図書館スタッフおすすめ本
女性作家ならではの推理小説
『鏡は横にひび割れて』 アガサ・クリスティ/著 橋本福夫/訳 早川書房 (市立・成人 B933/ /12)
ミステリーの女王・クリスティによる、“老嬢探偵ミス・マープル”シリーズの一編です。NHKで放送された映像作品をご存知の方もいらっしゃるのでは。
事件はマープルの住むセント・メアリ・ミード村に著名な女優が移り住んできたことから始まります。彼女の屋敷で催されたパーティの席上、村の一夫人が毒殺されます。しかし彼女に殺意を抱くような人物は浮かび上がらず、周囲は首をひねるばかり。ロンドン警視庁から派遣されてきた警部は、旧知のミス・マープルの協力を得ながら事件の解決を図るのですが・・・。
この作品の最大の魅力は、殺人の動機でしょう。実は、日本でも最近になって再燃してきたある事柄が動機となっているのですが、これに目をつけたのはやはりクリスティが女性だからでしょう。物語終盤、女性はもちろん男性もあっと言わされるような謎解きが待っています。ぜひご一読を。
アボガド
『アボカドのちから』 浜崎美穂/編著 日東書院本社 (市立・書庫596.3//07)
『アボカドバンザイ!』 地球丸 (市立・書庫596.3//06)
『アボカド(新特産シリーズ)』 米本仁巳/著 農山漁村文化協会 (市立・成人625.8//07)
5年くらい前、パン屋さんのサンドイッチにはさまれていたのを食べたのが私とアボカドとの出会い。その時は不思議な食感と味だなという感想で、しばらくアボカドからは遠ざかっていたのですが・・・。
最近アボカドをたくさん頂き、どうやって食べようかとレシピ本を探していたところ、出会ったのがこの本たちです。森のバターと呼ばれるくらい栄養価が高く、病気予防にも美容にも効果があり、そのまま食べても良し、焼いても炒めても揚げても良し、サラダにもディップにもデザートにもなるすごい果物なのですね。買う時の選び方のコツ、皮のむき方、保存方法も写真付きで分かりやすく説明されています。
今のお気に入りは、ヨーグルト・はちみつ・レモン汁少々に角切りアボカドを合わせたアボカドヨーグルトと、角切りアボカドをしょうゆ・わさび・マヨネーズ少々で和え、炊きたてごはんにのせたアボカド丼。まだまだいろいろな料理にチャレンジできそうなのでとても楽しみです。
ところで、プリンの空容器に土とアボカドの種を入れ、毎日水やりをしていたら3週間くらいたったある朝、なんと芽が出ていたのです。アボカドが育てられるかもと思い、早速本で調べたところ、残念ながらかなり難しそう。アボカドの実の栽培は断念しましたが、観葉植物として楽しめ、育った葉っぱはお茶にできるようです。
4つ植えた種のうち3つから芽が出て、一番大きなものは30cmくらいまで成長中。今は、もっと大きくなあれとせっせと水やりをする毎日です。
四日市を再発見!…もっと知りたい四日市
『四日市もっと知り隊検定公式テキスト 総集版』 四日市もっと知り隊検定実行委員会/編
四日市商工会議所 (市立・地域 L292/ /13)
“四日市もっと知り隊検定”は、市民のみなさんに四日市の魅力を再発見・再認識して頂くとともに、全国にその魅力を発信し市の活性化につなげていこうという想いから、四日市商工会議所が平成24年12月に実施しました。これに先立ち刊行した公式テキスト(初版)を翌年、改訂、再編集したものが、『四日市もっと知り隊検定公式テキスト 総集版』です。
第1章「宿場まちYOKKAICHI」では、四日の市で知られた市場と四日市湊で賑わった東海道の宿場町の様子を中心に、本陣・札の辻・浜往環などについて紹介、第2章「街道マップYOKKAICHI」では、東海道を中心に発達し、各地の交通の要所へ向けて繋がれた市内の街道とその道沿いの文化遺産が紹介されています。第3章「商・工のまちYOKKAICHI」では、明治以降の四日市の発展の様子について書かれており、 四日市空襲・模擬爆弾の投下、四日市市の誕生等も紹介されています。
