図書館スタッフおすすめ本

本当はすごいぞ三重!


  図書館2階にある地域資料室には、県内の市町史・県史をはじめとする郷土の資料がたくさんあります。今回はその中から、誰にでも気軽に読める3冊の本を紹介します。
 これらの本を読んだ方が、三重のことを少しでも知り、三重を通じて楽しい気持ちになっていただければ幸いです。今年は、伊勢志摩サミットが開催されます。三重を好きになって、三重を誇りに思ってほしいと思います。


◎『三重あるある』 金木 有香/著 TOブックス (市立・成人 361.4/ /14、 地域 L290/ /14)
 この本には、238もの三重に関する「あるある」が登場します。共感できるネタもあれば、初めてきくネタもあるかも知れません。

  ・中日が優勝すると「燃えよドラゴンズ」を口ずさむ自分がいる。
  ・人口当たりのミニストップ店舗数が全国一多い。
  ・炊き込みご飯のことを「味ご飯」というのは標準語だと思っていた
  ・「ちょけとったらあかんに~」「おおきん」「もらいものは『めぼ』『めんぼ』」

◎「三重のおきて」 三重県地位向上委員会/編 東京 アース・スターエンターテイメント (市立・地域 L290/ /15)
 サブテーマに「ミエを楽しむための48のおきて」と書いてあります。

 ・赤福は三重県民のソウルフード
 ・イオンのことをいまだにジャスコと呼んでしまう。

◎「三重の法則」 三重の法則研究委員会/編 (市立・地域 L290/ /15)  

 三重県民がうなずく「あるあるネタ&うんちく300」が掲載されています。
 東海なの?関西なの?存在感は薄いが本当はすごいぞ三重!

頑張れと言えない時代ですが、頑張ってみようとする方へ

「栄光の岩壁」 新田次郎/著 新潮社 (市立・成人 B/913.6/ニツ/12)

 実在の登山家であった芳野満彦(1931-2012年)をモデルにした小説です。
 主人公は、1948年(昭和23年)高校2年生の時に八ヶ岳の主峰赤岳で遭難。凍傷で両足の指全部と土踏まず部分の半分を失い、足の大きさは12センチになりました。しかし、歩く登山は困難でも、両手が使える岩登りなら、もう一度山の頂に立つことができると考え、未踏峰の岩壁に挑戦していきました。
 1957年(昭和32年)3月の前穂高岳IV峰正面壁積雪期初登攀(はつとうはん)など多くの初登攀を記録し、1965年(昭和40年)、渡部恒明とともにマッターホルン北壁の日本人初登攀を達成するなど、不屈の精神で登山を続け、「5文足のアルピニスト」と尊敬の念を込めて呼ばれました。

 現在のシニア層の方の中には、若い頃に新田次郎のこの作品や「銀嶺の人」「孤高の人」などを読んだことがきっかけで、山登りを始めた方も沢山みえると思いますが、私は20代の頃にこの作品に出会い、ずいぶん勇気を頂きました。
 今は他人に頑張れと言えない時代ですが、自分で頑張ってみようとする方へお奨めします。

美酒と文学の豊穣な世界へ!


『酔っぱらい読本[正] 』 吉行淳之介/編 講談社 (市立・成人 B/596.7/ /12)
『酔っぱらい読本 続 』 吉行淳之介/編 講談社 (市立・成人 B/596.7/ /13)
『最後の酔っぱらい読本 』 吉行淳之介/編 講談社 (市立・成人 B/596.7/ /14)

これらの3冊の本は「酒」が織りなすアンソロジーです。
阿川弘之、井伏鱒二、内田百間、遠藤周作、大岡昇平、北杜夫、小林秀雄、小松左京、佐多稲子、佐藤春夫、瀬戸内晴美、高橋和巳、田辺聖子、檀一雄、永井龍男、野坂昭如、萩原朔太郎、星新一、堀口大學、丸谷才一、室生犀星、安岡章太郎、山口瞳、李太白…。
古今東西の作家らによるエッセイ・詩に加えて、落語、イラストレポート、吉行淳之介の架空対談も掲載されています。酒にまつわるエピソードから作家たちの隠された素顔が現れる…作家たちの人生物語。酒への趣向を綴ったほろ酔い文学の豊穣な世界を心行くまで堪能してください。

文の名手は食も極める!作家たちをめぐる食にまつわる話は、まだまだ尽きません。
以下の本も合わせて読んでいただければ幸いです。

『文人御馳走帖 』  嵐山光三郎/編  新潮社 ( 市立・ 成人 B/918.6/ /14)
食と酒の話を厳選したアンソロジー。芥川龍之介、川端康成、幸田露伴、坂口安吾、高村光太郎、種田山頭火、堀辰雄、宮沢賢治、森鴎外らの作家18人の小説と随筆34編を収録。

『作家のごちそう帖  悪食・鯨飲・甘食・粗食  』  大本泉/著  平凡社 (市立・成人 910.26/ /14)
開高健、志賀直哉、太宰治、永井荷風、夏目漱石、林芙美子、正岡子規、吉田健一…。文学史に名を残す総勢22名の作家が愛した食から、その知られざる素顔と人生に迫る。

古墳ってかわいい

『奈良の古墳』 まりこふん著 淡交社 (市立・成人 210.2/ /15)

 「古墳をゆるく楽しく愛でる」をモットーとする「古墳にコーフン協会」、その会長を務める
まりこふんさんによる古墳本。

 堅苦しい知識は一切必要ありません。”土ッ器土器(ドッキドキ)”、”最古~(サイコ~)”等の独自の造語も飛び交う、まさしく「ゆるく楽しく」、しかし溢れんばかりの古墳愛に満ち満ちた本です。

 なんとなく古墳が好きだった、でも専門的な知識は苦手。そういう方はぜひ手に取って見てくださ
い。こんな風に古墳が好きでも良かったんだ、と感じさせてくれますよ。

暖かい食べ物でほっこり

「食べるクスリ おかゆ」 崔 智恩(チェ チウン)/著 (市立・書庫 498.5/ /10)

 先日、家族が風邪をひきました。鼻水がひどくガラガラ声で、咳も頻繁に出るようになってきました。かろうじて熱はないものの、この前も同じ症状に始まって熱を出し、寝込むはめになったところです。まずい!今回はそうなる前に何とかせねば・・・病院で診察も受け、薬も出してもらいました。あとは本人のがんばりに期待するだけですが、何か私にできることはないだろうか。

  そんな時、ふと一冊の本のタイトルが私の目にとまりました。「食べる クスリ・・・」。これで何とかなるかもしれない。急いで読んでみました。目次を見てみると“咳が止まらない時”、“のどがイガイガしてきたら”など、今の私にうってつけの内容です。さっそく、ほうじ茶のおかゆをためしてみました。 おかげさまで、かぜの症状も少しずつ良くなっていきました。おかゆの効果は定かではありませんが、毎日の食事が大切なんだということをあらためて思い出させてくれる一冊となりました。

 また、この本は分量もわかりやすく書かれており、おかゆの基本から説明してくれているので初心者にも向いています。何となく体調が良くないなあと感じている人は、ぜひおためし下さい。