要だったのか、その特徴を獲得したことで、人間の心身や社会がどのように発達してきたのかを、長年の研究に基づいて解り易く解説します。読み進めてゆくと、今現在私たちが生きているこの社会のあり方が、様々な点で人間という生物種の“つくり”に合っていないのではないかと考えられてきます。自分に合わない環境で生きていれば多大なストレスがかかりますし、そうなれば社会が荒れるのも当たり前でしょう。著者は、研究のため自ら一頭のゴリラとなってゴリラの群れに交わり、彼らを観察してきました。その結果、生物種という境界の外側から人間を観察する機会に恵まれました。その観察眼と評価は客観的で的確です。
誰しも、己の本当の姿は判らぬもの。一度人間以外の目から人間の姿を見直し、さらに自分たちの生きる社会を見直してみてはいかがでしょうか。今ある苦しみや生きづらさの原因が判るかも知れませんし、原因が判れば解決の手段も見つかるかも知れません。
もしも図書館で事件が起きたら?
『図書館の殺人』 青崎 有吾/著 東京創元社 (市立・成人 913.6/アオ/16)
私は小さいころから推理小説を読むのが好きです。本格ミステリと呼ばれるものから日常の小さな謎を解き明かすようなものまで、国内海外問わずいろいろと読んできました。
その中でも図書館で働いている職員として、この本はタイトルのインパクトが抜群でした。閉館後の図書館で発生した殺人事件を、なぜか高校の校内に住んでいる高校生探偵・裏染天馬が解決する物語です。文章が読みやすく軽快で、くすりと笑える場面もたくさんあります。事件に使われたトリックも、論理的にじっくり考えれば解ける内容になっています。しかし事件の結末は切なく、読み終わったあとは必ずしも「事件が無事解決してよかった」とは感じられないかもしれません。青崎さんの作品はこのほかにも何冊か読んだことがありますが、このように“完全なハッピーエンド”で終わらない雰囲気が魅力だと感じました。
魅力的なキャラクターが登場する小説が読みたい方、本格ミステリを手軽に読んでみたい方、論理的な謎解きに挑戦してみたい方は、ぜひ一度手にとってみてください。
「美術と文学の共演」100年前にタイムスリップ!
『片隅の美術と文学の話』 酒井 忠康/著 求龍堂 (市立・成人 702.1//17)
この本は、文学と美術をめぐるエッセイ集です。今年2019年は、関根正二と村山塊多という二人の画家が、若い生涯を終えて百年にあたります。そして、百年前の1919年は、盲目の詩人エロシェンコが再び日本を訪れた年でもあります。
芥川龍之介、岡倉天心、鏑木清方、川端康成、古賀春江、志賀直哉、澁澤龍彦、高村光太郎、竹久夢二、谷崎潤一郎、夏目漱石、西脇順三郎、萩原朔太郎…。世田谷美術館の現館長である著者の美的センスと学芸員としての経験によって綴られたエッセイからは、一筋縄ではいかない強烈な個性の近代日本を代表する文豪や詩人、画家たちの生き様と、当時の厳しい時代背景が目に浮かんできます。美術と文学が、たがいに照応し想像の刺激を共有しながら、時代の文化・藝術の思潮とも相互に関連をもって、じつに興味深い展開を示しています。
文豪や詩人、画家たちの精神が映し出されたサイドストーリーは、文学好き、アート好きどちらにも本を手にする喜び、絵を観る喜びに誘ってくれるものになっています。
この絵はどんな人が描いている?
