図書館スタッフおすすめ本
全国の地元パン食べてみませんか。
地元パンとは、その土地土地で長年製造・販売され、親しまれているパンのことです。名称・味・パッケージデザイン等に独特の味わいのあるものが多く、時には地域の土地柄や歴史すら垣間見せてくれるものもあるそうです。この本では北は北海道から南は沖縄まで、著者が情熱をもって蒐集してきた地元パンとその販売店が紹介されています。
エッセーってなあに? ~「読書に関するエッセーコンクール」募集開始~
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!
職人とアーティストの狭間で
最近様々なジャンルの本を読んできましたが、そろそろ原点回帰したいと自分好みの美術史に関する本を探していた際に、ふと目についたのがこの本でした。
しんどいあなたへ ―戦中、戦後、平成の“生きづらい”女たち―
キモノの世界にようこそ
何十年と箪笥の肥やしになっている着物、もったいないなあ、着付け習いに行こうかなと思いつつ、行動に移す事も出来ずにいる私。
そんな私の目に留まったこの本のタイトル、着付けの本かな?と思わず手に取って見たところ、着物のある生活の楽しさを描くコミックエッセイでした。
首を洗って待っていた! 20年目の<戯言>シリーズ。
豆、豆、豆、豆、豆。
今回もとんでもない本に出会いました――『日本の豆ハンドブック』、です。
「文房具沼」へようこそ!
水を浸み込ませる土
絵が語る?愛を語る!自由に語る♪
日本の美しい提灯、一時期盛大に吸われていた煙草、どんな使い方をしたのか忘れられたモノ、今なお形を変えずに残っているモノ、絵画の中には意外なモノが隠されています。
歴史の謎や社会背景、画家たちの思惑をミステリアスなエピソードとともに紹介しており、絵画鑑賞に新たな視点を提示してくれた1冊です。
(2)は、大正生まれの韓国人画家と日本人妻の生涯を綴ったノンフィクションです。
東京での2人の出会い、北朝鮮・元山での新婚生活、朝鮮戦争の勃発、韓国・釜山への避難、方子の日本帰国、息子たちへの自筆絵葉書、夫婦が交わした手紙、ジュンソプの死去、永遠の別れ…。
情熱的な画家と寡黙な妻の姿が、方子へのインタビュー、韓国での現地取材から見えてきます。人が幸せに生きるとはどういうことか考えさせられた1冊です。
「絵画は親しい友だち、美術館は友だちの家」と言う原田マハさんと、「美術館は創造物を糧に生きてきた人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と言うヤマザキマリさんが、美術館や芸術家たちの妄想話を思い付くままに繰り広げます。
絵画や美術館への思いを好きなだけ膨らませて自らの想像力(妄想力?)を養ってくれた1冊です。
よい図書館とは?誰がつくるのか?
へとへとパンって!?
冬が近づいてきました。寒くて家から出たくない日は、おうち時間にぜひ、何か作ってみてくださいね。
散歩のお供に
言の葉は死なず
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見ている影響で手に取ったこの本。
タイムスリップして事件解決!
この本は現代に生きる関口優佳ことおゆうが、江戸時代にタイムスリップし、現代の科学の力で事件を解決していく物語です。
いつも新刊が出ると、次はどんな道具を使って解決するのかわくわくしながら読んでいます。
私にとっての1つの色は2つも3つも名前を持っていた
本書では生まれつき色弱者である著者が、自身が見えている世界や半生を振りかえり紹介している。
本文のおすすめは舞台照明のバイトのエピソード。色の見分け方に驚き、そんな失敗があったのかと楽しく読めた。
戦後改革期 女性国会議員の10年
命の重さはみんな同じだが、それぞれがどのような境遇であっても幸せに生きていくために、政治家ならば、様々な施策を打つべきではないのか。実際、その後はそうした活動をされてきたではないか。今でもそう思ってみえるのか。福田昌子さん、私はあなたと会って、話してみたい。たとえ私の言っていることがきれいごとと言われようと、あなたの本心を、あなたの声で聴いてみたい。
・「読書の秋のおともにエッセー!~エッセーコンクール開催中~」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
日本刀ってすごい
コレも読書に関するエッセー!?~「エッセーコンクール」募集中~
本を読み終わった後、すぐに誰かの感想を聴きたい!ということ、ありませんか?
SNSや読書感想サイトで検索しても、なかなか思うように見つからない……
そんな時にすぐ読める読書に関するエッセーがあるんです!
