図書館スタッフおすすめ本

技術用語は技術者たちの発想や問題解決のエッセンス

『再発見の発想法』 結城 浩/著 SBクリエィティブ株式会社 (市立・成人 007.0/21)

 
 本書は「数学ガール」シリーズで有名な結城浩さんが技術本に着目して書いた発想法本です。
 
 技術用語の背後には、技術者たちが長年培ってきた発想や問題解決のエッセンスが詰まっています。本書では、技術者たちの発想が分かりやすく理解できるように、ざっくり章で分け、シンプルな説明と日常で活かされている例が書かれています。
 
 面白いと思ったのが第2章の投機的実行の項目。投機的実行とは、コンピュータのスピードを最適化する技法のひとつで、無駄になるかもしれないが実行することになりそうな処理を予測して実行する技法です。無駄になるかもしれないことをコンピュータにさせるなんてそれこそ無駄なんじゃないかなと思いつつ実際にパソコンで活かされているのは面白いと思いました。
 日常生活にも投機的実行はたくさんあると書かれています。例えば、天気予報を見て傘を持っていくかどうかの判断。会議に臨むときに質問されそうなことを前もって回答を準備しておくなども投機的実行の考え方といいます。なるほどと思いながら読み終えました。もしかしたら日常生活に再発見があるかもと期待して過ごしています。

不思議で楽しい妄想世界

『妄想科学小説』 赤瀬川 原平/著 河出書房新社 (市立・成人 913.6/アカ/15)

 
 一冊の中にごく短い話がたくさん収められている、いわゆるショート・ショート集です。
妄想の名の通り、中身は奇妙でヘンテコなものばかり。現実の世界から斜めにズレたような発想がじわりと楽しい本です。
 個人的には『日光仮面』がおすすめです。特に昭和を生きた方に。いろいろな意味で・・・。

災害に備えて 

『おうち備蓄と防災のアイデア帖 もしもに備えて』 島本 美由紀/著 パイインターナショナル (市立・成人 369.3/20)

 

 いつ起こるかわからない災害に備えて、皆さんはどのような準備をしてますか。
 最近、我が家では、新型コロナウイルスの影響もあって、防災への備えの意識が高まり防災グッズを買いそろえました。
 いろいろと買いそろえる中で、防災食も購入したのですが、実際災害にあったときこれだけのの備蓄でいいのだろうかと不安に思っていました。
 
 そんな時、目に留まったのが今回紹介する本です。新しいおうち備蓄の方法「ローリングストック」を中心にまとめた本です。
 「ローリングストック」とは、普段食べている食品を少し多めに買い置きし、期限の近いものから日常的に食べ、食べた分を買い足していく循環備蓄のことです。食品ごとに保存期間や保存方法だけでなく、おすすめのレシピが掲載されていてとても役立つ内容が満載です。
 
 災害への不安が少し和らぐと思います。ぜひ、一度手に取ってみていただければと思います。

同和教育の授業実践記録を読み解く

『差別・被差別を超える人権教育』 原田 彰/著 明石書店 (市立・人権同和 371.5//20)

 
 「21世紀に部落問題を持ち越さない」

 
 学校関係者はそう思いながら、長年にわたり、自らの実践を積み上げてきたと思います。
 これは、部落出身かそうでないかという社会的立場を絶対化せずに、両側から部落問題に取り組むことを大切にしたある中学校の授業記録です。
 これらの学習を通して、「自分自身のために取り組む部落問題学習」という思いに至った中学生の姿は素晴らしいものです。


 「自分の内に潜む差別意識に気づこうとしているか」「他人事ですまそうとしていないか」
 部落問題にかかわらず、自分自身を問い直すきっかけとなる1冊です。

疲れ、たまってませんか

『誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』 梶本 修身/著 アスコム (市立・成人 498.3//19)


なんだか最近、疲れがとれない気がする。

毎晩ゆっくりお風呂に浸かって、夜更かしは極力しない、週1~2程度は適度な運動もして、休みの日はいつもよりちょっと長めに寝て身体の疲れをリセット!・・・してるはずなのに・・・。
どうにも疲労感がなくならない!


そんな時に目についたのがこの本『誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』でした。

表紙をめくると、まさに私の気持ちを見透かしたような言葉たちが書かれている。

読んでみると、疲労の原因から日々気をつけたいこと、寝る前の1分間ストレッチに、疲労回復レシピまで幅広く、そして分かりやすく書かれていました。

既に自分なりの疲労回復方法がある人もたくさんいると思いますが、まだ方法を模索中の方はちょっと参考にしてみてはいかがでしょうか。