図書館スタッフおすすめ本

絵が語る?愛を語る!自由に語る♪

(1)『絵の中のモノ語り』 中野京子/著 KADOKAWA (市立・成人 723//22)
(2)『愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年』 大貫智子/著 小学館 (市立・成人 723.2//21)
(3)『妄想美術館』 原田マハ・ヤマザキマリ/著 SBクリエイティブ (市立・成人 720.4//22)

 不要不急の風潮により、美術館での絵画鑑賞も間々ならない日々が続いています。そこで、絵画にまつわる3冊を紹介させてもらいます。

 (1)は、西洋絵画に描き込まれたモノに的をしぼったエッセーです。
 日本の美しい提灯、一時期盛大に吸われていた煙草、どんな使い方をしたのか忘れられたモノ、今なお形を変えずに残っているモノ、絵画の中には意外なモノが隠されています。
 歴史の謎や社会背景、画家たちの思惑をミステリアスなエピソードとともに紹介しており、絵画鑑賞に新たな視点を提示してくれた1冊です。

 (2)は、大正生まれの韓国人画家と日本人妻の生涯を綴ったノンフィクションです。
 東京での2人の出会い、北朝鮮・元山での新婚生活、朝鮮戦争の勃発、韓国・釜山への避難、方子の日本帰国、息子たちへの自筆絵葉書、夫婦が交わした手紙、ジュンソプの死去、永遠の別れ…。
 情熱的な画家と寡黙な妻の姿が、方子へのインタビュー、韓国での現地取材から見えてきます。人が幸せに生きるとはどういうことか考えさせられた1冊です。

 (3)は、美術を溺愛する作家と漫画家の対談です。
 「絵画は親しい友だち、美術館は友だちの家」と言う原田マハさんと、「美術館は創造物を糧に生きてきた人々の魂が集う緑豊かな森のようなもの」と言うヤマザキマリさんが、美術館や芸術家たちの妄想話を思い付くままに繰り広げます。
 絵画や美術館への思いを好きなだけ膨らませて自らの想像力(妄想力?)を養ってくれた1冊です。

 美術館に気軽に出向いて心おきなく語り合える日々が再び訪れることを願っています。
 お気に入りの絵の前で大切な人との賑やかなおしゃべりに包まれながら。

 最後に、令和4年8月13日に101歳で他界された山本方子さんへ哀悼の意を捧げます。
 ようやく最愛の人と一緒になれましたね!安らかに眠ってください。

へとへとパンって!?

『へとへとパン 小麦粉を使わない白崎茶会のかんたんレシピ』 白崎裕子/著 マガジンハウス (市立・成人 596.6//22)

 図書館にはパン作りの本がたくさんあります。
 パンを自分で作れたら楽しそう!ふとしたきっかけでパン作りを始めた頃、本を借りてはいろんなレシピでパンを作っていました。
 ですが、小麦粉をこねたり、生地を発酵させたり・・・パン作りは面白いですが結構大変。

 もっと簡単に作ることができるレシピはないかなと探していたところ、みつけたのがこの『へとへとパン』です。
 小麦粉とイーストは使わず、米粉とベーキングパウダーを使うので発酵いらず、材料を混ぜて焼くだけなので思い立ったらすぐに作れそう。
 『へとへとなのに、「パンが焼ける・・・・!?」』というフレーズにも思わず笑ってしまいました。

 同じ著者で、料理レシピ本大賞2017【お菓子部門】で大賞を受賞した『白崎茶会のあたらしいおやつ』(白崎裕子/著 マガジンハウス (市立・成人 596.6//16)もおすすめです。
 この本に載っているレシピは何度も繰り返し作っていて、クッキーやマフィン、蒸しパンやパンケーキなどをどれも米粉で簡単に作ることができます。
 特におすすめはスノーボールというクッキー。本当にすぐに作れてとても美味しいですよ。
 
 冬が近づいてきました。寒くて家から出たくない日は、おうち時間にぜひ、何か作ってみてくださいね。

散歩のお供に

『散歩が楽しくなる空の手帳』 森田 正光/監修 東京書籍 (市立・成人 451//20)

 散歩に出かけたとき、空を見上げることはありますか?
 私は意識しないとあまり見上げません。
 しかし、この本と出合って「散歩」や「空を見上げること」をしてみたくなりました。