それは、文庫本の解説。
文庫本の巻末に著者ではない人の解説が載っていることも多いですよね。
ただ「堅苦しそう……」と読み飛ばしてしまっている方、とっても勿体ないです!
文庫本の解説は、その本に関する読書エッセーと言っても過言ではないほど、たくさん愛の詰まった解説が載っていることも多いんですよ。
そんな文庫解説をたくさん紹介している本もあります。
斎藤美奈子/著『文庫解説ワンダーランド』(岩波書店 (市立・成人 019//17)) では、文庫解説を4パターンに分類して紹介しています。
夏目漱石『坊ちゃん』や太宰治『伊豆の踊子』といった名作と、村上龍『限りなく透明に近いブルー』のような現代文学ではどんな人たちが作品への愛を語っているのでしょうか?
是非みなさんも、文庫解説を読んで1冊の本を何度も楽しんでみませんか?
ただし、あとがきや解説のない小説の場合、いきなりクライマックスを開いてしまうこともありますので本文を読み終わった後にチェックするなど、ネタバレには十分ご注意ください。
文庫解説に触れてみて、自分でも本への愛を語りたいと思った方、今度は「読書に関するエッセーコンクール」に挑戦してみませんか?
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
これを読んでエッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へのご応募をお待ちしています!
詳しくは以下のページをご覧ください。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
インベカヲリ★に会いたい! ~あの本のこの人に会いたい!<著者編>~
『週刊読書人』(市立図書館で閲覧できます)で連載していた「なぜ名前にホシがあるのか?」には、インベカヲリ★によるコラムが連載されていた。
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
未来を生きる子どもたちへ かこさんからのメッセージ
かこさんは、書籍の中で、昔のこどもと今の子どもたちは本質的にはそんなに違わないのではないか、生きるということは喜びでなければいけないけれど、苦しみを避けていくこともできないと語っています。
かこさんの言葉がこれからの時代を生きていく子どもたちとそれを支えていく私達、大人にも力を与えてくれると思います。
神話の楽しさ
この2つの文学書は、いずれも多くの世界文学全集に取り入れられている歴史上、貴重な名著です。しかしながら、現代の人は避けているというか、実際読んでみた人は少ないのではないでしょうか。それはおそらく、作られた時期や題材が大変古いということが原因と思われます。しかし、その内容は意外や意外、現代人も案外わくわくさせる内容なのです。
『イリアス』は、ギリシャ軍とトロイア軍との戦争が舞台ですが、戦闘シーンがアメリカのアクション映画のような迫力があって、表現がすごく生々しく、スリリングです。
『西の魔女が死んだ』~あの本のこの人に会いたい!<登場人物編>~
1度目は、8歳の時。
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
エッセーを書いてみよう! 「読書に関するエッセーコンクール」募集中
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
エッセーってなあに? ~「読書に関するエッセー」募集開始~
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
本や読書のエッセーってどんなの? ~「読書に関するエッセー」募集中~
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
宇宙旅行へGO
この本は宇宙の地図です。ですが宇宙の見せ方にちょっと工夫があります。
最近は近県への旅行すらままならないことが多かったと思います。この本を手に、いっそ地球の外、宇宙への旅行に出かけてしまってはいかがでしょう。
ホラーではありません!? 愛の写真集です
ぬいぐるみと言っても、ただのぬいぐるみではありません。とにかく愛されすぎたぬいぐるみなのです。ページをめくって頂ければどんなに愛されたかが一目で分かります。
四日市を知るなら、まずはコレ!
うつし世は夢 よるの夢こそまこと
『江戸川乱歩大事典』 落合教幸/編 勉誠出版 (市立・参考 R910.26/エト/21)
巨大な多面体「乱歩ワールド」を、文学、メディア史、社会学など、広範囲の分野から案内する本書は、戦後から昭和の高度経済成長時代の子供時代を過ごし、少年探偵団シリーズやテレビ放映の明智小五郎シリーズで大いに楽しませてもらった大ファンにとっては、様々な希望に応じた知識を授けてくれる優れものです。
生誕百年を経て、未だに我々を魅了し続ける乱歩の創作・思考の背景にあるものとはいったい何か?
