図書館スタッフおすすめ本

平和について「いま語りたいこと」とは・・。

『私の戦後80年、そしてこれからのために』 岩波書店編集部/編・赤坂 真理/ほか著 岩波書店(市立・成人 304//26)

 

 戦後〇〇年という言葉をこれまでも毎年のように聞いてきました。
そして、2025年には、ついに1945年以前生まれが総人口の約12%となってしまったそうです。
 この本は、戦争体験者の100歳から19歳の大学生までの人たちが「いま語りたいこと」を寄せています。
戦争や平和の大切さについて、それぞれの思いを世代や立場を超えて伝えています。
今を生きるわたしたち、そしてこれからの世代に向けて、ぜひ読んでほしい本です。

素敵なマンガ、どうじょどうじょ

『B&D』 ほし よりこ/著 マガジンハウス(市立・成人 726.1/ホシ/15)


 ご存じでしょうか、図書館では、マンガも所蔵しています。
 数は多くないですが、一度読むとくせになり、どうにも忘れられなくなるようなマンガを、実は所蔵していたりします。その一冊が、今回紹介する『B&D』です。
 『きょうの猫村さん』で著名な、ほしよりこ先生作。あちらが長期連載なのに対し、こちらは一巻完結です。天才幼児チィチィ(3歳)とそのお兄さんテイチ、さらに飛び級で進学するチィチィを取り巻く少年・青年・先生たちの日常が、見開き2ページ=一話のペースでテンポよく描かれていきます。
 このマンガ、なぜか男性しか出てきません。しかもチィチィは天才なので、周りも冴えた人ばかり……いや、冴えすぎて一転、愛らしい人ばかり。各話ほぼなんでもない会話に終始しますが、その中に突然、目を瞠(みは)るほど輝くセリフが飛び出してきます。
 「自分の百点をあげようとするなんて絶対しちゃいけない事なんだよ」
 「雨やどりの時にさ タバコプカーとふかしてな 煙が雨に打たれてるとこ見んの、大好きなんだよな」
 「いいから秋野も数えろよ 数も数えられないもったいぶった人生かよ」
 ほし先生のえんぴつ画の画風も相まって、何度も味わいたくなるセリフ、多数。
 それとは別に、日常生活で使いたくなるセリフも、多数。
 「ちんどうってよばれてる」
 「どうじょどうじょ」
 「ちっかりちろよっ!」
 「ちゅきなんだぜ オレたちのこと」
 私は使っています。気になるでしょう。ぜひ一度お読みになって、「いかちた会話、ちてこうぜ。」

「歴史を歩く旅へいざ!」

『歩いて学ぶ日本古代史 全3巻』 新古代史の会/編 吉川弘文館(市立・成人 210.3//25)

 

皆さんは、遺跡を訪れたことはありますか?
もしかしたら、三内丸山遺跡や吉野ケ里遺跡、平城宮跡などを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
私は学生時代に歴史(日本古代史)を勉強していて、休日には関西圏を中心に遺跡巡りや博物館巡りをしていました。
この本を手に取った時、私が大学で研究していたテーマについても触れられていたことを知り、卒論を書く前に出版されていたらさぞ頼もしいものだったなと思います。


 本書は、古代史の舞台となった重要な遺跡や、有名な場所を取り上げ、その歴史的な意義を最新の研究成果をふまえ、分かりやすく解説しています。
第1巻から第3巻まであり、通読すれば、古代史の実像が見えてきます。
各項目の最後には、実際に訪れて体感することができる遺跡や資料館、博物館HPの二次元コードを載せており、より詳しい情報に素早くアクセスすることができます。
また、第2巻では、四日市の古代とも深いかかわりがある久留倍官衙遺跡についても紹介されています。
皆さんもお気に入りのスポットを見つけて、歴史を体感してみませんか?

 

 

関連本
『壬申の乱を歩く』 倉本 一宏著 吉川弘文館(市立・書庫 210.3//07)

  古代史上最大の内乱、「壬申の乱」の行程をたどった本です。

  四日市についての記載があります。
『人物で学ぶ日本古代史 全3巻』 新古代史の会/編 吉川弘文館(市立・成人 210.3//22)

いつまでも歌い続けられる歌がある!

『生きてりゃいいさ 河島英五伝』  花房 観音/著 西日本出版社(市立・成人 767.8//25)

 

「生きてりゃいいさ 生きてりゃいいさ そうさ 生きてりゃいいのさ 喜びも悲しみも立ち止まりはしない めぐりめぐっていくのさ」(河島英五の歌「生きてりゃいいさ」より抜粋)

 

日本酒のCMで大ヒットした「酒と泪と男と女」をつくった河島英五は、亡くなる3日前までステージに立ち続けて、2001年4月に48歳でこの世を去った。

本書は、英五の歌を題材にして家族を心から愛した英五の生きざまを綴(つづ)っている。河島ファミリーから聞いたエピソード、笑福亭鶴瓶・桂南光・原田伸郎らの回想録からは、人間味あふれる英五の姿が浮かび上がる!「何かいいことないかな」、「酒と泪と男と女」、「時代おくれ」、「生きてりゃいいさ」、「旧友再会」、「月の花まつり」、「百年たったら」…。英五の歌は心に響くメッセージをたくさん残してくれた。

2026年4月で、英五が亡くなって25年になるが、英五の歌は、今日もどこかでだれかが歌っている。そしてこれからも英五の歌は、いつまでも歌い続けられることだろう!

ハンセン病療養所は今…そしてその後の行方は?

『あなたがたの島へ ハンセン病療養所と私』 沢 知恵/著 岩波書店(市立・成人 498.6//25)
『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史 園歌はうたう』 沢 知恵/著 岩波書店(市立・成人 767.6//22)

 

 

「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない」(明石海人歌集『白描』序文より)


ハンセン病療養所の入所者の多くは、凍てつくような孤独をいつしか溶かすために、熱い炎で自らを燃やさねばならなかったのです。
1996年に「らい予防法」は廃止されたが、療養所の生活は今も続いている。『あなたがたの島へ』によると、2025年6月末現在、全国の療養所の入所者は615人で平均年齢は88歳を超えた。療養所の役割は終わろうとしているが、ハンセン病問題はいままさに正念場に差しかかっている。最後のひとりまで今いる療養所で安心してくらせるのか?だれもいなくなった療養所の納骨堂はだれが守るのか?何をどのように残し伝えていくか?


大島青松園を生後6か月で初めて訪れた著者は、約20年ぶりに島を再訪し、以後は島に通い続けている。島の教会で発見した園歌の楽譜には、民族浄化・一大家族・楽土という歌詞が…。だれが何のためにつくったのか?入所者はどんな気持ちでうたったのか?他の療養所にも園歌があったのか?…。さまざまな疑問を解決するために、著者は全国の療養所を訪ねて回った。

この2冊の本を読んで、入所者や療養所の今後の行方についても改めて考えてほしい。

巨木を巡る

『巨樹・巨木図鑑 一度は訪れたい、全国の大樹たち』 小山 洋二/著 日本文芸社(市立・成人 653.2//24)

 

最近、妙に大きな木に惹かれるようになりました。
もともと神社仏閣を見て回ることが好きなのですが、参道や境内に立派な木があると立ち止まり、何も考えず数十秒間ぼーっと眺めてしまいます。

 

近くに見ごたえのある大きな木はないかな?と思い、この本を手に取りました。
本書は、全国各地の巨樹・巨木が写真をメインに紹介されており、パラパラとページをめくり、写真を眺めるだけでも楽しめます。
三重県、岐阜県、愛知県の巨樹・巨木も沢山紹介されていたので、実際に何ヵ所か巡ってみました。

 

一番良かったのは愛知県岡崎市の「須佐之男神社・切越の夫婦ヒノキ」です。
神社の階段の左右にそれぞれ一本ずつヒノキが生えていますが、まるで一本のヒノキを真っ二つに割ったような配置・形状になっています。一見の価値ありです。
ただし、舗装されていない険しい山道を車で進むことになるので、車を汚したくない人、運転に自信がない人にはおすすめできません。私も途中で引き返そうかと悩みました。

 

他にも見てみたい木があるので、機会を見つけて巡ってみたいと思います。

アンニョン ハセヨー!

