図書館スタッフおすすめ本

婚活男子必読!

『はじめての男の婚活マニュアル』 男の婚活研究会/著 秀和システム (市立・成人152.2/ /15)

 婚活。
 その門をくぐるには、ただでさえ一抹の恥ずかしさが漂うというのに、蛮勇をふるってこの旅に乗り出すと、そこには、数えきれないほどの、男の悔しさ、男の無念さ、そして、やり場のない男の怒りが、打ち捨てられています。
 なぜか。
 それは、大抵は男の側に原因があります。

 男は、力を入れれば入れるほど、頓珍漢なことをしてしまう。
 しなくてもいいことに心血を注ぎ、しなければいけないことに配慮が行き届かず、その結果、「ごめんなさい。」の大山脈を築いてしまうのです。

 この本は、自分を偽って、仮面を被れと言っているのではありません。
 他人から必要とされる人間になるためには、こういった点を努力した方がいいよと、アドバイスしてくれる本です。
 仕事に置き換えても役立つことが書いてあります。

 仕事の本だと自分に言い聞かせて、恥ずかしくても、ぜひ手に取ってみてください。
 本の分類番号は、152.2。
 倫理学・道徳の本が並ぶ、分類番号150番台の棚を見てください。
 倫理や道徳の本を読みに来たと思えば、恥ずかしくないでしょう。

 また、自動貸出機で本を借りれば、何を借りたか、他人には分かりません。
 雑誌コーナーの一番、貸出カウンター寄りに、貸出機があります。
 自動貸出機は、バーコードさえ読み取れればよいので、周りが気になる人は、本の題名を隠して、貸出機に置いてもいいですよ。

 この本が広く読まれて、婚活で泣く男性を一人でも少なくできればと願っています。
 婚活失敗歴うん十回の男より。

語り継がれる昔話

『日本昔話百選』  稲田 浩二,稲田 和子/編著 三省堂 (市立・児童388/ /研究)(点字・録音資料室 録音図書)

 15年程も前の、まだ子どもが小さかった時です。
 毎夜、絵本の読み聞かせタイムを楽しみにしていてくれる子どもに、そろそろ、言葉の持つ力だけで想像できるようになって欲しいと思いました。

 それなら、日本の昔話をしてあげたいと選んだ本が『日本昔話百選』でした。
 ずっと語り継がれてきた地方の、飾りけのない暮らし言葉で百の話が採話されています。
 それでこそ、人生を戦いぬき、愛してきた人々の心がこもり、未来ある幼な子の心に語りかけるのです。

 「なんと昔があったそうな。むかし、じいさんとばあさんがおったそうな…… むかしこっぽり。」
 子どもに話してあげながら、いつのまにか私が、日本の豊かな風景や心で一杯に満たされていきました。

 今も私の本棚にある、そして皆さんにおすすめしたい本です。

都道府県の持ちかたってナニ?

『都道府県の持ちかた』 バカリズム/著 ポプラ社 (市立・成人049/ /12)

小学校の頃、都道府県を覚えるのに苦労した思い出のある方は多いと思います。
当時、この本に出合っていれば…と思える程、都道府県がおもしろく紹介されています。

著者バカリズムさん独特な感性で、今まで考えたこともなかったような持ちかたを教えてくれています。
持ちかたポイントも笑ってしまいます。
 

基本データも掲載されており、都道府県の特長、人口、産業なども知ることができ、大人の方からお子さんにもお勧めです。
 

個人的に、三重県の持ちかたが、一番かっこいいですね。

介護の夢と現実を知りたきゃ、これを読め

“介護の夢と現実を知りたきゃ、これを読め 公務員の夢と現実を知りたきゃ、これを読め”

『ヘルプマン!』(1巻~27巻) くさか里樹/著 講談社 (市立・成人726.1/クサ/)

 この本は、一人でも多くの方が介護の世界に入って来てほしいとの切実な願いを込めて、ご寄贈いただきました。
 皆さん、特に学生さん、ぜひ手に取って読んでください。漫画ですから、読みやすいと思います。


 私がこの本をお薦めするのは、介護の尊さ・素晴らしさだけを描いていないからです。むしろ、介護の厳しさ・残酷さを描いた場面の方が、はるかに多いです。
 もし私がこの本を学生の時に手にしていたら、私は介護の道には進まなかったと思います。私のような軟弱者には、この厳しさを乗り越えるだけの根性や覚悟がありません。


 だからこそ、若い人には、この本を読んでほしい。この本を読んで、自分には無理だと思ったら、別の道を探した方が良いと思います。
 この本を読んで、よし、私はこの世界で頑張ってやる!、と意気込める人には、ぜひ、介護の道に進んでほしいのです。
 覚悟を持った元気な若人を、介護の世界は求めています。


 あと、若い人と公務員の皆様。この本の26巻と27巻を、ぜひ読んでください。
 私には、ここに描かれていることが、フィクションや演出とは思えない。公務とは何かについて、核心を突いた問題提起をしていると思います。
 26巻と27巻を読んで、よし、私はこの世界で頑張ってやる!、と意気込める人には、ぜひ、公務員の道に進んでほしい。


 さて、この本は、漫画という表現形態に着目して、芸術(700)の分野で、絵画(720)に属する、漫画・挿絵・童画(726)に分類し、その番号が並ぶ棚に並べました。
 この本との出会いを求めて図書館へみえたら、分類番号(726)の本が並ぶ棚の位置を職員に尋ねるか、本棚側面に表示した緑色の分類番号を目安に、書架までいらっしゃってください。


 この本が、文字主体で表現された出版物であれば、社会科学(300)の分野で、社会(360)に属する、家庭(367)や社会福祉(369)に分類したでしょう。
 このあたりの話は、別の本をご紹介する時に、ご説明できればと思います。
 それでは、今日はこの辺で。


 

タスキをつないで

『風が強く吹いている』 三浦しをん/著 新潮社 (市立・成人913.6/ミウ/ )

 本書は箱根駅伝にむけての弱小陸上部の群像青春物語です。

 エリートアスリートとは違う個性豊かな10人が監督も、サポートをしてくれるスタッフもいない中、独自の練習メニューで箱根駅伝を目指します。
 10人につけられたニックネームはとてもユニークで、各人の個性、エピソードにあっています。それぞれに与えられた課題を乗り越えて成長していく若者の姿、そして箱根駅伝の当日、タスキをつないでいく先に待っているそれぞれ思いを描いています。

 本書を読んだあとにテレビで見る箱根駅伝。上位、下位のチーム、有名、無名の選手を誰しも応援したくなるそんな一冊です。