この他にも、「湊・港まちYOKKAICHI」「自慢!GーMAN四日市」など、四日市の歴史や、みなさんの「知りたい」ことをピンポイントで紹介しています。
四日市のことを調べるときに、まずこの本を読むことで四日市のイメージができるのではないでしょうか。 また、夏休みの自由研究の前に一読していただいてはいかがでしょうか。
コケにできない苔の魅力
『苔三昧 モコモコ・うるうる・寺めぐり』 大石 善隆/著 岩波書店 (市立・成人 629.7/ /15)
じめじめとしたこの季節、庭の手入れが進まないでいると、モコモコと現われた小さなコケ!放っておくとどんどん蔓延(はびこ)るので、なんとかしなければと思いながらも、なんだか気になるその姿。そんな時、図書館で引き寄せられるように出会ったのがこの本です。面白いコケの生態とその美しさにすっかり魅せられてしまいました。
「コケの魅力に気づくには、しゃがんでじっくり観察すればよい…」と書かれている通り、思わず我が家の庭に生えた苔もじっくり観察すると・・・意外にもかわいい姿をしているではありませんか!なんだかすっかりはまってしまいました。
日本は約2千種ものコケが自生するコケ大国だとか。コケ初心者にもわかりやすくコケ図鑑や全国の美しい苔庭情報もたくさん紹介されています。次はゆったりと苔庭を味わいに出かけたいと楽しみで仕方ありません。
自分でオシャレにコケを楽しみたい方には・・・
『苔ボトル 育てる楽しむ癒しのコケ図鑑』 佐々木浩之/写真 戸津健治/文 電波実験社 (市立・成人 627.8/ /15)もオススメです。 苔玉や盆栽以外にこんな楽しみ方もあったのですね!手軽さに私も早速チャレンジしたところ、かわいくて美しいコケの姿に一日に何度も見てしまう毎日です。
梅雨時には、いっそうみずみずしい美しさを放つコケ。皆さんもこれらの本と共に、コケに癒されてみてはいかがでしょうか?
日本茶に興味がある人も、ない人も!
そろそろ蒸し暑くなってきました。冷たい飲み物がおいしく感じられる季節です。この頃になるとおいしい冷茶が飲みたいと思って、ここ2年ほどトライしていますが、何となくおいしく作れません。どうしたら良いのだろうと思案していたところ、この本を見つけました。
お湯の沸かし方に始まり、注ぎ方まで、懇切ていねい…なのにシンプルでわかりやすく説明されています。工程ごとに写真が付いているので助かります。わたしが知りたかった冷茶の入れ方も紹介されていました。試してみたところ、今までよりおいしくなったような気もします!? この夏は、お茶のかき氷と煎茶ラテに挑戦してみるつもりです。
そのほかにも、かわいい器のことや、お茶と一緒に頂ける和菓子の手作りレシピなども紹介されていて、写真も楽しめます。また何よりも、お茶どころ静岡出身である著者の、お茶に対する思いが伝わってくる1冊です。これを読み終わるころには、きっとあなたも自分で入れた日本茶が飲みたくなるかも。
恥ずかしくない大人であり続けるために
『未来のお仕事入門』 東園子/著 学研教育出版 (市立・児童 366/ /15)
私たちは、人生の大半の時間を“お仕事”しています。勤務時間以外でも、遊びを早く切り上げる、体調を整える、衣服を揃えるなど、日常の様々な時間が仕事へとつながっているからです。
でも、仕事があまりにも日常と一体化しているため、時には慣れやダレも出てきます。そんな時、この本を開いてみてください。厳しいセリフが、未来のお仕事を夢見がちに考える小学生たちに、容赦なく飛んできます。
「どんなときでも同じ品質のものをつくること。それはいちばん大事なことで、いちばん大変なことなんだよ。」
「…どうして、途中であきらめなかったんですか?」「どんな状況でも、やれることは絶対にあるからね。目標に向かって進めば、必ず壁にぶつかるさ。でも、必ずできることはある。それを全力で考えるんだ。」