『今さら聞けない現代韓国の超基本 ドラマ・文学・K-POPがもっとわかる』 朝日新聞出版/編著 朝日新聞出版(市立・成人 302.2//25)

 

皆さんは「韓国」と聞いて、最初に何を思い浮かべますか?
K-POP、ドラマや映画、小説、韓国料理、あるいはコスメやファッション。
いまや世界を席巻するKコンテンツですが、意外と知らないのが韓国の素顔。
知らなくても、ドラマも音楽も楽しめますが、その国の歴史や文化を知ることで、作品世界や推しの言葉や振る舞いをより深く理解することができます。

 

私事ですが、この年末年始はソウル(マイナス10度!身体が悲鳴)で過ごしました。
韓国のお正月は、旧正月(ソルラルといって、今年は2月17日)を盛大にお祝いします。
そのため、12月31日~1月1日は私が滞在していたホテル周辺は花火が上がったくらいで、飲食店や商業施設は通常営業でした。
そして、日本で小学生女子に大人気!ボンボンドロップシールを始め、立体シールがお友だちの分もたーくさん購入できて、6年生女子は大喜びでした。韓国でも、少しずつ人気が出てきているそうです。雑貨屋さんでは、同じように日本人の女の子を何人も見かけました。

 

中部国際空港から、北海道と同じ2時間で行ける韓国。
本書ではますます身近になっていく韓国について、文化、社会、歴史を多角的に知ることができます。
日韓関係のこれからも含め「近くて遠い国」への、真の理解を深めてみませんか。

箱根駅伝熱かったー

『駅伝のすべて 知るほど面白い観戦知識と競技の魅力』 坪田 智夫/監修 メイツユニバーサルコンテンツ (市立・成人 782.3//23)

 

今年もたくさんのドラマがありました!お正月の風物詩、箱根駅伝!
この本は、箱根駅伝はもちろん、駅伝全般の歴史から基本的なルール、特性等がイラスト満載でわかりやすく書いてあります。
現役駅伝監督の解説による箱根駅伝の区間ごとのポイント、選抜メンバー・付き添い係・給水係の前日・当日のスケジュール・本番に向けた準備など、裏話的なことを知ることができておもしろかったです。
箱根駅伝の伴走車が昔は自転車だったことをこの本で初めて知りました。他にも、出場選手は大会中は単独行動が多いという話も、確かにそうなるよな、と思ったり、改めて駅伝について色々と学ぶことができました

駅伝前にコースの復習をするも良し、観戦後に思い出しながら読むも良しの一冊です。
駅伝について、とてもわかりやすく書いてあって気軽に読めるので、おすすめです。

見えない自分に気づく本

『差別はたいてい悪意のない人がする 見えない排除に気づくための10章』 キム ジヘ/著 尹 怡景/訳 大月書店(市立・成人 361.8//21)

 

 このタイトルに「?」が浮かぶ人は少なくないと思います。私自身、差別は悪意ある人による卑劣な行為だと思っていました。本書の冒頭で著者が語る実体験を通して、反差別を貫く人でさえ意図せず他者の心を踏みにじることがあると知らされ、固定観念を砕かれた思いがしました。


 気になって他の本も併せ読むと、否定・侮辱・疎外のメッセージを含んだ言動が悪意なく発せられる背景には、無自覚のバイアス(偏見・思い込み)があることにも気づかされました。自己の半生を振り返ると、いくつかの思い当たる場面(例:「また人権の研修会かよ…」と呟いたこと)が蘇り、配慮なき言動は正義感や善意さえ心をえぐる刃に変えることに気づかされました。


 ネットには偏見や憎悪を煽る真偽不明の情報があふれ、差別は一層見え難さを増して拡大再生産を続けています。この本は、行く先が見えない現代社会を生きる私たちに、悪意なき差別を見抜く叡智と勇気を与え、自己を見つめ問い返す誠実さを取り戻してくれる一冊だと思います。

 

 

<関連本(抄)>
『あなたにもある無意識の偏見 アンコンシャスバイアス』 北村 英哉/著 河出書房新社(市立・人権同和 361.4//25)
『マイクロアグレッションを吹っ飛ばせ やさしく学ぶ人権の話』 渡辺 雅之/著 高文研(市立・人権同和 361.8//21)
『中学校の授業でネット中傷を考えた 指先ひとつで加害者にならないために』 宇多川 はるか/著 講談社(市立・成人 007.3//23)

「推し(仏)」に会いに行く旅

『見仏記ガイドブック』 いとう せいこう・みうら じゅん/著 角川書店(市立・成人 185.9//12)

 

学生時分、「趣味は読書です」なんて(恥ずかしげもなく)言っていたというのに、社会人になって以降、本を読むといえば、業務必携本やら仕事関連の本を開くくらい。
縁あって図書館勤務となり、来館者のみなさんがたくさん本を借りていかれる姿を見るにつけ、すっかり読書から遠ざかってしまった自分を反省することしきりである。


さて、私が「趣味は読書」なんて言っていた頃に読んだ本のひとつ、『見仏記』。
鬼才2人が楽しく仏像を訪ねて紹介しているのだが、そのノリがたまらなくいい。
ウルトラマンの口許は弥勒菩薩像のオマージュであると言ってみたり、吉祥天女に不埒な想いを寄せてみたりとやりたい放題である。
「仏(ブツ)が目白押し」という表現は、読んでから三十年以上経った今も忘れられないフレーズだ。
『見仏記ガイドブック』では、『見仏記』シリーズでいとう氏とみうら氏が回ったお寺を地方別にまとめてあり、自分が会いにいきたい仏を選びやすくなっている。
「見仏旅」では信仰心や美術心は必要ない。ただ「いいなぁ」と思うだけでいい。
私も「推し(仏)」に会いに行ってみたいと思う。

『見仏記』 いとう せいこう/文 みうら じゅん/絵 中央公論社(市立・書庫 915.6//イト)


※『見仏記』は「よっかいち電子図書館」でも読めますよ!

  よっかいち電子図書館の利用はこちらから。

待ってました。読みたかった。

『砂の器 映画の魔性 監督野村芳太郎と松本清張映画』 樋口 尚文/著 筑摩書房(市立・成人 778.2//25) 

 

 この本が出た時、嬉しすぎて飛び上がってしまいました。
 今まで数多く映像化されてきた松本清張作品の中でも私が一番感動した、1974年版・映画「砂の器」撮影の秘密・・・あの切なく甘美で壮大な音楽『宿命』の誕生秘話や、美しい日本の原風景撮影の裏側など・・・を、様々な人へのインタビューを通して知ることができるのですから。
 「砂の器」は、当時の、ある病気への差別から親子がお遍路となり各地を放浪し、果ては親子の縁を切らなければならなかった悲しみや、その後におきてしまう悲劇・・・ 社会派作家の松本清張さんにしか書けない深い作品です。
 
 さて余談ですが・・・テレビドラマ「家政夫のミタゾノ」は、市原悦子さん主演で有名な「家政婦は見た!」のパロディですが、元々は、松本清張さんの「熱い空気」が原作ということをご存知でしょうか。
 現在に至るまで何度も何度も映像化されていて・・・その魅力は永遠です。

観光パンフレットで過去を旅する

『日本の観光 昭和初期観光パンフレットに見る 2 近畿・東海・北陸篇』 谷沢 明/著 八坂書房(市立・成人 689.2//21)(市立・地域 L290//21)

 

 みなさん、旅は好きですか?
 観光地のガイドブックやパンフレットを見て、「次はどこに行こうかな?」と考えたり、「また行きたいな」と振り返ったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。 

 

 本書では、昭和初期に作られた「観光パンフレット」を取り上げ、観光地の歴史などとともに紹介しています。
 海水浴場があり観光地として人気だった四日市の観光パンフレットも登場します。

 

 今では写真入りのパンフレットが当たり前ですが、当時は絵で描かれているのが当たり前。
 どれも色鮮やかで、鳥瞰図で描かれているものが多いので、まるで上からその地を眺めているような気分になるのも魅力的です。
 四日市の海には可愛らしい鯛やハマグリが描かれており、今はもうなくなってしまった競馬場、別荘地、海水浴場など観光地としての賑わいなどが伝わってきます。
 
 本書の冒頭には「大正末~昭和初期には、鉄道など交通網の発達もあり、旅行ブームが起きた」とあります。
 当時の人も、うきうきわくわくしながらパンフレット片手に旅行したり、誰かが持ち帰ったものを見て自分もいつか行ってみたいなと思ったりしたのかもしれませんね。

「読んでおいしい食エッセイ!」

「はらぺこ万歳! 家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん」 たかぎ なおこ/著 文藝春秋(市立・郷土作家 596.0//郷土)

 

 現在、図書館2階展示コーナーでは「読んでおいしい食エッセイ」と題して、食にまつわるエッセイを紹介しています。
 食通としても有名な池波正太郎さんをはじめ、小川糸さん、椎名誠さんなどの本が並ぶなか、今回は、四日市出身のイラストレーター、たかぎなおこさんの『はらぺこ万歳!』をご紹介。「家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん」のサブタイトルどおり、ひとりぐらしの適当自炊から、実家の謎ちくわ料理、旅先の弘前グルメなどを、たかぎさんのイラストで紹介しています。
 たかぎさんの本は、ときどき登場する四日市の話題はもちろんですが、世代が近いせいか「それ、めっちゃわかる~」ということが多く、どの本も大好き。この本では、小学校時代の給食「ポーミントン」にめちゃくちゃ懐かしみを覚えました!

