図書館スタッフおすすめ本
あらためてお箸を見直してみませんか。
『おはしのおはなし 自分の箸と出会うため』 高橋隆太/著 WAVE出版 (市立・成人 596.9/ /15)
食卓ではお箸は大切なツールです。しかし、身近なものすぎて、そのことを普段の生活であまり気にしたことはないのでは…?
この本は、お箸の専門店を営む著者がお箸をいろいろな角度から書き綴っているので、なにげなく日常で使っているお箸のことを再発見するにはぴったりだと思います。
「たかが箸、されど箸」の気持ちで読んでみてはいかがでしょうか。読み終わった後、本当に使いやすい自分の箸を探してみるのもいいかもしれません。
食事のメニューに困ったら読んでください
『一汁一菜でよいという提案』 土井義晴/著 グラフィック社 (市立596.0/ /16)
「今日の夕飯何にしよう?…」と考えて、ちょっと憂鬱になる事ってありませんか?
仕事が遅くなったり、育児で疲れていたり、家族構成が変わってモチベーションが上がらなくなったり、様々な理由で、料理をするのを面倒に感じたことのある人は多いのではないでしょうか。逆に、料理をするのが少しも苦にならず、おいしい料理を毎日並べられる人もいるかもしれません。
この本はどちらの人にも読んでもらいたいと思います。
料理研究家の著者がすすめる一汁一菜の基本とは、ご飯と、具だくさんの味噌汁と、漬物です。
えー!たったそれだけでいいの?と私も最初は驚きました。
本書には、実際著者が食べている「繕わない味噌汁」と題した写真が載っています。ベーコン、ハム、たまご、きゅうり、とまと等、様々な食材が味噌汁の具になっています。
又、誰かと一緒に食べる「体裁を整えた味噌汁」というのもあります。
どちらもバラエティに富んだ味噌汁です。これならどんな日も作れ、栄養もとれそうです。さらに、手作りであるのに手間がかからない。良いことがいっぱいです。
でも、手抜きって言われない?毎日これでは物足りないのでは?と不安も生まれます。
本書の中で、著者は、一汁一菜とは、「システム」であり、「思想」であり、「美学」であり、日本人としての「生き方」だとしています。
古来から日本には、ハレの日(特別な日)に食べる手の込んだご馳走と、ケ(日常)の食事との区別がありました。又、旬の食材を楽しむことで、季節を感じる事ができます。食事をシンプルにすることで、現代人が失いつつある日本の食文化を取り戻すことが出来るのかもしれません。
手間をかけなくても日常を丁寧に繰り返す事で、ちょっと肩の力を抜いて、一汁一菜の料理でできた時間を自分のために使ってみるのも良い。と著者が優しく語りかけてくれます。
間もなく箱根駅伝2017
『魔法をかける アオガク「箱根駅伝」制覇までの4000日』 原 晋/著 講談社 (市立・成人)782.3/ /15
先日、三重県内で行われた「全日本大学駅伝対校選手権大会2016」で見事逆転優勝した青山学院大学。2015年、2016年と連覇を果たし、常勝チームになった印象が強いですが、それまでの道のりは平たんではありませんでした。
この本は、原監督が2015年の箱根駅伝に優勝した後に書かれた本です。
第1章を読んで、原監督は人の操縦法というか、モチベーションの高め方がうまい人だと思いました。サラリーマン時代に培ってきた手法を取り入れての一人ひとりに合った声掛け、信頼関係の構築、選手起用から外れた選手たちへのきちんとした説明責任を果たすことなど、普段の私たちの生活でも十分参考にできる内容です。
間もなく箱根駅伝2017の時期がやってきます。今回はどんなドラマが繰り広げられるのか、楽しみです。
冬といえば鍋!
『なんでも土鍋で! ひとり鍋派も、ファミリーもGinpo三島に全部おまかせ』
川上文代/著 小学館 (市立・成人 596/ /14、地域 L573/ /14)
冬といえば鍋!四日市市は土鍋の国内生産量1位の焼き物のまち。私が初めて買った土鍋も萬古焼の「三島」という商品でした。
この本は、その三島を生産している萬古焼メーカー銀峯陶器株式会社が協力して作った本です。
土鍋は実は、煮るだけでなく、焼く・蒸す・炊くといった多彩な調理方法に対応できる万能な調理器具なのです。この本でもパエリアや煮込みハンバーグなど、およそ土鍋では作らなそうなメニューもたくさん紹介されています。
ぜひぜひ萬古焼の土鍋を手に入れて、この本を見ながら、ほっこりあたたまる土鍋料理を作ってみませんか?