皆さんは芸術家とはどのような人たちだと思いますか?気難しくて、頑固者、いつも一人孤独に作品の制作に打ち込んでいる。そのようなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
本書では、19世紀半ばから20世紀前半にかけて活躍した近代を代表する13人の画家が取り上げられています。日本における西洋美術研究の第一人者である筆者は、画家の性格や芸術上の特徴を象徴するエピソードを盛り込み、13人それぞれの強烈な個性、芸術家としての自意識の強さを伝えています。一方で筆者は、ゴッホやゴーギャン、アンリ・ルソーといった著名な画家についての一般的なイメージとは異なるエピソード、あるいは広く知られていない事実を取り上げることで、従来の通説とは異なる芸術家の実像を描き出しています。私は、現在広く知られている芸術家のイメージには創作、あるいは誇張されたものが多く含まれているのではと考えずにはいられませんでした。
有名な《睡蓮》や《ひまわり》を描いた画家がどんな人物であったのかという好奇心から、私は本書を読み始めました。そして、それまで興味がなかった画家についても、人となりを知ることで親近感を覚えるようになり、作品を意識して見るようになりました。絵画に興味があるけど難しそう、とっつきにくいと思う人にこそ、多くの画家や作品と出会うきっかけとしておすすめしたい一冊です。
昆虫は、この星で大成功している生き物である
『昆虫戯画 びっくり雑学辞典』 丸山 宗利/文・じゅえき太郎/漫画 大泉書店 (市立・成人 移動 楠・成人 486.0//18)
「えっ!」とおどろき、クスッと笑えてしまう昆虫の姿や生活を集めた本書。
ちょっとマヌケに見えてしまうような生き方にも意味があって、笑いの中にも感心してしまう生き抜く術があります。例えばアリ。アリと聞くと、クロアリ、白アリぐらいしか知らなかったのですが、巣のフタ役をするヒラズオオアリ、幼虫に糸を吐かせて巣を作るツムギアリ、見方を守るために捨て身の技があるバクダンオオアリと一括りにアリといっても個性豊かな生存方法があるのだと、「えっ!」とおどろきクスッと学べます。他にも、今が旬の蚊。蚊のメスが人間の血を吸うことはよく知られたことですが、ではオスは何を食しているのでしょうか。なんと花のミツ。なぜなのかは本書を探してみてください。
昆虫の辞典と聞くと生々しい写真を連想すると思いますが、本書ではカラーイラスト。それも、ゆるんだ表情に昆虫たちの特徴をとらえた一コマが描かれています。パラパラとイラストをめくるだけでも楽しく学べる一冊となっています。
お休みの日は全力で手を抜きたい
『休日が楽しみになる昼ごはん』 小田 真規子/著 文響社 (移動・成人 596//18)
お休みの日、自然に目覚めたら11時、なんてことありませんか?わたしはとてもよくあります。よく寝てすっきりした頭で起き上がり、ごはんを欲しがりまとわりつく猫にカリカリのエサとたっぷりのお水を補給。自分もコップ一杯の水をごくごくと。このルーティンが終わったら「さて、なにを食べよう?」と、うきうきした気持ちになります。遅めの朝ごはんでもあるし、早めお昼ごはんでもある、大事なお休みの最初のごはん。思い切り手を抜きたいけど、平日とは違った特別なものがいい。
この本はそんな時にぴったりです。ずぼらな著者さんのおかげで作り方はとっても簡単。なのに、「こんな組み合わせ方があったのか!」という脱帽なレシピがたくさん載っています。お休みの日はついついいい加減になってしまいがちだけど、ほんの少しアレンジするだけで充実した食卓になります。
ちなみにこの本に載っていたずぼらな裏ワザをご紹介。冷凍うどんは、電子レンジで3分ほどあたためればオッケーです。わたしは今まで律儀にお鍋にお湯を沸くまで待って、冷凍うどんがほぐれるまであたためていました。それがなかなか時間がかかり、手間でめんどうでした。この著者さんはそこまでも簡略化してしまうなんて!わたしは結婚してから料理を作るようになり、つまり今まで全くしてこなかったわけで、野菜の切り方、大匙小さじさえよくわからなかったのです。そこで読み込んだのがいろんなレシピ本。和食は和食でたくさんのレシピ本があるのですが、とにかく初心者なので、レシピ本に書いてあるとおりにしか作れませんでした。だけど、そろそろ自分なりにアレンジしたり簡略化できるようになりたい。この本はそんなときにもぴったりです。
