図書館スタッフおすすめ本

『やわらかなレタス』

『やわらかなレタス』 江國 香織/著  文藝春秋 (市立・成人914.6/エク/11 )
 

 うっとりしたり戦慄したり…小説は楽しいですが、お気に入り作家のエッセイもまた、味わい深いものです。その作家ならではの視点や感性が、何気ない日常に光を当て、面白く豊かに彩ります。

 本書は、珍しい食べものや絵本の中に登場する食べもの、その食べものの背景にあるものなど、食べものにまつわるエッセイ集です。あたたかいジュース、やさしい枇杷、シュールなアスパラガス、やわらかなレタス…おいしそうなものがたくさん登場します。

 また、「ごちそうの巻、あるいは魅惑の四日市」という題で、江國香織さんが四日市市を訪れた時のことも書かれています。

「四日市は不思議な街だ。ひっそりしていて静かなのにどこかが混沌としていて、のどかなのに何かが烈しい…」
と始まります。
 江國香織さんのフィルターを通した四日市を感じることもできて、楽しい一冊です。


幸せになる勇気を手にする方法とは?

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』
岸見 一郎,古賀 史健/著 ダイヤモンド社 (市立・成人146.1/ /14)
 

過去に支配されない自分の手で選び取る自由な人生のあり方・・・それは誰にでも可能で人は今から変われる、幸福になることが出来る。そんなことが可能なのでしょうか?

「どうすれば幸せに生きることができるか」と言う問いにアドラーの思想(アドラー心理学)を用いて具体的な方法を哲学者と一人の青年の対話方式で示していきます。
青年が私達読者の沸き起こる疑問や反発を代弁してくれています。
思いも寄らない発想や考え方に驚かされつつ青年と一緒に進むと心が一新され視界が開けてきます。
 「すべての悩みは対人関係の悩みである」
アドラー心理学の基本概念から説き、幸せなライフスタイル=人生のあり方を探っていきます。

不幸なのは過去や環境のせいではなく「幸せになる勇気」が足りないから。

読み終わるころには心が軽くなり、自分が変われる、新しい一歩を踏み出す「勇気」を持てる気がします。
背中を押してくれるようなそんな気持ちになる一冊です。

『おべんとうの時間』

『おべんとうの時間』 阿部 丁/写真 阿部 直美/文 木楽舎 (市立・成人596.4/ /10)

 このタイトルを読んで料理のレシピ本と思われた方が多いのではないでしょうか?
 本書はANA機内雑誌書『翼の大国』に連載されている、阿部夫妻が全国各地を訪ね歩いたお弁当の旅本です。毎回お一人を訪ね、その人の仕事場での様子やお弁当の中身の写真を交えながら、お弁当の思い出や自分の家族の事、仕事の事などを、まるでご本人が語られている様な文体で書かれています。

 誰にでもきっとあるお弁当の思い出。お弁当を入口にして様々な世界が広がりその暖かい気持ちにホッとする感覚。

 私自身、子供達へのお弁当を面倒がらずにもっと大切に作ればよかったと思わされました。そして、子供達のどんな思い出となって残っているのかと少し不安になりました。

『あなたの知らない東海地方の名字の秘密』

『あなたの知らない東海地方の名字の秘密』 森岡 浩/著 洋泉社 (市立・地域 L288/ /14)

 地域資料室にあるオレンジ色の小さな本である。表紙のタイトルの右側には
  愛知:豊田市にある徳川家のルーツとは?
  静岡:「月見里さん」「一尺八寸さん」はなんと読む?
  岐阜:「加賀の藤原」加藤さんは美濃で広がった?
  三重:名字における東西日本の境目はどこ?
といった副題が書かれてあり、その副題に興味をもって本を読んでみた。

