2014年9月の記事一覧
奇妙な隣人たち
『ウイルス・プラネット』 カール・ジンマー/著 飛鳥新社 (市立・成人465.8/ /13)
「ウイルス」・・・何とも不穏な響きです。不倶戴天の敵とはいかないまでも、あまりいい印象を持っていないという人が多いのではないでしょうか。しかし彼らは、ずっと昔から人類のすぐそばで、時にはとてつもなく大きな影響を及ぼし合いながら存在してきたのです。
この本の中で紹介されているウイルスたちは、数えきれないほど存在するウイルスの種類の中の、ほんのいくつかにすぎません。ですが、その顔ぶれは実にバラエティーに富んでいます。大昔からの人類のおなじみさんから、ここ十数年の新顔、人を助けてくれるものもいれば、人を死に至らしめるものもいて、実にさまざまです。しかし共通して感じられるのは、われわれとの距離の意外な近さでしょうか。読んだ後、彼らウイルスたちに不思議な親近感を覚えてしまう、そんな本です。