ほどよく肩の力を抜いて休日のお昼ごはんを楽しみたい方、ぜひおすすめです。
飼い猫を守ろう
『どんな災害でもネコといっしょ』 徳田 竜之介/監修 小学館 (市立・成人 645.6//18)
我が家には猫がいます。仕事で疲れて帰っても、玄関の扉を開けると「にゃー(おかえりー)」と迎えてくれるだけで、疲れなんて吹き飛びます。そんな家族のように大切な猫、飼っているからにはどんな時でも守る責任がありますよね。
さて、みなさんは地震等の大きな災害が起きた時に、飼い猫をどうしたら良いか考えたことがありますか。一緒に避難所へ連れて行く?ある程度安全であれば家に置いていく?この本には、災害から猫を守るためにどんな事前準備が必要なのか、災害が起きたらどうしたら良いのかが写真やイラストを使って分かりやすく説明されています。また、記憶に新しい東日本大震災や熊本地震の体験者の声もたくさん掲載されており、実際に猫たちがどんな様子だったのか想像できます。ちなみに「我が家では犬を飼っているんだけど・・・」という方もいるかと思います。その際は、『どんな災害でもイヌといっしょ』 徳田 竜之介/監修 小学館 (市立・成人 645.6//18)も当図書館にて所蔵しておりますので、是非ご覧ください。
大切な犬や猫を災害から守るために、ちょっと勉強してみませんか。
沖縄人として日本人を生きる
1879年の「琉球処分」後、さとうきびのモノカルチュア経済が浸透しました。1920年代の糖価暴落の後、沖縄からは大勢の人々が出稼ぎに出るようになりました。そして、彼らを「琉球人、朝鮮人お断り」の張り紙が迎えました。その後、帰りたくとも帰れない1世、永住を決める2,3世が脈々とこの地に住み読けています。1975年から同区ではエイサー祭り(沖縄の盆の行事)が若者を中心に行われています。このように、人々は時間をかけて「支えあって生きていくためのコミュニテイ、自己防衛の空間」を作り上げています。「「多文化共生」から「異和共生」へ」「マジョリティからの横暴は許さない」という筆者の姿勢は、現在の沖縄の基地問題についても一貫しています。
最近、近くの木津川を渡る渡し船が、自転車で出勤するアジア系の若者であふれている二ユース映像を目にした際、全国各地で見られる「外国人」との共生の場面が目に浮かびました。(市立尼崎高校吹奏楽部はもう30年以上も前から沖縄県代表校の友情応援を行っていることはよく知られています。同校顧問は伊良部島出身)沖縄にルーツをもちながら、関西で暮らす人々の生活を通じ、他者との共生とは何かを考えさせてくれる一冊です。
たまにはおてがみでも
やさしさの薬
『優しい人には優しい出来事がありますように。』
もくもくちゃん/著 ワニブックス (市立・成人 726.5/ /18)
図書館で本を整理している時、真っ白な背景の中でにこにこしている動物達の表紙に引き付けられました。この本は1ページごとにメッセージと物語調の可愛いイラストが描いてあります。それぞれ短いため、どんどん読み進めていける内容となっています。
生活していると、悩みや悲しいことと向き合っていかなければいけない時もあります。この本に出てくる言葉や絵が、少しでも皆さんを元気づけてくれればいいなと思います。ぜひ手に取って、優しさいっぱいの世界観を体験してきてください。
油揚げ大好き!
『愛しの油揚げ おかずにおつまみに簡単レシピ80』
高橋良枝/著 文藝春秋 (市立・成人 596.3/ /16)
子どもの頃、私はお豆腐があまり得意ではありませんでした。何だか味がない食べ物だなあと思っていたのです。冷奴や湯豆腐などはおいしいと思えず、しょうゆやポン酢をたくさんかけて食べていました。高級なお豆腐を食べて、大豆の味がしっかりするとか、濃厚な味わいとか、そういう言葉を聞くたびに、よく分からないなあ、お豆腐の味がわかるなんて大人だなあと思っていました。
そんな私でも油揚げは大好き。お味噌汁に入った油揚げは汁をたっぷり吸っていて、口に入れると、じゅわっと汁がしみ出てきて幸せな気持ちになりますし、きつねうどんやおいなりさん、もちや卵を入れたきんちゃく、小松菜などの青物とさっと煮た煮浸しなど、どれも大好物です。しかし、恥ずかしいことに、油揚げはお豆腐から作られているということに、大人になるまで気付いていませんでした。(正確に言えば油揚げ用に固めの豆腐を作って揚げるとのことですが。)