わからない?現代アートが…面白くなる!
『すべてのドアは、入り口である。 現代アートに親しむための6つのアクセス』
原田マハ・高橋瑞木/著 祥伝社 (市立・ 成人 702.0/ / 15)
この本は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に半年間勤務した経験のある原田マハと、水戸芸術館現代美術センター主任学芸員である高橋瑞木による、現代アートについての対談と取材旅行のお話です。
二人の現代アート談義が新しい世界への扉を開く!
第1のドア… 現代アートってなに?
第2のドア… 現代アートの楽しみかた
第3のドア… 二人が選ぶ今知っておきたいアーティスト
第4のドア… 美術館に行こう
第5のドア… 瀬戸内のアートと旅
第6のドア… 日本的風土と現代アート
これが、アート・オタクの二人の会話を盗み聞きしているようで、実におもしろい。臨場感に溢れたタッチでリアルに描かれています。現代アートは理屈でわかろうとするモノではなくて、感性で面白いと思えるものだと痛感しました。
この本は、二人の経験談や二人で見て回った現代アートについての話なので、感覚的な感想なども多くて、現代アートの解説に良くある観念的なテキストとは、一味ちがいます。
現代アートには食指が動かないかも…という人にこそ、ぜひ読んでほしい1冊です。
原田マハが綴るアートの世界へ!
『楽園のカンヴァス』 原田マハ/著 新潮社 (市立・成人 913.6/ ハラ/12)
『ジヴェルニーの食卓』 原田マハ/著 集英社 (市立・ 成人 913.6/ ハラ/13)
『モダン』 原田マハ/著 文藝春秋 (市立・成人 913.6/ハラ/15)
『暗幕のゲルニカ』 原田マハ/著 新潮社 (市立・ 成人 913.6/ハラ/16)
ルソー、マティス、ピカソ、セザンヌ、ゴッホ、モネ、ポロック、ワイエス…。原田マハが、アートについて記した小説も、併せてオススメします。
どの本も、アートの面白さや作品の魅力、巨匠たちが活躍した当時の歴史的背景が、判りやすい表現で丁寧に記されています。今までアートに興味を持てなかった方も、ぜひ一度読んでみてください。
「いいたいけど、いえない~よね」
『面と向かって言えないひと言 一行詩』 吉村英夫/著 学陽書房 (市立・地域 L/36/)
仕事から自宅に帰り、着替えをして洗濯機にポイ、お酒も自分で作りゴクゴク、暑いから扇風機を自分のほうに向けて、一息ついてマイペースでゴロリ。しかし、最近家族から冷ややかな視線を送られていることに気づきました。「とうちゃん元気で留守がいい」って言われるかも? 言われているかも?
