2022年7月の記事一覧
『西の魔女が死んだ』~あの本のこの人に会いたい!<登場人物編>~
人生で2度、本気で魔女になろうと考えたことがある。
1度目は、8歳の時。
ジブリ映画『魔女の宅急便』のビデオを擦り切れるほど見ていた私は、自分が魔女になるのだと信じて疑わなかった。魔女の帽子を被ってハロウィンのおはなし会に出かけたり、『魔女の宅急便』シリーズ(角野栄子/著 福音館書店 (市立・児童 F/カ))や『ハウルの動く城』シリーズ(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著 徳間書店 (市立・児童 933/ショ))、『わたしのママは魔女』シリーズ(藤 真知子/著 ポプラ社 (市立・児庫 F/フ))を愛読して、13歳で修業に出る日に備えていた。
2度目は、22歳の時。
『西の魔女が死んだ』(梨木 香歩/著 新潮社 (市立・成人 913.6/ナシ/17))について論文を書いていた時である。
前年に「魔法」について卒業論文で書いていた私は、「魔法を使えるようになりたいんですか?」と聞かれることが多かった。
当時は笑って否定していたのだが、文献と格闘する毎日に疲れ、本気で魔女という肩書で生きていけないかと模索していたのである。
魔女が開いているというハーブ専門店で買ったハーブティーを飲み、
国会図書館で「薬草魔女検定」のテキストを読んでハーブの効能を学んでいた。
そんな気持ちがふっと晴れたのは、『西の魔女が死んだ』における魔女・おばあちゃんが
なぜ主人公・まいに魔女修行を施したのか、という問いに自分なりの結論が出た時であった。
おばあちゃんは、野いちごジャムやハーブの虫よけ薬の作り方から、ベッドメイクの仕方、庭の手入れまで様々な知恵を、まいに授ける。
その中でも最も印象的なのは、学校生活での悩みを打ち明けたまいへ向けたこの言葉だ。
「魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です」
「上等の魔女は外からの刺激には決して動揺しません」
「魔女は自分で決めるんですよ。分かっていますね」
おばあちゃんの示した魔女という生き方。
それは特別なものではなくて、もしかしたら、誰もが身に付けることのできる処世術であるのかもしない。
魔女になれないまま生きてきた。
そしてこれからも、きっと魔女になることはない。
それでも、魔女という生き方を諦める必要はない。
いつかそんな生き方を自分のものにできたなら、おばあちゃんにいろんな話を教えてほしいのだ。
おばあちゃんの作り上げた庭で、ミントティーとどっしりとしたお菓子を嗜みながら……。
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
これを読んでエッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へのご応募をお待ちしています!
詳しくは以下のページをご覧ください。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
エッセーを書いてみよう! 「読書に関するエッセーコンクール」募集中
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!
みなさんはエッセーを書いたことがありますか?
読書感想文を学生の頃に書いたり、本や映画の感想をブログにアップしたことがある方は多いかもしれません。
でも改めてエッセーを書いたことがあるかと言われると……?
そんなあなたにぜひ読んでいただきたいのは、『エッセイ脳―800字から始まる文章読本』(岸本 葉子/著 中央公論新社 (市立・成人 901.4//10))です!
『モヤモヤするけどスッキリ暮らす』などで知られる、エッセイスト岸本葉子が、テーマ・題材選びや読みやすさ、そして言葉の選び方などについて、具体的に指南してくれる1冊です。
中でも「与えられたテーマの中で、題材を持って」「自分の書きたいこと」を実現していくエッセーの組み立て方は必見ですよ!
ちなみに、この本が対象にしているエッセーは800字から1600字ということで、ちょうど「読書に関するエッセーコンクール」にぴったりでもあります。
いかがでしょうか。
エッセーを書くのが楽しみになってきませんか?
是非この本を読んで「ある、ある、へぇーっ、そうなんだ」というエッセーを目指してみましょう!
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
これを読んでエッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へのご応募をお待ちしています!
詳しくは以下のページをご覧ください。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
エッセーってなあに? ~「読書に関するエッセー」募集開始~
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!
そこで今回は、エッセーとは何かを紹介していきます。
日本国語大辞典第二版によればエッセー(エッセイ)とは、以下の通りです。
文学の一ジャンル。自由な形式で書かれ、見聞、経験、感想などを気のむくままに書き記した文章。随筆。
つまり、自分の体験などを自由気ままに書いた文章ということです。
なので、エッセーは旅行や家族、ご近所づきあいから仕事のことまで著者が気になったことが幅広く書かれています。
では、エッセーを読みたくなったときはどうしたらよいでしょうか?