「それは商品ではない。作品だ。期間や予算をかけて、納得いくまでつくりこんだものが作品でね。いろいろな制限の中でみんなに楽しんでもらえるようにつくったものが商品だ。一人でできることには限りがある。ぼくらは可能性を無限にするために、チームでやっているんだよ。」
これらの言葉は、仕事が日常になりすぎた私たち大人にこそ、投げかけられた問いであるように思えてなりません。
恥ずかしくない大人であり続けるために、『未来のお仕事入門』を手に取ってみてください。改めて気付かされることが、たくさんあります。かわいい絵柄の漫画なので、読みやすいですよ。
もうすぐ四日市萬古祭り
『ひとり鍋派も、ファミリーもGinpo三島に全部おまかせ なんでも土鍋で!』
川上文代/著 小学館 (市立・成人 596/ /14、地域 L573/ /14)
突然ですが、我が家には土鍋が4つあります。一つは家族みんなで囲むお鍋やおでんに使う大きな土鍋。残りの三つは一人用の小さな土鍋です。
一番よく作るのは味噌煮込みうどん!お昼ご飯の定番です。他にも、家族それぞれ好みの味付けでひとり鍋をしたり、風邪を引いた時に一人分のお粥を作ったり。
最近では1合だけご飯を炊いたりもしています。どの料理も一人分をささっと作れるのでとても便利!少々場所はとりますが、食器棚の一番下で常に待機しています。
とても身近な萬古焼きの土鍋ですが、冬のお鍋だけに使っているのなら、もったいない!せっかくなら、普段の料理にもっと活躍させてみませんか?
この本は、国産土鍋トップシェアを誇る有名な土鍋“Ginpo三島シリーズ”を使ったレシピ集です。土鍋は煮る、炊く、だけでなく、焼く、蒸す、電子レンジでチンもOKだそう。オールマイティな調理道具なんですね。
和食だけではなく、洋食ならパエリアやグラタン、オムレツ。パン、焼きそば、茶碗蒸しの作り方なんていうものも紹介されています。
また最近では、おしゃれな萬古焼きのお鍋やプレート、マグカップなどの洋食器も見かけるようになりました。雑誌や本など様々なところで紹介されています。四日市の地場産業、萬古焼きをもっともっと盛り上げていきたいものです。
5月14(土)、15日(日)は第55回四日市萬古祭りです。お気に入りの土鍋を探しに出かけましょう!
他にも萬古焼き関連の本はいろいろありますが、最近、気になったものを紹介します。
『知られざる萬古焼の世界 』 内田 鋼一/著 誠文堂新光社 (市立・地域 L573/ /15)
昨年オープンした「BANKOアーカイブデザインミュージアム」の図録です。これが萬古焼き?とびっくりするようなモダンな色や形の器が紹介されています。
『四日市かぶせ茶レシピ』 四日市市/発行 (市立・地域資料室で閲覧可能。貸出不可)
本ではありませんが、最近配布されているレシピ集です。萬古焼きの急須を使ったかぶせ茶の入れ方が紹介されています。また、かぶせ茶しゃぶしゃぶや魚の蒸し焼き、かぶせ茶茶殻の佃煮など、土鍋でも作れるレシピが載っています。
プラモデルの教科書
「モケジョ」という言葉を知っていますか?
プラモデル、模型が好きな女性のことを「モケジョ」と言うそうです。となると、私もかつて「モケジョ」の一端にいたことがあります。プラモデルにはまりました。う~ん、30数年前の話です。私は全国のお城シリーズを制覇すべく、日々プラモデルを組み立てては、応接間に並べていました。今や、応接間という言葉さえも聞かなくなってしまいましたね。
「かあさん、僕のあのプラモデルはどうしたんでしょうね・・・・。」
そして、先日出会ったのがこの1冊です。名前に惹かれ、「うっ!どれどれ?」と手に取ってみました。パーツの切り方や組み合わせ方。もちろん色の塗り方も、写真付きでわかりやすく解説してくれています。私の「モケジョ」魂を呼び起こしたのは言うまでもありません。
スポーツカーや戦闘機、そしてガンプラにはまったお父さんたち、スマホばかりいじってないで、久しぶりに組み立ててみませんか?