 

「読んでおいしい食エッセイ」の特集は12月28日(日曜日)まで、2階展示コーナーは17時までです。ぜひ、新しい本との出会いを。

 

どんな本があるかは、こちらの「テーマ一覧」からもご覧になれます、ぜひご利用ください。
 (PC版)https://www1.yokkaichi-lib.jp/winj/opac/theme-list.do?key=0000000036&lang=ja
 (スマートフォン版)https://www1.yokkaichi-lib.jp/winj/sp/theme-list.do?key=0000000036&lang=ja

「『100万回死んだねこ』ってありますか?」

『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』 福井県立図書館/編著 講談社(市立・成人 015.2//21)


 図書館では、利用者の方が探している本を見つけることも大事な業務の一つです。初めて図書館で働き始めた時、「探しても本が見つからなかったらここを見るといいよ…」と先輩に教えてもらったのが、福井県立図書館のホームページ内にある「覚え違いタイトル集」でした。
 福井県立図書館の窓口での問合せなどから、覚え違いしやすいタイトルや著者名の事例をリスト化したページで、現在紹介されている事例は1300以上になります。
 そんな事例から厳選し書籍化されたのが本書です。

 

Q『蚊にピアス』→A『蛇にピアス』
Q『滅びた後のシンデレラ』→A『滅びの前のシャングリラ』
Q「なんかが強く吹きすぎてる本」→A『風が強く吹いている』など…

 

 覚え違いのタイトルや、ふんわりとした記憶からたどる事例、映画と原作のタイトルが異なっている事例など、利用者から尋ねられる内容も様々です。
 作品のタイトルを間違いなく覚えることは誰にとっても難しいですが、数々の事例にくすりと笑ったり「あるある」と頷いてしまいます。

 

読みたいと思ったけど探しきれず諦めていた本がありましたら、この本で再会できるかもしれません。
当館でも、お探しの本がありましたらぜひお気軽に尋ねてください。

 

本書のタイトルになっている本もとても有名な絵本の覚え違いです。正しいタイトル、思い出せますか?

方向音痴が見ている世界

『方向音痴って、なおるんですか?』 吉玉 サキ/著 交通新聞社(市立・成人 448.9//21)

 

私自身は方向音痴ではないと思っているけれど、旅行先などでは地図アプリに頼り切り。ナビ機能のままに進めば目的地に着くので、地図を読む力はどんどん衰えている気がします。
よく一緒に旅行する友人は自他ともに認める方向音痴。本書にも方向音痴あるあるとして書かれているとおり、最初の一歩をどちらに進めばいいか分からない、地図アプリを見ても逆方向に進んでしまうと言います。最終的には「今ここにいる!」と写真が送られてきて、待ち合わせするのも一苦労です。
本書は、自分を知る・脳を知る・地図を知る・地形を知る・地名を知るの5章。認知科学者や地図研究家といった、それぞれの分野の専門家から教えを受けて、悪戦苦闘しつつ著者が方向音痴を克服する様子が、エッセイ仕立てに楽しく読める一冊です。方向音痴の人も、そうでない人も、新たな視点で街歩きしてみませんか。

田んぼのまん中にある神社を集めた写真集

『田んぼのまん中のポツンと神社』 えぬびい/写真・文 飛鳥新社(市立・成人 748//25)

 

田んぼのまん中にポツンとある神社を集めた写真集。
最初に静けさが心を和ませてくれる。
日常の喧騒から離れ、風が穂を揺らす音や鳥のさえずり、虫の音を写真から感じられた。
正面や空中写真の構図もよく、水田に映る空、季節の移ろいとともに表情を変える稲穂、その中に凛と立つ神社は、どこか懐かしい日本の原風景を思わせてくれた。
特に稲刈りの時期には黄金色のじゅうたんの中に、雪が降れば白銀の世界へと導いてくれ、季節の移り変わりの美しさを思い出させてくれる。
ポツンと神社のある風景は昭和中期以降からポツポツと誕生したらしい。
春・夏・秋・冬と四季にわたり写真が集められていて、季節ごとに違う表情を見せる情景に温かさと寂しさ、懐かしさを感じた。

自分のからだをいたわる

『疲れないからだをつくる夜のヨガ』 サントーシマ香/著 大和書房(市立・書庫 498.3//17)

 

初めてヨガのレッスンを受けた時、心とからだが軽くなったことを覚えています。自分にベクトルを向け、からだに余分な力が入っていないか確かめながらポーズをとる。からだに痛みを感じると、日々の生活の中で、もっと自分のからだをいたわってあげなきゃと気づかされます。ヨガを覚えたいけど難しいポーズはできる自信がない・・・と思っていた時にこの本に出会いました。
布団の上でも楽に取り組むことができるヨガが紹介されており、ヨガ初心者の私でも簡単にポーズをとることができました。また、ヨガだけでなく疲れないからだをつくるために、日常生活をどう過ごしたらよいかのヒントも紹介されています。
日頃、自分のからだをいたわってあげてなかったかもしれないと思った方に、ぜひ読んでほしい本です。

ひとりぼっちは怖くない

『孤独ぎらいのひとり好き』 田村 セツコ/著 興陽館(市立・成人 726.5//20)

  

『孤独ぎらいのひとり好き』というタイトルを見て、「私のことだ……!」と衝撃を受けて手に取りました。
 実家を離れて一人暮らし。初めは意気込んで始めた一人暮らしですが、だんだんと寂しさが募っていた時でした。
 テレビもついているしエアコンの音もする。それなのに何故かシーンとしていて、涙がぽろっと出てしまう夜がありました。「私はこの世界でひとりぼっちになったのかな」と思うくらい“孤独”を感じていました。
 でも、実家に帰ると美味しいご飯が出てきて、くだらないことで家族と笑いあって、飼い猫は嫌々ながらも撫でさせてくれる。それに、夜中でも電話に付き合ってくれたり、休日には一緒に遊んでくれたりする友達もいる。
 それに気づいた瞬間、「私はひとりぼっちじゃなかったんだ!」と胸がいっぱいでした。
 そうかと思えば、一人で新幹線に乗ってふらっと出かけるのは何てことはないのです。何なら、「一人って最高に楽しい♪」くらいに気楽に感じます。
 最近、こんな風に“孤独”は嫌だけど“一人”は好きな私って変?と考えていましたが、そもそも孤独を感じない人間なんかいないんだな、とこの本を読んで思いました。
 誰でも孤独は感じている。けれど、他の誰かに寄りかかっているだけではダメで、一人で立つ練習もしなくてはいけない。
 私にとって、そんな人生の目標が出来た素敵なエッセイでした。

幸せなおやつ時間

『志麻さんちのおやつ』 タサン志麻/著 NHK出版(市立・成人 596.6//25)


予約のとれない伝説の家政婦 タサン志麻さんの、家庭でつくるお菓子のレシピ本が素敵です。少ない材料で、手軽に出来るものや、工程が少なく簡単にできるレシピで、作りやすいものばかりです。子どもと一緒に作れるくらいシンプルで簡単なレシピです。
バターは有塩でも無塩でもいい!型がなくても大丈夫!チョコレートは市販の板チョコでOK!キレイじゃなくても、ちょっとくらい失敗してもいい!
フランス仕込みの家庭のおやつは、実にザックリなのにとっても魅力的です。
大人も子どもも笑顔になれる家庭のためのおやつ50品を紹介しています。

 