乱歩の形成した人的ネットワーク、そして彼の生きた時代、戦前戦後という文化事象、出版文化の展開と共に花開いた雑誌・メディアなど乱歩ワールドの広がりを体感できる初の大辞典です。作品が書かれた当時の時代背景や政治、人間心理、メディア、美、エロス等、どこを切り口にしても尽きることのない金太郎飴のような豪華さです。これまで乱歩の作品に親しんできた人はもちろん、これから乱歩ワールドに踏み込んでいく人にもおすすめの一冊となっています。
(注:本書は参考図書につき貸出はできません。館内閲覧のみとなりますので、ご了承ください)
余談となりますが、個人的に一番好きな乱歩作品を吐露させて頂くことをお許し頂けるなら、『パノラマ島綺談』をあげさせてください。三重県鳥羽のとある人工島を舞台にした壮大なスケールと豊かなエンターテイメントの世界が融合したダイナミックな作品です。乱歩は三重県出身で鳥羽の造船所で働いていた経験から、海や孤島を背景にした作品を複数書いており、大宴会の場面での豪勢な伊勢海老の舟盛りの描写など説得力があり、イメージが浮かんでくるようです。『江戸川乱歩作品集 3』(江戸川 乱歩/著 岩波書店(市立・成人 B913.6/エト/18))等にも収録されておりますので、 興味のある方はぜひご一読ください。
作るの好きなのに・・・
『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』 コウ ケンテツ/著 ぴあ (市立・成人 596.0//20)
もともと料理は好きなのに時間に追われ、これでいいのか毎日モヤモヤ・・・。
量は足りている?味付けは濃すぎない?栄養バランスは大丈夫?
楽しく食べられればOK!とゆるーく決めているつもりではいても、いろいろ気になってしまう。
そんな時に出会ったのがこちらの本。
あー分かる分かるとうなずくエピソードがたくさんあり、無理のない範囲でできることだけで十分という言葉になんだかホッとしました。
最終章には簡単レシピも掲載されています。そのまま作ってもアレンジしても楽しめますよ、よろしければお試しを。
夢の国への冒険
『東京ディズニーシー20周年クロニクル』 ディズニーファン編集部/編 講談社 (市立・成人 689.5//21)
「次の休日はどこに行こう?何をしよう?」
…きれいな景色に癒されい!
…かわいいキャラクターに会いたい!
…アトラクションで大興奮を味わいたい!
このような気分の時、テーマパークにいきたいと思うこともあるでしょう。
テーマパークは、世代を超えて楽しむことができます。ただ、時期によっては入場制限が発生することもあり、必ずしも全員が行きたいときにすぐ現地に行けるとは限りません。
そこで、直接足を運ぶよりも簡単にテーマパークを楽しむことができる方法があります。その方法とはずばり、本を経由する方法です。本という手段を利用することで、交通機関や入場チケットの購入の必要もなければ、車を運転する必要もありません。
本を読み進めていくとアトラクションやキャラクターを「見て」楽しむことに加え、写真付きで細かく紹介されているディズニーシーの歴史を知ることができます。まるで自分がタイムスリップし、ディズニーシーと共に20年間を歩んでいるような気持ちになります。
ディズニーシーは今、20周年のイベントの真っ最中です。また、2023年にはファンタジースプリングスもオープンします。
まだ見ぬエリアを一足先に楽しむことができるのも、この本ならではの魅力の一つです。
よろしければ本から出発して、パークへ冒険に出かけませんか?
ゼロから学ぶ宇宙論
『ざっくりわかる宇宙論』 竹内 薫/著 筑摩書房 (市立・書庫 443.9//12)
宇宙論と聞くと、難しそうだなと思う方も多いと思います。
実際、私は宇宙論と聞いて難しそうだなと感じました。しかし、読んでみると所々にイラストや分かりやすい例えが用いられ、理系を専攻していなくとも読みやすく書かれています。宇宙にまつわる数百年前の仮説から最新の研究に基づく理論までいろいろな宇宙論が登場し、著名な科学者たちが宇宙をどのように捉えているのかを知ることができます。
これから宇宙について学びたい方、少しでも宇宙に興味を持たれた方は、ぜひご一読ください。
韓国SF
『わたしたちが光の速さで進めないなら』 キム・チョヨプ/著 早川書房 (市立・成人 929.1//20)
日々たくさんの本に触れていますが、普段手に取るのは自分の好きなジャンルや作家の本ばかり。
何か新しいものに挑戦したいなと思っていたところ、不思議な光景が描かれた装丁の本を見つけました。地球と月と寂れた宇宙ステーション。『わたしたちが光の速さで進めないなら』は7篇の短篇からなるSF小説集です。
SFの有名な作家や小説は、図書館で見たり聞いたりはしますが、今までSF小説を読んだことはありませんでした。宇宙戦争や人類滅亡、ロボットによる支配などなど、何となく怖いというイメージがあったからかもしれません。
この小説集は、そんな先入観を見事に払拭してくれました。
舞台となる時代や場所は短篇によって様々ですが、全体を通して感じられるのは、どんな状況であっても人間が人間であることは変わらないんだということ。たとえ宇宙に取り残されても、改造人間になっても、図書館から紙の本がなくなって(!!)も、喜びや悲しみ、憧れや懐かしさ、そういった感情を持つ人間の心は無くならないんだ・・・
読み終えたとき、すべてが愛おしくなるような温かい気持ちになりました。
新型コロナウイルスのパンデミックをテーマにした『最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集』(市立・成人 929.1//22)もおすすめです。
興味がわいたらぜひ、読んでみてください。
なんなん、「現代川柳」?