そう言えば、ガンプラを必死に組み立てていた少年が、「将来はバンダイで働きたい。」と言っていたことを思い出しました。そういう夢、大好きです。夢は叶ったのかな?叶ってるといいな・・・。
ノボさん・小説 正岡子規と夏目漱石
『ノボさん・小説 正岡子規と夏目漱石』 伊集院 静/著 講談社 (市立・成人 913.6/イシ/13)
江戸から明治へと大きく時代が変わった頃、多くの若者が大志を抱いて東京へやってきました。その中の一人が、ノボさんこと正岡子規です。四国松山に生まれた子規は、幼名の升(のぼる)からノボさんと慕われていました。彼が詠んだ句、「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は有名ですね。
私がこの小説を手に取ったきっかけは、司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』で、主人公の友人として描かれていた子規に興味を持ったからです。勉強嫌いで、野球と食べることが何より好き。まるで我が息子のようです。35歳という若さで早世しますが、死の直前まで食べることへのこだわりは強かったそうです。また、野球を日本に広めた人物としても知られ、2008年には野球殿堂入りを果たしています。
そんな子規の周りには沢山の友人が集まってきます。夏目漱石もその一人です。秀才といわれながらどこか不器用な漱石と子規との熱い友情がこの小説の軸になっています。
自分の命が短いことを知りながらも最期まで筆を握り、夢を追いかけ続けた子規。明治という熱い時代の青春群像に、ぜひ浸ってみてください。
本当はすごいぞ三重!
図書館2階にある地域資料室には、県内の市町史・県史をはじめとする郷土の資料がたくさんあります。今回はその中から、誰にでも気軽に読める3冊の本を紹介します。
これらの本を読んだ方が、三重のことを少しでも知り、三重を通じて楽しい気持ちになっていただければ幸いです。今年は、伊勢志摩サミットが開催されます。三重を好きになって、三重を誇りに思ってほしいと思います。
◎『三重あるある』 金木 有香/著 TOブックス (市立・成人 361.4/ /14、 地域 L290/ /14)
この本には、238もの三重に関する「あるある」が登場します。共感できるネタもあれば、初めてきくネタもあるかも知れません。
・中日が優勝すると「燃えよドラゴンズ」を口ずさむ自分がいる。
・人口当たりのミニストップ店舗数が全国一多い。
・炊き込みご飯のことを「味ご飯」というのは標準語だと思っていた
・「ちょけとったらあかんに~」「おおきん」「もらいものは『めぼ』『めんぼ』」
◎「三重のおきて」 三重県地位向上委員会/編 東京 アース・スターエンターテイメント (市立・地域 L290/ /15)
サブテーマに「ミエを楽しむための48のおきて」と書いてあります。
・赤福は三重県民のソウルフード
・イオンのことをいまだにジャスコと呼んでしまう。
◎「三重の法則」 三重の法則研究委員会/編 (市立・地域 L290/ /15)
三重県民がうなずく「あるあるネタ&うんちく300」が掲載されています。
東海なの?関西なの?存在感は薄いが本当はすごいぞ三重!
