図書館では、たくさんある資料を分類し、書架に並べるために、いろいろな分類法が使われています。日本でよく使われている『日本十進分類法』は、日本の多くの図書館で使えるよう、日本で出版された資料に合わせてつくられた分類法です。
『日本十進分類法』は1929年、「間宮商店」という図書館用品出店の店員だった森清によって作られました。その後改訂が繰り返され、現在は10版まで刊行されています。
日本十進分類法(NDC)では、まず知識全体を9つのグループに分け、1から9までの分類記号をつけます。そしてこの9つのグループのどこにも入らないものを「0」に入れています(⇒第1次区分)。次に各グループをまた9つに分け、1から9の分類記号をつけ、そのうちのどこにも入らないものを「0」に入れます(⇒第2次区分)。
例えば、「9」の文学は、「日本文学」や「中国文学」「英米文学」などの分野に分けられ、1から9の分類記号がつけられます。「日本文学」は「910」ですが、この第2次区分をさらに9つに分けたものが第3次区分で、「詩歌」は「911」、「小説」は「913」、「作品集」は「918」というふうに、それぞれの分野に分類記号がつけられます。その分野の中にさらにいろいろな主題がある場合、このような分類を繰り返していきます。
分類記号は基本的に3つの記号で表されますが、分類記号が長くなると、見やすくするために記号の3桁目と4桁目の間にピリオドをつけます。例えば、「911」の「詩歌」は、「和歌.短歌」「連歌」「万葉集」などいろいろな種類があるので、「和歌.短歌」は「911.1」、「連歌」は「911.2」、「万葉集」は「911.3」というふうに分けられます。読み方は「911.1」は「キュウ・イチ・イチ・テン・イチ」と読みます。