2017年12月の記事一覧
博物館、ぐるぐるしてみませんか?
『ぐるぐる♡博物館』 三浦 しをん/著 実業之日本社 (市立・成人 069.0/ /17)
皆さんは“博物館”と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?小難しい説明のついた展示品が並んでいて、部屋の隅に学芸員さんがいて…。なんとなく、敷居が高いと感じている人もいるかもしれません。
そんなあなたに読んでいただきたいのが、この『ぐるぐる博物館』。作家の三浦しをんさんが全国各地の博物館を実際に訪れ、展示品を見て、学芸員さんに取材をして書いたルポエッセイ集です。
東京都の国立科学博物館や京都府の龍谷ミュージアムといった、比較的有名な博物館に関するエッセイも収録されているのですが、福井県のめがねミュージアムや大阪府のボタンの博物館といった、少し変わった博物館も掲載されています。
三浦しをんさんと、個性豊かな学芸員さんたちのユーモアあふれるやり取りも必見。
次の休日どこに行こう?と悩んでいるあなた。お出かけ先の候補の一つに、博物館はいかがですか?
『市川崑のタイポグラフィ』
『市川崑のタイポグラフィ 「犬神家の一族」の明朝体研究』 小谷 充/著 水曜社 (市立・成人 727.8/ /10)
市川崑監督の「犬神家の一族」と聞くと、頭の中をあのメロディが流れ、印象に残る場面の数々が思い浮かぶとともに、画面に映し出される明朝体文字のことを思い起こす人も多いのではないでしょうか。
この本は書名にあるとおり、市川崑作品における文字表現について、「犬神家の一族」を中心に読み解いていこうというものです。
専門的な内容に身構えてしまいそうになるかもしれませんが、大丈夫。序章で明朝体の歴史が解説されているほか、各所説明も丁寧に書き進められているので、映画あるいは文字に少しの興味があれば、興味津々読み進められることと思います。
映画や文字を楽しむ視点がまた一つ増えるかもしれません。
余談ですがこの本は、印字された「しんにょう」に時折見慣れぬ点を見ることがあり(例:逢、迄、遡)それが心に引っ掛かるという方にもおススメです。 →P.57の前後
なお、この件では他に『異体字の世界』 (小池和夫/著 河出書房新社 市立・書庫B811.2/ /07)もご案内します。