頑張れと言えない時代ですが、頑張ってみようとする方へ
「栄光の岩壁」 新田次郎/著 新潮社 (市立・成人 B/913.6/ニツ/12)
実在の登山家であった芳野満彦(1931-2012年)をモデルにした小説です。
主人公は、1948年(昭和23年)高校2年生の時に八ヶ岳の主峰赤岳で遭難。凍傷で両足の指全部と土踏まず部分の半分を失い、足の大きさは12センチになりました。しかし、歩く登山は困難でも、両手が使える岩登りなら、もう一度山の頂に立つことができると考え、未踏峰の岩壁に挑戦していきました。
1957年(昭和32年)3月の前穂高岳IV峰正面壁積雪期初登攀(はつとうはん)など多くの初登攀を記録し、1965年(昭和40年)、渡部恒明とともにマッターホルン北壁の日本人初登攀を達成するなど、不屈の精神で登山を続け、「5文足のアルピニスト」と尊敬の念を込めて呼ばれました。
現在のシニア層の方の中には、若い頃に新田次郎のこの作品や「銀嶺の人」「孤高の人」などを読んだことがきっかけで、山登りを始めた方も沢山みえると思いますが、私は20代の頃にこの作品に出会い、ずいぶん勇気を頂きました。
今は他人に頑張れと言えない時代ですが、自分で頑張ってみようとする方へお奨めします。
美酒と文学の豊穣な世界へ!
『酔っぱらい読本[正] 』 吉行淳之介/編 講談社 (市立・成人 B/596.7/ /12)
『酔っぱらい読本 続 』 吉行淳之介/編 講談社 (市立・成人 B/596.7/ /13)
『最後の酔っぱらい読本 』 吉行淳之介/編 講談社 (市立・成人 B/596.7/ /14)
これらの3冊の本は「酒」が織りなすアンソロジーです。
阿川弘之、井伏鱒二、内田百間、遠藤周作、大岡昇平、北杜夫、小林秀雄、小松左京、佐多稲子、佐藤春夫、瀬戸内晴美、高橋和巳、田辺聖子、檀一雄、永井龍男、野坂昭如、萩原朔太郎、星新一、堀口大學、丸谷才一、室生犀星、安岡章太郎、山口瞳、李太白…。
古今東西の作家らによるエッセイ・詩に加えて、落語、イラストレポート、吉行淳之介の架空対談も掲載されています。酒にまつわるエピソードから作家たちの隠された素顔が現れる…作家たちの人生物語。酒への趣向を綴ったほろ酔い文学の豊穣な世界を心行くまで堪能してください。
文の名手は食も極める!作家たちをめぐる食にまつわる話は、まだまだ尽きません。
以下の本も合わせて読んでいただければ幸いです。
『文人御馳走帖 』 嵐山光三郎/編 新潮社 ( 市立・ 成人 B/918.6/ /14)
食と酒の話を厳選したアンソロジー。芥川龍之介、川端康成、幸田露伴、坂口安吾、高村光太郎、種田山頭火、堀辰雄、宮沢賢治、森鴎外らの作家18人の小説と随筆34編を収録。
『作家のごちそう帖 悪食・鯨飲・甘食・粗食 』 大本泉/著 平凡社 (市立・成人 910.26/ /14)
開高健、志賀直哉、太宰治、永井荷風、夏目漱石、林芙美子、正岡子規、吉田健一…。文学史に名を残す総勢22名の作家が愛した食から、その知られざる素顔と人生に迫る。
古墳ってかわいい
『奈良の古墳』 まりこふん著 淡交社 (市立・成人 210.2/ /15)
「古墳をゆるく楽しく愛でる」をモットーとする「古墳にコーフン協会」、その会長を務めるまりこふんさんによる古墳本。
堅苦しい知識は一切必要ありません。”土ッ器土器(ドッキドキ)”、”最古~(サイコ~)”等の独自の造語も飛び交う、まさしく「ゆるく楽しく」、しかし溢れんばかりの古墳愛に満ち満ちた本です。
なんとなく古墳が好きだった、でも専門的な知識は苦手。そういう方はぜひ手に取って見てください。こんな風に古墳が好きでも良かったんだ、と感じさせてくれますよ。
暖かい食べ物でほっこり
先日、家族が風邪をひきました。鼻水がひどくガラガラ声で、咳も頻繁に出るようになってきました。かろうじて熱はないものの、この前も同じ症状に始まって熱を出し、寝込むはめになったところです。まずい!今回はそうなる前に何とかせねば・・・病院で診察も受け、薬も出してもらいました。あとは本人のがんばりに期待するだけですが、何か私にできることはないだろうか。
そんな時、ふと一冊の本のタイトルが私の目にとまりました。「食べる クスリ・・・」。これで何とかなるかもしれない。急いで読んでみました。目次を見てみると“咳が止まらない時”、“のどがイガイガしてきたら”など、今の私にうってつけの内容です。さっそく、ほうじ茶のおかゆをためしてみました。 おかげさまで、かぜの症状も少しずつ良くなっていきました。おかゆの効果は定かではありませんが、毎日の食事が大切なんだということをあらためて思い出させてくれる一冊となりました。
