あたらしいこどもの本

[児童室でおもうこと] あるある「わるい子」絵本!


 わたしが「すきな本は?」ときかれたとき、
ついえらんでしまうのは、
「わるいなぁ」という主人公(しゅじんこう)がでてくる話。
「わるい子 」がでてくるとワクワクするのは、なぜ?


 さいしょの「ワル」は、セイラのかっているいたずらネコのラルフ。
家族で見に行ったサーカスで、となりの席のイヌに風船を
つけてとばしてしまい、空中ブランコにのって、
つなわたりしている人をつきとばします。
 そのあと、ウマにとびのり、曲芸(きょくげい)の人をつきおとし、
ゾウたちをおどかしたりと、やりたいほうだい。
 おこったお父さんは、ラルフをサーカスにおきざりにしてしまいます。
ラルフにはシリーズがありますが、どれを読んでもわるいヤツ!


  
 「わるい子」の絵本は、ほかにもいっぱい。
いつも「いやだ」しかいわないイヤイヤ期のルルちゃん。
なんでもカンガルーのぬいぐるみのせいにするリリー。
髪の毛をひっぱったり、どなったりおどかしたりする、いじわるなブッチー。
おふろのお湯をあふれさせて遊び、家の中で野球をする、デイビッド。
「オオカミだ!」と何回もウソをついて、みんなをおどろかせるシモン。
 また、『よいこへの道』は学校の花だんを温泉にしたり、理科室にしのびこんで
ポップコーンを作ったりと、「やってはいけない事」をたくさん教えてくれます。


 
 そして、「せかいでいちばんおぞましいおとこのこ」エドワルド。
いつもなにかをけっとばし、小さい子にいじわるをする。
ひと月も、はみがきもせず、かおもあらわない。
やかましくて、らんぼうで、だらしなくて、きたなくて、みんなのきらわれもの。
 
 
 
 わるいことをすると、ほめられる話もあります。
かいじゅうのようちえんでは、絵の具のびんをなげ、
まわりをべたべたにしたり、うたやダンスのじかんに、
どなったりさわいだりしてみんなをこわがらせると、
ほめられて「☆ワッペン」がもらえます。
かいじゅうのようちえん、うらやましい! (の)

 



『あくたれラルフ』『あくたれラルフのたんじょうび』
『あくたれラルフのハロウィン』『あくたれラルフのクリスマス』
ジャック・ガントス/文 ニコール・ルーベル/絵 (Pル) 童話館出版
『いやだいやだ』せなけいこ/作 (Pセ) 福音館書店
『ブルーカンガルーがやったのよ』エマ・チチェスター・クラーク/作 (Pク) 評論社
『いじわるブッチー』バーバラ・ボットナー/文 ペギー・ラスマン/絵 (Pラ) 徳間書店
『だめよ、デイビッド!』デイビッド・シャノン/作 (Pシ) 評論社
『あっ、オオカミだ!』ステファニー・ブレイク/作 (Pフ) あすなろ書房
『よいこへの道』おかべりか/作 (Pオ) 福音館書店
『エドワルド』ジョン・バーニングガム/作 (Pハ) ほるぷ出版
『いたずらビリーとほしワッペン』パット・ハッチンス/作 (Pハ) 偕成社


 絵本ではありませんが、次々に笑っちゃういたずらをくり出す、
ロッタちゃんのお話
『ちいさいロッタちゃん』『ロッタちゃんのひっこし』
(アストリッド・リンドグレーン/作 (949) 偕成社)も、
小さな人でも読みやすい本です。