『はじめまして現代川柳』 小池正博/編著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//20)
????川柳といえば?
「サラリーマン川柳?」「シルバー川柳でしょ」「お~いお茶に載ってるやつ!」
……ですよね。でも川柳、ほんとはそれだけじゃないんです。
百聞は一見に如かず。いくつかご覧いただきましょう↓
妖精は酢豚に似ている絶対似ている/石田柊馬
「「「「「「「「蚊」」」」」」」」 /川合大祐
切れとはぷっつんぞなもし/渡辺隆夫
たぶん彼女はスパイだけれどプードル/兵頭全郎
☆定礎なんかしないよ ☆繰り返し/暮田真名
……なんじゃこりゃ、と思われましたか。思われたあなた、正解です。ようこそ、自由でむちゃくちゃで、ぶっ飛んだ世界へ。
あるあるを去り、私性に走り、それをも突き放した末にできちゃったことばの世界。これらの川柳はまとめて「現代川柳」と呼ばれています。『はじめまして現代川柳』は、その代表作家35名の作品を、76句ずつも収録した特盛アンソロジー。現代川柳を浴びるように楽しめること請け合いです。
もしご興味がわいたら、他にも以下のようなアンソロジーがあります。
『金曜日の川柳』 樋口 由紀子/編著 左右社 (市立・成人 911.46//21)
『近・現代川柳アンソロジー』 桑原 道夫/編 新葉館出版 (市立・成人 911.46//22)
さらに個人句集では、
『リバー・ワールド』 川合大祐/著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//21)
『そら耳のつづきを』 湊 圭伍/著 書肆侃侃房 (市立・成人 911.46//21)
『成長痛の月』 飯島 章友/著 素粒社 (市立・成人 911.46//21)
なども。ついでに言うと地域資料室には、現代川柳の同人誌『川柳どうぶつえん』(禁帯出)があります。
現代川柳、いま、まさにいちばんおもしろいことばの大波です。ぜひ触れてみてはいかがでしょうか?
はじめにピザのサイズがあった/小池正博
それ、捨てちゃっていいの?
『捨てない生きかた』 五木 寛之/著 マガジンハウス (914.6/イツ/22)
断捨離ブーム真っただ中の現代社会。そのような時代、捨てないことの大切さに焦点を当てて語りかけてくるこの本は、ガラクタに囲まれて暮らしている身には自己肯定されたような、なんともホッとできる内容でした。
この本で作者は、自分が何故モノを捨てられないかという理由を語ってくれます。その理由とは、モノにはすべて記憶があり、そのモノを手にする時、他者には決して理解してもらえない自分の想いが残されているからなのだそうです。
作者にとっての記憶を呼び覚ますモノとは、物理的な物だけとは限りません。例えばたったひとつのメロディーからでも、懐かしい香りからでも、記憶は覚醒してくるのです。
ここから、作者の視野はさらにひろがってゆきます。捨てないモノの対象には、例えば、どこかの町に残っている碑、地方の方言、言い伝えの伝承といったものも含まれています。それらを通じて、未来の人間は過去の記憶や人々の想いとつながりを持つことができるからです。
小説、エッセーで多くの人々に親しまれる作家が記すモノを捨てない生き方。雑誌のような気楽さで肩こらずに読める一冊です。
奈良公園のコガネムシ
『奈良の鹿』 奈良の鹿愛護会/監修 京阪奈情報教育出版 (市立・書庫 482.9//10)
『たくましくて美しい糞虫図鑑』 中村 圭一/著 創元社 (市立・成人 486.6//21)
先日図書館の本棚で、以前読んだ『奈良の鹿』を見かけました。
奈良公園の鹿について、保護活動、おやつ、生態系、歴史など、多方面から学べる本です。
奈良公園には糞を食べるコガネムシがたくさん生息していて、芝生・鹿・コガネムシが互いに関わりあいながら共存していることをこの本で読み、驚いたのを思い出しました。
そこで少し調べてみたところ、奈良市に「ならまち糞虫館」があり、その館長さんが最近も本を出されているようなのです。
おっ、図書館にありました。『たくましくて美しい糞虫図鑑』。
「糞虫」とは、糞を食べるコガネムシの仲間を指すのだそうです。
本を開くと、糞虫の基礎知識、日本の糞虫の解説、世界の糞虫の写真のほか、糞虫館を作るまでの館長の歩み、糞虫観察の春夏秋冬、糞虫を語り合う対談等が書かれていて、初学者の私にも楽しい読みものでした。
レッツ糞虫観察!とまではいかないかもしれませんが、足元の世界で起きていることを知るのってワクワクすると思いませんか?