また、この本は分量もわかりやすく書かれており、おかゆの基本から説明してくれているので初心者にも向いています。何となく体調が良くないなあと感じている人は、ぜひおためし下さい。
子供時代
「子供時代」 リュドミラ・ウリツカヤ/著 ウラジーミル・リュバロフ/絵 沼野 恭子/訳 新潮社
(市立・成人 983/ /15)
「子供時代」というタイトルにしては少し不気味な表紙に惹かれて手に取りました。
この本は、いまロシアでもっとも著名な現代作家の一人、リュドミラ・ウリツカヤによって書かれたものです。 第二次世界大戦が終わって間もないソビエト連邦を舞台に、子供たちの日常を描いた6つの短編集となっています。訳者のあとがきによると、この時代は「戦争の惨禍が痛々しく残る、生活するのも容易でない時期」であり、「スターリンがいよいよ独裁をゆるぎないものとした最終段階でもあった」そうです。
けれどもそうした困難な時代を背景とする一方で、どの話も最後にはあたたかな展開が待っており、中でも最後の一遍の結末はあざやかなものでした。また随所にある挿絵も、この作品の魅力の一つです。もともとこの物語のために描かれたものではないそうですが、絵と文章がそれぞれの作品を引き立てるものとなっています。
まずは表紙をご覧になり、気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
絵でみる江戸の町とくらし図鑑
「絵でみる江戸の町とくらし図鑑」 (市立・成人 210.5/ /11) 廣済堂あかつき株式会社出版事業部
この本は江戸の町の様子や武家の装束・庶民の着物、江戸三火消など当時の生活がイラストとともに解説されています。なかでも「庶民の生業」の章では、約80頁にわたり様々な商売が紹介されており、こんな仕事もあったんだと新しい発見がいっぱいでした。
ほのぼのとした温かみのあるイラストで細部まで丁寧に描かれているので、特に江戸の町の様子は絵を眺めるだけでも楽しめますよ。時代小説・時代劇が好きな人はぜひどうぞ。
姉妹編『絵でみる江戸の女子図鑑』 廣済堂出版 (市立・成人 384.6/ /15)もあります。
魚釣り入門 (海・川・湖の釣りを始めよう)
「魚釣り入門 海・川・湖の釣りを始めよう」 ケイエス企画 (市立・成人 787.1/ /13)
この本は、釣りを始めたいと思っている方にぜひお勧めの一冊です。
本書では、釣り人としての基礎知識や難解な釣り用語の解説、初心者からベテランまで知っておきたい様々なジャンルの釣法が、懇切丁寧に図解付きで紹介されています。この本をキッカケに海・川・湖といった大自然の中で、一度思いっきり釣りを楽しんでみませんか?人それぞれ、何かしら得るものがあるのではと思います。
三重県は近隣県から羨ましがられるほどの釣り天国で、ほとんど全てのジャンルの釣りが満喫できます。最初は、「おいしいからこの魚を釣ってみたい」といった思いつきで十分だと思います。ほとんどのベテラン釣り師も色々な思いつきで釣りを始め、やがて徐々に自分の好みのジャンルにはまっていくものです。また釣りには釣人の都合(例えば、職場の事情・自分の体力・予算等々)に合うジャンルが必ずあり、これもまた魅力の一つではないでしょうか。
最後になりますが、さて一度釣りを始めてみようと思うと色々な釣具を購入されることになると思います。竿・リール、多種多様な釣具に最初は戸惑うかもしれませんが、その中でぜひ一番最初に購入して頂きたい釣具があります。それはライフジャケット(救命胴衣)です。自然は時に残酷です。自分の身は自分で守るしかありません。ですがライフジャケットを着るだけで、ほとんどの危険は回避できます。
先ずは一度、安全に釣りを楽しみながら、魚との真剣勝負に挑戦してみてはいかがでしょうか。自分の思い通りに魚が釣れたら、本当に病み付きになりますよ。
わくわく感がつまってます
「うれしいおくりもの」 杉浦 さやか/著 池田書店 (市立・成人 385.9/ /14)(移動・成人 590/ /14)
プレゼントをもらったときって、すごく嬉しいですよね。
ラッピングを開いて、中から何が出てくるのか、ドキドキわくわくします。
カードのメッセージを読むと、もっと気持ちが温かくなったり。
でも、案外、プレゼントを選んでいるときの方が、わくわくしませんか?