子どもたちと自由に楽しくつくって、みんなで笑顔で味わえたらとっても幸せなおやつ時間になると思います。

書は捨てず、路上に出る

『路上観察学入門』 赤瀬川 原平ほか/編 筑摩書房(市立・書庫 304//86)

 

皆さんは日ごろ道を歩いていて、不思議と目を引くものを見つけた経験はありますか?
私は最近、とある工場の壁の2階に階段も梯子もない奇妙なドアを見つけました。
建築物などに付属しており、実用的には用をなさずそれでいて美しく保存されているものをトマソンと言うそうです。
そのトマソンを最初に提案した赤瀬川原平ほか様々な方たちの執筆物、対談、インタビューなどを集めたのが本作です。

 

タイトルにもなっている路上観察学は、先ほどのトマソンも含め、マンホールのふた、高校の制服、道のわきのドブ板の曲がり方、果ては自宅アパートのお手洗いの窓から見える他の部屋の住民の様子まで様々なものを対象としているということで、本作でも多くの事例や報告が挙げられています。
川に流れているゴミの観察記録など、一見「くだらない」「どこが学問?」となりそうですが、調査報告書や観察の方法・注意点には熱量を感じ、目の前の出来事に関心を持つこと、それを観察、記録するというのは立派な学問への入り口であると真面目に考えてしまいました。

 

ちなみに見つけたドアについては、過去どういう用途であったのかはいまだわかっていません。
毎日見慣れた場所でも、少し見方を変えれば面白いものがあるし、知的好奇心の入口になると教えてくれる一冊です。

地球を知る

『地球史マップ』 クリスティアン グラタルー/著 藤村 奈緒美・瀧下 哉代/訳 日経ナショナルジオグラフィック(市立・成人 450//24)


 黒地に青い地球。この宇宙から見たような地球の表紙に惹かれ手に取ってみた。
パラパラとページをめくると地球誕生・構造、生命の歴史。またヒトという動物の誕生による地球の地質や気候、資源、生物、社会の変化など人類と地球のかかわりについて書かれている。
 例えば、地球の核が生み出す地磁気が「盾」となり、生物を太陽の熱や宇宙線から守っている。地球は、太陽との距離や気圧により水が液体として存在できるハビタブルゾーンに入る唯一の太陽系の惑星であること。深層海流の平均速度は1㎜毎秒で、地球を1周するのに1000年かかることや、海水には太陽エネルギーとCO2を吸収し気候変動を緩和する役割があるが、昨今の温室効果ガスの排出による気温上昇を緩和するため、海水が熱吸収するので海面温度が上がっていることなどである。  
この1冊には地球のこと、また地球とヒトとの関りを社会、地理、生物などの視点から解説されており、「そうだったのか!」が溢れていた。
 百科事典のように全頁が、わかりやすい図や表で表現されパラパラ見ているだけでも面白い。また関連ページの表記や索引もあり、興味のある1ページからどんどん広がっていく1冊である。

【募集は終了しました】「おもしろいエッセーって…」 読書に関するエッセー募集中!

『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』 kemio/著 KADOKAWA (市立・成人 779.9/ /19)

 

エッセーコンクールの担当として、たくさんのエッセーを読む機会をいただいています。
昨年の応募総数は164作(ありがとうございます!)! それだけのエッセーを読むと、「自分はエッセーの、どういうところをおもしろいと感じているんだろう?」と考えるようになりました。

 

思うにエッセーのほとんどは、「書き手に起こったこと」と「それを経て書き手が考えたこと」でできているのではないでしょうか。
そこへ文体、つまり「書き手がどんな距離感で読み手に伝えようとしているか」のいろどりが加わることで、書き手それぞれのリズムに乗って、こちらへ伝わってくるように思えます。

 

そんなわけで今回紹介するのは、kemioさんの『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』です。

 

モデルや歌手、動画クリエイター等多岐に活躍されるkemioさん。その経験と考えが、kemioさんの口調そのままで書かれています。なんたって冒頭から、

 

「地球上のみなさーん! 初めましての方、お帰りなさいの方、バーキンは持たないけどエコバッグは所持系のセレブことkemio、けみおでーす!」(P.022)

 

……ここだけ引くと、乗れる人乗れない人をはっきり分けそうですが、

 

「私、棺桶までのレース、ガンガン走っておりますが、みなさんのレースは順調ですか?」(同)

 

と続くと、お? と身を乗り出してしまいます。
「棺桶までのレース」という、kemioさんの語り口からは想像できない深さからのワード。そんなことばどこから? と思ったらもう、つかまれています。あとはあっという間。生活、恋愛、将来についてしゃべりまくるkemioさんのペースに引っぱり回されるばかりです。
口調を離れて冷静に見ると、kemioさんの来し方は相当にヘヴィです。しかしそう思わせないのは、ひとえにkemioさんのしゃべりそのままの文体の力。抵抗を感じる前に読ませてしまう、オープンな力があります。

 

「今やること、やらないことって結局賭けでしかなくて、ウチら一生ベガス。まじで」(P.163)
「今を楽しくする方法を常に考えてる。(中略)振り返ったら「あ、充実してた」みたいなHAPPY ENDで締め上げる」(P.172)

 

エッセーを読むことが、書き手の経験と考えを読むことなのだとしたら、実はそれってかなり、おしゃべりに近いのではないでしょうか?
読んでくれる人とおしゃべりするように書けたら、たくさんの人に伝わり、またたくさんの考えが生まれるきっかけにもなりそうです。楽しみですね!

 



図書館では、今年も読書に関するエッセーを募集しています。
2025年のテーマは「今、いちばん読んでほしい本!」です。
誰かにおすすめしたい本の中でも、2025年の今、気分はこれ!という本や、2025年、こんな情勢だからこそ読んでほしいと思う本について、エッセー(随筆)にしてください。
またはあなたの読書法や、読書論についてのエッセーも可です。
ご応募お待ちしております!

 

「読書に関するエッセーコンクール」作品募集中

仕掛けのある小説

『ターングラス 鏡映しの殺人』 ガレス ルービン/著 越前 敏弥/訳 早川書房 (市立・成人 933.7/ルヒ/25)

 

図書館で働いていながらも普段あまり小説を読まない私。そんな私でもつい手に取ってみたくなるのが、"仕掛け"のある小説だ。
読む順番で物語が変わる道尾秀介の『N』然り、袋とじを切り開いて読む泡坂妻夫の『生者と死者』然り、一風変わった仕掛けの施された小説に心惹かれる。
そんな私が3冊目として読んだのが、ガレス ルービン『ターングラス 鏡映しの殺人』。外国人作家によるミステリー小説だ。
この本は、表と裏の両方から読み進めることのできる左右両開きの形をとっており、表から始まる物語と裏から始まる全く別の物語が、互いの謎を解決へと導く鍵となっている。
ぜひ一度この本を手に取り、初回の読了時にのみ味わえる仕掛け本ならではの驚きと感動を体感していただきたい。

野球を楽しむ

『野球と応援スタイル大研究読本』 ジン トシオ/著 カンゼン(市立・成人 783.7//22)


わが家には野球大好き家族がいて、プロ野球シーズンともなると毎日テレビで野球中継を見ている。
地元チームが一番のお気に入りだが、他のチームの試合を観戦することも好きで、複数試合中継している日はパラダイスらしい。

 

『野球と応援スタイル大研究読本』は、日本ハム、ロッテ、楽天の応援団を渡り歩き、高校野球や様々なスポーツの応援歌を作曲してきたジン トシオ氏によるもの。応援とは何か、どんな応援があるかという話からどのように応援や応援歌が作られるのか、試合における応援の流れや楽器術など応援に関するさまざまな情報が詰め込まれている。
「応援の目的は、勝利のために選手が最高のパフォーマンスを発揮できる環境作り」とあるが、一言で応援と言ってもとても広い世界なのだと感じた。

 

私自身はなかなかゆっくり中継画面を見ることができず音だけを聞くことが多いが、シーズンも終盤にさしかかった今、試合はもちろん応援にも注目して楽しんでいきたい。

 

こちらも楽しい1冊。2005年から2024年までの20年間のファンクラブの歴史を主な特典とともに振り返ることができます。
『プロ野球12球団ファンクラブ全部に20年間入会してみた!』 長谷川 晶一/著 集英社(市立・成人 783.7//24)

【募集は終了しました】「エッセーの魅力」 読書に関するエッセー募集中!