貝殻から見える世界
『貝と文明』 ヘレン・スケールズ/著 築地書館 (市立・成人 486//16)
皆さんは貝と聞くとまず何を思い浮かべますか?
私を含め多くの方は、食卓で並ぶことが多いアサリやカキ、人によってはアクセサリーに用いられる真珠を思い浮かべるでしょう。
今回紹介する本の主役は、貝を中心にタコ、イカなどを含む軟体動物たちです。
海洋生物学者である著者は、私たちが知っているようであまり知らないこれらの生き物たちについて、最新の研究やユニークな体験談を交えつつ分かりやすく解説してくれています。
ある章では貝殻がどのように作られるのか、アオイガイ(貝殻のあるタコのような見た目です)の不思議な習性など軟体動物それ自体がテーマになっています。一方、ある章では、カキ養殖の新たな取組やイモガイの毒を活用した新薬開発についてなど、軟体動物と人間との関わりがテーマとなっています。
最終章のテーマは、今日の軟体動物たちを取り巻く海の変化です。ここでは、海の変化が軟体動物にどのようなリスクをもたらすのか実験や調査をもとに語られています。
読み終えた私は、「いつか砂浜でのんびり貝殻を拾い集めるのも楽しそうだな…」と海に思いをはせると同時に、自分たちが今当たり前に食べているアサリやイカをいつか食べることができなくなるのではという不安も感じました。
この本が、皆さんが貝や海に興味をもったり、馴染み深いものから人間の営みや自然とのかかわりを考えるきっかけになればと思います。
まずはルールを決めること
『死んでも床にモノを置かない。』 須藤昌子/著 すばる舎 (市立・成人 597.5//19)
タイトルに惹かれて読まずにいられなかった2年前(だったはず)。
サブタイトルは、片づけ・掃除上手がやっている「絶対やらない」ことのルール。
ルールその1がタイトルの「死んでも床にモノを置かない。」
これだけで、家がきれいになっていきます。(!)
その理由は、床にモノがない状態を維持できれば、掃除や整理が一気に楽になるから。
今度こそやるしかありません。でも、大切なのは「やる片づけ」ではなく、「やらない片づけ」なのです。
視覚障害者と一緒に「言葉による美術鑑賞」を楽しむ!