ちょっぴり心配になった時にこの本に出会いました。
読みながら「うんうん その通り」「これも自分が言いたいことだ」と大笑いしたり、また自分の子どもに置き換えて「そう思っているのか」と感心したり、「わかってくれていたのか~」と嬉しくて目頭が熱くなったり、「なんでそう思うかな」とプンとしている自分がいました。その姿を見て家族が「大丈夫?」「ボケた?」「病院へ連れていってあげようか」などと言ってきました。この本を読む前なら「なにを言っとる」と怒っていたでしょうが、自分のことを気にしてくれているのだと少し嬉しくなりました。
自分の気持ちを分かってもらうには、思っていることを発信しないと伝わらないですね。本音で話し合える家族が理想です。
ひと息つきたいときに、この本はいかがですか。
東京會舘を愛した人たち
『東京會舘とわたし』上・下 辻村深月/著 (市立・成人 913.6/ツシ/16)
『図書室で暮らしたい』 辻村深月/著 (市立・成人 914.6/ツシ/15)
東京會舘といえば、芥川賞や直木賞の受賞記者会見が行われる会場としてご存知の方も多いのではないでしょうか。『東京會舘とわたし』(上・下)の主人公は、この建物「東京會舘」です。大正から昭和、そして平成という激動の時代を経験した東京會舘。その場所に関わり、その場所を愛したさまざまな人たち(作家・バーテンダー・菓子職人・結婚式を挙げた人など)の心あたたまる物語が時系列で描かれています。それぞれを短編として読むことも出来ますが、最後まで読んでいくとひとつの壮大な物語として完結します。訪れたこともない東京會舘が、まるで自分もその歴史をずっと見てきたかのように身近に感じられる読後感は、さすがと唸ってしまう辻村ワールドでした。
直木賞作家である著者は、受賞前に東京會舘で結婚式を挙げたそうです。その時、“直木賞を受賞して戻ってきます”と告げ、4年後にそれは本当に実現しました。支配人はそれを覚えていて“おかえりなさいませ”と迎え入れたという感動的なエピソードもあり、東京會舘への愛が詰まった物語が誕生したのも納得です。
初代を旧館(上巻)、そして建て替え後を新館(下巻)として記された、東京會舘の物語。
同著者の「東京會舘の思い出」が収録されているエッセイ『図書室で暮らしたい』も併せてオススメします。
おそるべし、”ジェーン・スー”
『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』 ジェーン・スー/著 文藝春秋 (市立・成人 914.6/シェ/16 )
“未婚のプロ”ジェーン・スーさんの新刊、ついに出ました!
今回は、オーガニック・ヨガ・ファッション・京都など、まるで女子だったら好きでないと、やっていないといけないと世間からの空気がただよっている【女の甲冑】をテーマに、ジェーン・スーさんが持論を展開します。
プロポーズされない101の理由を紹介する『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな 』 幻冬舎 (市立・成人 367.2/ /14 )や、女子に関わる様々な問題・話題について書かれた『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』 幻冬舎 (市立・成人 367.2/ /14)など、ジェーン・スーさんの本に、私はまずタイトルから心をつかまれます。
しかし、「いざ読むぞ!」と本を開く時はこわごわ…。
「そこまでですか!すごいですね。真似できません…」と思ったり、恐ろしく思い当たる節があって「ひぃ~」と心をえぐられたりするからです。
でも、読まずにはいられない、読んでしまうのです。
それは、「そういう考え方もあるのか」と教えられたり、「あ、こう思ってたの私だけじゃないのか」と安心したりすることがあるからかもしれません。
この夏、ジェーンスーさんと同じく、七分丈のレギンスを求めさまよった私。
知ってました?七分丈のレギンス、もう流行遅れらしいですよ…。
すみません、私履いてました。というか、履いてます!
時の罠にご注意を!
『時の罠』 辻村深月,万城目学,湊かなえ,米澤穂信/著 文藝春秋(本館・成人 B913.6/ /14)
電車の中で本を読みたいけど、文庫サイズの簡単に読める本が良いなあ。
好きな作家さんもいるし、人気の作家さんも書いているから、これにしよう。
退屈しのぎに、ただ何となく手にとった1冊。
毎日少しずつ読めたらと思っていたのですが、結局気になって1日で読み終えてしまいました。
人気作家の辻村深月・万城目学・湊かなえ・米澤穂信による時をめぐる短編集です。
「タイムカプセルの8年」(辻村深月/著)では、息子の卒業時に先生によって埋められたはずのタイムカプセルが埋められていなかった。
熱血先生で生徒からも父兄からも人気の先生がなぜ?
先生のような教師になりたいという息子に、事実を知ってほしくない主人公がとった行動とは?
感動のお話です。
「下津山縁起」(米澤穂信/著)では、科学の進化により、山に知性がある事がわかった未来。
なんと、上津山が下津山を殺害したとして有罪判決に?!