『うたうおばけ』 くどう れいん/著 書肆侃侃房(市立・成人 914.6/クト/20)

 

今までエッセーを読んだことがなかったのですが、先輩に勧めてもらい読み始めました。エッセーの魅力に気づくきっかけとなった本を紹介します。

 

くどうれいんさんの『うたうおばけ』という本です。
くどうれいんさんのうそみたいな実話が綴られています。「パソコンのひと」、「まつげ屋のギャル」など39編のエッセーが収められており、ひとつひとつが短いのでさくさく読める作品です。
特に「冬の夜のタクシー」が好きです。雪と雨が交互に降る中、恋人にふられてしまいます。心の中もぐちゃぐちゃで傷心している中、一人の女性タクシードライバーが現れます。この人と出会うための別れだったのかもしれない。そう思わせるほどの素敵な人との出会いで、タクシー代を払おうとした際の言葉が忘れられません。くどうれいんさんも「かっこよすぎるじゃないですか」と答えており、言葉のもつパワーに感動しました。
他のエッセーも本当に実話ですか?と疑いたくなるほど、まるで映画のワンシーンのようで、短くても心に残るエッセーは、短い文章の中に深い感情や共感を呼び起こす力をもっているのかもしれません。
まだエッセーを読んだことがない方、久しくエッセーを読んでいない方、この夏読んでみませんか。

 

図書館では、今年も読書に関するエッセーを募集しています。
2025年のテーマは「今、いちばん読んでほしい本!」です。
誰かにおすすめしたい本の中でも、2025年の今、気分はこれ!という本や、2025年こんな情勢だからこそ読んでほしいと思う本について、エッセー(随筆)にしてください。
またはあなたの読書法や、読書論についてのエッセーも可です。
ご応募お待ちしております!

 

「読書に関するエッセーコンクール」作品募集中

(市立図書館ホームページの別ページが開きます)

夏粥のすすめ

『ウー・ウェンさんちの汁ものとおかず』 ウー ウェン/著 光文社(成人・書庫 596//21)

 

この本は汁ものとおかずのレシピが、春夏秋冬に分けて紹介されています。
今回、とくにおすすめしたいのは「お粥」が出てくる夏の章です。

 

中国では、お粥は「食べる」のではなく「飲む」と言うのだそう。
本文に出てくる「お粥は穀物のスープです」という言葉に驚きました。
白米だけではなく、緑豆やハトムギ、黒米、きびなどの穀物で作るお粥は、栄養豊富な水分。
冷房や冷たい食べもので冷えた体を温め、消化吸収が良く胃腸に負担をかけないので、暑さに疲れた夏の体に、お粥はおすすめなのだとか。

 

この他にも、トマトやとうもろこし、冬瓜などの夏野菜を使ったスープや、疲労回復効果のあるお酢を使ったレシピ、大葉やみょうがなどの香味野菜や香辛料の使い方など、どれも参考になりそうなものばかり。しっかり栄養を摂って厳しい夏を乗り切りたいですね。

住所のこと知りたい人はこちら

『住所と地名の大研究』 今尾 恵介/著 新潮社(市立・書庫 318.1//04)

 

この本は、地名の本は沢山あるのにどうして住所の本がないんだと常々思っていた著者が「それなら自分で作ってみようか」というありがたい一冊です。

 

郡って何だろう? 大字って何だろう? 丁目って何だろう? と思ったことがある人。
住所と地番とはどう違う? 〇番〇号とか〇番地〇とか様々なのはどうして? と疑問に思ったことがある人。
おすすめします。

 

そして皆さんは住所に入っている数字について、どのようにこの番号が割り振られたのか気になりませんか?
この本ではそのあたりのあれこれについても解説されています。
早速私も町内の地図を確認してオオッと感激しました。
興味のある方はどうぞ。

ごはん作ろうかなと思った本

『初めてのひとりキッチン』 上田 淳子/著 講談社 (市立・成人 596//21)

 

タイトルからやさしそうな印象を受けたので、この本を選びました。
 
「この本はいままでのビギナー向け料理本よりも、さらに一歩手前の段階を想定しています」という言葉から始まるので、安心してページをめくることができます。

全体的に準備する材料が少ないレシピが多いです。
また、作業手順が少ないレシピも多く、2つや3つの手順で完成する料理もたくさん掲載されています。

 

初めて料理をする方だけでなく、用意するものが多いと大変だなと思う方、文章が長いのは苦手だなという方にもおすすめです。よかったら見てみてください。

夏祭りも、それ以外も!浴衣でお出かけしませんか?

『はじめてのゆかたBOOK 可愛く着こなすヒントがいっぱい』ブティック社(市立・成人 593.8//16)
『おとなの浴衣、はじめます 春から秋までたくさん着たい!』山崎 陽子/著 技術評論社(市立・成人 593.8//23)

 

もうすぐ梅雨も明け、夏本番。夏の予定は決まりましたか?今年は四日市花火大会の再開が楽しみですね。
そんな夏の予定に、浴衣を着てみませんか?
着物は特別なときに着るというイメージの方が多く、浴衣もせっかく買っても年に一度しか着ない方も多いのではないでしょうか。
しかし、浴衣は洋服でいうとTシャツやジーパンのようなもの。難しく考えず普段着にしていいんです!
一般的には7~8月向けとされていますが、近年は暑さが長いこともあり、着方次第で長い期間楽しめます。


そこで紹介したいのがこちらの2冊。
浴衣の選び方から着付け、ヘアアレンジに男性用の着付けまで、浴衣の基本を一冊で網羅した『はじめてのゆかたBOOK』。
浴衣を着てみるならまずはこちら。着付けの本はほかにもありますが、細かい疑問にも手が届くため特におすすめです。
もう1冊は、5月から9月まで、長く浴衣を楽しむための工夫がつまった『おとなの浴衣、はじめます』。
普段使いにチャレンジしたい方はこちらがおすすめ。帯結びの動画が見られる二次元コード付きです。


私も5月開催のライブに、浴衣を着物風に着付けて参加しました。
色柄や素材によっては浴衣っぽく見えにくいものもあり、真夏以外でも着やすいです。洋服のワンピースのような感覚、お店によっては着物初心者への応援としてもっとリーズナブルに買える場合もありますよ。

 

夏らしい、日本らしい装いをぜひ楽しんでみてください♪

引退競走馬のセカンドキャリア

『セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅』 片野 ゆか/著 集英社(市立・成人 645.2//23)

 

 本書には「競馬業界では毎年約七千頭のサラブレッドが生産され、一方で約六千頭が引退するが、その多くは行方不明になっている」という文面がある。
競走馬として頑張って走ったにもかかわらず、その大半は行方不明。現実は甘くない。


 しかし、このままではいけないと、昨今では引退競走馬への支援が呼びかけられるようになった。
数年前に「引退競走馬であるナイスネイチャという馬が、三十三歳の誕生日を記念したバースデードネーションにて約三千六百万の支援金を集めた」というニュースが話題になったのをご存じだろうか。
ナイスネイチャは既に他界してしまったが、どれだけの引退競走馬を救い、どれだけ私たちに引退競走馬の行く末を考えさせたのか、功績が計り知れない。
もちろんこの件についても、本書で紹介されている。


 他にも数々の引退競走馬が取り上げられているが、「TCC Therapy Park(TCC Japanの活動拠点)」という引退競走馬を支援する施設に在籍している「ラッキーハンター」を紹介したい。


 ラッキーハンターは元競走馬だ。
小さな頃から人懐っこく、とても大らかでかわいらしい馬であるが、なかなか競馬で活躍出来ずにいた。
引退後は、どうなってしまうのか。
当時の馬主であった林氏は、様々な施設に問い合わせるもうまくいかず、「TCC Japan」代表の山本氏に相談。
ラッキーハンターの受け入れを断られるのではと林氏は不安に駆られるも、彼は「むしろラッキーハンターのような未勝利の無名の馬を救ってこそ、このプロジェクトの意味がある」と答えた。
その後ラッキーハンターは「TCC Japan」の専属馬となり、今ではセラピーホースとして児童発達支援事業で活躍している。
 しかも筆者である片野氏は、引退競走馬の共同オーナー制度(注:一人ではなく、何人か共同で一頭の馬を所有する制度)を利用し、ラッキーハンターの馬主にもなっている。


 行方不明になっていたかもしれない競走馬が、引退後もたくさんの愛情を受けセカンドキャリアを歩んでいる。
そんな馬が増えてほしいと私は願う。

天気のなんでだろう?