この本では、白鳥さんとアートを見ると楽しいよ」という友人の一言から、ユニークな旅が始まります。全盲の白鳥さんと一緒に見ていると、たくさんの会話が生まれます。ときには思いがけない方向に話が飛んで行ったり、脱線したり、発展することも…。
見える・見えないとは?障害とは?差別とは?アートとは?どう伝える?何を伝える?作品の前で色々な言葉が出会うとき、驚き・喜び・気づき…、新たな発見があります。分かり合えない他者と寄り添う関係、曖昧な記憶、果たして本当に見えているのだろうか?…先入観や偏見で凝り固まった常識が壊れていきます。
見えない人と一緒に時間を過ごす喜び、浮かび上がる社会や人間の真実、時空を超えて聴こえてくる作品からのメッセージ…。アートを巡るコミニュケーションにこそ、心の内側を知る鍵が隠されているのです。
この本を読めば「言葉による美術鑑賞」の追体験が楽しめます!さぁ、見えない目とともにアートを見る旅へ出かけましょう。
「身の丈にあった」に惹かれて
『身の丈にあった勉強法』 菅 広文/著 幻冬舎 (市立・成人 379.7//18)
「少し難しそうな内容の本だな。読むのは今度にしよう。」
私がこの本のタイトルだけを見た時の第一印象です。
しかし、どうしても「身の丈にあった」に惹かれてしまい、読んでみました。
この本の最初の章に、「この本で紹介する基本的な勉強法は、宇治原に教えてもらい、僕でも出来そうなやり方をその中から抜粋しました。」(書籍からの引用)とあります。
著者は、ロザンというコンビの芸人さんです。相方である、宇治原史規さん(京都大学出身)の勉強法の中から著者である菅さんが出来そうな方法が抜粋されています。「勉強法」と聞くと、少しかたく感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。私も、読む前はかたい内容の本だと思っていました。
やはり「勉強法」と謳っているだけあり、章ごとにそれぞれ「身の丈にあった勉強法」が紹介されているのですが、ただ勉強法が紹介されているだけではなく、クスッと笑える要素も含まれています。
個人的なお話になりますが、実際に読んでみて、特に難しく感じることなく、楽しく読み進めることができました。楽しみながら「身の丈にあった勉強法」も知れて、一石二鳥!?かもしれません。
よろしければ、ぜひ一度タイトルで躊躇せず、内容も読んでみてください。
龍玉(ロンユイ)の行方は?
『蒼穹の昴』 (上、下巻) 浅田次郎/著 講談社 (市立・成人 913.6/アサ/13)
『珍妃の井戸』 浅田次郎/著 講談社 (市立・書庫 913.6/アサ)
『中原の虹』 (1~4巻) 浅田次郎/著 講談社 (市立・書庫 913.6/アサ/06)
『マンチュリアン・リポート』 浅田次郎/著 講談社 (市立・書庫 913.6/アサ/10)
『天子蒙塵』 浅田次郎/著 講談社 (市立・成人 913.6/アサ/16)
『兵諫』 浅田次郎/著 講談社 (市立・書庫 913.6/アサ/21)
中国の歴史ドラマにはまっています。特に清王朝の荘厳な紫禁城(現故宮博物院)で繰り広げられる煌びやかな世界に引き込まれます。
そんな私がお勧めしたい小説は、テレビドラマにもなった浅田次郎著の『蒼穹の昴』です。その後、シリーズとして、『珍妃の井戸』、『中原の虹』、『マンチュリアン・リポート』、『天子蒙塵』、最新作の『兵諫』(へいかん)へと続きます。清朝最盛期の華やかな時代とは違い、西大后が牽制をふるった王朝衰退期から、近代中国への混沌とした時代の物語です。中国を統べる者が持つと言われる龍玉(ロンユイ)がシリーズのキーワードとなり、史実と創作の人物が織り交ざって物語は進んでいきます。どれか一部だけ読んでも充分楽しむことができます。
以前は「中国の小説は、難しい漢字が多くて読みにくい」という印象を持っていました。このシリーズは、漢字のルビが中国語読みになっています。中国から伝わった漢字の読みの違いも楽しんでほしいです。
ぜひ、中国四千年の歴史とも言われる中国の王朝最後の物語を見届けてください。
おもしろい計算力の世界へ
『世界の猫はざっくり何匹?』 ロブ・イースタウェイ/著 ダイヤモンド社 (市立・成人 417.6//21)
おおざっぱな計算で世の中にある数値を把握しようと試みる本です。
仮定を立て1つ1つ推論していく過程が面白く、タイトルである「世界の猫はざっくり何匹?」は本書のはじめに紹介される1例です。
他にも身近な大人の髪の毛の本数から、環境問題まであります。読者自身が導き出せるように、おおざっぱな計算に必要な知識や方法が解説してあるので楽しく学びながら読めます。
なつかしのアレコレ
『絶滅事典 20世紀末モノ&コトカタログ』 造事務所/編著 カンゼン (市立・成人 049//21)
1970年代から1990年代にかけて流行したものの、現在はあまり見かけなくなったモノやコトを集めた本です。生活(衣食住)、学校、趣味・娯楽、仕事・技術の4章に分かれ、編集部が独自に設定した絶滅の度合いも表示されています。
学校の章では、わら半紙やロケット鉛筆、多面式筆箱やアルコールランプなど懐かしのモノが多数登場。そういえばあんなこともあったな-、と思わず学生時代を振り返ってしまいました。
1つの項目は1~2ページで完結しているので、どこから読んでも楽しめます。
ところどころに登場するイラストとコメントもぜひチェックしてみてください。
パンダを知りたい!