検事側も山なら、弁護側も山。
ありえないと思うかもしれませんが、近い将来こんな未来が待っているかもしれません。
奇想天外なお話です。
他にも、おもしろいお話やぞっとするお話があります。
どの作品も、その作家さんならではのお話になっていますので、一度読んでみてください。
和装本をつくってみよう
『和装本のつくりかた』 村上翠亭・山崎曜/共著 二玄社 (市立・成人 022.8/ /09)
この世にある様々な『もの』は、時代や文化によって変化、進化していくものです。図書館にある『本』もまたそのひとつ。その本の装幀に着目してみると、現代では洋装幀本が多く並んでいるのが見受けられます。対して、歴史的な和装の形態の本というものはなかなか見かけず、一般的になじみのないものかもしれません。この機に和装本というものに、触れてみてはいかがでしょうか。
実は、和装本って意外と簡単に作れるんです。この本では、平安時代に利用された装幀を元に、現代でも使える和装本を提案しています。最低限の道具で合理的に作ることができ、それゆえにアレンジの効く『手作り』ならではの装幀です。和綴じ本や折り本などの伝統的なものから、洋紙を用いて作る写真アルバムなどの実用的な装幀本まで、幅広く掲載されています。
作る工程は、写真で表記しているのでわかりやすいです。そのほかに、装幀についてのコラムなども充実しており、製本の心構えから和装本に纏(まつ)わる小話まで、読むだけでも興味深いですよ。
この本を参考にして、書や画などの作品を綴ってみたり、小さな和装本を普段のメモ帳代わりに携帯してみたりしてもいいですね。
手作りならではの、愛着の湧く作品を作ってみてはいかがでしょうか。
女性作家ならではの推理小説
『鏡は横にひび割れて』 アガサ・クリスティ/著 橋本福夫/訳 早川書房 (市立・成人 B933/ /12)
ミステリーの女王・クリスティによる、“老嬢探偵ミス・マープル”シリーズの一編です。NHKで放送された映像作品をご存知の方もいらっしゃるのでは。
事件はマープルの住むセント・メアリ・ミード村に著名な女優が移り住んできたことから始まります。彼女の屋敷で催されたパーティの席上、村の一夫人が毒殺されます。しかし彼女に殺意を抱くような人物は浮かび上がらず、周囲は首をひねるばかり。ロンドン警視庁から派遣されてきた警部は、旧知のミス・マープルの協力を得ながら事件の解決を図るのですが・・・。
この作品の最大の魅力は、殺人の動機でしょう。実は、日本でも最近になって再燃してきたある事柄が動機となっているのですが、これに目をつけたのはやはりクリスティが女性だからでしょう。物語終盤、女性はもちろん男性もあっと言わされるような謎解きが待っています。ぜひご一読を。
アボガド
『アボカドのちから』 浜崎美穂/編著 日東書院本社 (市立・書庫596.3//07)
『アボカドバンザイ!』 地球丸 (市立・書庫596.3//06)
『アボカド(新特産シリーズ)』 米本仁巳/著 農山漁村文化協会 (市立・成人625.8//07)
5年くらい前、パン屋さんのサンドイッチにはさまれていたのを食べたのが私とアボカドとの出会い。その時は不思議な食感と味だなという感想で、しばらくアボカドからは遠ざかっていたのですが・・・。
最近アボカドをたくさん頂き、どうやって食べようかとレシピ本を探していたところ、出会ったのがこの本たちです。森のバターと呼ばれるくらい栄養価が高く、病気予防にも美容にも効果があり、そのまま食べても良し、焼いても炒めても揚げても良し、サラダにもディップにもデザートにもなるすごい果物なのですね。買う時の選び方のコツ、皮のむき方、保存方法も写真付きで分かりやすく説明されています。
