図書館スタッフおすすめ本
全国の地元パン食べてみませんか。
『日本全国地元パン』 甲斐みのり/著 (市立・成人 596.6//23)
地元パンとは、その土地土地で長年製造・販売され、親しまれているパンのことです。名称・味・パッケージデザイン等に独特の味わいのあるものが多く、時には地域の土地柄や歴史すら垣間見せてくれるものもあるそうです。この本では北は北海道から南は沖縄まで、著者が情熱をもって蒐集してきた地元パンとその販売店が紹介されています。
地元パンとは、その土地土地で長年製造・販売され、親しまれているパンのことです。名称・味・パッケージデザイン等に独特の味わいのあるものが多く、時には地域の土地柄や歴史すら垣間見せてくれるものもあるそうです。この本では北は北海道から南は沖縄まで、著者が情熱をもって蒐集してきた地元パンとその販売店が紹介されています。
昔ながらのパン店らしく、ユーモラスでどこかほっとする名称やデザインのパンが目白押しです。レトロなものが好きな方には見ているだけで楽しいかもしれません。そして何よりとても美味しそう。今すぐこのパンたちにかぶりつきたくなって、時間でなくてもお腹が空いてきます。
可愛いもの好き、レトロ好き、パン好きの方には必見の一冊です。
ちなみに、四日市のパン店も2軒ほど出ていますよ。
エッセーってなあに? ~「読書に関するエッセーコンクール」募集開始~
『日本エッセイ小史』 酒井 順子/著 (市立・成人 914//23)
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!
そこで今回は、エッセーとは何かを紹介していきます。
学校で、エッセー=随筆と習った方も多いのではないでしょうか。
随筆といえば、清少納言『枕草子』ですし、エッセーと言われると、中学校の国語の授業で習った、向田邦子『字のないはがき』を思い出す方もいるかもしれません。
いくらエッセーと随筆が同じものだといわれても、『枕草子』と『字のないはがき』では、なんだかピンときませんね。
さらにややこしいのが、コラム。
ファッション誌に連載していたコラムが、書籍化したらエッセーの棚に並んでいたり、なんてことも。
エッセー、コラム、随筆……。
このあたりのややこしい分類を、歴史の流れで分かりやすくまとめた本がこちら!
酒井順子『日本エッセイ小史』です。
講談社エッセイ賞の選考委員も務める著者が、受賞作や話題になったエッセーをもとにエッセーの歴史を紐解きます。
あの時代にみんながこぞって読んだ懐かしのエッセーや今話題の芸人エッセー、長寿エッセーまで、新たなエッセーと出会えること間違いありません。
いかがですか? だんだん、エッセーに興味が沸いてきませんでしたか?
2023年のテーマは「図書館が出会わせてくれたもの」です。
これを読んでエッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へのご応募をお待ちしています!
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
職人とアーティストの狭間で
『リ・アルティジャー二 ルネサンス画家職人伝』 ヤマザキ マリ/著 新潮社 (市立・成人 726.1//22)
最近様々なジャンルの本を読んできましたが、そろそろ原点回帰したいと自分好みの美術史に関する本を探していた際に、ふと目についたのがこの本でした。
表紙にはいかついオジサンたちの顔が並び、作者は『テルマエ・ロマエ』などで知られるヤマザキ マリさん。
イタリア、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で学び、長らくイタリアで暮らした作者は、様々な制約の中、自身がやりたいことを実現しようと奮闘する画家たちを人間臭く、生き生きとした姿で描いています。
誰もが毎日祈りたくなる美しい聖母マリアを描こうとする画家。遠近法に全てをささげた画家。当時最先端であった油絵の技法でまるで生きているような人物画を描こうとした画家。イタリアルネサンスを彩る偉大な人物が続々と登場し、出会い、影響を与え合います。
ボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチのようなメジャーどころだけではなく、一般にはあまり知られていないものの個人的に思い入れのある画家も多数登場したのもうれしいポイントでした。
いかに抜きんでた能力を備え、優れた作品を世に出しても、当時はまだ一介の職人にとどまらざるをえなかったルネサンスの画家たち。与えられた仕事を完遂する職業人としての生き方と、今日的な「アーティスト」としての自我の目覚め。その両方に触れることが出来る一冊です。
しんどいあなたへ ―戦中、戦後、平成の“生きづらい”女たち―
「白痴」(『白痴』 坂口安吾/著 新潮社 (市立・成人 B913.6/サカ/12)などより)
「杳子」(『古井由吉自撰作品 1』 古井由吉/著 河出書房新社 (市立・書庫3 913.6/フル/12)より)
『コンビニ人間』 村田 沙耶香 文藝春秋 (市立・成人 913.6/ムラ/16)
近年、生きづらさに悩む人が増えているという。
生きづらさをテーマにした本が数多く出版され、市立図書館でも多く所蔵している。
では文学の世界では、生きづらさを抱えた女性たちを、どう描いてきたのだろうか。
坂口安吾「白痴」は、戦時下の東京を舞台にした小説である。
新聞社に勤める井沢という主人公の男と、ひょんなことから暮らすようになった「白痴の女」は、戦中に暮らす生きづらさを抱えた女性である。
「然るべき家柄の然るべき娘のような品の良さで、眼の細々とうっとうしい、瓜実顔の古風の人形か能面のような美しい顔立ち」と描写される彼女だが、「特別静かでおとなし」く、「何かおどおどと口の中で言うだけで、その言葉は良くききとれず」、「料理も、米を炊くことも知らず、やらせれば出来るかも知れないが、ヘマをやって怒られ」てばかりであった。
空襲が繰り返される日々の中で「配給物をとりに行っても自身では何もできず、ただ立っているというだけ」という彼女は、怒鳴るばかりの義母と頼りにならない夫から逃げ、
隣の家に住んでいた井沢のもとに身を寄せるようになった。
しかし、「配給の行列に立っているのが精一杯で、喋ることすらも自由ではない」彼女を「まるで俺のために造られた悲しい人形のようではないか」と考える井沢との生活は、彼女の生きづらさを解消したわけではないだろう。
1970年に芥川賞を受賞した、古井由吉「杳子」に登場する蓉子もまた生きづらさを抱えた女性である。
大学生である主人公Sは登山をしている途中に、谷底でぼんやりと岩の上に座っていた杳子と出会う。
杳子は会うたびに主人公に違った印象を与え、彼女の話はどこか要領を得ない。
彼女は自身のことを「わたし、自分の病気のことをひとに喋ると、いつでも嘘をついてしまうんです」と語る。
そんな彼女に魅力を感じていたSだったが、約束と違う行動をとることのできない彼女と行動を共にすることに限界を感じ始める。
まるで彼女の保護者かのように振る舞うSだが、病気を超えて彼女自身を理解しようとする様子はない。
「白痴の女」も杳子も、男性の視点から描かれる。彼女たちの生きづらさは、男性と出会っても理解されず、解消されることもなかった。。
しかし、生きづらさを抱える女性を真っ向から描いた作品が、平成の世に現れた。
2016年に芥川賞を受賞した『コンビニ人間』である。
主人公である古倉は、お手本のない人生に生きづらさを感じていた。
大学生の頃、新装開店するコンビニにアルバイトとして働きはじめたことで、「コンビニ店員として生まれる前のことは、どこかおぼろげで、鮮明には思い出せない」ほどにコンビニ店員に順応する。自分の性格も、アルバイト仲間からお手本に作り上げた。
彼女は、白羽という男と出会ったことで、コンビニ業務以外のことを上手くこなせないという
“生きづらさ”と改めて直面することになるのである。
古倉は白羽に、助けも理解も求めない。彼女は自分の生きづらさを粛々と受け止めるのだ。
戦中、戦後、平成と変化してきた時代の中で、同じようで異なる生きづらさを抱えながら生きる彼女たち。