親しい人にあげるときほど、悩み深くなることもありますが、喜んだ顔を想像するとがんばれちゃうんです
よね。
こちらの本は、そんなドキドキわくわく感がたくさんつまっている本です。
著者が贈ったり貰ったりしたプレゼントが、やさしいイラストと共に紹介されています。
イラストレーターの著者だけあって、ラッピングもかわいいので、眺めてるだけで楽しい気持ちになれますよ。
フォト・リテラシー 報道写真と読む倫理
「フォト・リテラシー 報道写真と読む倫理」 今橋 映子/著 中公新書 (市立・成人743.8/ /08)
人間が文書や絵画で表現するものは、それを描いた人の意見や思想を排除して、いかに客観的に表現したようであっても、そこにはその人の属する文化や何らかの意思がどこかに反映されていることは、多くの人にとって常識でしょう。
ところが、20世紀から今日に至るまで、芸術であれ報道であれ「写真」として表現されてきたものは、私たちは意識しないところで「真実」・「事実」として受け入れているのではないでしょうか。
有名な写真家(カルチェ・ブレッソンやロバート・キャパなど)の作品であれ、自分で撮った写真であれ、一方は芸術・報道の大家の作品で、一方はとるに足りない記念物かもしれませんが、そこに写っているのは客観的な事実であるということを前提にしているようです。
しかし、たとえ写真や映像であってもそれを意識するか否かは別にして、そこには撮影者の意思や意見、思想などが含まれているのではないでしょうか。 この本は筆者が文化人類学の観点から実際の写真を読み解き、その必要性を語っており、興味深い一冊です。
事典のような料理本
『ケンタロウ1003レシピ』 ケンタロウ/著 講談社 (市立・成人 596/ /10)
「ごはん、何にしよう‥・冷蔵庫にあるのはあれとこれ。」「あと一品、何かほしい気がするけれど‥・」
私の頭を悩ます毎日の献立。そんな時、私が開くのは『ケンタロウ1003レシピ』です。この本は、50音に並んだ材料から検索でき、まるで辞書のよう。普通の料理本と違い、写真はほとんどなく文字がずらりですが、レシピが簡潔で分かりやすく、なによりタイトルにあるようにたくさんのレシピが載っているのがうれしい!
切り方や量り方の基本もイラストで紹介されていて、調理法も「煮る」「焼く」などマークで示されているのでとっても実用的です。
これまでも、"レシピ開拓"とばかりに色んな本を借りてはみたのですが、手間がかかったり、なんだか味が合わなかったりしていました。そんな時、ケンタロウさんの本を見て作ってみたところ、どれを作っても簡単でおいしい!私好みの味‼ 一気にケンタロウさんのレシピのファンになりました。そのなかでも、この本は使いやすさで気に入り、購入し愛用しています。
「冷蔵庫にあるもので何ができるかな?」と思ったら、ぜひこの本をひらいてみてください。