『読むパンダ』 黒柳徹子/選・日本ペンクラブ/編 白水社 (市立・成人 489.5//18)
上野動物園で誕生した双子パンダの名前が決まりました。男の子が“シャオシャオ(暁暁)”、女の子が“レイレイ(蕾蕾)”。幼い頃に、テレビでパンダ幼稚園のドキュメンタリーを見て以来、なんとなく注目しているパンダ。最近は、疲れた時に二頭の動画に癒しを与えてもらっています。名前が決まったことで、さらに可愛さが増した気がします。
この本は、『パンダを愉しむ』、『パンダを知る』、『パンダを守る』の三章で構成されています。
第一章では、漫画『しろくまカフェ』の作者であるヒガアロハさん、映画『パンダコパンダ』の監督である高畑勲さん、他にも作家の浅田次郎さん、温又柔さんといった方々がパンダにまつわる書下ろしエッセイを寄せています。
第二章では上野動物園やアドベンチャーワールドでパンダ飼育を担当された方の実体験・飼育日記が、第三章では、パンダの保護活動について書かれています。さらにパンダ愛溢れる黒柳徹子さんの座談会もあり。
少しでもパンダに興味がある方、ぜひ読んでほしい一冊です。
ヒルと生きる
『ヒルは木から落ちてこない。ぼくらのヤマビル研究記』 樋口大良+子どもヤマビル研究会/著 山と渓谷社 (市立・地域、L483//21)
鈴鹿の山に登った後で、近場の温泉に行く。「ゆっくりつかろうか」と友と話しながら、Tシャツをばっと脱いだ瞬間「ボトッ」何かが床に落ちる。「今日も暑かったな」と帰りの車を走らせていると、何やら靴下の中がムズムズしたので信号待ちの時に靴を脱いでみる。「コロン」何かが転がる。
言うまでもなく鈴鹿の山(なかでも堆積岩帯の山)の名物『ヒル』である。このなじみ深い生き物の生態を解き明かしていこうと、観察を重ね、実験をし、次々に課題をクリアーしていくヤマビル研究会の子どもたちの姿がとてもかっこいい。自分もこの研究会の一員になった気になって、一気に読んでしまった。
「ヒルの生態を観察し、自然の仕組みを解き明かす・・・」ポッサム先生と研究会のメンバーが掲げているテーマは、私たち人間は自然を愛し、守り、共に生きていこうとすることの大切さを改めて考えさせてくれた。まだまだ解らないことがたくさんあるけれど、『ヒル』は生きている。そして私たちも生きている。そのかかわりは特殊な形かもしれないが、お互いに求めあっていることは事実であると感じた。より深く知るために。
「気持ちわる~」と言っているあなた、そんなこと言わずにぜひ読んでみてください。子どもヤマビル研究会の活動をぜったい応援したくなるから。
セミだけじゃない!いろんな虫のいろんなぬけがら!
『虫のぬけがら図鑑』 安田守/著 ベレ出版 (市立・成人 486.1//21)
虫のぬけがらと言えば、「セミ!」と思っていた私。
この本には、日本に生息し脱皮する様々な昆虫やクモなどのぬけがらが写真で紹介されています。
私はまだ見たことのない「ぬけがら」ばかりで、細長ーいナナフシやトゲトゲのテントウムシのぬけがらなんて、どうやってそのままの形が残るように脱いだのかな?
確かに、うちのカブトムシたちも羽化するときに脱皮したし、成長する時に脱皮する虫には、「ぬけがら」が必ず存在するってことか、フムフム。
と、それほど虫に興味がないのにじっくり読んでしまいました。
図書館にこの本が入った時、ちょうど謎のぬけがらを見つけたある職員。
さっそく、一緒にこの本で「ぬけがらウオッチング」。おそらく「バッタの仲間」ということが分かりました!
謎のぬけがらを見つけた時にはぜひ、この本で確認してみてください。
無人島に1冊持っていくなら? ~エッセーコンクール募集中~
『パノラマ島美談』 西尾維新/著 講談社 (市立・書庫 B913.6/ニシ/16)
今年も図書館では、「読書に関するエッセー」を募集しています。
今回のテーマは、「無人島に1冊持っていくなら?」です。
私が無人島に1冊持っていくなら、西尾維新『パノラマ島美談』です。
『パノラマ島美談』は、2021年4月から放送していたアニメ「美少年探偵団」の原作シリーズ第5作目にあたります。残念ながらアニメでは飛ばされてしまったエピソードですが、無人島にピッタリの1冊なんです!
