図書館スタッフおすすめ本
よい図書館とは?誰がつくるのか?
『行政マンとして図書館員が忘れていること』 内野 安彦/編著 樹村房 (市立・成人 013.1//22)
本書は、図書館で働く人々に向けたメッセージを2部構成で発信しています。
1部は、茨城県鹿嶋市と長野県塩尻市の図書館長を勤めた著者が、市民に愛される図書館づくりに必要な図書館員の役割について、評価対象を市民・役所の同僚・地域の3つに分けて記しています。
2部は、業務委託・指定管理者・直営といった立場の違った4人の図書館長経験者が、個々の経験を元に、図書館員のあるべき姿について描出した論考を収録しています。
図書館の予算が減らされるのはなぜか、どうして図書館は行政内で評価されないのか、行政マンとの良好なパートナーシップを築くにはどうすればいいのか…。
より良い図書館サービスを届けるには、市民は図書館に何を望んでいるのか、市民や地域に適切なアドバイスができるか、地域住民から信頼されるにはどうすればいいのか…。
全く図書館を知らない役所の上層部に、図書館の存在感や有用性を示せなければ、当然人も予算も削られます。正規職員・会計年度任用職員に関わらず図書館員が変わらなければ図書館に期待を寄せる市民を守れません。「図書館員は役所と地域を知らない」と言われないように、図書館員の意識改革が必要なことを痛感させれた1冊です。
著者の下記の図書についても併せて読んでいただきたいです。
『図書館人への言葉のとびら』 内野 安彦/著 郵研社 (市立・成人 010.4//22)
『図書館はまちのたからもの ひとが育てる図書館』 内野 安彦/著 日外アソシエーツ (市立・成人 010.4//16)
『図書館長論の試み 実践からの序説』 内野 安彦/著 樹村房 (市立・書庫 013//14)
へとへとパンって!?
『へとへとパン 小麦粉を使わない白崎茶会のかんたんレシピ』 白崎裕子/著 マガジンハウス (市立・成人 596.6//22)
図書館にはパン作りの本がたくさんあります。
パンを自分で作れたら楽しそう!ふとしたきっかけでパン作りを始めた頃、本を借りてはいろんなレシピでパンを作っていました。
ですが、小麦粉をこねたり、生地を発酵させたり・・・パン作りは面白いですが結構大変。
もっと簡単に作ることができるレシピはないかなと探していたところ、みつけたのがこの『へとへとパン』です。
小麦粉とイーストは使わず、米粉とベーキングパウダーを使うので発酵いらず、材料を混ぜて焼くだけなので思い立ったらすぐに作れそう。
『へとへとなのに、「パンが焼ける・・・・!?」』というフレーズにも思わず笑ってしまいました。
同じ著者で、料理レシピ本大賞2017【お菓子部門】で大賞を受賞した『白崎茶会のあたらしいおやつ』(白崎裕子/著 マガジンハウス (市立・成人 596.6//16))もおすすめです。
この本に載っているレシピは何度も繰り返し作っていて、クッキーやマフィン、蒸しパンやパンケーキなどをどれも米粉で簡単に作ることができます。
特におすすめはスノーボールというクッキー。本当にすぐに作れてとても美味しいですよ。
冬が近づいてきました。寒くて家から出たくない日は、おうち時間にぜひ、何か作ってみてくださいね。
散歩のお供に
『散歩が楽しくなる空の手帳』 森田 正光/監修 東京書籍 (市立・成人 451//20)
散歩に出かけたとき、空を見上げることはありますか?
私は意識しないとあまり見上げません。
しかし、この本と出合って「散歩」や「空を見上げること」をしてみたくなりました。
この本は、序章から第3章と「空&雲の雑学」の章で構成されています。
序章では、「空&雲の基本」を学ぶことができます。
「雲とは何か?」から説明されているので、空のことを何も知らない状態でも、本を読み進められるようになっています。
第1章では「四季折々の空&雲」、第2章では「さまざまな雲と大気光学現象」、第3章では「山と海の空&雲」が写真とともに紹介されており、ところどころで空にまつわる俳句も紹介されています。
写真を見て楽しんだり、俳句を楽しみに読み進めたりすることもできます。
また、「空&雲の雑学」の章では、「へぇ!」と納得するような雑学が紹介されています。
ちなみに、読み終わってみて私が好きだなと感じた現象は「環水平アーク」です。
気になった方はぜひ本をお手に取ってみてください。
好きな現象を探すもよし、散歩のお供にして、空を眺めて雲の名前を探すのもよし、色々な楽しみ方ができる本です。
この本を読み終わった後は、きっと散歩に出かけてみたくなりますよ。
言の葉は死なず
『言の葉は、残りて』 佐藤 雫/著 集英社 (市立・成人 913.6/サト/20)
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見ている影響で手に取ったこの本。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見ている影響で手に取ったこの本。
鎌倉三代将軍 源実朝と、その妻 信子の物語です。
まだ若い二人が出会い、周囲に翻弄されつつも、成長していく姿。
実朝の最期がわかっているだけに、切なさも募ります。
武力ではなく「言の葉」で世を収めることをめざした実朝。
そして、後世に残されていく実朝の「言の葉」。
美しい表紙絵も素敵です。
同筆者の歴史恋愛小説第2弾、茶々(淀殿)と大野治長の物語「さざなみの彼方」もぜひ。
タイムスリップして事件解決!
『大江戸科学捜査八丁堀のおゆう』 山本巧次/著 宝島社 (市立・成人 B913.6/ヤマ/15)
推理ものや歴史好きな人なら、タイムスリップして事件を解決したいと思った事はありませんか?
この本は現代に生きる関口優佳ことおゆうが、江戸時代にタイムスリップし、現代の科学の力で事件を解決していく物語です。
江戸時代の証拠品を現代に持ち帰っては、化学分析の専門家である宇田川の力を借りて、解決していきます。
宇田川の力さえあれば、おゆうの力はいらないんじゃないのと思ってしまいますが、おゆうも女岡っ引きとして、危険な中、体をはって事件を解決します。
指紋鑑定はもちろんですが、なかにはドローンを飛ばして見事解決する時も。
いやいや、ドローンはさすがにばれるでしょとおゆうは言いますが(私も思いますが)、宇田川は、昔の人は現代人ほど空を見ないからと、ドローンを飛ばします。
これだけ怪しい行動をしていたら、周りの人が怪しまないのかと思いますが、八丁堀の役人である鵜飼には、実はばれていたり。
でも、鵜飼もおゆうたちに秘密があって・・・。
いつも新刊が出ると、次はどんな道具を使って解決するのかわくわくしながら読んでいます。
皆さんも、自分がタイムスリップしたら、どんな手を使って事件を解決するか、考えてみてください。