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図書館スタッフおすすめ本

 

2016/01/30

頑張れと言えない時代ですが、頑張ってみようとする方へ

| by 図書館

「栄光の岩壁」 新田次郎/著 新潮社 (市立・成人 B/913.6/ニツ/12)

 実在の登山家であった芳野満彦(1931-2012年)をモデルにした小説です。
 主人公は、1948年(昭和23年)高校2年生の時に八ヶ岳の主峰赤岳で遭難。凍傷で両足の指全部と土踏まず部分の半分を失い、足の大きさは12センチになりました。しかし、歩く登山は困難でも、両手が使える岩登りなら、もう一度山の頂に立つことができると考え、未踏峰の岩壁に挑戦していきました。
 1957年(昭和32年)3月の前穂高岳IV峰正面壁積雪期初登攀(はつとうはん)など多くの初登攀を記録し、1965年(昭和40年)、渡部恒明とともにマッターホルン北壁の日本人初登攀を達成するなど、不屈の精神で登山を続け、「5文足のアルピニスト」と尊敬の念を込めて呼ばれました。

 現在のシニア層の方の中には、若い頃に新田次郎のこの作品や「銀嶺の人」「孤高の人」などを読んだことがきっかけで、山登りを始めた方も沢山みえると思いますが、私は20代の頃にこの作品に出会い、ずいぶん勇気を頂きました。
 今は他人に頑張れと言えない時代ですが、自分で頑張ってみようとする方へお奨めします。


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