図書館スタッフおすすめ本

みんなで地球の未来を考える

『未来を変える目標SDGsアイデアブック』 Think the Earth/編著 Think the Earth/出版 (市立・成人 333.8//20)

 
 皆さんは“SDGs”という言葉を聞いたことがありますか?近頃はメディアで耳にすることも多くなったのではないでしょうか。
 
 今回ご紹介する本は、その“SDGs”について述べられている本です。17個の目標についての解説が、分かりやすい数値と簡潔な文章をもとに書かれており、一つ一つの目標がそれぞれ見開き1ページで分かるようになっています。また解説の後には、世界や日本で実際に行われている事例が載っています。
 私はそこで母子健康手帳が日本発祥のものであったこと、サステナブル・ラベルには色々なものがあることなどを知りました。また、この本には始めと終わりに漫画があったり、途中にもイラストが添えてあるのですが、それらがとてもユニークで魅力的です。
 
 “SDGs”をまだよく知らない方にとっては知るきっかけに、知っている人には新しい発見のある1冊となるのではないでしょうか。
 四日市市立図書館には2020年の3月に入った本ですが、他にも“SDGs”に関する本はたくさんあります。ぜひ皆さんが地球の未来について考えるきっかけになればいいなと思います。


 

コンパニオンプランツって?

コンパニオンプランツで失敗しらずのコンテナ菜園』 竹内 孝功/著 家の光協会 (成人・書庫 626.9//12)


 コンパニオンプランツって?返却本を棚に戻しているときに見つけた初めて聞く名前。
 
 どんな植物なんだろう??さっそく手にとって借りてみると、コンパニオンプランツとは「違う野菜を一緒に植えることで病害虫が発生しにくくなったり、お互いの生長を促す相性の良い組み合わせのこと」とのことでした。

 例えば、トマトとバジルを一緒に植えると、バジルの香りがトマトの害虫を遠ざけ、トマトが夏の厳しい日差しをさえぎって、バジルの葉が柔らかくなるそう。他にも「ナスとパセリ」や「ゴーヤと長ネギ」「イチゴとニンニク」など、それぞれ一緒に植えると良い理由があって、なるほど、おもしろいなぁと思いました。


 コロナ禍で、外出もままならないこの頃ですが、おうちでゆっくりと来年の春に植える野菜たちの計画を立てるのもいいかもしれません。

読書の秋は、まずお腹を満たしてから!

『ちょこっと、つまみ』 阿川 佐和子[ほか]/著 河出書房新社 (市立・成人 914.6//20)
『夜更けのおつまみ』 東山 彰良[ほか]/著 ポプラ文庫 (市立・成人 B/914.6//20)
『おつまミステリー』 浅暮 三文/著 柏書房 (市立・成人  596.0//19)


 新型コロナウィルス感染症の影響で、夜の街を自由に飲み歩くことも難しい昨今です。こんなご時世だからこそ、一人で家飲みしながら静かに読書はいかがでしょうか?
 美味しいお酒は「おつまみ」あればこそ…!そこでお勧めの3冊を紹介します。
 