この本は、そんな油揚げのレシピ本です。スタンダードな煮物や色々な和え物。カリカリに焼いて具材をのせる「カナッペ」や、ポテトサラダや生ハムなどの洋風なものまで詰めてしまう「きつね袋」などなど、さまざまなレシピが紹介されています。油揚げってどんな食材にも合うんだなあと感心し、ますます油揚げが大好きになりました。出来立てアツアツの油揚げが食べてみたい!家の近くにお豆腐屋さんがあればいいのに・・・とかなり切実に思う今日この頃です。
図書館の本の背にある番号596.3は「材料別の料理法」の本の番号(分類記号)です。鶏肉とか納豆とかトマトとか、自分が好きな食べ物だけのレシピ本を596.3の本の棚で探してみるのもおもしろいですよ。
『超』短編小説の世界へ
『54字の物語』 氏田 雄介/作 PHP研究所 (913.6/ウシ/18)
みなさんは「短編小説」や「ショートショート(掌編小説)」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?この2つには明確な区別があるわけではないのですが、多くの場合、ショートショートは短編小説よりさらに短い物語を指す言葉として使われています。ショートショート作家として有名なのが、星新一や阿刀田高。特に星新一は、生涯で1,000作以上のショートショートを発表したと言われています。
今回おすすめする『54字の物語』は、ショートショートを読むのが好きだという方や、あまり長い話はちょっと…という方におすすめの『超』短編小説集です。タイトル通り、1つの物語がたったの54字(句読点を含む)で完結しています。そのため、1つ読むのに1分もかかりません。私も「こんな字数で物語として成立するの?」と半信半疑で読み始めたのですが、とても面白く、あっという間に最後まで読み切ってしまいました。
構成は2ページで1作品となっており、まず1ページ目に9マス×6行=54字の作品が掲載されています。そしてページをめくったところに、前ページの作品の解説が書かれています。54字では書き切れなかった詳細な舞台背景なども、この解説ページに載っているので、何度読んでも意味がわからない…という場合も、解説を読めばすっきりします。もちろん、作品だけを読んで自分なりに意味を考えてみるのも、ちょっとした頭の体操になりますよ。
本の最後には、実際に54字の物語を作る手順も掲載されています。読み終わったら、今度は自分なりの物語を作ってみるのも、楽しいかもしれません。
本と人をつなぐ!人が地域を変える?
『すてきな司書の図書館めぐり しゃっぴいツアーのたまてばこ』
高野一枝/編著 郵研社 (市立・成人010.2/ /18)
この本は、しゃっぴいおばさんこと著者と図書館をこよなく愛する熱き図書館員たちが織りなす図書館見学ツアーの素晴らしい一瞬を綴ったレポート集です。ちなみに「しゃっぴい」とは著者の田舎の方言で「おてんば」とか「おしゃべり」な女の子をいいます。
本によって、人は変わることができます。人によって、地域を変えることができます。図書館員によって、本と人、そして地域を繋ぐことができます。
しゃっぴいおばさんに集う好奇心旺盛な図書館員たちが、図書館を気軽に楽しみながら、地域に根差した図書館の本質に迫ります。大分県生まれのライブラリーコーディネーターによるマジカルミステリーツアーの壮大な世界観を、余すところなく堪能してください。
なお、この本は、視覚障害者や身体障害、寝たきりなどで通常の活字による読書が困難な方のために、当館で録音図書を製作しています。録音図書の利用については、カウンター職員にお尋ねください。
神社で見られるどうぶつたち
『神社のどうぶつ図鑑』 茂木貞純/監修 二見書房 (市立・成人 175.9/ /18)
年末年始、神社へ参拝する機会が多くなる季節です。稲荷神社の狐、天神様の牛、東照宮の猿。パッと頭に浮かぶだけでも神社には様々な動物がいます。それでも、祭られている動物がもつ意味や、なぜその神社に祭られているのか、ほとんど意識せずにお参りしているのではないでしょうか。
伊勢神宮に鶏がいる理由は?「撫で牛」のご利益は?この本は、神社で見られる動物に関する疑問について、豆知識なども加えて分かりやすく答えてくれます。
また全国には、リスやムカデ、マグロやウナギなど、変わった動物が祭られている神社もあるようです。 動物を探しに、ぜひ神社に足を運んでみたくなる一冊です。