そんな彼女たちの生き方から、生きづらさに立ち向かうヒントがあるかもしれない。
キモノの世界にようこそ
『召しませキモノ』 スタジオクゥ/ 著 イーストプレス (市立・成人 593.8//23)
何十年と箪笥の肥やしになっている着物、もったいないなあ、着付け習いに行こうかなと思いつつ、行動に移す事も出来ずにいる私。
そんな私の目に留まったこの本のタイトル、着付けの本かな?と思わず手に取って見たところ、着物のある生活の楽しさを描くコミックエッセイでした。
何十年と箪笥の肥やしになっている着物、もったいないなあ、着付け習いに行こうかなと思いつつ、行動に移す事も出来ずにいる私。
そんな私の目に留まったこの本のタイトル、着付けの本かな?と思わず手に取って見たところ、着物のある生活の楽しさを描くコミックエッセイでした。
着物や小物に関するお店の紹介だけでなく、帯や草履など和服に携わる職人の方の思いなどをきれいな写真やイラストで描かれています。
さらに、綿と真綿とは違うことや、着物や帯の柄には意味があることなど、和装に関する知識も盛り込まれています。
また、各章のはじめにその土地で親しまれている有名なお菓子についての紹介など興味深く楽しめます。
和装の世界を気軽に感じて、着物を身近に感じることが出来る一冊です。
首を洗って待っていた! 20年目の<戯言>シリーズ。
『キドナプキディング』 西尾維新/著 講談社 (市立・成人 B913.6/ニシ/23)
首を洗って待っていた! 20年目の<戯言>シリーズ。
中学高校生の頃に、『クビキリサイクル』から始まる戯言シリーズにハマり、西尾維新にどっぷり浸かった……という青春を送った方も多いだろう。
そんな皆様に朗報である。
戯言シリーズ待望の続編、『キドナプキディング』がついに刊行された。
今回の主人公となるのは、戯言シリーズで語り部を務めた戯言遣いと、彼の相棒であった玖渚友の娘、玖渚盾(くなぎさ じゅん)である。
私の名前は玖渚盾。誇らしき盾。
この始まりの一文から既に西尾維新は全開である。
「誇らしき盾」という自己紹介に潜む“矛(ほこ)”“盾”の文字。
そして何より、シリーズを読んできた読者に衝撃を与えたのは、“じゅん”という娘への名付けだ。戯言遣いと友に多大な影響を与えた友人、哀川潤にあやかったことは明白だ。
人類最強の請負人、哀川潤と澄百合学園に通う女子中学生、玖渚盾。
“じゅん”コンビがどんな冗談(kidding)みたいな誘拐(kidnap)に興じるのか、ぜひご覧いただきたい。
新本格ミステリファンへのサービスが満点の目次も見逃せない。
章タイトル「悪魔が来りて人を轢く」「城王蜂」「玖渚家の一族」は横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』『女王蜂』『犬神家の一族』のオマージュである。
では果たして内容は……?
すべての西尾維新ファンへのご褒美のような一冊であるが、
西尾維新デビューにもぜひおすすめしたい一冊である。
豆、豆、豆、豆、豆。
『日本の豆ハンドブック』 長谷川 清美/著 文一総合出版 (市立・成人 616.7//16)
司書は毎日たくさんの本を見ているので、本屋さんではなかなか出会えない本とときどきめぐりあいます。
今回もとんでもない本に出会いました――『日本の豆ハンドブック』、です。
今回もとんでもない本に出会いました――『日本の豆ハンドブック』、です。
表紙に大きく「豆」。手の中に収まる新書判。
何がすごいってまず、写真がすごい。
日本各地の豆約200品種について、一粒ずつの写真を掲載。オールカラー、高解像度の美麗写真で、模様や色合いが手に取るようにわかります。一寸そら豆なんて、窪みをなぞりたくなるほど。しかも上から撮ったものと横から撮ったものの二点ずつ掲載されているので、サイズや形状もばっちりつかめます。もし道に落ちているのを見つけても、「ビルマ豆だね……」ってすぐ言えちゃいます。粋。
そして、データがすごい。
その豆の名前の由来から育てられるようになった経緯、現在の栽培事情までが豊富に収録されています。誰誰さんちの先代がどこから持ってきた、など、フィールドワークによる濃密情報満載です。