 まずは、古今東西のお酒好きによるつまみに纏わるエッセイ・アンソロジー2冊から…!
 『ちょこっと、つまみ』は、昭和から平成にかけて一世を風靡した作家36人のエッセイを収録しています。その顔ぶれは、阿川佐和子/池波正太郎/伊丹十三/内田百閒/宇能鴻一郎/江國香織/遠藤周作/角田光代/鴨居羊子/川本三郎/久住昌之/小泉武夫/佐藤垢石/椎名誠/獅子文六/澁澤龍彦/島田雅彦/東海林さだお/杉浦日向子/高橋みどり/辰巳浜子/田辺聖子/種村季弘/檀一雄/中谷宇吉郎/姫野カオルコ/平松洋子/福田蘭童/古谷三敏/牧野伊三夫/丸谷才一/柳家小満ん/山田風太郎/吉田健一/吉村昭/吉行淳之介といった面々です。飲めない・飲まない人も、文学史に名を残した作家たちとの思い出に浸ってみてはいかがでしょうか?
 『夜更けのおつまみ』は、今まさに注目のクリエイター31人のエッセイが、簡単レシピとともに綴られています。執筆者は、芦原すなお/甘糟りり子/綾崎隼/安東みきえ/市川紗椰/岡元麻理恵/オカヤイヅミ/久住昌之/倉数茂/坂木司/蝉川夏哉/田中啓文/寺地はるな/名久井直子/西川美和/葉真中顕/東山彰良/日向夏/蛭田亜紗子/広小路尚祈/ブレイディみかこ/前川ほまれ/三浦しをん/水生大海/美村里江/望月麻衣/森まゆみ/柳本あかね/友麻碧/吉川トリコ/和田竜です。飲兵衛ならば間違いなく、ちょいと一杯したくなります!
 もう1冊は、身近なおつまみについての誕生秘話やウンチクを記したエッセイです。
 『おつまミステリー』は、ジャイアントコーン、カシューナッツ、チーズ鱈、酢漬けイカ、酢昆布、カリカリ梅、エビせんべい、チーズかまぼこ、らっきょう、レーズンバター、サラミ、海苔の佃煮、品川巻きなどの知られざるエピソードが満載。本をつまみに…つい誰かに話したくなるかも?

 あなたも「おつまみ」に舌鼓を撃ちながら、読書の秋を心行くまで堪能してください。

イメージはどこからやってくるのか?

『黙示録 イメージの源泉』 岡田温司/著 岩波書店 (市立・成人 193.8/14)


 「海や地の底から大怪獣が現れる」「宇宙からの侵略者により人類は滅びようとしている。」   
 皆さんも一度はこのようなお話をご覧になったことがあるのではないでしょうか?


 この本は黙示録という聞きなれない言葉をテーマに、私たちが見慣れた物語やイメージの源泉を明らかにし、それらがどのように利用され形を変え生き残ってきたのを教えてくれます。
 シンプルに黙示録と呼ばれることも多い『ヨハネの黙示録』は聖書の最終章にあたる一篇であり、世界の終末と救済を主題としています。聖書の中でも、幻想的でドラマティックな出来事、個性的なキャラクターが多数登場する黙示録は特に多くの芸術家や文学者たちの想像力を刺激してきました。事実、地下から現れる怪物、悪魔やそれと戦う天使といったイメージは映画やアニメやマンガのモチーフとして好まれるなど、現代の文化にも影響を与えています。

 ところで、黙示録に登場する悪魔や怪物たちは元々何を表現しているのでしょうか。これらのキャラクターは反キリスト、つまりキリスト教に反する者や敵対者のシンボルなのです。
 歴史上、自分たちに都合の悪い人間に対し反キリストのレッテルをはる行為はしばしば見られますし、反キリストをユダヤ人やイスラム教徒の姿で表現する絵も多数描かれてきました。これらの作品には優れた傑作も数多くあります。それを認めつつも、著者はそこに異分子を排除しようとする思想が潜んでおり、恐ろしい世界の終末の際そこで救われる者、滅びる者の両者を描き出すことでそのような思想をいっそう助長する面があることを指摘しています。


 この本の最後では、映画を中心に黙示録をモチーフにした、あるいは影響を受けた現代の芸術作品にも言及されています。
 今もなお日常的なイメージのインスピレーションの源になる黙示録。
 この本が私たちの身近なイメージの由来や意味を考えるきっかけになればと思います。

ハリセンボンって、針何本?

『目で見る数字』 岡部敬史/文、山出高士/写真 東京書籍 (市立・成人 410.4//20)


 皆さんは、ハリセンボンの針の数がいくつかご存知でしょうか?
 実は、名前のとおりに1000本の針がある…というわけではなく、通常は350~400本くらい、多くても500本程度なのだそうです。

 そんな「数字」にまつわる雑学が満載の本書、『目でみる数字』は、街で目にする様々な物に関連した数字を取り上げています。日本の名所にまつわる数字から、知っていれば日常生活にも応用することができる数字まで、盛りだくさんな内容です。
 表紙のハリセンボンをはじめとして、写真も多数掲載されています。雑学の本として読むだけではなく、写真集のようにパラパラと眺めてみるのも楽しい1冊です。