『気候危機がサクッとわかる本』 ウェザーマップ/著 森 朗・森田 正光/監修 東京書籍 (市立・成人 451.8//22)

 

これからの時期は梅雨に入り、夏に向かっていきます。
今年の日本で1番最初に梅雨入りをしたのは、九州。これは観測史上初めてだそう。
近年、異常気象が多く天気に対して疑問を感じることもあるはず。
この本は、天気の様々な疑問に対して、図やイラストなどを使って分かりやすく説明しています。
これからの時期の悩みである台風や猛暑などの説明もあり、
気軽に読める内容になっています。
ぜひご一読ください。

これからのために歴史を学ぶ

『総点検・日本海軍と昭和史』 半藤 一利・保阪 正康/著 毎日新聞社(市立・成人 397.2//14)

 

最近、世界各地で起きる戦争や武力衝突のニュースを見ることが多くなりました。
では自分の国はどうなのか、なぜ今から80年ほど前多くの人命が失われる太平洋戦争が起きたのかを知るきっかけになればと思い、読み始めたのがこの本です。

 

本作は、昭和史の大家2人が日露戦争直後から戦艦大和の特攻までの流れについて語り、最後に昭和期の主だった海軍軍人たちを、評価していく対談形式をとっています。
当事者である軍人たちの証言も多数取り上げられており、人物たちの長所や欠点、いつどのタイミングでどんな決断をしたかがわかりやすくなっています。
そのため、太平洋戦争が始まるまでのプロセスだけでなく、際限のない軍備の拡張、組織内の対立や権力争い、現実を見ず過激な主張を行う強硬派の登場、異なる意見を持つ人たち(この場合は国際協調を重視する海軍の一派)の排除といった現代にも通じる問題が存在したことを、学ぶことができます。

昭和期の陸軍に元々良い印象をもっておらず、太平洋戦争の回避や終戦のため活躍した人々に海軍出身者が多かったこともあり、「陸軍と比べて海軍の方が良かったのでは?」などとボンヤリ思っていた私としても、反省を促される体験になりました。
また、特に印象に残ったのが、作者2人が様々な証言を取り上げる中、戦争に至った自分の責任を認めていなかったり、作戦の失敗など都合の悪い部分を避けていることに触れるなど、歴史の当事者として十分な責任を果たしていない人たちがいることを、何度も指摘していることでした。


人間は成功体験より失敗から学ぶべきことの方が多い。
過去、現在の戦争について学び、起きるかもしれない戦争をどうすれば避けられるのかを、考えるきっかけになる一冊です。

本作は海軍の失敗について取り扱っていますが、昭和陸軍の失敗を扱った本として、以下の書籍も併せてお勧めしたいです。

『ノモンハンの夏』 半藤 一利/著 文芸春秋(市立・書庫 210.7//)

ペーパードライバーを抜け出したい!

『脱ペーパードライバー』 森下 えみこ/著・イラスト 沢村 秋岳/監修 ナツメ社 (市立・成人 537.8//22)

 

 私はペーパードライバーです。「抜け出さないといけないな」と感じつつも、一歩を踏み出せない毎日。
それが積み重なって、結局運転から遠ざかっています。
 そんな時に目に留まったのが、この本です。

 

 序章から6章まで分かれていて、最後に上達チェックポイントもあります。
ストーリー仕立てで進んでいくので、スルスルと読み進めることができます。

「実際の教習内容を、体験マンガでわかりやすくまとめました。」とある通り、教習を受けているかのように読めるので、読みやすかったです。

 

 驚いたのは、「序章/もう一度ハンドルを握りたい!」を開いてすぐの、「『乗りたいクルマ』と『運転しやすいクルマ』は違う!!」というページです。
私もペーパードライバーながら「乗りたいクルマ、憧れのクルマ」はあるのですが、「運転のしやすさ」までは考えていませんでした。
確かに、運転しやすいクルマのほうが安心できますね。

 

 他にも、ポイント・テクニック等、様々なことが載っていて、運転の不安が解消されました。
ペーパードライバーからの脱却に、一歩近づけた気がします。

 

ペーパードライバーの方、運転を復習したい方にぜひ読んでいただきたい一冊です。

憧れの図書館

『北欧の美しい図書館』 小泉 隆/著 エクスナレッジ (市立・成人 010.2//24)

 

 新図書館整備の話が出ているタイミングで図書館勤務になったので、市立図書館内にある美しい写真で構成された図書館の本や図書館ができるまでのことが書いてある本を読んだり、国内30か所以上の図書館を訪れたりして、四日市だったらああしたい、こうしたいと日々夢を膨らませている。
 この『北欧の美しい図書館』では、デンマーク・スウェーデン・フィンランド・ノルウェーの各地の図書館の中から、上層階に大きな吹き抜けがあり町が一望できる図書館、静かに落ち着いて過ごしたい大人のためのスペースだけでなく、子どものためのスペースも確保されている図書館など、空間の使い方が素敵な選りすぐりの図書館が紹介されている。たくさん掲載されているのに同じ形のものはなく、個性的な図書館の写真と説明がいっぱいなので、見ているだけでワクワクする。
 皆さんも、四日市にどんな新図書館がほしいか、イメージを膨らませてみませんか?

ぶつぶつ言うどうぶつたち

『どうぶつぶつ』 たちばな れんじ/写真 リリー・フランキー/ことば パルコエンタテイメント事業部 (市立・成人 748//12)

 

どうぶつの写真にセリフをつけくわえた本。
パンダのセリフに、おや?君もなかなかだよと思ったり、ダチョウのセリフに修羅場を想像したりと、
聞くと場面を想像してしまう癖の強い言葉を、動物に言わせるシュールな面白さがある。
珍しいのは、どうぶつの写真が全部真正面なところ。
横から見るのと違って、スリムな顔立ちやイカツイ顔立ちをしていたんだと発見もあり、癒されながら含み笑いできる一冊です。

私でも簡単にできる災害対策

『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』 辻 直美/著 扶桑社 (市立・成人 369.3//22)※よっかいち電子図書館にも所蔵あり

 

 先日、神戸で開催された阪神淡路大震災の教訓を若い世代の目線で伝えるフォーラムに行ってきた。さまざまな切り口で考えられたプログラムからたくさんの気づきがもらえ、我が家の備蓄・ローリングストック、部屋の震災対策について見直す好機会となった。
災害用トイレ、カセットコンロ、米、水、レトルト食品等備蓄しているつもりだが、量は適正なのか? 転倒防止対策はしているけど後は何をしておくといいのか? といくつか疑問に思い、手に取ったのがこの本、『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』。
著者の阪神淡路大震災や大阪府北部地震の実体験をもとに、死なない、ケガしないための部屋づくり、ものを増やさずに災害に備える、などの章立てで、私が知りたかったことがたくさん紹介されていた。手軽な材料での地震に強い部屋づくりや、著者の備蓄品リストや防災リュックの中身などが載っていて、今後の買い足しの参考にできる、おすすめの1冊だ。

 

 この本は、市立図書館とよっかいち電子図書館にあります。
よっかいち電子図書館の利用はこちらから。

てこの原理を使える大人はカッコイイ

『道具のブツリ』 田中 幸・結城 千代子/文 大塚 文香/絵 雷鳥社 (市立・展示 420.4//23)

 

大きさ20×10×2㎝。コデックス装。表紙にはかわいいハサミの絵。そしてタイトルは『道具のブツリ』。

 

物理と言われ思い浮かぶのは、てこの原理、りんご、慣性の法則、フレミングの法則をかたちづくる左手・・・という具合の私ですが、この本を知ったとき、とてもわくわくしました。
ハサミ、ざる、スプーン、ゼムクリップ、箸などのしくみを、物理の視点から解説してくれるというのです。ねっ、わくわくしますでしょう?
実際最後まで楽しい読み物として読み進めることができました。

 

本書まえがきの中に「物事の理(ことわり)であるブツリ」という表現が出てきます。そのように考えると物理がグンと日常のものに感じられます。

 

なお、3月23日(日曜日)まで、2階展示コーナーでは、「やわらかいサイエンス」と題して、身の回りにある科学の本を紹介しています。ご紹介した『道具のブツリ』もその1冊です。

他にもたくさんの本を紹介していますので、ぜひお立ち寄りください。

多面体で存在する楽しさと幸せ

『愛と美の法則』 美輪 明宏/著 パルコエンタテインメント事業局 (成人・書庫 767.8//09)

 心が豊かになれる内容である。それに読みやすい字の大きさだ。新聞を読むには0.6の視力がいるそうだが、私にはありがたい字の大きさだし、美輪さんの著書はどれも豊富な絵、写真、色彩、優しくてあたたかなレイアウトで、なによりその感性から紡ぎだされる言葉に、とても豊かで優しい気持ちになれる。現在はAIが驚愕のスピードで進化して、人間よりはるかにうまく文章を書いたり、絵を描いたり、受け答えはスムーズで、果ては作詞・作曲もする時代になって、近未来は人間をコントロールするように計画されているとかいないとか。。。
  
未来がそのようになるのが確実であっても、美輪さんのような「感性」が人間にとって一番大切なものだと信じているのは私だけではないはずで。。。

叶うものなら、時の彼方からそういう未来人を見ていたい。

沼ハマ注意!味で楽しむ韓ドラの世界へようこそ!

