図書館スタッフおすすめ本
ショートショート
『エヌ氏の遊園地』 星新一/著 新潮社 (市立・成人 B/913.6/ホシ/13)
みなさんは「星新一」という人を知っていますか?
星新一とは、SS(ショートショート)という数ページから数十ページで読める短い作品を多く生み出した人物です。
「昔、教科書で作品を読んだことがあるかも」という人が、いるかもしれません。
その作品には、美人のロボットが登場しましたか?
それとも、なんでも飲み込みそうな大きな穴の話だったでしょうか?
今回私が紹介するのは、全ての作品に「エヌ氏」という人物が登場する『エヌ氏の遊園地』です。
この本の中では、探偵や博士などのエヌ氏たちが、事件に巻き込まれたり、何かを開発したりと色々な形で活躍しています。
また、エヌ氏に注目して読むだけでなく、どれも短い物語なので、
「この話はどう終わるのだろう?」
「あと3ページしかないけれど、この話はちゃんと解決するのかな?」
などと、考えながら読んでも楽しめます。
星新一の作品は「面白い話が読みたいけれど、長い小説は読むのが大変!」と思っている人にオススメです。
なんと1つの作品が、ほんの数分で読めちゃいます。
また、文庫サイズの本なので、どこかに行く移動中や、寝る前の数分でたっぷりと楽しむことが出来ます。
今回紹介した本だけでなく、星新一の作品はどれも面白い内容ばかりです。
小さなスマートフォン1つで電話、メール、音楽などが簡単に楽しめる時代になった今だからこそ、少し不思議でかなり面白い近未来が広がる星新一ワールドにぜひ一度、足を踏み入れてみてください。
四日市コンビナート夜景
『四日市コンビナート夜景』と『四日市コンビナート夜景 プレミアム写真集』
島崎守/写真 四日市観光協会 (市立・地域 L292//16,L509//16)
四日市市立図書館2階の地域資料室には、四日市コンビナートの夜景"写真集"が2冊ある。
ひとつはA3サイズ、もうひとつはA4サイズで”プレミアム写真集”というタイトルがついている。
A3サイズの『四日市コンビナート夜景』は、装置の大きさや本のサイズもあって大迫力。配管やタンクを写真一杯に写し、スポットライトにあたる重厚な装置の渋さを見事にとらえている。
A4サイズの『四日市コンビナート夜景 プレミアム写真集』は、プレミアムというだけあって盛りだくさん。装置をとらえつつ、風景との共演が見事の一言に尽きる。共演となる顔ぶれは、花火、道路、河川、雲や煙。雲や煙とは?と思われるかもしれないが、雲や煙の動きがあるだけで、近未来的な渋さから幻想的な場所へと風変わりする。パラパラとめくっていた私が思わず手を止めてしまったほど。
どちらも貸し出しはできませんが、地域資料室でご覧いただけるので、ぜひ、手にとって見てみて下さい。
本書を見て工場鑑賞がしてみたくなった方は、『工場萌え』 (市立・地域 L509.2//07) がオススメ。工場鑑賞のための5W2Hが載っていて、鑑賞の時期から必要な持ち物、見どころを紹介しています。
武四郎の一畳敷
『幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷』 INAX出版 (市立・成人 289/マツ/10)
「北海道の名付け親」としてよく知られる松浦武四郎は、全国各地を旅して歩いた人でした。
「一畳敷」は、彼がその晩年に造った書斎のことで、畳一枚分から成る空間です。この建物の各所には、熊野本宮大社の古材を天井にしたり、法隆寺の古材を書棚にしたりと、武四郎が諸国の友人を通じ集めた様々な木片が部材として使われています。
本書『幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷』は、同名の展覧会に併せ刊行された書籍です。一畳敷の他、武四郎の著作や収集品を多数の図版を用いて紹介しています。デザイン面にも趣向が凝らされた一冊ですので、まずは一度手に取ってページをめくってみてください。
『のほほん風呂』
『のほほん風呂』 たかぎなおこ/著 産業編集センター (市立・郷土 498.3/ /郷土)
まだまだ寒いこの季節、温かいお風呂に入るのは至福のひと時です。たまには入浴剤を使って気分を変えてみたいなと思っていたところ、うちにある材料で手軽に変わり風呂を楽しめる本をみつけました。
春夏秋冬それぞれの季節のお風呂を紹介するこの本は、著者自らが材料を準備するところから始まり、その効能や入った感想なども書かれていて、お気に入り度を☆で評価。花びらを拾うのが大変なサクラ風呂や、乳臭さに困った牛乳風呂なんていうものもあり、ちょっぴり笑ってしまいます。さらにはお風呂にまつわる雑学や思い出、美容や健康法なども紹介されていて、この1冊で色々と楽しむことができますよ。
著者のたかぎなおこさんは三重県出身のイラストレーター。
『150cmライフ。』『マラソン1年生』などたくさんの著書があります。本は2階郷土作家コーナーにあり、貸出中であることが多いですが、貸出できる本と同じ本を禁帯出(館外持ち出し不可の本、赤いシールが貼ってあります。)の本としてそれぞれ1冊ずつ所蔵しており、館内でいつでも読むことができます。
『のほほん風呂』を読みに、2階郷土作家コーナーに来てみませんか?
★郷土作家コーナーは、四日市ゆかりの作家10名の著作を集め、貸出を行っています。
日本史も世界史も学びたい方へ
『一気に同時読み!世界史までわかる日本史』 島崎 晋/著 SBクリエイティブ (市立・成人 210.1/ /17)
『オールカラー図解日本史&世界史並列年表』 歴史の読み方研究会/著 PHP研究所
(市立・成人 203.2/ / 16)
「世界史」と「日本史」。同じ時代の歴史であっても、中学や高校の授業では、それぞれ別々に習いましたよね。幼い頃から大河ドラマを欠かさず見ていた日本史好きの私ですが、カタカナ表記の人名や地名が覚えられないせいなのか、学生時代は世界史が大の苦手でした。
大人になって、今さら試験を受けることもないような気がしますが、自分の世界史の弱さに何となく引け目を感じていた時、この本に出会いました。どちらも日本史と世界史を並列した、年表やデータで、比較しながら読めるものです。
日本で豊臣秀吉が政権を握っていた頃、イギリスではエリザベスⅠ世の統治下でシェイクスピアが活躍していた!
北条早雲が小田原城を奪取した頃、コロンブスがアメリカに到達した!
誰もが知っているあの人が活躍した時、あんな事件があったとき、日本では、世界では、どんなことがあったのでしょう。楽しみながら歴史を学び直せる本です。