2017年8月の記事一覧

ダイアログ・イン・ザ・ダーク~暗闇の中の対話~

 『まっくらな中での対話』
     
         茂木健一郎with ダイアログ・イン・ザ・ダーク/著 講談社 (市立・成人 B141.2 / /11)
  『みるということ‐暗闇の中の対話』    ダイアログ・イン・ザ・ダーク/著 小学館 (市立・成人 141.2/ /16)

 1988年にドイツで生まれた真っ暗闇のソーシャル・エンターテインメント施設 “ダイアログ・イン・ザ・ダーク” は、完全に光が遮断された空間の中へ入り、暗闇のエキスパートである視覚障害者のアテンドスタッフの サポートのもと、グループになって中を探索し、さまざまなことが体験できる施設です。この空間の中では、視覚障害者と晴眼者の立場が完全に逆転します。同じ施設が、東京にもあります。

 『まっくらな中での対話』の著者・茂木健一郎氏は、その著書の中で、1999年に日本ではじめて開催されたダイアログ・イン・ザ・ダークに参加したときの自身の体験を語っています。脳科学者である茂木氏の言葉は、未体験の私の心に強い好奇心を抱かせる興味深いものでした。

 『みるということ』では、親子や友人同士で実際にダイアログ・イン・ザ・ダークに参加した人たちの体験を知ることができます。体験する前と後では、それぞれの内面や関係性に少なからず何かしらの変化が訪れるようです。そして、その変化が好ましいものであるということにも、私はさらなる興味を掻き立てられました。

 目が見える人は、情報の80%を視覚から得ているといわれています。その情報源が閉ざされた空間の中、音に耳をすませて、ひとつひとつの触感を手や足で確かめ、匂いを嗅ぐ。暗闇の中では、容姿や肩書き、年齢などはすべて関係なくなります。ただの自分になって、自分の内側を感じる時間を持つことは、情報過多の今の時代にはもしかしたらとても必要なことなのかも知れません。

 ダイアログ・イン・ザ・ダーク。ずいぶんと前から機会を狙っていますが、まだ未体験。いつか自分が体験した後に、この体験談を改めて読んでみたいと思っています。


 

古から伝わる謎解きに挑戦

 『千年クイズ』 清水文子/著 リットーミュージック (市立・成人 807.9/ /14)


 今、私たちは、本やテレビ番組などさまざまな場面で、たくさんのクイズに触れることができます。さらに、 この『千年クイズ』を読めば、今とは一味違った昔のクイズにも挑戦できるのです。

 この本には、平安時代から昭和まで、古い時代のクイズが一問一答形式で紹介されています。クイズは多種多様で、絵を見て考える「絵解き謎」、文字を読んで考える「文字変換謎」、数字を計算して考える「数字謎」などがあります。その中から、自分のお気に入りの謎が見つかるかもしれません。

 昔の謎解きは難しいかも、と思った時でも安心。各クイズにはヒントがついています。クイズは、当時の時代背景や常識が元になっているので、謎解きをしながら、楽しく歴史を知ることもできます。

 私は、昔はこんなクイズがあったのかと驚き、頭をひねり、次のクイズは何かとワクワクし、つい時間を忘れて謎解きをしました。楽しみ方は人それぞれ。皆さんも古の様々な「謎」にぜひ、挑戦してみてください。