今のお気に入りは、ヨーグルト・はちみつ・レモン汁少々に角切りアボカドを合わせたアボカドヨーグルトと、角切りアボカドをしょうゆ・わさび・マヨネーズ少々で和え、炊きたてごはんにのせたアボカド丼。まだまだいろいろな料理にチャレンジできそうなのでとても楽しみです。
ところで、プリンの空容器に土とアボカドの種を入れ、毎日水やりをしていたら3週間くらいたったある朝、なんと芽が出ていたのです。アボカドが育てられるかもと思い、早速本で調べたところ、残念ながらかなり難しそう。アボカドの実の栽培は断念しましたが、観葉植物として楽しめ、育った葉っぱはお茶にできるようです。
4つ植えた種のうち3つから芽が出て、一番大きなものは30cmくらいまで成長中。今は、もっと大きくなあれとせっせと水やりをする毎日です。
四日市を再発見!…もっと知りたい四日市
『四日市もっと知り隊検定公式テキスト 総集版』 四日市もっと知り隊検定実行委員会/編
四日市商工会議所 (市立・地域 L292/ /13)
“四日市もっと知り隊検定”は、市民のみなさんに四日市の魅力を再発見・再認識して頂くとともに、全国にその魅力を発信し市の活性化につなげていこうという想いから、四日市商工会議所が平成24年12月に実施しました。これに先立ち刊行した公式テキスト(初版)を翌年、改訂、再編集したものが、『四日市もっと知り隊検定公式テキスト 総集版』です。
第1章「宿場まちYOKKAICHI」では、四日の市で知られた市場と四日市湊で賑わった東海道の宿場町の様子を中心に、本陣・札の辻・浜往環などについて紹介、第2章「街道マップYOKKAICHI」では、東海道を中心に発達し、各地の交通の要所へ向けて繋がれた市内の街道とその道沿いの文化遺産が紹介されています。第3章「商・工のまちYOKKAICHI」では、明治以降の四日市の発展の様子について書かれており、 四日市空襲・模擬爆弾の投下、四日市市の誕生等も紹介されています。
この他にも、「湊・港まちYOKKAICHI」「自慢!GーMAN四日市」など、四日市の歴史や、みなさんの「知りたい」ことをピンポイントで紹介しています。
四日市のことを調べるときに、まずこの本を読むことで四日市のイメージができるのではないでしょうか。 また、夏休みの自由研究の前に一読していただいてはいかがでしょうか。
コケにできない苔の魅力
『苔三昧 モコモコ・うるうる・寺めぐり』 大石 善隆/著 岩波書店 (市立・成人 629.7/ /15)
じめじめとしたこの季節、庭の手入れが進まないでいると、モコモコと現われた小さなコケ!放っておくとどんどん蔓延(はびこ)るので、なんとかしなければと思いながらも、なんだか気になるその姿。そんな時、図書館で引き寄せられるように出会ったのがこの本です。面白いコケの生態とその美しさにすっかり魅せられてしまいました。
「コケの魅力に気づくには、しゃがんでじっくり観察すればよい…」と書かれている通り、思わず我が家の庭に生えた苔もじっくり観察すると・・・意外にもかわいい姿をしているではありませんか!なんだかすっかりはまってしまいました。
日本は約2千種ものコケが自生するコケ大国だとか。コケ初心者にもわかりやすくコケ図鑑や全国の美しい苔庭情報もたくさん紹介されています。次はゆったりと苔庭を味わいに出かけたいと楽しみで仕方ありません。
自分でオシャレにコケを楽しみたい方には・・・
『苔ボトル 育てる楽しむ癒しのコケ図鑑』 佐々木浩之/写真 戸津健治/文 電波実験社 (市立・成人 627.8/ /15)もオススメです。 苔玉や盆栽以外にこんな楽しみ方もあったのですね!手軽さに私も早速チャレンジしたところ、かわいくて美しいコケの姿に一日に何度も見てしまう毎日です。
梅雨時には、いっそうみずみずしい美しさを放つコケ。皆さんもこれらの本と共に、コケに癒されてみてはいかがでしょうか?
日本茶に興味がある人も、ない人も!
