2021年10月の記事一覧
パンダを知りたい!
『読むパンダ』 黒柳徹子/選・日本ペンクラブ/編 白水社 (市立・成人 489.5//18)
上野動物園で誕生した双子パンダの名前が決まりました。男の子が“シャオシャオ(暁暁)”、女の子が“レイレイ(蕾蕾)”。幼い頃に、テレビでパンダ幼稚園のドキュメンタリーを見て以来、なんとなく注目しているパンダ。最近は、疲れた時に二頭の動画に癒しを与えてもらっています。名前が決まったことで、さらに可愛さが増した気がします。
この本は、『パンダを愉しむ』、『パンダを知る』、『パンダを守る』の三章で構成されています。
第一章では、漫画『しろくまカフェ』の作者であるヒガアロハさん、映画『パンダコパンダ』の監督である高畑勲さん、他にも作家の浅田次郎さん、温又柔さんといった方々がパンダにまつわる書下ろしエッセイを寄せています。
第二章では上野動物園やアドベンチャーワールドでパンダ飼育を担当された方の実体験・飼育日記が、第三章では、パンダの保護活動について書かれています。さらにパンダ愛溢れる黒柳徹子さんの座談会もあり。
少しでもパンダに興味がある方、ぜひ読んでほしい一冊です。
ヒルと生きる
『ヒルは木から落ちてこない。ぼくらのヤマビル研究記』 樋口大良+子どもヤマビル研究会/著 山と渓谷社 (市立・地域、L483//21)
鈴鹿の山に登った後で、近場の温泉に行く。「ゆっくりつかろうか」と友と話しながら、Tシャツをばっと脱いだ瞬間「ボトッ」何かが床に落ちる。「今日も暑かったな」と帰りの車を走らせていると、何やら靴下の中がムズムズしたので信号待ちの時に靴を脱いでみる。「コロン」何かが転がる。
言うまでもなく鈴鹿の山(なかでも堆積岩帯の山)の名物『ヒル』である。このなじみ深い生き物の生態を解き明かしていこうと、観察を重ね、実験をし、次々に課題をクリアーしていくヤマビル研究会の子どもたちの姿がとてもかっこいい。自分もこの研究会の一員になった気になって、一気に読んでしまった。
「ヒルの生態を観察し、自然の仕組みを解き明かす・・・」ポッサム先生と研究会のメンバーが掲げているテーマは、私たち人間は自然を愛し、守り、共に生きていこうとすることの大切さを改めて考えさせてくれた。まだまだ解らないことがたくさんあるけれど、『ヒル』は生きている。そして私たちも生きている。そのかかわりは特殊な形かもしれないが、お互いに求めあっていることは事実であると感じた。より深く知るために。
「気持ちわる~」と言っているあなた、そんなこと言わずにぜひ読んでみてください。子どもヤマビル研究会の活動をぜったい応援したくなるから。
セミだけじゃない!いろんな虫のいろんなぬけがら!
『虫のぬけがら図鑑』 安田守/著 ベレ出版 (市立・成人 486.1//21)
虫のぬけがらと言えば、「セミ!」と思っていた私。
この本には、日本に生息し脱皮する様々な昆虫やクモなどのぬけがらが写真で紹介されています。
私はまだ見たことのない「ぬけがら」ばかりで、細長ーいナナフシやトゲトゲのテントウムシのぬけがらなんて、どうやってそのままの形が残るように脱いだのかな?
確かに、うちのカブトムシたちも羽化するときに脱皮したし、成長する時に脱皮する虫には、「ぬけがら」が必ず存在するってことか、フムフム。
と、それほど虫に興味がないのにじっくり読んでしまいました。
図書館にこの本が入った時、ちょうど謎のぬけがらを見つけたある職員。
さっそく、一緒にこの本で「ぬけがらウオッチング」。おそらく「バッタの仲間」ということが分かりました!
謎のぬけがらを見つけた時にはぜひ、この本で確認してみてください。
無人島に1冊持っていくなら? ~エッセーコンクール募集中~
『パノラマ島美談』 西尾維新/著 講談社 (市立・書庫 B913.6/ニシ/16)
今年も図書館では、「読書に関するエッセー」を募集しています。
今回のテーマは、「無人島に1冊持っていくなら?」です。
私が無人島に1冊持っていくなら、西尾維新『パノラマ島美談』です。
『パノラマ島美談』は、2021年4月から放送していたアニメ「美少年探偵団」の原作シリーズ第5作目にあたります。残念ながらアニメでは飛ばされてしまったエピソードですが、無人島にピッタリの1冊なんです!
私立指輪学園中等部で、秘密裏に活動する、非公式かつ非営利組織“美少年探偵団”。
そのメンバーとは、リーダーで美学のマナブこと、双頭院学。生徒会で美声のナガヒロこと、咲口長広。番長で美食のミチルこと、袋井満。陸上部で美脚のヒョータこと、足利瓢汰。そして、ひょんなことからメンバー入りした美観のマユミこと、瞳島眉美である。
1.美しくあること2.少年であること3.探偵であることをモットーに校内のトラブル解決に勤しんでいた彼らが冬休みの合宿地に選んだのは、琵琶湖に浮かぶ無人島『野良間島』。その島では、学園から追放された元美術教師の永久井こわ子が、たった1作の絵を飾るための美術館を建てていた。美少年探偵団のアジトである美術室を正式に譲り受けようとした彼らは、5つの美術館からそれぞれに展示されている『見えない絵』を見つけることを求められ……?
西尾維新作品の中でも、1冊が短い「美少年探偵団」シリーズ。
もしかしたら無人島に行く道中で読み終わってしまうかもしれません。でも、それでかまわないのです。無人島に行くのですから、きっとそこには、謎が、チームが待っているはず。無人島への期待に胸を高鳴らせて、上陸できるに違いありません。
さあ、“無人島でも”美しく、少年のように、探偵をしよう。
皆さんも是非、「読書に関するエッセー」に応募して、おすすめの本を教えてくださいね!
- 「読書に関するエッセー」募集について(図書館ホームページお知らせ記事が開きます。)