図書館では、エッセーは914.6という分類番号のところに置いてあります。
それ以外にも、様々なテーマに焦点を絞って書かれることもありますので、その場合はそれぞれのテーマのところをご覧ください。
エッセーを読むのが初めてで、何を読んだら分からない!という方もいるかと思います。
そんな方にオススメしたいのは日本文藝家協会 編「ベスト・エッセイ」シリーズです。
「ベスト・エッセイ」シリーズには、その年に新聞・雑誌などで発表された中から、厳選されたエッセーが1冊にまとめられています。
例えば『ベスト・エッセイ2021』(日本文藝家協会/編 光村図書出版 (市立・成人 914.6//21))では、林真理子や角田光代といった錚錚たる顔ぶれが、2020年の日常を切り取っています。
もちろん、読書に関するエッセーも収録されていますよ。全盲の文化人類学者である広瀬浩二郎が「感じて動く読書法」にて、耳による読書を熱く語っています。
いかがですか? だんだん、エッセーに興味が沸いてきませんでしたか?
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
これを読んでエッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へのご応募をお待ちしています!
詳しくは下記のページをご覧ください。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
本や読書のエッセーってどんなの? ~「読書に関するエッセー」募集中~
今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
ところでみなさんは、読書に関するエッセーは読んだことがありますか?
実は、読書や本に関するエッセーはたくさんあるんですよ!
今回紹介するのは、本や読書について熱い想いをしたためたエッセーです。
『米澤屋書店』(米澤 穂信/著 文藝春秋 (市立・成人 019.9//21))は、ミステリ作家・米澤穂信が本について書いてきたエッセーや紹介文をまとめた本です。
作家としてデビューしてから書いたものをまとめているので、著者が好きな本は、何度も何度も登場します。特に北村薫『六の宮の姫君』は、毎回違った角度から感動が語られます。
『本屋さんで待ちあわせ』(三浦 しをん/著 大和書房 (市立・書庫 019//12))は、直木賞作家・三浦しをんが本との出会いや読書体験をまとめた書評集です。
しかし全く堅苦しいものではなく、著者が本との出会いや熱い気持ちをぶつけたエッセーでもあります。
例えば『読むと猛然と腹が減る』では、著者ならではの驚くべき読書法と選書法を紹介しています。また『孤独と、優しさと、茶目っ気と。』では、学生時代の授業を受けてから読んだ、太宰治『駆け込み訴え』の衝撃を語っています。
いかがでしょうか。
本や読書に関するエッセーを、少しでも身近に感じていただけたでしょうか?
2022年のテーマは「あの本のこの人に会いたい!」です。
これを読んでエッセーを書いてみたいと思った方、「読書に関するエッセーコンクール」へのご応募をお待ちしています!
詳しくは以下のページをご覧ください。
- 「令和4年度読書に関するエッセーコンクール作品募集中」(市立図書館ホームページの別ページが開きます)
宇宙旅行へGO
『宇宙の地図』 観山 正見・小久保 英一郎/著 朝日新聞出版 (市立・書庫 440.8//12)
宇宙の地図と聞いて思い描くのはどのようなものでしょう。一枚紙で太陽が中心にあって、その周りに太陽系の天体、さらに太陽系外の天体・・・大体そんな感じではないでしょうか。
この本は宇宙の地図です。ですが宇宙の見せ方にちょっと工夫があります。
まず東京の国立天文台から始まり、ページをめくるごとに10倍ずつ上空へと昇ってゆく・・・つまり地球から離れてゆく。そしてその各地点から地球方向を鳥瞰しつつ、地球から似たような距離にある天体を美しい写真とともに紹介する。そういう形をとっています。
不思議なもので、地球を中心にして少しずつ遠くの天体を見てゆくと、一枚地図で全体を俯瞰するよりも「この星はここにあったのか」という新鮮な感動があります。自分とその天体との位置関係をある意味実感を持って認識できるせいでしょう。地球人にとって非常にわかりやすい宇宙の案内図と言えます。
最近は近県への旅行すらままならないことが多かったと思います。この本を手に、いっそ地球の外、宇宙への旅行に出かけてしまってはいかがでしょう。