そろそろ蒸し暑くなってきました。冷たい飲み物がおいしく感じられる季節です。この頃になるとおいしい冷茶が飲みたいと思って、ここ2年ほどトライしていますが、何となくおいしく作れません。どうしたら良いのだろうと思案していたところ、この本を見つけました。
お湯の沸かし方に始まり、注ぎ方まで、懇切ていねい…なのにシンプルでわかりやすく説明されています。工程ごとに写真が付いているので助かります。わたしが知りたかった冷茶の入れ方も紹介されていました。試してみたところ、今までよりおいしくなったような気もします!? この夏は、お茶のかき氷と煎茶ラテに挑戦してみるつもりです。
そのほかにも、かわいい器のことや、お茶と一緒に頂ける和菓子の手作りレシピなども紹介されていて、写真も楽しめます。また何よりも、お茶どころ静岡出身である著者の、お茶に対する思いが伝わってくる1冊です。これを読み終わるころには、きっとあなたも自分で入れた日本茶が飲みたくなるかも。
恥ずかしくない大人であり続けるために
『未来のお仕事入門』 東園子/著 学研教育出版 (市立・児童 366/ /15)
私たちは、人生の大半の時間を“お仕事”しています。勤務時間以外でも、遊びを早く切り上げる、体調を整える、衣服を揃えるなど、日常の様々な時間が仕事へとつながっているからです。
でも、仕事があまりにも日常と一体化しているため、時には慣れやダレも出てきます。そんな時、この本を開いてみてください。厳しいセリフが、未来のお仕事を夢見がちに考える小学生たちに、容赦なく飛んできます。
「どんなときでも同じ品質のものをつくること。それはいちばん大事なことで、いちばん大変なことなんだよ。」
「…どうして、途中であきらめなかったんですか?」「どんな状況でも、やれることは絶対にあるからね。目標に向かって進めば、必ず壁にぶつかるさ。でも、必ずできることはある。それを全力で考えるんだ。」
「それは商品ではない。作品だ。期間や予算をかけて、納得いくまでつくりこんだものが作品でね。いろいろな制限の中でみんなに楽しんでもらえるようにつくったものが商品だ。一人でできることには限りがある。ぼくらは可能性を無限にするために、チームでやっているんだよ。」
これらの言葉は、仕事が日常になりすぎた私たち大人にこそ、投げかけられた問いであるように思えてなりません。
恥ずかしくない大人であり続けるために、『未来のお仕事入門』を手に取ってみてください。改めて気付かされることが、たくさんあります。かわいい絵柄の漫画なので、読みやすいですよ。
もうすぐ四日市萬古祭り
『ひとり鍋派も、ファミリーもGinpo三島に全部おまかせ なんでも土鍋で!』
川上文代/著 小学館 (市立・成人 596/ /14、地域 L573/ /14)
突然ですが、我が家には土鍋が4つあります。一つは家族みんなで囲むお鍋やおでんに使う大きな土鍋。残りの三つは一人用の小さな土鍋です。
一番よく作るのは味噌煮込みうどん!お昼ご飯の定番です。他にも、家族それぞれ好みの味付けでひとり鍋をしたり、風邪を引いた時に一人分のお粥を作ったり。
最近では1合だけご飯を炊いたりもしています。どの料理も一人分をささっと作れるのでとても便利!少々場所はとりますが、食器棚の一番下で常に待機しています。
とても身近な萬古焼きの土鍋ですが、冬のお鍋だけに使っているのなら、もったいない!せっかくなら、普段の料理にもっと活躍させてみませんか?
この本は、国産土鍋トップシェアを誇る有名な土鍋“Ginpo三島シリーズ”を使ったレシピ集です。土鍋は煮る、炊く、だけでなく、焼く、蒸す、電子レンジでチンもOKだそう。オールマイティな調理道具なんですね。
和食だけではなく、洋食ならパエリアやグラタン、オムレツ。パン、焼きそば、茶碗蒸しの作り方なんていうものも紹介されています。
また最近では、おしゃれな萬古焼きのお鍋やプレート、マグカップなどの洋食器も見かけるようになりました。雑誌や本など様々なところで紹介されています。四日市の地場産業、萬古焼きをもっともっと盛り上げていきたいものです。
5月14(土)、15日(日)は第55回四日市萬古祭りです。お気に入りの土鍋を探しに出かけましょう!
他にも萬古焼き関連の本はいろいろありますが、最近、気になったものを紹介します。
『知られざる萬古焼の世界 』 内田 鋼一/著 誠文堂新光社 (市立・地域 L573/ /15)
昨年オープンした「BANKOアーカイブデザインミュージアム」の図録です。これが萬古焼き?とびっくりするようなモダンな色や形の器が紹介されています。
『四日市かぶせ茶レシピ』 四日市市/発行 (市立・地域資料室で閲覧可能。貸出不可)
本ではありませんが、最近配布されているレシピ集です。萬古焼きの急須を使ったかぶせ茶の入れ方が紹介されています。また、かぶせ茶しゃぶしゃぶや魚の蒸し焼き、かぶせ茶茶殻の佃煮など、土鍋でも作れるレシピが載っています。
プラモデルの教科書
「モケジョ」という言葉を知っていますか?
