カテゴリ:図書館スタッフのおすすめ本
天気のなんでだろう?
『気候危機がサクッとわかる本』 ウェザーマップ/著 森 朗・森田 正光/監修 東京書籍 (市立・成人 451.8//22)
これからの時期は梅雨に入り、夏に向かっていきます。
今年の日本で1番最初に梅雨入りをしたのは、九州。これは観測史上初めてだそう。
近年、異常気象が多く天気に対して疑問を感じることもあるはず。
この本は、天気の様々な疑問に対して、図やイラストなどを使って分かりやすく説明しています。
これからの時期の悩みである台風や猛暑などの説明もあり、気軽に読める内容になっています。
ぜひご一読ください。
引退競走馬のセカンドキャリア
『セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅』 片野 ゆか/著 集英社(市立・成人 645.2//23)
本書には「競馬業界では毎年約七千頭のサラブレッドが生産され、一方で約六千頭が引退するが、その多くは行方不明になっている」という文面がある。
競走馬として頑張って走ったにもかかわらず、その大半は行方不明。現実は甘くない。
しかし、このままではいけないと、昨今では引退競走馬への支援が呼びかけられるようになった。
数年前に「引退競走馬であるナイスネイチャという馬が、三十三歳の誕生日を記念したバースデードネーションにて約三千六百万の支援金を集めた」というニュースが話題になったのをご存じだろうか。
ナイスネイチャは既に他界してしまったが、どれだけの引退競走馬を救い、どれだけ私たちに引退競走馬の行く末を考えさせたのか、功績が計り知れない。
もちろんこの件についても、本書で紹介されている。
他にも数々の引退競走馬が取り上げられているが、「TCC Therapy Park(TCC Japanの活動拠点)」という引退競走馬を支援する施設に在籍している「ラッキーハンター」を紹介したい。
ラッキーハンターは元競走馬だ。
小さな頃から人懐っこく、とても大らかでかわいらしい馬であるが、なかなか競馬で活躍出来ずにいた。
引退後は、どうなってしまうのか。
当時の馬主であった林氏は、様々な施設に問い合わせるもうまくいかず、「TCC Japan」代表の山本氏に相談。
ラッキーハンターの受け入れを断られるのではと林氏は不安に駆られるも、彼は「むしろラッキーハンターのような未勝利の無名の馬を救ってこそ、このプロジェクトの意味がある」と答えた。
その後ラッキーハンターは「TCC Japan」の専属馬となり、今ではセラピーホースとして児童発達支援事業で活躍している。
しかも筆者である片野氏は、引退競走馬の共同オーナー制度(注:一人ではなく、何人か共同で一頭の馬を所有する制度)を利用し、ラッキーハンターの馬主にもなっている。
行方不明になっていたかもしれない競走馬が、引退後もたくさんの愛情を受けセカンドキャリアを歩んでいる。
そんな馬が増えてほしいと私は願う。
ペーパードライバーを抜け出したい!
『脱ペーパードライバー』 森下 えみこ/著・イラスト 沢村 秋岳/監修 ナツメ社 (市立・成人 537.8//22)
私はペーパードライバーです。「抜け出さないといけないな」と感じつつも、一歩を踏み出せない毎日。
それが積み重なって、結局運転から遠ざかっています。
そんな時に目に留まったのが、この本です。
序章から6章まで分かれていて、最後に上達チェックポイントもあります。
ストーリー仕立てで進んでいくので、スルスルと読み進めることができます。
「実際の教習内容を、体験マンガでわかりやすくまとめました。」とある通り、教習を受けているかのように読めるので、読みやすかったです。
驚いたのは、「序章/もう一度ハンドルを握りたい!」を開いてすぐの、「『乗りたいクルマ』と『運転しやすいクルマ』は違う!!」というページです。
私もペーパードライバーながら「乗りたいクルマ、憧れのクルマ」はあるのですが、「運転のしやすさ」までは考えていませんでした。
確かに、運転しやすいクルマのほうが安心できますね。
他にも、ポイント・テクニック等、様々なことが載っていて、運転の不安が解消されました。
ペーパードライバーからの脱却に、一歩近づけた気がします。
ペーパードライバーの方、運転を復習したい方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
憧れの図書館
『北欧の美しい図書館』 小泉 隆/著 エクスナレッジ (市立・成人 010.2//24)
新図書館整備の話が出ているタイミングで図書館勤務になったので、市立図書館内にある美しい写真で構成された図書館の本や図書館ができるまでのことが書いてある本を読んだり、国内30か所以上の図書館を訪れたりして、四日市だったらああしたい、こうしたいと日々夢を膨らませている。
この『北欧の美しい図書館』では、デンマーク・スウェーデン・フィンランド・ノルウェーの各地の図書館の中から、上層階に大きな吹き抜けがあり町が一望できる図書館、静かに落ち着いて過ごしたい大人のためのスペースだけでなく、子どものためのスペースも確保されている図書館など、空間の使い方が素敵な選りすぐりの図書館が紹介されている。たくさん掲載されているのに同じ形のものはなく、個性的な図書館の写真と説明がいっぱいなので、見ているだけでワクワクする。
皆さんも、四日市にどんな新図書館がほしいか、イメージを膨らませてみませんか?
私でも簡単にできる災害対策
『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』 辻 直美/著 扶桑社 (市立・成人 369.3//22)※よっかいち電子図書館にも所蔵あり
先日、神戸で開催された阪神淡路大震災の教訓を若い世代の目線で伝えるフォーラムに行ってきた。さまざまな切り口で考えられたプログラムからたくさんの気づきがもらえ、我が家の備蓄・ローリングストック、部屋の震災対策について見直す好機会となった。
災害用トイレ、カセットコンロ、米、水、レトルト食品等備蓄しているつもりだが、量は適正なのか? 転倒防止対策はしているけど後は何をしておくといいのか? といくつか疑問に思い、手に取ったのがこの本、『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』。
著者の阪神淡路大震災や大阪府北部地震の実体験をもとに、死なない、ケガしないための部屋づくり、ものを増やさずに災害に備える、などの章立てで、私が知りたかったことがたくさん紹介されていた。手軽な材料での地震に強い部屋づくりや、著者の備蓄品リストや防災リュックの中身などが載っていて、今後の買い足しの参考にできる、おすすめの1冊だ。
この本は、市立図書館とよっかいち電子図書館にあります。
よっかいち電子図書館の利用はこちらから。