図書館スタッフおすすめ本

三十一文字(みそひともじ)の世界へ

『うたわない女はいない』 働く三十六歌仙/著 中央公論新社(市立・成人911.16//23) 

「食っていけるの? そう笑ってた人たちをシャネルのバッグでいつか撲(ぶ)ちたい」 野口あや子

どこかで紹介されていたこの歌に、一瞬で心をつかまれました。
なんて力強くて、すがすがしい!

この本は、女性歌人35人と一般公募で大賞に選ばれた1人の計36人が、「働くこと」をテーマに短歌と短いエッセーをつづっています。
エッセーがあることにより、歌が詠まれた背景が想像しやすく、短歌になじみのない人にもおすすめです。

「日曜のにぎわいのまま残された寝ている本を起こしてまわる」は、図書館で働く谷じゃこさんの作品。
休館日明けの図書館の風景を詠んだ歌、本を起こしてまわる、という言葉のチョイスに愛を感じます。

花山周子さんの「床の面積」では、子育てと、働くことの現実が。
「下校した娘には休む場所である家であるゆえひろがれる娘」 
「床の面積が心の面積 然れども地獄絵図のごとき床を見降ろす」
外の世界で、少なからず緊張や我慢をしてきたであろう子が、自分の家でのびのびと広がる姿は愛おしい。
愛おしいけど・・・地獄絵図のような床ばかり見てたら、そりゃ眉間にしわもよりますよ。
 
言葉を選び、そぎ落とし、三十一文字に落とし込んだ短歌の世界、ぜひ味わってみてください。

和菓子の愉しみ

『和菓子の愉しみ』 堀部 美奈子/著 翔泳社(市立・成人 596.6//24)

現代の暮らしの中で、和菓子をより豊かに、深く楽しむための知識やアイデアを
集めた一冊です。
和菓子の素材や歴史、技法といった基礎知識はもちろん季節ごとの味わい、五感を使った愉しみ方、自宅でいただく際の器選び、煎茶や紅茶、珈琲との合わせ方。
そして、簡単に作れる和菓子レシピなど、食べるだけでなく、ひとつの和菓子から広がる豊かな体験、心も体も満たしてくれる、和菓子の愉しみ方を提案してくれます。

日々進化していく「新しい和菓子」も紹介されています。
個人作家のお菓子や老舗の新しい取り組みなど、今の暮らしに寄り添う、現代の和菓子との出会いの愉しみがあります。
 
和菓子の見た目の美しさや独特の味わい、奥深さを感じながら、和菓子の魅力を、存分に楽しみたいですね。

エッセーを読もう! ~「読書に関するエッセー」募集開始~

『ベスト・エッセイ2024』 日本文藝家協会/編 光村図書出版(市立・成人 914.6//24)

今年も、「読書に関するエッセーコンクール」の応募が始まりました!

 
エッセーを読むのが初めての方、何を読んだらいいか分からない!という方もいるかと思います。
 
そんな方にオススメしたいのは、日本文藝家協会 編「ベスト・エッセイ」シリーズです!
「ベスト・エッセイ」シリーズには、その年に新聞や雑誌などで発表された中から、厳選されたエッセーが1冊にまとめられています。
 
『ベスト・エッセイ2024』では、くすっと笑える話から深い共感のある話、旅や仕事での出会いの中から、浅田次郎や俳人の夏井いつき、芸人のラランド・ニシダといった多様なジャンルの顔ぶれが、2024年の日常を鮮やかに描き出します。
もちろん、読書に関するエッセーも収録されていますよ。
 
三木那由他「私たちには物語が必要だ」では、フィクションを生きるキャラクターを取り上げ、憧れた過去や、フィクションの中で多様な姿での活躍を描いてくれたら、と願っています。
 
宮内悠介「図書館考」では図書館との思い出と作家としての率直な図書館への想いが書かれていて、図書館を利用される方に読んでもらいたい一編です。
 
また今巻は、作家・大江健三郎や評論家・菅野昭正など亡くなった方への追悼文も数多く掲載されています。
中村文則は、初めて読んだ『個人的な体験』や大江健三郎賞に選ばれた時のことを振り返りながら、大江健三郎への感謝を語ります。
 
 
 
いかがですか。
だんだん、エッセーに興味が沸いてきたのではないでしょうか?
2024年のテーマは「何度だって読みたい本!」です。
ぜひあなたの「読み返したい!」を教えてください。
「読書に関するエッセーコンクール」へのご応募をお待ちしています!
(市立図書館ホームページの別ページが開きます)

「気候変動」がますます悪化すると…

『気候崩壊 次世代とともに考える』 宇佐美 誠/著 岩波書店(市立・成人 519//21)
   セットで読むなら『地球のために今日から始めるエコシフト15』 箕輪 弥生/著 文化学園文化出版局
(市立・成人 519//23)

   25年ほど前だろうか。新聞の広告欄見開きにばーんと載っていたのは清水寺の写真。そして「清水の舞台から飛び込む(?だったと思う)」清水の舞台ぎりぎりまで、なみなみと水が押し寄せている写真だった。もちろん合成。地球温暖化が原因で、海水面が上昇するぞという警告。私は「そんな大げさな…」としか思わなかった。確かに大げさな演出ではあったが、現在の状況を考えると、その頃の私はなぜもっと関心を持てなかったのだろうと思う。本書によると温室効果ガスが温暖化を引き起こすだろうと最初に指摘されたのは1896年だというのに。
  海面上昇によって沈む陸地、生きるために気候変動に適応していかなければならない生き物たち、地球に与える影響は恐ろしい。しかし地球が気候崩壊しないためにも、恐ろしく思っているばかりではいけない。紹介したもう1冊も是非読んでほしい。生活の中で実践しやすい事柄が満載だ。わかりやすく、コンパクトにまとめられている2冊である。

あなたも食べたことがあるのでは?

『日本お菓子クロニクル』 日本懐かし大全シリーズ編集部/編 辰巳出版 (市立・成人 588.3//23) 

 この本を開いたら、皆さん懐かしいと思うのではないでしょうか。
実は、昭和の時代から現代までの、お菓子のパッケージ写真が掲載されているのです。
昔と比べると、パッケージが変化しているものがたくさんあります。
例えば、キャラメルのお菓子で大人気の「グリコ」。
昔と比べて変化しているイメージは無かったのですが、あのばんざいポーズのお兄さんの姿が代わっていたり。
他にも、男の子のパッケージのイメージが強い「ビスコ」。
1933年販売のものだと、なぜか男の子はいません。
その代わりに、「グリコ」のお兄さんがいたりと、「ビスコ」なのか「グリコ」なのか、よくわからない不思議なパッケージの時もあったみたいです。
他にも、イメージキャラクターが、年々変化しているお菓子も沢山ありました。
この本を見ると、昔のパッケージの復刻版が出てくれないかなと、つい期待してしまいます。
皆さんもこの本を見て、子供の頃に食べたお菓子の記憶を思い出してください。