 東海地方は、関東地方に限りなく近い静岡県伊豆地方から大阪への通勤圏となっている三重県伊賀地方まで東西に長く、この地域にはいろいろな文化の境目が存在し、名字の上でも東日本型名字と西日本型名字の境目が三重県内にあり、東海地方は日本全体の縮図である。
 また、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という三人の英雄が出たことや東海道を中心に江戸時代東西交通が盛んで人の出入りも盛んであったことなど歴史的地理的要素が名字の分散に大きく影響している。伊勢神宮の存在も大きく関係しているそうです。

 この本では、愛知県、静岡県、岐阜県、三重県の名字のランキングと特色、東海地方の名字秘話などが紹介されています。
 自分の名字に関心を持って、そのルーツを見てみると、とても興味が湧いてきます。

婚活男子必読!

『はじめての男の婚活マニュアル』 男の婚活研究会/著 秀和システム (市立・成人152.2/ /15)

 婚活。
 その門をくぐるには、ただでさえ一抹の恥ずかしさが漂うというのに、蛮勇をふるってこの旅に乗り出すと、そこには、数えきれないほどの、男の悔しさ、男の無念さ、そして、やり場のない男の怒りが、打ち捨てられています。
 なぜか。
 それは、大抵は男の側に原因があります。

 男は、力を入れれば入れるほど、頓珍漢なことをしてしまう。
 しなくてもいいことに心血を注ぎ、しなければいけないことに配慮が行き届かず、その結果、「ごめんなさい。」の大山脈を築いてしまうのです。

 この本は、自分を偽って、仮面を被れと言っているのではありません。
 他人から必要とされる人間になるためには、こういった点を努力した方がいいよと、アドバイスしてくれる本です。
 仕事に置き換えても役立つことが書いてあります。

 仕事の本だと自分に言い聞かせて、恥ずかしくても、ぜひ手に取ってみてください。
 本の分類番号は、152.2。
 倫理学・道徳の本が並ぶ、分類番号150番台の棚を見てください。
 倫理や道徳の本を読みに来たと思えば、恥ずかしくないでしょう。

 また、自動貸出機で本を借りれば、何を借りたか、他人には分かりません。
 雑誌コーナーの一番、貸出カウンター寄りに、貸出機があります。
 自動貸出機は、バーコードさえ読み取れればよいので、周りが気になる人は、本の題名を隠して、貸出機に置いてもいいですよ。

 この本が広く読まれて、婚活で泣く男性を一人でも少なくできればと願っています。
 婚活失敗歴うん十回の男より。

語り継がれる昔話

『日本昔話百選』  稲田 浩二,稲田 和子/編著 三省堂 (市立・児童388/ /研究)(点字・録音資料室 録音図書)

 15年程も前の、まだ子どもが小さかった時です。
 毎夜、絵本の読み聞かせタイムを楽しみにしていてくれる子どもに、そろそろ、言葉の持つ力だけで想像できるようになって欲しいと思いました。

 それなら、日本の昔話をしてあげたいと選んだ本が『日本昔話百選』でした。
 ずっと語り継がれてきた地方の、飾りけのない暮らし言葉で百の話が採話されています。
 それでこそ、人生を戦いぬき、愛してきた人々の心がこもり、未来ある幼な子の心に語りかけるのです。

 「なんと昔があったそうな。むかし、じいさんとばあさんがおったそうな…… むかしこっぽり。」
 子どもに話してあげながら、いつのまにか私が、日本の豊かな風景や心で一杯に満たされていきました。

 今も私の本棚にある、そして皆さんにおすすめしたい本です。

都道府県の持ちかたってナニ?