私立指輪学園中等部で、秘密裏に活動する、非公式かつ非営利組織“美少年探偵団”。
そのメンバーとは、リーダーで美学のマナブこと、双頭院学。生徒会で美声のナガヒロこと、咲口長広。番長で美食のミチルこと、袋井満。陸上部で美脚のヒョータこと、足利瓢汰。そして、ひょんなことからメンバー入りした美観のマユミこと、瞳島眉美である。
1.美しくあること2.少年であること3.探偵であることをモットーに校内のトラブル解決に勤しんでいた彼らが冬休みの合宿地に選んだのは、琵琶湖に浮かぶ無人島『野良間島』。その島では、学園から追放された元美術教師の永久井こわ子が、たった1作の絵を飾るための美術館を建てていた。美少年探偵団のアジトである美術室を正式に譲り受けようとした彼らは、5つの美術館からそれぞれに展示されている『見えない絵』を見つけることを求められ……?
西尾維新作品の中でも、1冊が短い「美少年探偵団」シリーズ。
もしかしたら無人島に行く道中で読み終わってしまうかもしれません。でも、それでかまわないのです。無人島に行くのですから、きっとそこには、謎が、チームが待っているはず。無人島への期待に胸を高鳴らせて、上陸できるに違いありません。
さあ、“無人島でも”美しく、少年のように、探偵をしよう。
皆さんも是非、「読書に関するエッセー」に応募して、おすすめの本を教えてくださいね!
- 「読書に関するエッセー」募集について(図書館ホームページお知らせ記事が開きます。)
エッセーのすすめ
『仙台ぐらし』 伊坂幸太郎/著 荒蝦夷 (市立・成人 914.6/イサ/12)
高校生のころ、お気に入り作家の新作小説だ!と思って読んだら何だか変。いつまでたっても登場人物が出てこない。ストーリーがすすまない。何これ? というのが、当時、フィクションしか読んだことがなかった私とエッセーの出会い。
その後、「笑っちゃうから電車で読んだら絶対だめ」と友人に原田宗典さんのエッセーを紹介され、どっぷりはまったのでした。
特に、小説家のエッセーは、小説を読んでいるだけではなかなか目に浮かばない書き手の姿をリアルに感じることができ、距離感がぐっと近づくように思います。
『仙台ぐらし』はそんな作家の一人、伊坂幸太郎さんのエッセー。
仙台の地域誌に掲載していたものを2011年に書籍化予定でしたが、震災により翌年に延期された経緯があります。震災より前に書かれた、くすっと笑えるおだやかな日常と、震災後、もう一度「作品を書く」ということに向き合っていく伊坂さんの言葉。伊坂さんの新作小説を楽しく読みながらも、ときどきこのエッセーを振り返るように読んでいます。
なお、現在、図書館では「読書に関するエッセーコンクール」の作品を募集中。今年のテーマは「無人島に1冊持っていくなら?」です。
非日常だったいろんなことが、日常となりつつある今、あなたの思いをつづってみませんか。メールでもご応募できます。
興味がある方はこちらもご覧ください(図書館ホームページ「読書に関するエッセーコンクール」作品募集のお知らせ記事が開きます)。
青空文庫で読んでみる
『三国志』1~8巻 吉川英治/著 講談社 (市立・成人 B/913.6/ヨシ/12)
なかなか思うように外出できない日々が続きます。
図書館に行けない、でも読みたい・・・そんなときは、「青空文庫」を利用してみてはいかがでしょう。
「青空文庫」は、著作権保護期間の終わった作品や、著者・訳者が公開に同意した作品を、web上で誰でも読めるようにしたもの。今では、かなりの作品数が公開されています。
・・・でも「青空文庫」って、芥川とか、古いのばっかりでしょ(ごめんなさい!)、と思ったあなた。
そう、確かに古い。ですが、「文豪」をとりあげた漫画やアニメがヒットした影響もあり、若い世代の方でも作品が読み直されているんです。今まで読んだことがない人も、むかし読んだけど響かなかった人も、今だからこそ、味わえる作品に出会えるかもしれません。
ちなみに私が今、目をつけているのは、吉川英治の「三国志」全8巻。
かつて、友人に「おもしろくて一気読みだよ!」とすすめられたのですが、挫折。途中までは一気に読むのですが、いつも自然消滅。今回、3度目のチャレンジです。
返却期限がない青空文庫、図書館とともに活用してはいかがでしょうか。