【児童室でおもうこと】本の思い出、母に聞いてみた!
図書館ではたらいている私が本に親しむきっかけを作ってくれたのは、母です。
『ムギと王さま』(エリナー・ファージョン/作)のさし絵の中で、少女(?)が
本に囲まれている姿が自分のような気がした、と母からよく聞かされました。
母がどうしてそんなに本が好きだったのか知りたくて、インタビューしてみました!
Q.1 どうしてそんなに本を読んでいたの?
一人っ子で、両親がはたらいていたので、一人ですごすことが多く、本が友達でした。
あまり本を買ってもらえなかったので、小学生の頃から、朝、図書室で借りて、
下校までに読み終わって、また新しい本を借りて帰っていました。
Q.2 どんな本を特に覚えていますか?
『岩波少年少女名作全集』という全集で海外の作品にふれて、世界が広がったような気がしました。
その中では、『シェイクスピア物語』とか『ジェーン・アダムスの生涯』という伝記や
『ツバメ号の伝書バト』などが心に残っています。『ムギと王さま』もこのシリーズでした。
Q.3 さびしかったり、落ち込んだ時に、心の支えになった本はありますか?
『あらしの前』『あらしのあと』『銀のスケート』の3作品です。
『あらしの前』という作品は、オランダを舞台にした家族の物語です。
あらしとは、第二次世界大戦のことで、ドイツ軍が攻めてくるまでの楽しい家族の日々が書かれています。
続編の『あらしのあと』は、『あらしの前』から6年後、終戦後1年たち、
戦争がどう人を変えてしまったのかを描いています。つらい毎日を送った
子どもたちが悲しみを乗り越えようと、とまどいながらも前に進み始めていく物語です。
『銀のスケート』は、貧しい兄妹が、記憶をなくしたお父さんを助け、はげまし合って生きていくお話です。
どの作品も、ハラハラドキドキするようなぼうけんのお話ではないけれど、
読むと、なぜか心が落ち着くところがいいと思います。
つらいことを家族が助け合って、乗り越えていくお話はいいですね。
今回、母にインタビューをしてみて、親子で本について語り合うことの楽しさに改めて気づきました。
みなさんのおうちでもぜひ、家族で話してみてはいかがですか?(か)
『岩波少年少女名作全集』(908)岩波書店 1961年~1962年刊
※新しい版で読めます。『シェイクスピア物語』(93)岩波書店
『ツバメ号の伝書バト上・下』(933ラン)岩波書店
『ムギと王さま』(933フ)岩波書店
『あらしの前』『あらしのあと』ドラ・ド・ヨング/作(933ヨ)岩波書店
『ハンス・ブリンカー 銀のスケート 上・下巻』メリー・メイプス・ドッジ/作 (93)岩波書店