プラモデル、模型が好きな女性のことを「モケジョ」と言うそうです。となると、私もかつて「モケジョ」の一端にいたことがあります。プラモデルにはまりました。う~ん、30数年前の話です。私は全国のお城シリーズを制覇すべく、日々プラモデルを組み立てては、応接間に並べていました。今や、応接間という言葉さえも聞かなくなってしまいましたね。
「かあさん、僕のあのプラモデルはどうしたんでしょうね・・・・。」
そして、先日出会ったのがこの1冊です。名前に惹かれ、「うっ!どれどれ?」と手に取ってみました。パーツの切り方や組み合わせ方。もちろん色の塗り方も、写真付きでわかりやすく解説してくれています。私の「モケジョ」魂を呼び起こしたのは言うまでもありません。
スポーツカーや戦闘機、そしてガンプラにはまったお父さんたち、スマホばかりいじってないで、久しぶりに組み立ててみませんか?
そう言えば、ガンプラを必死に組み立てていた少年が、「将来はバンダイで働きたい。」と言っていたことを思い出しました。そういう夢、大好きです。夢は叶ったのかな?叶ってるといいな・・・。
ノボさん・小説 正岡子規と夏目漱石
『ノボさん・小説 正岡子規と夏目漱石』 伊集院 静/著 講談社 (市立・成人 913.6/イシ/13)
江戸から明治へと大きく時代が変わった頃、多くの若者が大志を抱いて東京へやってきました。その中の一人が、ノボさんこと正岡子規です。四国松山に生まれた子規は、幼名の升(のぼる)からノボさんと慕われていました。彼が詠んだ句、「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は有名ですね。
私がこの小説を手に取ったきっかけは、司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』で、主人公の友人として描かれていた子規に興味を持ったからです。勉強嫌いで、野球と食べることが何より好き。まるで我が息子のようです。35歳という若さで早世しますが、死の直前まで食べることへのこだわりは強かったそうです。また、野球を日本に広めた人物としても知られ、2008年には野球殿堂入りを果たしています。
そんな子規の周りには沢山の友人が集まってきます。夏目漱石もその一人です。秀才といわれながらどこか不器用な漱石と子規との熱い友情がこの小説の軸になっています。
自分の命が短いことを知りながらも最期まで筆を握り、夢を追いかけ続けた子規。明治という熱い時代の青春群像に、ぜひ浸ってみてください。
本当はすごいぞ三重!
図書館2階にある地域資料室には、県内の市町史・県史をはじめとする郷土の資料がたくさんあります。今回はその中から、誰にでも気軽に読める3冊の本を紹介します。
これらの本を読んだ方が、三重のことを少しでも知り、三重を通じて楽しい気持ちになっていただければ幸いです。今年は、伊勢志摩サミットが開催されます。三重を好きになって、三重を誇りに思ってほしいと思います。
◎『三重あるある』 金木 有香/著 TOブックス (市立・成人 361.4/ /14、 地域 L290/ /14)
この本には、238もの三重に関する「あるある」が登場します。共感できるネタもあれば、初めてきくネタもあるかも知れません。
・中日が優勝すると「燃えよドラゴンズ」を口ずさむ自分がいる。
・人口当たりのミニストップ店舗数が全国一多い。
・炊き込みご飯のことを「味ご飯」というのは標準語だと思っていた
・「ちょけとったらあかんに~」「おおきん」「もらいものは『めぼ』『めんぼ』」
◎「三重のおきて」 三重県地位向上委員会/編 東京 アース・スターエンターテイメント (市立・地域 L290/ /15)
サブテーマに「ミエを楽しむための48のおきて」と書いてあります。
・赤福は三重県民のソウルフード
・イオンのことをいまだにジャスコと呼んでしまう。
◎「三重の法則」 三重の法則研究委員会/編 (市立・地域 L290/ /15)
三重県民がうなずく「あるあるネタ&うんちく300」が掲載されています。
東海なの?関西なの?存在感は薄いが本当はすごいぞ三重!