 この本は、序章から第3章と「空&雲の雑学」の章で構成されています。
 序章では、「空&雲の基本」を学ぶことができます。
 「雲とは何か?」から説明されているので、空のことを何も知らない状態でも、本を読み進められるようになっています。

 第1章では「四季折々の空&雲」、第2章では「さまざまな雲と大気光学現象」、第3章では「山と海の空&雲」が写真とともに紹介されており、ところどころで空にまつわる俳句も紹介されています。
 写真を見て楽しんだり、俳句を楽しみに読み進めたりすることもできます。
 また、「空&雲の雑学」の章では、「へぇ!」と納得するような雑学が紹介されています。

 ちなみに、読み終わってみて私が好きだなと感じた現象は「環水平アーク」です。
 気になった方はぜひ本をお手に取ってみてください。
 好きな現象を探すもよし、散歩のお供にして、空を眺めて雲の名前を探すのもよし、色々な楽しみ方ができる本です。
 この本を読み終わった後は、きっと散歩に出かけてみたくなりますよ。

私にとっての1つの色は2つも3つも名前を持っていた

『色弱が世界を変える カラーユニバーサルデザイン最前線』 伊賀公一/著 太田出版 (市立・書庫 496.4//11)

 人の網膜は赤・青・緑の3色を見分けることができ、3色の組み合わせで他の色を作っている。
 色弱はその3色のうち1色または2色が見分けにくく、著者である伊賀さんは赤色が見分けにくい。
 
 本書では生まれつき色弱者である著者が、自身が見えている世界や半生を振りかえり紹介している。
 「私にとっての1つの色は2つも3つも名前を持っていた」という言葉が印象的で、巻頭ページでそれぞれの見え方を表す色シミュレータで視覚化されてはじめてピンときた。確かに見えない。
 また、著者は、どんな色の感じ方をしている人にもわかりやすい色使いをするよう勧める仕事をしている団体であるNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構CUDOの理事長(当時)である。
 講演会等に呼ばれることもあり、体験するほうが言葉で説明するより伝わると、著者は色覚の体験ツールをトランクに入れ持ち歩く。
 人気があるのはバリアントールと呼ばれるゴーグル型色弱模擬フィルターで、簡単に色弱者と同じ色の世界を見ることができる。
 かけた人からは「こんなに色の見分けができないとは思わなかった」「なんて不便なの」と驚きの声があがるという。
 巻頭で「よく見て比べてね」「こう見える理由」「ふだんを困ること」「知って貰うために」を通してあらかじめ知ることが出来るので知識がなくとも読めて優しい。
 
 本文のおすすめは舞台照明のバイトのエピソード。色の見分け方に驚き、そんな失敗があったのかと楽しく読めた。

タイムスリップして事件解決!

『大江戸科学捜査八丁堀のおゆう』 山本巧次/著 宝島社 (市立・成人 B913.6/ヤマ/15)

 推理ものや歴史好きな人なら、タイムスリップして事件を解決したいと思った事はありませんか?
 
 この本は現代に生きる関口優佳ことおゆうが、江戸時代にタイムスリップし、現代の科学の力で事件を解決していく物語です。
 江戸時代の証拠品を現代に持ち帰っては、化学分析の専門家である宇田川の力を借りて、解決していきます。
 宇田川の力さえあれば、おゆうの力はいらないんじゃないのと思ってしまいますが、おゆうも女岡っ引きとして、危険な中、体をはって事件を解決します。
 指紋鑑定はもちろんですが、なかにはドローンを飛ばして見事解決する時も。
 いやいや、ドローンはさすがにばれるでしょとおゆうは言いますが(私も思いますが)、宇田川は、昔の人は現代人ほど空を見ないからと、ドローンを飛ばします。
 これだけ怪しい行動をしていたら、周りの人が怪しまないのかと思いますが、八丁堀の役人である鵜飼には、実はばれていたり。
 でも、鵜飼もおゆうたちに秘密があって・・・。
 
 いつも新刊が出ると、次はどんな道具を使って解決するのかわくわくしながら読んでいます。
 皆さんも、自分がタイムスリップしたら、どんな手を使って事件を解決するか、考えてみてください。