図書館スタッフおすすめ本
ランランラン♪ ―自分なりの楽しみ方を見つけよう!―
『マラソン1年生』 たかぎなおこ/著 メディアファクトリー ( 市立・郷土作家 782.3/ /郷土)
動きやすい服と運動靴があれば、気軽に始められるランニング!
家の周りや公園を走れば、お金もかかりません。
しかし、走ることを敬遠する人は多いのではないでしょうか?
「だってしんどいもん。」
待って待って、それって昔のイメージが残っていませんか?
学生時代に、走りたくなくても走らされる、体育の授業。
タイムを計られ、競い合うマラソンのイメージ・・・。
こうしなきゃいけないと縛られる必要はないんです。
自分のペースで走ってみませんか?
お気に入りの音楽を聴きながら、お友達とおしゃべりをしながら、季節を感じながら、あなたなりの楽しみを見つけながら。
そんなラン生活のおともに『マラソン1年生』を読んで、楽しみ方を広げてみませんか?
そして、『マラソン2年生』( 市立・郷土作家 782.3/ /郷土)、『まんぷくローカルマラソン旅』( 市立・郷土作家 782.3/ /郷土)、『海外マラソンRunRun旅』( 市立・郷土作家 782.3/ /郷土)と、著者たかぎなおこさんのマラソン道は続きます。
四日市市出身で親しみあふれるお人柄のたかぎなおこさんの、ポップで読みやすいイラストエッセイです。
もちろん走らない人も読むだけで楽しめます。
どんな場所へ行って、どんな人に出会って、どんな冒険があるんだろう。
いつのまにか、走ることが好きになるかもしれません。
クモの網に出会う
この本には、クモの網の標本の写真がたくさん掲載されています。(住まいではなく餌を獲るためのものなので、「巣」ではなく「網」と呼ぶのだそうです。)そしてその写真をもとに、その網を張るクモや、網の構造についてが紹介されています。
この本を読んだ後には、例えば道端の用水路に張られているクモの網の多さに気付いたり、夕方の軒先に網を張るクモの動きが見守られたり、ジョロウグモの網を見つけふと足を止めたりという、ちょっとだけ新しい日常が始まる?かもしれません。
“内澤旬子”という人
内澤旬子/著
『世界屠畜紀行』 解放出版社 (市立・成人648.2/ /07)
『身体(からだ)のいいなり』 朝日新聞出版 (市立・成人916/ウチ/11)
『飼い喰い 三匹の豚とわたし』 岩波書店 (市立・成人645.5/ /12)
『捨てる女』 本の雑誌社 (市立・成人916/ウチ/13)
ずっとわたしが目が離せないでいる人、それが、内澤旬子という人です。
2007年に出版された『世界屠畜紀行』が話題となり、わたしもその時にその存在を知ることとなりました。
こちらの本は、実際に著者自らが世界のさまざまな屠畜場を訪れて、動物たちが肉になるまでの様子をイラストで紹介しています。
その時に、著者に興味を持って他にエッセイのようなものは出ていないのだろうかと探したのですが、その頃は出版されていませんでした。
そして、忘れた頃に手にすることができたのが、待望のこちらのエッセイです。
『身体(からだ)のいいなり』。著者の乳がん闘病記です。
とにかく、こんな闘病記は今まで読んだことがない!という衝撃でした。
その後も、実際に自分で豚を飼って食べるという、これまた衝撃の体験ルポ『飼い喰い』や、ありとあらゆるものを捨てに捨てまくるエッセイ『捨てる女』など、毎回期待をして読んでもさらなる衝撃が待っている内澤さんの世界からここ数年ずっと目が離せないでいます。
衝撃的で痛快な内澤旬子さんの世界を、怖いもの見たさ、でぜひのぞいてみて下さい。
“香りに挑戦!?”
『アロマテラピーの基本』 枻出版社 (市立・成人499.8/ /13)
シャンプーや衣類の柔軟仕上げ剤など、普段の家庭生活の中でも気軽に香りを楽しむことが一般的になってきました。香水やオーデコロンなどは苦手で、勝手に自分は無香料派であると決めていました私でしたが、ある日何となく使ってみた食器用洗剤にお気に入りの香りを発見!香りも時には良いものだと実感していたところ、アロマテラピーは、科学的にも研究されており、医療的な効果も期待できるものだと聞き、試してみたくなりました。
初心者向きでわかり易くまとめられたものがないか探してみたところ、この本を見つけました。
芳香器(ディフューザー)の選び方から、精油(エッセンシャルオイル)の組み合わせに至るまで、いろいろと網羅されている割にシンプルに短くまとめられていて、ちょっとした注意点も書かれており参考になりました。
まずさっと読んで色々な使い方を知り、次に、図鑑のように効能を見ながら気になる香りをチェックしています。組み合わせを考えたりして読むだけでも楽しめますが、今度機会があればお店を覗いて、好きなディフューザーを探してみたいと計画中です。
隣に神様のいる世界=神去村(かむさりむら)
『神去なあなあ夜話』 三浦しをん/著 徳間書店 (市立・成人913.6/ミウ/)
このお話、都会の高校を卒業した若者が、なぜか何もない山奥の林業に就職し、人として成長していく物語であることは、皆様ご承知のことかと思います。
「山ではなにが起こるかわからない。最後は神頼みしかないんだよ。」
「山のもんを、ひとの住む場所にいれてはあなんねぃな。山は山、ひとはひとや。俺たちは山にお邪魔させてもらっとるんや、ちゅうことを忘れては、神去の神さんに怒られるねぃな。」
三重県美杉村を題材とした「神去なあなあ日常」「神去なあなあ夜話」。読み返してみると、やはり、内容の面白さ、楽しさは、「なあなあ」の世界に住む住人の心の在り様にあると思います。
「なあなあ」を「まあまあ」「大体」と言い換えれば、一部分の正解でしょうが、林業という自然の中での営みは、最後は神頼み、神様の掌の中の営みであり、人間社会の営みの結果は「なあなあ」にしか過ぎないと感じさせてくれます。
志摩の生まれの私は、小さいころから聴かされた言葉、「板子一枚下は地獄」という、海を生活の場にしてきた人々の心の在り様の中で育ちました。「お盆を過ぎたら潮あびに行くな、サメが来るぞ。」引き潮の強くなる時期を子どもにそう教えたのでしょうか。
おやかた(社長)の一人息子、山太のごとき少年だった私にとって、山と海という世界は違っても、50年の前の日常を追体験させてくれます。
第三弾を心待ちにしているのは私だけではないと思いますが、「なあなあ」と待ちましょう。その前に、映画も公開されますので、それも楽しみにしています。