『都道府県の持ちかた』 バカリズム/著 ポプラ社 (市立・成人049/ /12)

小学校の頃、都道府県を覚えるのに苦労した思い出のある方は多いと思います。
当時、この本に出合っていれば…と思える程、都道府県がおもしろく紹介されています。

著者バカリズムさん独特な感性で、今まで考えたこともなかったような持ちかたを教えてくれています。
持ちかたポイントも笑ってしまいます。
 

基本データも掲載されており、都道府県の特長、人口、産業なども知ることができ、大人の方からお子さんにもお勧めです。
 

個人的に、三重県の持ちかたが、一番かっこいいですね。

介護の夢と現実を知りたきゃ、これを読め

“介護の夢と現実を知りたきゃ、これを読め 公務員の夢と現実を知りたきゃ、これを読め”

『ヘルプマン!』(1巻~27巻) くさか里樹/著 講談社 (市立・成人726.1/クサ/)

 この本は、一人でも多くの方が介護の世界に入って来てほしいとの切実な願いを込めて、ご寄贈いただきました。
 皆さん、特に学生さん、ぜひ手に取って読んでください。漫画ですから、読みやすいと思います。


 私がこの本をお薦めするのは、介護の尊さ・素晴らしさだけを描いていないからです。むしろ、介護の厳しさ・残酷さを描いた場面の方が、はるかに多いです。
 もし私がこの本を学生の時に手にしていたら、私は介護の道には進まなかったと思います。私のような軟弱者には、この厳しさを乗り越えるだけの根性や覚悟がありません。


 だからこそ、若い人には、この本を読んでほしい。この本を読んで、自分には無理だと思ったら、別の道を探した方が良いと思います。
 この本を読んで、よし、私はこの世界で頑張ってやる!、と意気込める人には、ぜひ、介護の道に進んでほしいのです。
 覚悟を持った元気な若人を、介護の世界は求めています。


 あと、若い人と公務員の皆様。この本の26巻と27巻を、ぜひ読んでください。
 私には、ここに描かれていることが、フィクションや演出とは思えない。公務とは何かについて、核心を突いた問題提起をしていると思います。
 26巻と27巻を読んで、よし、私はこの世界で頑張ってやる!、と意気込める人には、ぜひ、公務員の道に進んでほしい。


 さて、この本は、漫画という表現形態に着目して、芸術(700)の分野で、絵画(720)に属する、漫画・挿絵・童画(726)に分類し、その番号が並ぶ棚に並べました。
 この本との出会いを求めて図書館へみえたら、分類番号(726)の本が並ぶ棚の位置を職員に尋ねるか、本棚側面に表示した緑色の分類番号を目安に、書架までいらっしゃってください。


 この本が、文字主体で表現された出版物であれば、社会科学(300)の分野で、社会(360)に属する、家庭(367)や社会福祉(369)に分類したでしょう。
 このあたりの話は、別の本をご紹介する時に、ご説明できればと思います。
 それでは、今日はこの辺で。


 

タスキをつないで

『風が強く吹いている』 三浦しをん/著 新潮社 (市立・成人913.6/ミウ/ )

 本書は箱根駅伝にむけての弱小陸上部の群像青春物語です。

 エリートアスリートとは違う個性豊かな10人が監督も、サポートをしてくれるスタッフもいない中、独自の練習メニューで箱根駅伝を目指します。
 10人につけられたニックネームはとてもユニークで、各人の個性、エピソードにあっています。それぞれに与えられた課題を乗り越えて成長していく若者の姿、そして箱根駅伝の当日、タスキをつないでいく先に待っているそれぞれ思いを描いています。

 本書を読んだあとにテレビで見る箱根駅伝。上位、下位のチーム、有名、無名の選手を誰しも応援したくなるそんな一冊です。
  

男も料理をしよう!

『速習!男のメシ仕度』 西田成夫,高谷典子,金久保茂樹/著 祥伝社 (市立・成人596/ /11)

 男も料理ができれば、もっと人生が楽しくなること間違いなし!

 この本には、簡単な料理や、レトルト、インスタント食品、冷凍食品、乾麺などを使いこなす方法ものっています。
 また、スーパーへの買い物、用具と調味料の知識、キッチン収納マップ、料理術、後片付け
など料理のエッセンスがほとんどのっているのでこれを読めば、あなたも料理がしたくなる本です。