2026年8月の記事一覧
ネット社会の闇を照らす本
『その情報はどこから? ネット時代の情報選別力』 猪谷 千香/著 筑摩書房(市立・成人 070//19)
かの親鸞聖人は、「よろずのこと、みなもって、そらごとたわごと、まことあることなきに…」(『歎異抄』より抜粋)と説かれたと伝わります。人の世に虚実渦巻くのは、どうやらさほど事新しくはないようです。さはさりながら現代ネット社会の闇深さに不安は募るばかり。
本書は、情報の海に沈まず、フェイクの山に惑わず、安心して生きる方法をわかりやすくまとめた一冊として、お勧めできる本です。アップデートに必要な関連本は続々と出版され、中には難解なものもあります。しかし、その言わんとするところは、情報リテラシー(中でも批判的思考力)を磨くことに尽きると言えそうです。図らずも聖人が師と仰いだ釈尊は「自燈明(他者ではなく、自らを拠り所とせよ)」の教えを遺しています。闇を照らす力は小手先の知識やスキルではなく、その人の生き方に宿るものかもしれません。
(関連本)
・『フェイクニュースを哲学する 何を信じるべきか』 山田 圭一/著 岩波書店(市立・成人 361.4//24)
うわさ話、マスメディア・ネットのニュース、専門家の発言、陰謀論等を取り上げて論じた本
・『それってあなたの感想ですよね 論破の功罪』 物江 潤/著 新潮社(市立・成人 361.4//24)
相手にエビデンスを求め、「論破」することを是とする最近の若者たちの風潮について迫る本
・『スマホは心を操る』 木村 忠正/著 朝日新聞出版(市立・成人 007.3//26)
スマホがないと落ち着かない理由やSNSのもつ特性などを詳細なデータをもとに解き明かす本
・『ネットとAI時代の情報リテラシー 調べ、考え、発信する力』 梅澤 貴典/監修 日外アソシエーツ(市立・成人 028.0//26)
中高生の情報リテラシー向上に役立つ本が幅広くテーマ別に精選され、多数紹介されている本
「ことぱ」って???
『ことぱの観察』 向坂 くじら/著 NHK出版(市立・成人 914.6/サキ/25)
こんにちは。
皆さんは、エッセーと小説の違いをご存知でしょうか。
高校生の息子に聞いてみたところ、返ってきた答えは「知ってるよ。エッセーは、随筆でしょ。」
エッセーと小説の違い。
小説はフィクションで構成され、登場人物や会話によって物語が展開していきます。
一方、エッセーは基本的にノンフィクションで、筆者自身の体験や思いが中心。
物語性にとらわれず、日常のひとコマや心の動きを自由に綴れるのがエッセーの魅力だそうです。
エッセーの貸出は、とても多いです。
エッセーコーナーの前に立ち、『ことぱの観察』というタイトルが気になり、手に取ってみました。
「ことば」ではなく「ことぱ」?
この本のテーマは「いろんな言葉を定義していく」だそうです。
「〇〇ってどういう意味?」と聞かれた時に、難しい言葉を聞かれているわけではないのに、答えようとする度に一瞬考えてしまいます。
合っていると思うのですが、私の考え方・感じ方そのものを問われている気がする感覚。
定義とは、その人のこれまでを表しているような気もします。
ふだんは見過ごしている言葉でも、立ち止まって、楽しさを見つけてみるのはいかがでしょうか。
なぜ「ことぱ」なのか気になった方は、手に取って読んでみてほしいです。
そして、その想いをエッセーコンクールに提出してくださったら、とっても嬉しいです!!!
因みに、今年度の読書に関するエッセーのテーマは「タイトルで選んだ本」です。
以上、エッセー担当者より。
・「読書に関するエッセーコンクール」作品募集中(大人向け)
・「読書に関するエッセーコンクール」作品募集中(小学生向け)
※市立図書館ホームページの別ページが開きます
140字の物語
『恋はいつも少し足りない 140字で切ない結末』 神田 澪/著 宝島社 (市立・成人 913.6/カン/24)
長い文章を読むのは苦手ですが、短い文章なら読んでみたいなと思って探していました。
本書は、背表紙に「140字で切ない結末」とあるように、短い物語がたくさん収録されています。
140字ですので、1つの物語は7~8行です。
白地のページ以外に、物語の内容によっては黒地のページ、可愛いイラストもあって、目で見ていても楽しいです。
自分に刺さるお話、刺さらないお話、いろいろありますが、どんどん読んでどんどんページをめくります。
200ページあるので全部は読めないかなと思って読み始めたのですが、あっという間に読み終わりました。
今、毎日を忙しく過ごしている中で忘れてしまっていた思い出はありませんか。
当時、自分が抱いていた気持ちをことばにしてもらったような、そんな懐かしい物語と出会えるかもしれません。
よかったら読んでみてください。