『韓国ドラマ食堂 あの名シーンを食べる!』 本田朋美・八田靖史/著 西村オコ/絵 (市立・成人 596.2 //21)
韓国ドラマにはまってウン十年。ドラマを見て、実際に現地を訪れたり、文化や歴史などにも関心がありますが、やはり一番興味が湧いたのは”食文化”です。
どんな食材を使っているのか、どんな味がするのかなど、ドラマを見るたびに気になっていました。
そんな韓国好きな私が紹介するこの本は、日本でも手に入りやすい食材や調味料などを使いながら分かりやすい手順で書かれていて、料理初心者の方にもおススメで、とても美味しそうな料理がいっぱいです。
また、世界でも大ブームになった、「梨泰院クラス」の看板料理のスンドゥブチゲや、「愛の不時着」のトウモロコシ麺なども紹介されています。
料理にちなんだ小ネタやうんちくなどのコラムも載っているので、韓国ドラマガイド本としても楽しめます。
この本を読んで、まだまだ見ていないドラマも沢山あることを知りました。ぜひ皆さんも韓国ドラマ料理の世界をお楽しみください。

行って、帰って、話すということ

『はてしない物語』 ミヒャエル・エンデ/著 上田 真而子、佐藤 真理子/訳 岩波書店 (市立・児童 /943//11) 

 読書会がしたい、となにげに思って以来、読書会ってなにをするものなの? とことあるごとにかんがえている。
 答えはぜんぜんまとまらない。でもそれでいいか、とも思っている。まとまりがないものに対するために本を読むのに、そのための時間にまとまりのある効果を期待するほうが、へんだ。
 それに「話したい!」という衝動の部分なら、もうよくわかっている。まずそれを共有するところから、わくわくする読書会をはじめればいいんじゃない? ……というあたりまで考えたところで、ん、このかんじ、知ってるぞ、と思った。かなり具体的に、こういう本があった気がする——そうだ、『はてしない物語』だ。

 主人公のバスチアンは、本屋から盗んできた不思議な本「はてしない物語」を読み進めるうち、物語の中の世界・ファンタージェンに入り込んでしまう。
 まっさらな世界の創造主として、あらゆるものに名前を与えていくバスチアン。やがてその力におごり、上り詰め、転落し、自分の名前も忘れて……どうなるのかは、もちろん書かない。元の世界には帰って来る。でもどうやって帰って来るかは書かないし、書けない。
 
 物語の最後、ファンタージェンに行って帰ってきたもうひとりの人が出て来て、こう言う。
「おたがいの経験したことをはなしあおうよ。こういうことをはなしあえる人間はそうたくさんはいないから。」
 これじゃないだろうか、読書会って。それぞれがある本を読んでたどった道のりをはなしあう。聞きあう。そうしてなにか、まとまらないもろもろのことを、たしかめあう。そういう積み重ねで、集まったそれぞれの人の深い、深いところにあるなにかを、回復しあう——そういうのが、読書会なんじゃないだろうか。
 いつかもし、ほんとうに読書会をやることになったら、『はてしない物語』から始めてみたい。物語が求める必要なだけの時間を物語と過ごす、それだけのことがこんなにも失われる世の中になるなんて思わなかったけれど、だからこそ『はてしない物語』から始めたいし、もしあなたが読んだなら、ぜひ、おたがいの経験したことをはなしあいましょう。そういうことをはなしあえる人間もそうたくさんいなければ、そういうことをはなしあえる時間も、そうたっぷりとはないんですから。

知りたい!スズメの世界

『にっぽんスズメ歳時記』 中野さとる/写真 カンゼン (市立・成人 488.9//24)

私がスズメの可愛さに気づいたのは大学生の時でした。
海外で見たスズメはスリムでシュッとしていて強そう。帰国後に見た日本のスズメはフクフクで丸っこくてとっても可愛い!
以来、スズメを見かけるたびに目で追ってしまいます。今秋、我が家の庭にやってきたスズメたちはムラサキシキブの実に夢中。何羽も横に並んで、順番に啄んでは全て食べ尽くしていきました。

この本では、スズメの写真がたくさん掲載されているだけでなく、スズメの生態、世界各地のスズメ、人間との共存方法まで、スズメについての知りたい!が詰まっています。
あまりに身近な鳥で、普段気にしたことのない人が多いスズメ。
ぜひこの本を読んで、スズメを観察してみてください。

あなたは、何を蒸しますか?

『すべてを蒸したいせいろレシピ』 りよこ/著 Gakken (市立・成人 596//24)

 最近健康を考えて、野菜多めの食事を心がけています。
 そこで目にしたのが、このレシピ本です。表紙の“せいろ”に盛り付けられた、彩り豊かな料理が目を引きます。残念ながら、私の家には“せいろ”がありません。蒸し料理は、ほとんど電子レンジを使っています。
 本書は“せいろ”の利点、使い方、選び方から始まります。なるほど、蒸気で蒸すことによって、ヘルシーでより美味しくなるのですね。その上、お手入れ簡単で見ているだけで癒されるという、良いことばかり。
 私の“せいろ“のイメージと言えば、ふたを開けると、湯気と共にしゅうまいや小籠包が出てくる、中華料理のイメージです。しかも、家庭では取り扱いのハードルも高そうと思っていました。
 しかし、本書でそんなイメージがくつがえります。
著者は野菜だけではなく、ご飯、おもち、パン、肉じゃが、ビビンパ、おやつも、何でも蒸しちゃいます。すごい!調理器具一つでこんなにレパートリーが広がるなんて。その上、器いらずでそのまま食卓に出せます。楽しそう!簡単そう!おいしそう!

私は、蒸気と木の香りに癒されながら時短料理を作ることを想像して、“せいろ”を手に入れる事を考え始めています。

お茶の時間

『お茶でかんたん飲む薬膳 食材1つ足すだけ』 植木 もも子/著 家の光協会 (市立・成人 498.5//24)

何の予定もない休日には、ゆっくりとお茶の時間を過ごすようにしています。
その日の気分に合わせて、コーヒーにしたり、紅茶にしたり、中国茶にしたり・・・。

この本は、薬膳の考え方を元に、緑茶やほうじ茶、紅茶、コーヒーなどの定番の飲み物から、杜仲茶やハトムギ茶、ルイボスティー、ジャスミン茶、そば茶といった様々な種類のお茶まで、その産地や特徴、効能、性質、飲むのに適した季節、合う体質などを詳しく解説しています。
また、それぞれの飲み物にプラスすることで、さらに効果的な食材とその淹れ方を紹介しています。

例えば、杜仲茶は“体を温める”お茶。杜仲は中国四川省原産で、その葉を使ったものが杜仲茶です。
骨を丈夫にし、血圧を下げる効果があり、性質は温性で、秋冬の寒い時期に、特に冷え性の人におすすめ。
プラスして効果的な食材は、クコの実とナツメ。それぞれ杜仲茶に入れ蒸らしたあと、食材ごといただきます。

この他にも、緑茶+菊花で疲れ目に、コーヒー+ココアで疲労回復に、ゆず茶+はちみつで風邪予防に等々、試してみたいお茶とその組み合わせがたくさん。これからは、ますますお茶の時間が充実しそうです。

冬が近づいてきました。寒くて家から出たくない日には、お茶の時間を楽しみませんか?

ネコ、ネコ、にゃんこ!!

