2015年9月の記事一覧
事典のような料理本
『ケンタロウ1003レシピ』 ケンタロウ/著 講談社 (市立・成人 596/ /10)
「ごはん、何にしよう‥・冷蔵庫にあるのはあれとこれ。」「あと一品、何かほしい気がするけれど‥・」
私の頭を悩ます毎日の献立。そんな時、私が開くのは『ケンタロウ1003レシピ』です。この本は、50音に並んだ材料から検索でき、まるで辞書のよう。普通の料理本と違い、写真はほとんどなく文字がずらりですが、レシピが簡潔で分かりやすく、なによりタイトルにあるようにたくさんのレシピが載っているのがうれしい!
切り方や量り方の基本もイラストで紹介されていて、調理法も「煮る」「焼く」などマークで示されているのでとっても実用的です。
これまでも、"レシピ開拓"とばかりに色んな本を借りてはみたのですが、手間がかかったり、なんだか味が合わなかったりしていました。そんな時、ケンタロウさんの本を見て作ってみたところ、どれを作っても簡単でおいしい!私好みの味‼ 一気にケンタロウさんのレシピのファンになりました。そのなかでも、この本は使いやすさで気に入り、購入し愛用しています。
「冷蔵庫にあるもので何ができるかな?」と思ったら、ぜひこの本をひらいてみてください。
絵本との再会
『ぼくにげちゃうよ』 マーガレット・W・ブラウン/ぶん、クレメント・ハード/え ほるぷ出版
(市立・児童 P/ /03)
みなさんは、どのような目的で図書館に来ますか?読みたい本を探すため?調べ物をするため?自習室で勉強をするため?色々な目的があると思いますが、もし時間があるのでしたら一度、児童室へ足を運んでみてはどうでしょうか?子どもの頃に読んだ、懐かしい絵本にまた出会えるかもしれません。
私は、図書館で働き始めて、ある一冊の絵本と再会しました。それが、『ぼくにげちゃうよ』。うさぎのぼうやとかあさんうさぎのキャッチボールのようなリズム良い会話がとっても楽しい絵本です。
初めての出会いは、国語の教科書でした。教科書ですからもちろん、絵本の表紙はありません。すべての挿絵はモノクロ、文章は縦書きで右開き、右から左へとページをめくって読みました。当時、このお話が絵本であるということは知らず、うさぎが出てくる大好きなお話として、記憶に残っていました。
そして、図書館での再会はとても衝撃的でした!絵本だったということにまず驚き、挿絵はモノクロとカラーのページが交互になっていること、文章は横書きで左開きであること・・・何より驚いたのは表紙の色合いです。真っ青な空、風になびく緑色の草、その草の中にうさぎの親子がいて、タイトルは白字に赤い縁取り。とても鮮やかでカラフルです。お話も繰り返しの言葉が続いて、テンポよくリズミカル。思わず声に出して読みたくなります。
私の記憶の中の『ぼくにげちゃうよ』は白と黒のモノクロの世界、穴ぐらに住むうさぎの親子が、夜ふけにひっそりと会話する静謐(せいひつ)なイメージだったのですが、あまりにも印象が違いすぎたために、本当にあの大好きなお話?と疑ったほどでした。それでも読み進めていくうちに、何とも言えない温かな気持ちがこみ上げてきました。このお話を読んだ時の楽しい気持ちや時間がよみがえってきたからかもしれません。
「一冊の絵本を開くとき、あなたのもう一つの旅が始まります。絵本は、生まれて初めて本というものに出会う最も小さな人から、年齢制限なし。深くて豊かなメディアです。」
NHKラジオで放送されている「落合恵子の絵本の時間」はこのような言葉から始まります。
懐かしい絵本との再会か、あるいは新しい絵本との出会いがあるかもしれません。どんな旅が始まるのかは、みなさん次第です!