さらに採取場所は町名まで記載のうえ、育てている方のお名前・生年まで(!)載っています。その人の家では何にして食べているかも書いてあって、いちいちお腹がすくこと請け合い。
とどめに、コラムが充実。
地域ごとの豆料理を家庭の写真たっぷりで紹介してみたり、里山の来し方行く末に思いを馳せてみたり、豆の育て方やよい豆の選び方など実践に役立つことまで押さえてみたり。ここまでされると、なんでもいいからとにかく豆の実物をつまみたくなってきますよ。
似たような豆にも地域ごとの特色と歴史があり、それぞれに大事にされて今があるんだ、と妙な感動さえおぼえます。豆で感動、してみませんか。
この本の出版元である文一総合出版さんは、ほかにもたくさんのハンドブックを出しています。
『ウニハンドブック』 田中 颯/著 (市立・成人 484.9//19)
『シダハンドブック』 北川 淑子/著 (市立・成人 476//07)
『酒米ハンドブック』 副島 顕子/著 (市立・成人 616.2//17)
など。
いずれも新書判、美麗写真満載。めくるだけでも楽しいのでぜひ手に取ってみてください。
……個人的には須黒 達巳/著『ハエトリグモハンドブック』(市立・成人 485.7//22)が、次のねらい目かな……。
「文房具沼」へようこそ!
『文房具』 暮らしの図鑑編集部/編 翔泳社 (市立・成人 589.7//21)
「文房具」という言葉に、あなたはどんな印象や思い出を持っていますか?
「鉛筆とか消しゴムとかボールペンとか、種類は多そう」
「学生時代は、香りつきのボールペンを全色揃えてた!」
「普段、連絡はスマホばっかりで、手紙なんて何年も書いてないなぁ」
「便箋に万年筆で手紙を書くのはちょっと憧れるけど、なんか大袈裟かも」
……などなど、人によって千差万別かと思います。
実は、文房具の世界は日々進化しています。そして文房具に興味をもち、収集している人がいます。文房具を収集することに熱中している状態を指して、「文房具沼(または「文具沼」)にハマる」と呼ぶのですが、近年は大人を中心に、沼にハマる人が増えているんです。
今回は、この『文房具』という本の中から、ガラスペンとインクをご紹介します。
ガラスペンとは、名前の通り全体がガラス製で、先端にインクをつけて使う筆記具です。量産が難しく、手作業で作られているものがほとんど。軸に色ガラスが使われているもの、模様がついているものなど、繊細なつくりを眺めているだけでもわくわくしてきます。
ガラスペンにつけるインクは、インクの色も瓶のデザインも、メーカーによってさまざま。全国の文具店では、その地方の名所や特産品をイメージして作られた、オリジナルの「ご当地インク」が販売されていたりもします。文房具の中でも、インクを収集している人は多く、「インク沼」という言葉がSNSなどを中心に使われるほど、ハマる人が続出しています。
私自身、この本を読んだときにも、ガラスペンとインクの紹介に強く心を惹かれました。もともと収集することが好きで、シールやマスキングテープを集めていたため、さまざまな色のインクが並んでいる写真を見て、心が躍りました。
とはいえ……たくさん収集するなら、どうしてもお金がかかってしまいますよね。ちょっと興味はあるけれど、最初からインクを大人買いしたり、1本で何千円もするガラスペンをいきなり買ったりするのは……と、尻込みしている方に朗報です。
書店やインターネットでは、ガラスペンとインクがセットになったものや、数種類のインクがセットになったものがムック本として比較的安価で販売されており、インク沼に飛び込む最初の一歩を後押ししてくれます。
図書館にはこの他にも、文房具やガラスペン、インク等を紹介している本があります。「文房具が好きだ!」という方、「文房具って、そんなに種類があるの?」という方、「収集するのが好き!」な方にもおすすめです。文房具沼の入口を、ぜひ覗いてみてください。
水を浸み込ませる土
『よくわかる土中環境』 高田 宏臣/著 パルコエンタテインメント事業部 (市立・成人 468.2//22)
