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図書館スタッフおすすめ本

 

2023/01/01

絵が語る?愛を語る!自由に語る♪

| by 図書館
(1)『絵の中のモノ語り』 中野京子/著 KADOKAWA (市立・成人 723//22)
(2)『愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年』 大貫智子/著 小学館 (市立・成人 723.2//21)
(3)『妄想美術館』 原田マハ・ヤマザキマリ/著 SBクリエイティブ (市立・成人 720.4//22)

 不要不急の風潮により、美術館での絵画鑑賞も間々ならない日々が続いています。そこで、絵画にまつわる3冊を紹介させてもらいます。

 (1)は、西洋絵画に描き込まれたモノに的をしぼったエッセーです。
 日本の美しい提灯、一時期盛大に吸われていた煙草、どんな使い方をしたのか忘れられたモノ、今なお形を変えずに残っているモノ、絵画の中には意外なモノが隠されています。
 歴史の謎や社会背景、画家たちの思惑をミステリアスなエピソードとともに紹介しており、絵画鑑賞に新たな視点を提示してくれた1冊です。

 (2)は、大正生まれの韓国人画家と日本人妻の生涯を綴ったノンフィクションです。
 東京での2人の出会い、北朝鮮・元山での新婚生活、朝鮮戦争の勃発、韓国・釜山への避難、方子の日本帰国、息子たちへの自筆絵葉書、夫婦が交わした手紙、ジュンソプの死去、永遠の別れ…。
 情熱的な画家と寡黙な妻の姿が、方子へのインタビュー、韓国での現地取材から見えてきます。人が幸せに生きるとはどういうことか考えさせられた1冊です。

 (3)は、美術を溺愛する作家と漫画家の対談です。
 「絵画は親しい友だち、美術館は友だちの家」と言う原田マハさんと、「美術館は創造物を糧に生きてきた人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と言うヤマザキマリさんが、美術館や芸術家たちの妄想話を思い付くままに繰り広げます。
 絵画や美術館への思いを好きなだけ膨らませて自らの想像力(妄想力?)を養ってくれた1冊です。

 美術館に気軽に出向いて心おきなく語り合える日々が再び訪れることを願っています。
 お気に入りの絵の前で大切な人との賑やかなおしゃべりに包まれながら。

 最後に、令和4年8月13日に101歳で他界された山本方子さんへ哀悼の意を捧げます。
 ようやく最愛の人と一緒になれましたね!安らかに眠ってください。


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