『ネコの名は・・・スペシャルゲスト』 岩合 光昭/著 朝日新聞出版 (市立・成人 645.7//23) 

ギリシャのミコノス島に住むネコ、コーヒー豆の実に埋もれるネコ、お腹のぽっちゃりしたネコ・・・。
様々なネコたちに出会える、ネコ好きにはたまらない1冊です。

ページをめくる毎に、写真に癒されて、さらに添えられた文章を読むと、ネコたちの生活ぶりを感じて2度癒されます。
この本のおすすめポイントは、写真が撮影された場所と日付、そして時間も書いてあるので、よりリアルに生活を感じられるところです。

本の中で、世界各地で暮らすネコたちに会いに行ってみませんか。

家紋っておもしろい

日本の家紋とデザイン』 濱田 信義/編著 パイインターナショナル (市立・成人 288.6//23

この本は、家紋について書かれた本なのですが、モチーフになった物で植物篇、動物篇、自然現象、尚武、文様・図案、建造物・器物に分け、その中でも植物なら、梅紋、桜紋、南天紋・・・と植物の種類ごとに載っているので、同じモチーフの違うデザインの家紋が一緒に見ることができて、おもしろかったです。
徳川家の家紋としても有名な「三つ葉葵」ですが、同じ葵をモチーフにした家紋がこんなにたくさんあるんだと驚きました。
ちょうどこの本を借りている時に時代劇を見ていて、「この着物の家紋、花みたいだけど何の花かな?」と気になってこの本をめくってみたら、ありました!
同じモチーフの物であっても、違うデザインのものがたくさんあって、おもしろかったです。
本当にたくさんの家紋が載っているので、自分の家の家紋や気に入る家紋がみつかるかも?

爽快感を味わう一冊

『死神の精度』 伊坂 幸太郎/著 文藝春秋 (市立・書庫 B/913.6/イサ/15) 

大学生の頃に読み、読書にハマるきっかけになった本です。
軽いタッチの文章、人物や情景の絶妙な描写もあり、頭の中に映像が浮かんでくるようで、とても読みやすくページをめくる手がとまりません。
あっという間に読み終えてしまいます。

いくつかの短編で構成されていて、それぞれに出てくる全ての登場人物に味があり、愛着が湧いてきます。
また、それぞれの短編が絡み合っており、読み終えた後は一つの長い物語を読み終えたような感覚になり、何とも言えない爽快感に包まれます。
これから読書をはじめようとしている方にもおススメの一冊です。

お菓子で世界を旅する

『世界のお菓子図鑑』 (地球の歩き方BOOKS W25 旅の図鑑シリーズ) 地球の歩き方編集室/編集 Gakken(市立・成人 383.8//23

とにかく情報量がすごい。
国ごとの代表的なお菓子がカラー写真と簡単な解説とともに掲載されているほか、それぞれの食文化やお菓子事情、現地出身者に教わるレシピや本場の味が体験できるお店の紹介、コラムや雑学コーナーもあり、お菓子で世界を旅することができる本です。
世界の祝祭菓子や軽食、パンケーキを集めたコーナーや菓子パン比べなどの特集もあり、読んでいるとお腹がすいてきそうです。

日本のお菓子は都道府県ごとに、数種類の銘菓が写真とともに紹介されています。
三重県からは四日市名物のあのお餅も載っていますよ。

ぜひ世界のお菓子の旅を楽しんでください。

考えつづける、笑いながら  ~「何度だって読みたい本!」~

『あの素晴らしき七年』 エトガル・ケレット/著 秋元 孝文/訳 新潮社 (市立・成人 929.7//16) 

 ものすごくへこむ日がある。
 そんな日は『あの素晴らしき七年』を、どの話でもいいからひとつ読む。
 作者・エトガルの身に起こることは、重い。イスラエルはテルアビブ出身のユダヤ人だから、よくある問題も、ややこしさを増して襲い掛かってくる。生まれたばかりの息子の将来や家族関係にも、国内情勢、テロリズム、ユダヤ教との付き合いなんかが絡みつく……なにせ息子が生まれたのは、テロリストによる攻撃の真っただ中だ。
 なのにエトガル、話が上手すぎて、どんなに話が重くても、笑ってしまう部分がある。
 空襲警報が鳴ったのに立ったままの息子を腹ばいにさせようと、「パストラミ・サンドイッチごっこ、する?」と誘ったんだそうだ。おもしろすぎる。それで、妻、息子、自分、と腹ばいで重なって、「パストラミ!」と叫ぶや、向こうへ爆弾が落ちた。これがエトガルの、生活のリアルだ。
 大事なのは、ことの重さを肌で感じつつ笑うこと。読んでいくうち、自分の生活と重なる部分が見えてきて、気が付いたらエトガルといっしょに笑ったり泣いたりしている。だからここに入った三十六篇のエッセー——エトガルに息子が生まれ、自身のお父さんが亡くなるまでの七年間のできごとは、どれも短いのにとても重たく、とても重たいのに他人事にはならない。せめて、ツレに起こった事くらいにはなる。そう思って読めば、どれほどつらくても、やってってみようか、という気に少しはなれる。この少しが、いかにすごいことか。
 ものすごくへこむ。たびたびへこむ。そのたびこの本が読みたくなる。テレアポを断る口実をどこまで膨らませられるかとか、本の献辞に飽きた時いかにふざけられるかとか、ポーランドの細長い土地に建てた薄い家のこととかを、エトガルから面白おかしく聞く。そうすることで、またやってこう、と思えるための温みのようなものを、少し分けてもらっているのだ。
 
 
2024年のエッセーコンクールのテーマは、「何度だって読みたい本!」です。
これを読んで、エッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へぜひご応募ください!
あなたの「何度だって読みたい本」、教えてくださいね。

(市立図書館ホームページの別ページが開きます)

「極上の闇」を求めて!

『闇で味わう日本文学 失われた闇と月を求めて』 中野 純/著 笠間書院(市立・成人 910.2//22

 目の前の人の顔も見えない闇とほのかな灯り、怪しいモノの存在を感じさせる山道の真っ暗闇、夜を明るく照らす神秘的な月の光など…。万葉の時代から昭和に至るまでの名作には、「闇」の場面が多く登場する。時代を超えて愛される名作には、豊かな「闇」の文化が、しっかりと根付いている。
 やわらかい闇には、星明かりや蛍火などのやさしい光もあるし、月の光が少しでも射し込めば、かなり明るくなる。闇がやわらかければ、光もやわらかくなる。
 この本では、「闇」をテーマにした体験案内を、日本文学の名作を引用しながら紹介している。五感をフルに活用して、「闇」を味わうことで、「闇」の本質に迫ることができるはずだ!「極上の闇」を体験した後で、この本に引用されている名作全文をも改めて読んでほしい。きっと今までとは違う、新たな気付きがあることだろう。

 この本を読んで、フィールドに飛び出して、夜山に行きたくなった人は、下記の本も併わせて読んでほしい。下記の本には、夜の山の歩き方、心がまえ、装備、野生生物への対処法などが詳しく解説されている。さらには、スマホやデジカメでの闇の撮影術も紹介されている。

『ナイトハイクのススメ 夜山に遊び、闇を楽しむ』 中野 純/著 山と溪谷社(市立・成人 786.4//23

LLブック ―文字を読むことが難しい方へ―

『仕事に行ってきます 10 図書館の仕事』 埼玉福祉会出版部 (市立・成人 LL/366.2//10)

今年度から、成人図書の新刊コーナーの近くに、LLブックのコーナーを設けています。
LLブックの「LL」とは、“やさしく読める”を意味するスウェーデン語“LattLast”(英語ではeasy to read)の略称で、文字を読むことが難しい方にも読みやすいように作られた本が「LLブック」です。
知的障害や認知症といった、様々な障害や病気によって文章を理解することや読み続けることが難しい方、外国にルーツがあり日本語を読むことが難しい方など、「やさしく読みやすい本」を必要としている全ての方に向けた本です。

この本では、障害のある方を主人公に、図書館で働く一日を紹介しています。
ふりがなのある大きな文字と写真で書かれており、各ページの下には登場人物が行った行動や感情を表すピクトグラムを並べることで、文字を読まなくても内容がわかるように工夫されています。

この本のほかにも、写真だけで話の展開がわかるものや、病院へ受診する方法といった、私たちの生活で必要な段取りをわかりやすく説明したLLブックもあります。
図書館で文字を読み疲れた時、自分の生活を振り返る時、どなたでもふと手にとっていただける本です。