この本は、山・川・里・海が一体としてつながる自然の仕組みについて知る本です。
大地が雨を浸み込ませる。山では木々が土中をぬらしながら水を吸い上げる。余った水は下に下り水脈を伝って川や海に湧き出る。
このつながりを保つには水と空気が循環する土中環境が必要だというのです。
土の中の水と空気の動きが妨げられてしまうとやがて、水が浸透しにくくなった山からは泥水が流れ落ち、その泥が川底を詰まらせるようになるのだそうです。
そして人間が住む里。昔の人々の暮らしの中には、水源を守る木を御神木とする、川や池の泥をさらい脇に木を植えるなど、自然の仕組みを維持する営みがみられることが紹介されています。
では今の私はどうすればよいか。本書後半は、身近な場所から土の中を改善するとして、落葉や枝の活用法、庭に溝や穴を掘ること、土を育てる草の刈り方などの働きかけを教えてくれます。
良好な環境にある土って、ふわっと軽く、しっとりと潤ってるんですって。
絵が語る?愛を語る!自由に語る♪
(1)『絵の中のモノ語り』 中野京子/著 KADOKAWA (市立・成人 723//22)
(2)『愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年』 大貫智子/著 小学館 (市立・成人 723.2//21)
(3)『妄想美術館』 原田マハ・ヤマザキマリ/著 SBクリエイティブ (市立・成人 720.4//22)
不要不急の風潮により、美術館での絵画鑑賞も間々ならない日々が続いています。そこで、絵画にまつわる3冊を紹介させてもらいます。
(1)は、西洋絵画に描き込まれたモノに的をしぼったエッセーです。
日本の美しい提灯、一時期盛大に吸われていた煙草、どんな使い方をしたのか忘れられたモノ、今なお形を変えずに残っているモノ、絵画の中には意外なモノが隠されています。
歴史の謎や社会背景、画家たちの思惑をミステリアスなエピソードとともに紹介しており、絵画鑑賞に新たな視点を提示してくれた1冊です。
日本の美しい提灯、一時期盛大に吸われていた煙草、どんな使い方をしたのか忘れられたモノ、今なお形を変えずに残っているモノ、絵画の中には意外なモノが隠されています。
歴史の謎や社会背景、画家たちの思惑をミステリアスなエピソードとともに紹介しており、絵画鑑賞に新たな視点を提示してくれた1冊です。
(2)は、大正生まれの韓国人画家と日本人妻の生涯を綴ったノンフィクションです。
東京での2人の出会い、北朝鮮・元山での新婚生活、朝鮮戦争の勃発、韓国・釜山への避難、方子の日本帰国、息子たちへの自筆絵葉書、夫婦が交わした手紙、ジュンソプの死去、永遠の別れ…。
情熱的な画家と寡黙な妻の姿が、方子へのインタビュー、韓国での現地取材から見えてきます。人が幸せに生きるとはどういうことか考えさせられた1冊です。
(3)は、美術を溺愛する作家と漫画家の対談です。
「絵画は親しい友だち、美術館は友だちの家」と言う原田マハさんと、「美術館は創造物を糧に生きてきた人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と言うヤマザキマリさんが、美術館や芸術家たちの妄想話を思い付くままに繰り広げます。
絵画や美術館への思いを好きなだけ膨らませて自らの想像力(妄想力?)を養ってくれた1冊です。
「絵画は親しい友だち、美術館は友だちの家」と言う原田マハさんと、「美術館は創造物を糧に生きてきた人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と言うヤマザキマリさんが、美術館や芸術家たちの妄想話を思い付くままに繰り広げます。
絵画や美術館への思いを好きなだけ膨らませて自らの想像力(妄想力?)を養ってくれた1冊です。
美術館に気軽に出向いて心おきなく語り合える日々が再び訪れることを願っています。
お気に入りの絵の前で大切な人との賑やかなおしゃべりに包まれながら。
最後に、令和4年8月13日に101歳で他界された山本方子さんへ哀悼の意を捧げます。
ようやく最愛の人と一緒になれましたね!安らかに眠ってください。